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10年前。
お兄様と再会。
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ニコラウス様から手紙が届いて数日後。今度はお兄様から手紙が届いた。
お兄様とあったのは数ヶ月前で、領地にいる私はなかなかお兄様に会えなかった。
王都に何度か来ないか誘われたが、領地にいる方が好きなことができるし、領地にいると領民との距離を身近に感じることができる。
そして何より領地経営に口を出せるのがとても楽しい。
「ベルタ。お兄様から夜会もあるし早めに王都に来なさいって連絡が来たわ。だから今回は少し早めにでて長めに王都にいることになると思うの。準備をお願いしてもいいかしら?」
ベルタは軽く頭を下げてさっていく。王都にいると言っても、早めに帰ってこなければ雪で帰ってこれなくなるし、2ヶ月くらいの予定だ。
「そういえば…今までお兄様にニコラウス様と会っていないこと言っていなかった気がするわ…」
今までニコラウス様に会わなくてもなんの不都合もなかったし、そのおかげで自分の商会を立ち上げることができたからすっかり忘れていた。ニコラウス様が近くにいたら「女がそんなことをするな」と一蹴されそうだ。
取り敢えずいない間のことをセデスに任すため、資料をまとめていく。
「セデス。私明日から2ヶ月王都にいってくるわ。その間リアルティア商会をお願いしてもいいかしら。」
「承知いたしました。お任せ下さいませ。」
リアルティア商会は去年作ったまだまだ新しい商会だ。私が思いついたおもちゃや、ゲーム、ドレスなど様々なものを売っている。よくわからないけど寝ているといつも色々見るので、それを形にしていたら結構大きな商会になっていた。
私はセデスに全てを任せてベルタと王都に向かった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
オリエンス領から王都までは大体5日間くらいかかる。私の住むオリエンス領は国の1番東に位置し陽が国の中で1番夜明けが早い。
王都までの道は何事もなく進み思ったよりも早く着くことができた。
「リア!!」
馬車を降りるとお兄様が近づいてくる。
「お兄様、お久しぶりです。」
お兄様の手を取り馬車から降りようとするとお兄様に抱き上げられクルクルと回りながら降ろされた。
「見ない間に大きくなったな!」
「見ない間と言われても半年ぶりですし、身長も変わっていません。もう15になるんですから子供扱いはやめてください。」
少し怒りながらお兄様に伝えると、お兄様は笑って、
「ハハハ、そう言ったところが子供っぽいんだよ。やっぱりリアはまだまだ子供だな。と言うかまだ子供でいてほしいな。」
頭を撫でながら少し寂しそうに話すお兄様に怒る気は起きず、お兄様と一緒に屋敷の中に入る。
「リアの話や領地の話も聞きたいところだけど、今日はゆっくり休んでくれ。また夕食の時間になったら呼ぶよ」
ついた時間も日が沈み始めた時間だったので、少し部屋でゆっくり過ごせるのはとてもありがたい。
「わかり「お、おじょうさまあああ!!」」
お兄様の返答に応えようとすると、遠くから私を呼ぶ声が聞こえる。
あのままの勢いで走ってきて転ばなきゃいいけど…
お兄様も同じことを思ったのか、セレスをみて溜息をついている。
全速力で走ってきたのか息切れしているせれすは息を整える間もなく話し始めた。取り敢えず転ばなくて良かった。
「ハァハァ…ア、メリア、お嬢様、おひ、さしぶりでございます。」
「セレス。息を整えるか話すかのどちらかにしろ。リアだって今日来て今日帰ると言うわけではないんだ。話すのはすぐでなくていいだろう。リアはゆっくりしていてくれ。セレスは戻るぞ。」
お兄様に首根っこを掴まれてズルズルと引き摺られていくセレスを見て私はいつも不思議に思うことを口にした。
「あれで、セデスと兄弟。しかも兄なのだから…本当に不思議よね。」
「アメリアお嬢様。それを言ってしまっては…もしかしたらセレスを見てセデスはしっかりしなくてはならないと思ったのかもしれませんよ。」
ベルタの言う通りセレスがいい具合に反面教師になってくれたのかもしれない。
「それであれば、セレスには感謝しかないわね。セレスはセレスであの雰囲気だから周りが和むと言うのもあるし、助けなきゃと思ったりするから、お兄様とはうまく釣り合いが取れてるのかもしれないわ。私達は食事の時間までゆっくりしましょう。」
2人でゆっくりと長い廊下を歩きながら部屋に向かった。
お兄様とあったのは数ヶ月前で、領地にいる私はなかなかお兄様に会えなかった。
王都に何度か来ないか誘われたが、領地にいる方が好きなことができるし、領地にいると領民との距離を身近に感じることができる。
そして何より領地経営に口を出せるのがとても楽しい。
「ベルタ。お兄様から夜会もあるし早めに王都に来なさいって連絡が来たわ。だから今回は少し早めにでて長めに王都にいることになると思うの。準備をお願いしてもいいかしら?」
ベルタは軽く頭を下げてさっていく。王都にいると言っても、早めに帰ってこなければ雪で帰ってこれなくなるし、2ヶ月くらいの予定だ。
「そういえば…今までお兄様にニコラウス様と会っていないこと言っていなかった気がするわ…」
今までニコラウス様に会わなくてもなんの不都合もなかったし、そのおかげで自分の商会を立ち上げることができたからすっかり忘れていた。ニコラウス様が近くにいたら「女がそんなことをするな」と一蹴されそうだ。
取り敢えずいない間のことをセデスに任すため、資料をまとめていく。
「セデス。私明日から2ヶ月王都にいってくるわ。その間リアルティア商会をお願いしてもいいかしら。」
「承知いたしました。お任せ下さいませ。」
リアルティア商会は去年作ったまだまだ新しい商会だ。私が思いついたおもちゃや、ゲーム、ドレスなど様々なものを売っている。よくわからないけど寝ているといつも色々見るので、それを形にしていたら結構大きな商会になっていた。
私はセデスに全てを任せてベルタと王都に向かった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
オリエンス領から王都までは大体5日間くらいかかる。私の住むオリエンス領は国の1番東に位置し陽が国の中で1番夜明けが早い。
王都までの道は何事もなく進み思ったよりも早く着くことができた。
「リア!!」
馬車を降りるとお兄様が近づいてくる。
「お兄様、お久しぶりです。」
お兄様の手を取り馬車から降りようとするとお兄様に抱き上げられクルクルと回りながら降ろされた。
「見ない間に大きくなったな!」
「見ない間と言われても半年ぶりですし、身長も変わっていません。もう15になるんですから子供扱いはやめてください。」
少し怒りながらお兄様に伝えると、お兄様は笑って、
「ハハハ、そう言ったところが子供っぽいんだよ。やっぱりリアはまだまだ子供だな。と言うかまだ子供でいてほしいな。」
頭を撫でながら少し寂しそうに話すお兄様に怒る気は起きず、お兄様と一緒に屋敷の中に入る。
「リアの話や領地の話も聞きたいところだけど、今日はゆっくり休んでくれ。また夕食の時間になったら呼ぶよ」
ついた時間も日が沈み始めた時間だったので、少し部屋でゆっくり過ごせるのはとてもありがたい。
「わかり「お、おじょうさまあああ!!」」
お兄様の返答に応えようとすると、遠くから私を呼ぶ声が聞こえる。
あのままの勢いで走ってきて転ばなきゃいいけど…
お兄様も同じことを思ったのか、セレスをみて溜息をついている。
全速力で走ってきたのか息切れしているせれすは息を整える間もなく話し始めた。取り敢えず転ばなくて良かった。
「ハァハァ…ア、メリア、お嬢様、おひ、さしぶりでございます。」
「セレス。息を整えるか話すかのどちらかにしろ。リアだって今日来て今日帰ると言うわけではないんだ。話すのはすぐでなくていいだろう。リアはゆっくりしていてくれ。セレスは戻るぞ。」
お兄様に首根っこを掴まれてズルズルと引き摺られていくセレスを見て私はいつも不思議に思うことを口にした。
「あれで、セデスと兄弟。しかも兄なのだから…本当に不思議よね。」
「アメリアお嬢様。それを言ってしまっては…もしかしたらセレスを見てセデスはしっかりしなくてはならないと思ったのかもしれませんよ。」
ベルタの言う通りセレスがいい具合に反面教師になってくれたのかもしれない。
「それであれば、セレスには感謝しかないわね。セレスはセレスであの雰囲気だから周りが和むと言うのもあるし、助けなきゃと思ったりするから、お兄様とはうまく釣り合いが取れてるのかもしれないわ。私達は食事の時間までゆっくりしましょう。」
2人でゆっくりと長い廊下を歩きながら部屋に向かった。
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