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全てを返してもらいます。
幕間アドルフくんの半年② アドルフ視点。
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目が覚めると、全く記憶のないところで横になっていた
辺りを見渡すとどうやらテントのようだ。
外からは野太い声の笑い声が聞こえてくる。
「ここは…どこた…?」
やたら頬の当たりが痛い気がするが…何があったんだろうか。
「あぁ、起きたんですね。」
テントが開き、そちらに目を向けると女性がいたら騒ぎ出すであろう顔面の持ち主がこちらへほほ笑みかけてくる。
「あ、あの。ここは一体…」
「ここですか?」
俺の顔を見てなんだか納得したように、
「ここはとても楽しいところですよ!」とだけ言ってテントの外に出ていった。
後を追って外に出た方がいいのかと迷っていると男が笑顔で戻ってきて俺の首あたりを掴む。
どこにそんな力があるのか、というような力で、「さっ!いきますよ~」と言うとズルズル引きずられた。
外に出るとどうやら森の中にいるようだ…自分で歩くと言えないままき引きずられているとどうやらひとつのテントの前で止まった。
「団長はいりますよー。」
「あぁ。」
団長と呼ばれているということは…騎士団かなにかだろうか…
「よく来たな。アドルフ。」
「ひゃ、ひゃぃい。」
団長らしき人も相当お顔が整っていらっしゃる…。思わず緊張して声が裏返ってしまった。
「ここがどこか分かっているか?」
ここがどこか…森の中だということはわかるがそれ以外分からない俺は首を振った。
「ふ。そうか。まぁいい。ここは楽しいところだ。仲間もいるからな。安心しろ。」
楽しいところということは…そんな変なところに連れてこられたわけじゃないのだろうか。
いや、まさかな…寝ている間に連れてこられたくらいだし、何かある気がするが…
その後に来たルエル大隊長という人も笑顔で迎えてくれたし、他の人たちも顔は怖いがいい人達ばかりだった。
だからきっとこのまま何事も起きなく進んでいくと思っていたんだ…。
「じゃっ、挨拶も済んだし、アドルフくんは何の武器が使えるの?」
「えっ?武器?」
武器ってなんだ?
そう言えばここに来る少し前のことが思い出せない…記憶的には2.3日くらいだろうか。
「武器使えないです。」
「あっ、じゃあやっぱり素手かー。アドルフくんはさすがだね!あっ俺はねーサジェって言うんだ。ここだと新人に近いからよろしくー!」
「よ、よろしく。」
っていうか、今サラりと素手っていったぞ
武器が使えないと素手ってどういうことだ!?
何かしら使えることを言っておいた方が良かっただろうか。
見たところ皆いい人そうだし、何かあれば助けてくれるだろう。
と、思った俺がいけなかった…。
「おい、アドルフくん、素手で戦えるんじゃなかったのかよ!」
「やっぱりアドルフくんは最前線が似合ってるよ!!」
「サラマンダーがまだいるんだ。アドルフくんなら一撃だろ。」
なぜか知らない所で俺がすごい強いことになっているのだ。レッドスライムに囲まれても、皆アドルフくんなら大丈夫!しか言ってくれず…ギリギリのところでやっと助けてくれる…
「お前本当にアドルフくんなの?おかしいな…アドルフくんならスライムなんて一撃なのに…」
投擲で倒せと言われて石を投げたものの全くスライムに届かず…
サラマンダーが出れば前に連れてこられた。そしてら俺が倒せないことがわかると皆声を揃えて一言…
「「「お前、本当にアドルフ君なの?」」」
「俺がアドルフだ。なんで俺の名前が独り歩きしているか分からないが俺がアドルフで間違いない。」
皆に聞こえるように大声で伝えると、
「じゃあ、先頭よろしくお願いします。」
と手を前に出しながら後ろに下がっていく。綺麗に揃いすぎていて逆に突っ込みにくかった。
1人でサラマンダーを退治しようとしていると、サラマンダーが勢いよく炎を吐き出した。
これに当たれば焼け死ぬ未来しか見えない…
武器もないしどうしたらいいのか迷っていると。
笑いながら1人の男が俺に寄ってくる。
「ふっ。お前には無理だよ。サラマンダー様を1人で倒すなんてな。それにお前にはまだ生きてもらわなきゃ困るんだ。」
「ヘッディー…」
顔は強面だが思わずキュンとしてしまう…。
「気持ち悪いからやめてくれ。お前を助けるのは金のためだ。まだ気づかないのか?」
何の話かと思い、首を傾げると。
「ここにいたアドルフはお前の元嫁。エルヴィールだよ。お前が今まで行ってきたことはな、お前が家でのんびりしている間にエルが必死にて戦ってきたものなんだ。」
「お前は本当に使えないアドルフだよ。3ヶ月経ってもスライムすら倒せないんだ。武器を使ったことがなくてもここではできることをして生き残ってきてるんだ。」
ヘッディーだけじゃなく、ヤーコフも話に入ってくる。3ヶ月経てばスライムくらい1人で倒せるようになるらしい…
「ここの大物はほとんどエルヴィール大隊長が倒してくれたからな。死なずにすんでよかったな。」
エルヴィールが1人で倒したのか?しかも今初めて聞いた言葉が…
「え、エルヴィール大隊長…?」
「そうだエルヴィールは大隊長で、騎士爵も持っている。」
大隊長で騎士爵を持っているとは相当強いんじゃないだろうか。
「あぁ、エルヴィール大隊長は1人でドラゴンを倒すからな…スライムしか倒せないアドルフくんとは大違いだな。」
ヤーコフは俺をバカにして笑いながら去っていくと途中で振り返りそう言えば…と話し出した。
「ここにはお前の味方はいないよ?それにここはもうCランクの魔物か強くてもBランクの魔物がたまにいるくらいだ。お前が次行くところはSランクがうじゃうじゃしているからな。スライムも倒せないお前じゃすぐ死ぬかもな。」
「まぁ、アドルフくんなら大丈夫さ。なんていったって伝説の男だからな」
げらげらと笑われても俺は何もすることが出来なかった。
3ヶ月経つと俺はそのまま別の場所に飛ばされた。3ヶ月の間にできるようになったことと言えば投擲がやっとスライムに当たるようになったくらいだった…
当たるようになっただけで討伐することはできない。
この先、果たして10年間アドルフは生き残れるのだろうか…それはアドルフの頑張り次第である…
辺りを見渡すとどうやらテントのようだ。
外からは野太い声の笑い声が聞こえてくる。
「ここは…どこた…?」
やたら頬の当たりが痛い気がするが…何があったんだろうか。
「あぁ、起きたんですね。」
テントが開き、そちらに目を向けると女性がいたら騒ぎ出すであろう顔面の持ち主がこちらへほほ笑みかけてくる。
「あ、あの。ここは一体…」
「ここですか?」
俺の顔を見てなんだか納得したように、
「ここはとても楽しいところですよ!」とだけ言ってテントの外に出ていった。
後を追って外に出た方がいいのかと迷っていると男が笑顔で戻ってきて俺の首あたりを掴む。
どこにそんな力があるのか、というような力で、「さっ!いきますよ~」と言うとズルズル引きずられた。
外に出るとどうやら森の中にいるようだ…自分で歩くと言えないままき引きずられているとどうやらひとつのテントの前で止まった。
「団長はいりますよー。」
「あぁ。」
団長と呼ばれているということは…騎士団かなにかだろうか…
「よく来たな。アドルフ。」
「ひゃ、ひゃぃい。」
団長らしき人も相当お顔が整っていらっしゃる…。思わず緊張して声が裏返ってしまった。
「ここがどこか分かっているか?」
ここがどこか…森の中だということはわかるがそれ以外分からない俺は首を振った。
「ふ。そうか。まぁいい。ここは楽しいところだ。仲間もいるからな。安心しろ。」
楽しいところということは…そんな変なところに連れてこられたわけじゃないのだろうか。
いや、まさかな…寝ている間に連れてこられたくらいだし、何かある気がするが…
その後に来たルエル大隊長という人も笑顔で迎えてくれたし、他の人たちも顔は怖いがいい人達ばかりだった。
だからきっとこのまま何事も起きなく進んでいくと思っていたんだ…。
「じゃっ、挨拶も済んだし、アドルフくんは何の武器が使えるの?」
「えっ?武器?」
武器ってなんだ?
そう言えばここに来る少し前のことが思い出せない…記憶的には2.3日くらいだろうか。
「武器使えないです。」
「あっ、じゃあやっぱり素手かー。アドルフくんはさすがだね!あっ俺はねーサジェって言うんだ。ここだと新人に近いからよろしくー!」
「よ、よろしく。」
っていうか、今サラりと素手っていったぞ
武器が使えないと素手ってどういうことだ!?
何かしら使えることを言っておいた方が良かっただろうか。
見たところ皆いい人そうだし、何かあれば助けてくれるだろう。
と、思った俺がいけなかった…。
「おい、アドルフくん、素手で戦えるんじゃなかったのかよ!」
「やっぱりアドルフくんは最前線が似合ってるよ!!」
「サラマンダーがまだいるんだ。アドルフくんなら一撃だろ。」
なぜか知らない所で俺がすごい強いことになっているのだ。レッドスライムに囲まれても、皆アドルフくんなら大丈夫!しか言ってくれず…ギリギリのところでやっと助けてくれる…
「お前本当にアドルフくんなの?おかしいな…アドルフくんならスライムなんて一撃なのに…」
投擲で倒せと言われて石を投げたものの全くスライムに届かず…
サラマンダーが出れば前に連れてこられた。そしてら俺が倒せないことがわかると皆声を揃えて一言…
「「「お前、本当にアドルフ君なの?」」」
「俺がアドルフだ。なんで俺の名前が独り歩きしているか分からないが俺がアドルフで間違いない。」
皆に聞こえるように大声で伝えると、
「じゃあ、先頭よろしくお願いします。」
と手を前に出しながら後ろに下がっていく。綺麗に揃いすぎていて逆に突っ込みにくかった。
1人でサラマンダーを退治しようとしていると、サラマンダーが勢いよく炎を吐き出した。
これに当たれば焼け死ぬ未来しか見えない…
武器もないしどうしたらいいのか迷っていると。
笑いながら1人の男が俺に寄ってくる。
「ふっ。お前には無理だよ。サラマンダー様を1人で倒すなんてな。それにお前にはまだ生きてもらわなきゃ困るんだ。」
「ヘッディー…」
顔は強面だが思わずキュンとしてしまう…。
「気持ち悪いからやめてくれ。お前を助けるのは金のためだ。まだ気づかないのか?」
何の話かと思い、首を傾げると。
「ここにいたアドルフはお前の元嫁。エルヴィールだよ。お前が今まで行ってきたことはな、お前が家でのんびりしている間にエルが必死にて戦ってきたものなんだ。」
「お前は本当に使えないアドルフだよ。3ヶ月経ってもスライムすら倒せないんだ。武器を使ったことがなくてもここではできることをして生き残ってきてるんだ。」
ヘッディーだけじゃなく、ヤーコフも話に入ってくる。3ヶ月経てばスライムくらい1人で倒せるようになるらしい…
「ここの大物はほとんどエルヴィール大隊長が倒してくれたからな。死なずにすんでよかったな。」
エルヴィールが1人で倒したのか?しかも今初めて聞いた言葉が…
「え、エルヴィール大隊長…?」
「そうだエルヴィールは大隊長で、騎士爵も持っている。」
大隊長で騎士爵を持っているとは相当強いんじゃないだろうか。
「あぁ、エルヴィール大隊長は1人でドラゴンを倒すからな…スライムしか倒せないアドルフくんとは大違いだな。」
ヤーコフは俺をバカにして笑いながら去っていくと途中で振り返りそう言えば…と話し出した。
「ここにはお前の味方はいないよ?それにここはもうCランクの魔物か強くてもBランクの魔物がたまにいるくらいだ。お前が次行くところはSランクがうじゃうじゃしているからな。スライムも倒せないお前じゃすぐ死ぬかもな。」
「まぁ、アドルフくんなら大丈夫さ。なんていったって伝説の男だからな」
げらげらと笑われても俺は何もすることが出来なかった。
3ヶ月経つと俺はそのまま別の場所に飛ばされた。3ヶ月の間にできるようになったことと言えば投擲がやっとスライムに当たるようになったくらいだった…
当たるようになっただけで討伐することはできない。
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