え？私、悪役令嬢だったんですか？まったく知りませんでした。

婚約破棄に向けて

生徒会室。

マーティン様の幼馴染というレン様も一緒に生徒会室へ向かう。恐らく生徒会室のほうがゆっくり話すことができるからだろう。マーティン様が生徒会というのは以前ミーナから聞いていたので知っていたが、まさかレン様も生徒会役員だとは知らなかった。
トーマスが騒いでくれたおかげでもしかしたら婚約破棄もいい方向に進むのではないかと思うとちょっとだけ気持ちが楽になる。あとは、あの二人の関係がもう少し詳しくわかるといいんだけど...こればかりはなかなか難しそうだ。
色々考えていると生徒会室についた。

生徒会室につくと、他に二人の男性がいる。
「改めまして、先ほどはありがとうございました。私ジェード伯爵の娘、パトリシア・ジェードと申します。よろしくお願いいたします。」深々とお礼を伝える。私が自己紹介をすると生徒会の方々も挨拶を返してくれた。普段から顔を覚えられない私は必死になって顔と名前を一致させる。
一人目はマーティン・ルミナー。ルミナー公爵家の三男だそうだ。同じクラスの一人でよく隣の席に座ってくる。身長は190㎝くらいだろうか。シルバーブロンドの髪色で、目はきれいなエメラルドグリーンの色をしている。
二人目はルイス・ロンド。ロンド伯爵家の長男だけど末っ子らしい。お姉さまが3人いるそうだ。隣のクラスで実は今日のお昼休憩の騒動を見ていたらしい。みんなが見ていないのにもかかわらずトーマスとドロシーはあつく抱き合っていたそうだ。誰が止めるかと思っていた矢先、先生が現れて、「何をしている。大バカ者が！」って怒られていたと教えてくれた。先生のおかげで少しすっきりした気がする。170㎝くらいで私より少し高いくらい身長だ。ピンクブロンドの髪色に、空のような透き通った水色の目をしている。
3人目はクレイン・バッハー先輩。バッハー侯爵家次男でトーマスと同じクラスらしい。マーティン様より少し身長が低そうだから185㎝くらいだろうか。少し黄色みがかった金髪でグレーの目が印象的だ。誰と話していても敬語らしい。トーマスがクラスで浮いていることなども教えてくれた。なんでも彼女はドロシーだといいまわっているらしく、婚約者とは婚約破棄すると騒いでいたそうだ。
そして最後はレン様だ。レンフォード・スウェードでなんとスウェード国の第三王子だった。今までパーティーなどでも見かけたことがなかったので、知らなくて当たり前だ。身長は180㎝くらいで、透き通った金髪にインペリアルトパーズのようなきれいなピンク色の目をしている。

「ああ、だからさっきトーマスがで、でって言っていたんですね！殿下と言いたかったけど言葉が出てこなかったってことですか！すっきりしました。」

「あはは、どこまで行ってもパトリシア嬢はパトリシア嬢なんだね！もしよかったら僕たちもシアと呼んでもいいかな？」確かにパトリシアって長いものね。
「全然かまいません。お好きに呼んでください。」4人なら何とか名前覚えられそうだし、異性でも友人が増えることが少しうれしかった。

「学院に来てから、あまり友人ができなくて、皆さんと友人になれたら嬉しく思います。」みんなでソファに腰を掛けながらトーマスたちについて話し合った。