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婚約破棄に向けて
私はヒロイン ドロシー視点
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今日も私はヒロインを演じる。子供の頃はすぐ熱を出すそんな子だった。
10歳を越えたあたりから、普通に出かけたり、遊びに行ったりできるようになった。熱ばかり出していた時はお父様もお母様も私にすごく優しくしてくれた。
でも寝込まなくなってからはいつも勉強やお裁縫、ダンスの練習ばかり。始めは頑張っていたけどなかなか上達しなくて、いつも怒られてばかりの私を見るに見かねてお母様はお茶会に連れて行ってくれた。
貴族と言っても下級貴族なので、だいたいお茶会で集まるのは、騎士爵や、準男爵、男爵、子爵くらいまでの奥様や子供たちばかりだ。お茶会に行くと、はじめはみんなチヤホヤしてくれる。私があまりお茶会に出なかったというのもあっただろうけど…でもチヤホヤされるのは悪い気分じゃなかった。
お茶会に顔を出すようになって2年くらい経った頃だろうか。だんだんと疎遠になって行ったのは…。周りのみんなが婚約の話を始めたときだ。
この国では、早ければ10代前半くらいから婚約する人が増えてくる。勿論もっと早い人も中にはいる。特に、家督を告げない人たちは焦って探している。
でも私に声をかけてくれるひとは全然いなかった。なぜか不思議に思ってお母様に聞いてみると
「当たり前よ。あなたお茶会に行くようになってから全然勉強もしないじゃない。貴族の娘である以上ダンスは絶対できないといけないわ。何回も今まで行ってきたでしょう?」
確かに何回も言われていた。でもお茶会に行くとチヤホヤしてもらえるのが嬉しくて、お母様のいうことを聞いてこなかったのだ。
「あなたは自分で婚約者を見つけなさいね。小さい頃に甘やかしてしまった私たちの責任でもあるから少しは協力してあげるけど、自分であなたでもいいという方を見つけていらっしゃい。」
そう言って部屋を出て行かれた。
周りはみんな婚約者がいて、お茶会に行っても1人なのは自分だけだ。
「婚約ってことはまだ結婚してないわよね。なら奪っちゃえばいいのよ!確か本で略奪愛の本あったわ!」
家の本棚を探して略奪愛の本を探す。そこには私のような可哀想なヒロインがいた。
「この本ヒロインのように動けば私も婚約者ができる。」そう思ってお茶会で色々な男性に声をかけだした。
お母様から貴族院を卒業するまでに婚約者ができない場合は、商家の家の人と結婚する可能性もあることを伝えられて余計に急がないといけないと思った。
でもお茶会で何回話しかけてもだれもふりむかなかった…。そんな時だ。あるお茶会でパトリシアを見つけたのは。私も自分の顔に自信があったけど、それ以上に目を惹く容姿でみんなが魅入るほどの美しさだった。
そこで私はおもいつく。
「顔が綺麗な人が悪役をしてくれることで私の略奪は成功気がするわ。」そして調べる始めるとトーマス様という方がパトリシアの婚約者だとわかった。
トーマス様は女癖が悪く色んな人と遊んでいた。それはよく街に行くと見かけていたのですごい覚えてる。
パトリシアの前ではいい人みたいだけど町にいる時は横暴だし、毎日女性が違うし、パトリシアの悪口を言っていた。
家に帰りお父様にトーマス様とお近づきになりたいことを伝えたら、お父様は笑顔で頷いてくれた。ハマー家は商人だった頃からから贔屓にしてくださっていたらしい。
ハマー家との商談の時に私を連れて行ってくれた。
そこから少しずつ私もは略奪愛の本に出てくるヒロインを演辞始めた。
「私にはトーマス様しかいない。」
「トーマス様が好きなの」
「トーマス様に会いたい。」
そんな言葉をトーマス様に伝える。町中でも偶然会うような環境を作ったりしてみた。お母様は呆れていたがお父さまだけは味方でいてくれた。
トーマス様に会ってから数ヶ月。はじめは渋っていたトーマス様もだんだんその気になって来てくれて、学院に通い始めた頃には私のことばかり見るようになってくれた。
学院に行き始めると同じ学年にパトリシアがいて、これはチャンスだとおもった。
「私のことをいじめるの。」
「私の教科書を破いたの。」泣きながらトーマス様に伝えるとトーマス様は「パトリシアがそんなことをするなんて思わなかった。見損なった。」といいながら抱きしめてくれた。
トーマス様の心がパトリシアから離れていくのはすごく気持ちが良かった。
10歳を越えたあたりから、普通に出かけたり、遊びに行ったりできるようになった。熱ばかり出していた時はお父様もお母様も私にすごく優しくしてくれた。
でも寝込まなくなってからはいつも勉強やお裁縫、ダンスの練習ばかり。始めは頑張っていたけどなかなか上達しなくて、いつも怒られてばかりの私を見るに見かねてお母様はお茶会に連れて行ってくれた。
貴族と言っても下級貴族なので、だいたいお茶会で集まるのは、騎士爵や、準男爵、男爵、子爵くらいまでの奥様や子供たちばかりだ。お茶会に行くと、はじめはみんなチヤホヤしてくれる。私があまりお茶会に出なかったというのもあっただろうけど…でもチヤホヤされるのは悪い気分じゃなかった。
お茶会に顔を出すようになって2年くらい経った頃だろうか。だんだんと疎遠になって行ったのは…。周りのみんなが婚約の話を始めたときだ。
この国では、早ければ10代前半くらいから婚約する人が増えてくる。勿論もっと早い人も中にはいる。特に、家督を告げない人たちは焦って探している。
でも私に声をかけてくれるひとは全然いなかった。なぜか不思議に思ってお母様に聞いてみると
「当たり前よ。あなたお茶会に行くようになってから全然勉強もしないじゃない。貴族の娘である以上ダンスは絶対できないといけないわ。何回も今まで行ってきたでしょう?」
確かに何回も言われていた。でもお茶会に行くとチヤホヤしてもらえるのが嬉しくて、お母様のいうことを聞いてこなかったのだ。
「あなたは自分で婚約者を見つけなさいね。小さい頃に甘やかしてしまった私たちの責任でもあるから少しは協力してあげるけど、自分であなたでもいいという方を見つけていらっしゃい。」
そう言って部屋を出て行かれた。
周りはみんな婚約者がいて、お茶会に行っても1人なのは自分だけだ。
「婚約ってことはまだ結婚してないわよね。なら奪っちゃえばいいのよ!確か本で略奪愛の本あったわ!」
家の本棚を探して略奪愛の本を探す。そこには私のような可哀想なヒロインがいた。
「この本ヒロインのように動けば私も婚約者ができる。」そう思ってお茶会で色々な男性に声をかけだした。
お母様から貴族院を卒業するまでに婚約者ができない場合は、商家の家の人と結婚する可能性もあることを伝えられて余計に急がないといけないと思った。
でもお茶会で何回話しかけてもだれもふりむかなかった…。そんな時だ。あるお茶会でパトリシアを見つけたのは。私も自分の顔に自信があったけど、それ以上に目を惹く容姿でみんなが魅入るほどの美しさだった。
そこで私はおもいつく。
「顔が綺麗な人が悪役をしてくれることで私の略奪は成功気がするわ。」そして調べる始めるとトーマス様という方がパトリシアの婚約者だとわかった。
トーマス様は女癖が悪く色んな人と遊んでいた。それはよく街に行くと見かけていたのですごい覚えてる。
パトリシアの前ではいい人みたいだけど町にいる時は横暴だし、毎日女性が違うし、パトリシアの悪口を言っていた。
家に帰りお父様にトーマス様とお近づきになりたいことを伝えたら、お父様は笑顔で頷いてくれた。ハマー家は商人だった頃からから贔屓にしてくださっていたらしい。
ハマー家との商談の時に私を連れて行ってくれた。
そこから少しずつ私もは略奪愛の本に出てくるヒロインを演辞始めた。
「私にはトーマス様しかいない。」
「トーマス様が好きなの」
「トーマス様に会いたい。」
そんな言葉をトーマス様に伝える。町中でも偶然会うような環境を作ったりしてみた。お母様は呆れていたがお父さまだけは味方でいてくれた。
トーマス様に会ってから数ヶ月。はじめは渋っていたトーマス様もだんだんその気になって来てくれて、学院に通い始めた頃には私のことばかり見るようになってくれた。
学院に行き始めると同じ学年にパトリシアがいて、これはチャンスだとおもった。
「私のことをいじめるの。」
「私の教科書を破いたの。」泣きながらトーマス様に伝えるとトーマス様は「パトリシアがそんなことをするなんて思わなかった。見損なった。」といいながら抱きしめてくれた。
トーマス様の心がパトリシアから離れていくのはすごく気持ちが良かった。
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