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今。
ティオの一大告白は…
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⟡.·*.··············································⟡.·*.
ティオドール視点
兄上の従者に呼び出されて私は急いで東の庭園に向かった。
庭園にはリアと楽しそうに話している兄上がいる。
「まさか、いつの間にかあの2人はそういう関係…いや、それはないな。」
「なに、1人でぶつぶつ言っているんだ?さっさと行きなよ!」
なるが仕切りに私の背中を押すがなかなか前に進めなかった…
リアのことを女性として見るようになってから、リアが、今何をしているのか、誰といるのかとリアのことばかりが気になるようになっている。
私は少し遠くの物陰から2人の様子を見守った。私と話す時よりも楽しそうな感じがまたやけてくる…
そしてリアに向けて手を伸ばした兄上を見て私は一目散に2人のところに走り出した。
「あにうぇぇええ!!」
「「「「え?」」」」
私が2人の前に顔を出すと、そこには義姉上に兄上、そしてエドが集まって話していた。
「へ…?」
隣で声を出さないように笑いを堪えているナルと兄上を見て私は全てを悟る。
「お前がいつまでたっても動きそうにないからな。私が動いたまでよ。私たちはこのままここで話しているからアメリアと少し話してきなさい。」
そう言って背中を押す兄上に少しばかり勇気をもらった気がした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
アメリア視点。
国王様、王妃様、お兄様と話しているとすごく大きな声でティオ様が入ってきた。
そんなティオ様をみて、国王様達はくすくすと笑っている。
どうやら私と国王様しかいないと思って慌ててきたらしい。お兄様も王妃様が丁度死角となっていて見えていなかったそうだ。
「お兄様、何が面白いんですか?」
「ティオの慌てようを見てみろ。俺はあんな慌てている姿を初めて見た。」
必死に声を押し殺しているようだが全然押し殺せていない…そんなお兄様を片目に、私はティオ様の方を向く。
そういえば婚約破棄をしてからなかなか手紙のやり取りができていなかったかもしれない。
電話はつながりはしたものの、貴重なためずっと話せるわけでもなく基本は手紙のやり取りが一般的だ。
ティオ様も私の方を見ていたようで目があった。
「ティオ様、お久しぶりですね?」
「ああ、久しぶりだな。ちょっと2人で話さないかい?」
お兄様を見ると頷いているので行ってきていいということだろう。
私はティオ様の手を取って一緒に庭園の中を見ることにした。
「東の庭園はオリエンス領でよく見る花々が多いですね。あとは東の国からも取り寄せているのでしょうか…」
今は冬から少し暖かい季節に変わってきたからだろうか色とりどりのチューリップや薔薇などが咲いていている。
「リアの言う通り、ここは東の国に咲いている花や、東の地域にある花を植えているんだ。西、北、南の庭園もそれぞれの地域のものを植えているんだよ。今度来た時に見てみるといい。」
たしかにそれぞれの季節に合わせて楽しめるのはいいかもしれない。今まであまりみる機会もなかったからまた王都にきたときは見に来てみよう。
「では、王都に来た時はぜひティオ様が案内してくださいませ。」
ティオ様となら花も楽しく見れるだろうと話していると、
「ほ、本当に私でいいのかい?」と返ってきた。
そもそも友人を花見に誘ってはいけないのだろうか…それとも異性だから…?
今まで婚約者がいた手前、あまり考えて行動していなかった…
「え、えぇ。何かダメな理由でもあるんですか?」
「い、いや、そのリアが良かったらこの先も一緒に花を見に行かないか。」
ティオ様の言葉に特に断る理由もないと感じた私は…
「私は構いませんよ。一緒に見れる相手がいるとお花もさらに綺麗に見えそうですね。」と返した。
「エド…アレは…」
「陛下…やはりリアにはまだ早かったようですよ。」
「ティオも男なんだから、こう言う時ははっきり言わないとダメじゃない…」
そんな3人を見てため息をついているナルシスだった。
ティオドール視点
兄上の従者に呼び出されて私は急いで東の庭園に向かった。
庭園にはリアと楽しそうに話している兄上がいる。
「まさか、いつの間にかあの2人はそういう関係…いや、それはないな。」
「なに、1人でぶつぶつ言っているんだ?さっさと行きなよ!」
なるが仕切りに私の背中を押すがなかなか前に進めなかった…
リアのことを女性として見るようになってから、リアが、今何をしているのか、誰といるのかとリアのことばかりが気になるようになっている。
私は少し遠くの物陰から2人の様子を見守った。私と話す時よりも楽しそうな感じがまたやけてくる…
そしてリアに向けて手を伸ばした兄上を見て私は一目散に2人のところに走り出した。
「あにうぇぇええ!!」
「「「「え?」」」」
私が2人の前に顔を出すと、そこには義姉上に兄上、そしてエドが集まって話していた。
「へ…?」
隣で声を出さないように笑いを堪えているナルと兄上を見て私は全てを悟る。
「お前がいつまでたっても動きそうにないからな。私が動いたまでよ。私たちはこのままここで話しているからアメリアと少し話してきなさい。」
そう言って背中を押す兄上に少しばかり勇気をもらった気がした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
アメリア視点。
国王様、王妃様、お兄様と話しているとすごく大きな声でティオ様が入ってきた。
そんなティオ様をみて、国王様達はくすくすと笑っている。
どうやら私と国王様しかいないと思って慌ててきたらしい。お兄様も王妃様が丁度死角となっていて見えていなかったそうだ。
「お兄様、何が面白いんですか?」
「ティオの慌てようを見てみろ。俺はあんな慌てている姿を初めて見た。」
必死に声を押し殺しているようだが全然押し殺せていない…そんなお兄様を片目に、私はティオ様の方を向く。
そういえば婚約破棄をしてからなかなか手紙のやり取りができていなかったかもしれない。
電話はつながりはしたものの、貴重なためずっと話せるわけでもなく基本は手紙のやり取りが一般的だ。
ティオ様も私の方を見ていたようで目があった。
「ティオ様、お久しぶりですね?」
「ああ、久しぶりだな。ちょっと2人で話さないかい?」
お兄様を見ると頷いているので行ってきていいということだろう。
私はティオ様の手を取って一緒に庭園の中を見ることにした。
「東の庭園はオリエンス領でよく見る花々が多いですね。あとは東の国からも取り寄せているのでしょうか…」
今は冬から少し暖かい季節に変わってきたからだろうか色とりどりのチューリップや薔薇などが咲いていている。
「リアの言う通り、ここは東の国に咲いている花や、東の地域にある花を植えているんだ。西、北、南の庭園もそれぞれの地域のものを植えているんだよ。今度来た時に見てみるといい。」
たしかにそれぞれの季節に合わせて楽しめるのはいいかもしれない。今まであまりみる機会もなかったからまた王都にきたときは見に来てみよう。
「では、王都に来た時はぜひティオ様が案内してくださいませ。」
ティオ様となら花も楽しく見れるだろうと話していると、
「ほ、本当に私でいいのかい?」と返ってきた。
そもそも友人を花見に誘ってはいけないのだろうか…それとも異性だから…?
今まで婚約者がいた手前、あまり考えて行動していなかった…
「え、えぇ。何かダメな理由でもあるんですか?」
「い、いや、そのリアが良かったらこの先も一緒に花を見に行かないか。」
ティオ様の言葉に特に断る理由もないと感じた私は…
「私は構いませんよ。一緒に見れる相手がいるとお花もさらに綺麗に見えそうですね。」と返した。
「エド…アレは…」
「陛下…やはりリアにはまだ早かったようですよ。」
「ティオも男なんだから、こう言う時ははっきり言わないとダメじゃない…」
そんな3人を見てため息をついているナルシスだった。
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