え？私、悪役令嬢だったんですか？まったく知りませんでした。

婚約破棄に向けて

ドロシーとトーマスの関係。

ルイス視点。
マーティンたちがまさかあの方を連れてくるとは思っておらずあの方がレンたちの後ろを歩いていることに吃驚した。みんなが生徒会室に入ると軽く自己紹介をする。今後はシアと呼んでいいとお許しも出たので、シアと呼ぶことにした。他の人たちがあの方と呼ぶ中シアと呼べることに少しだけ嬉しさを感じる。
色々シアの話を聞いていると、証拠集めをしたいとのことだった。
「トーマスから婚約破棄と言い出したのですが、私的には何も思っていないので婚約破棄することはいいんです。ただ、いくらトーマスから婚約破棄したいといわれても、親同士が決めたことでもありますしなぜかトーマスは私のことを悪者にしたがる。トーマスは外面というのでしょうか、私の両親の前ではすごいいい人を演じるので、このままいくとうまくいかないような気がしているんです。両親がトーマスだけを信じることはないと思うんですけど、スムーズに婚約破棄するために証拠を集めようと思っています。」
急にどうして動き出したのか話し始めた。

「話は大体わかったよ。ルイス、ドロシーとトーマスの関係わかった？」レンがシアの話を聞いたうえで、僕に二人の関係を聞いてきた。結論、二人は本当に幼馴染だった。ただ、以前はそこまで仲が良かったわけではないらしい。ハマー家で買い物をするときにワーグナー家の商家で買い物をしていたそうだ。小さい頃のドロシーはあまりからだが強くなく遊びに出かけることがなかった。小児喘息だったこともあり、大人になるにつれて喘息の症状は出なくなってきたらしいが、今でもことあるごとに体調が悪いといってトーマスを呼び出すみたいだ。あとはスキンシップとかだけどあれは周りがあきれるほど普段からあんな感じなんだって伝えた。

「確かに廊下でも抱きしめあっていましたもんね。」そうそう！あれは日常茶飯事。だけど周りからは婚約者がいるのにおかしいだろうって言われていることを伝える。

「ただ、あれだけ抱きしめあっていると、証拠になりますよね。他の女性がいるって…」シアに聞かれたので、
「証拠にはならなくないけど難しいかもしれない。キスとかしていれば別だけど...」キスという単語にか真っ赤になって話を聞いていてなんだかかわいかった。

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クレイン視点

「次は私からトーマスのことについて説明しましょう。」あらかたルイスからの説明は終わったみたいだったので、私からトーマスについて伝える。トーマスはクラスでは男性としか話さないらしい。1年の時は結構普通だったみたいだ。恐らくドロシーもいなかったからだろう。ただ、ドロシーが入学してから一気に変わった。クラスにはやたらとドロシーが来るし、二人の変な劇が始まることにみんなあきれていたそうだ。始めはドロシーが婚約者だと思っていた人が多く、「二人が婚約者同士なら仕方ないだろう」ということで見て見ぬふりをしていた。ただ、段々あの方の噂話が急激に広がり始めて、「ドロシーはトーマスの彼女ではない」というのがばれたそうだ。それからはみんなに白い目で見られている。最近では話しかける人すらいない。
「本当にふたりとも空気が読めないんだ。」でなければ、廊下や教室で抱きしめることはしないだろう。

「本当にあの二人、空気が読めないですよね。何とかどん底に落とせないか今は考え中なんです。」そう言ってシアはきれいに笑った。