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婚約破棄に向けて
証拠集め② ミーナ視点
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「ミーナ、おはよう。」
席につき授業の準備をしていると、シアが教室に入ってきて声をかけてきた。
「シア、おはよう。今日はポニーテールなのね。珍しい。」
シアとは母親同士が友人同士と言うこともあり小さい頃から遊んでいた。だからか本人よりもシアのことを知っていると思う。
シアがポニーテールにする時は気合を入れる時や本気で動こうとしている時だけだ。そんなシアがポニーテールにしていると言うことはついに重い腰を上げることにしたんだと思う。
「ミーナにお願いがあるんだけど…。今日のお昼相談があるのよ。ハスラー様との時間を潰してしまって申し訳ないんだけど少し時間をもらえないかしら。」
シアからの珍しいお願いに私は「もちろん!」と返した。ハスラー様とはいつもお昼ご飯や放課後も一緒にいるし、私たち2人が幼馴染だと言うことも知っているから何も言わないと思っている。優しいからむしろ相談に乗ってあげてと言ってくれることだろう。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
お昼になり天気も良かったのでシアと2人で外で昼食を取ることにした。
「それで早速だけど相談ってどうしたの?」
「相談ってほどではないんだけど、少し手を貸して欲しいの。」
頭を下げながらシアが今まであったことを話してくる。なんでも人通りの多いところでトーマス先輩に婚約破棄だと言われたそうだ。「ドロシーのことをいじめるなんて最低だ。俺のことを好きだからって幼馴染って言ってるだろう。」みたいなことを言われたらしい。まぁ、もっと色々言われたんだろうけど、おぼえていないのがシアらしい。そして勿論その話は私も知っている。
「私その話知ってたわよ。シアがあまり気にしてないみたいだったから言わなかっただけで、学院中の人が知ってるんじゃないかしら。」
そもそもシアのことを知らない人がいないし、シアは男女関係なく隠れファンが多い。知らないのは本人くらいだ。
「そうだったのね。それで本題なんだけど、そのこのまま行くと賠償金を払うことになってしまいそうなのよ。だからそうならないために私がいじめていない証拠が欲しいの!あと、ドロシーって人の顔も知らないのよ!だからね!」捲し立てるように話すシア。
本当に何も知らないみたいだ。みんなが気を遣ってあの方と言っていたのも原因の一つではあると思うけどここまで疎いとは…。
「わかったわ。まずドロシーだけど、同じ学年にいるわよ。」ドロシーは実のところ隣のクラスにいる。髪はピンクで見たらわかることを伝えた。
「あら、学年違うと思ってたのに。」
本当によくこれで調べようと思ったなと思いながらドロシーについて色々伝える。あとは噂の出所だ。噂の出所も恐らくドロシーだろうと伝えると、シアは取り敢えずドロシーっていう人にあってみるとのことだった。1人で会いに行ってまた変なことにならなきゃいいんだけど。そう思いながら最後の一口のサンドイッチを食べ切った。
席につき授業の準備をしていると、シアが教室に入ってきて声をかけてきた。
「シア、おはよう。今日はポニーテールなのね。珍しい。」
シアとは母親同士が友人同士と言うこともあり小さい頃から遊んでいた。だからか本人よりもシアのことを知っていると思う。
シアがポニーテールにする時は気合を入れる時や本気で動こうとしている時だけだ。そんなシアがポニーテールにしていると言うことはついに重い腰を上げることにしたんだと思う。
「ミーナにお願いがあるんだけど…。今日のお昼相談があるのよ。ハスラー様との時間を潰してしまって申し訳ないんだけど少し時間をもらえないかしら。」
シアからの珍しいお願いに私は「もちろん!」と返した。ハスラー様とはいつもお昼ご飯や放課後も一緒にいるし、私たち2人が幼馴染だと言うことも知っているから何も言わないと思っている。優しいからむしろ相談に乗ってあげてと言ってくれることだろう。
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お昼になり天気も良かったのでシアと2人で外で昼食を取ることにした。
「それで早速だけど相談ってどうしたの?」
「相談ってほどではないんだけど、少し手を貸して欲しいの。」
頭を下げながらシアが今まであったことを話してくる。なんでも人通りの多いところでトーマス先輩に婚約破棄だと言われたそうだ。「ドロシーのことをいじめるなんて最低だ。俺のことを好きだからって幼馴染って言ってるだろう。」みたいなことを言われたらしい。まぁ、もっと色々言われたんだろうけど、おぼえていないのがシアらしい。そして勿論その話は私も知っている。
「私その話知ってたわよ。シアがあまり気にしてないみたいだったから言わなかっただけで、学院中の人が知ってるんじゃないかしら。」
そもそもシアのことを知らない人がいないし、シアは男女関係なく隠れファンが多い。知らないのは本人くらいだ。
「そうだったのね。それで本題なんだけど、そのこのまま行くと賠償金を払うことになってしまいそうなのよ。だからそうならないために私がいじめていない証拠が欲しいの!あと、ドロシーって人の顔も知らないのよ!だからね!」捲し立てるように話すシア。
本当に何も知らないみたいだ。みんなが気を遣ってあの方と言っていたのも原因の一つではあると思うけどここまで疎いとは…。
「わかったわ。まずドロシーだけど、同じ学年にいるわよ。」ドロシーは実のところ隣のクラスにいる。髪はピンクで見たらわかることを伝えた。
「あら、学年違うと思ってたのに。」
本当によくこれで調べようと思ったなと思いながらドロシーについて色々伝える。あとは噂の出所だ。噂の出所も恐らくドロシーだろうと伝えると、シアは取り敢えずドロシーっていう人にあってみるとのことだった。1人で会いに行ってまた変なことにならなきゃいいんだけど。そう思いながら最後の一口のサンドイッチを食べ切った。
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