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アジュアール国へ。
アジュアール国へ。
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あの後、エトイナ山と呼ばれていたブリュレソレイユドラゴンは討伐され、ずっと萌え続けていた木々の全ての火が少しずつ弱まって行った。
ブリュレソレイユドラゴンがまた生まれるのかは定かではないが、ここ100年は大丈夫だろうと言うのがマリウスの見解だ。
「まさか倒してしまうとは思っていなかったがな…」
「ミル兄様は強いですからね。最後のトドメは見ていてとても気持ちが良かったです。」
私が上手く羽根での攻撃をキャンセルしたのもあるかもしれないが、ミル兄様一瞬の隙を見逃さなかった。
あそこで羽根の攻撃を受けていたら皆丸焦げだっただろう。我ながら上手く動いたと思う。
「そうだろそうだろ。俺もドラゴンの首をスパーンと切った時は気持ちが良かったね。やはり俺は勇者になるべくして生まれたようだな。ハハハ!!」
うん…ミル兄様は少し子供っぽいところがあるが、その分扱いやすい。
家族の中で一番バカだけど、強さだけなら父様と同等かそれ以上だろう。
頭が使えない分父様には勝てないようだけど。
それでも有り余ってお釣りが来るくらいの強さだ。
バカだけど…。
「流石ですよ!この調子でアジュアール国も私たちの領土にしてしまいましょう!!ミル兄様!!」
「そうだな!それがよい。さぁ、行くぞ!!メローラよ!!!」
「はい、兄様!」
ミル兄様と2人で調子に乗って話を進めていると頭の上に拳骨が落ちてくる。
「君たち煩いよ。ボァ…お前の家族は本当に賑やかだね。」
今の拳骨…ボァ兄様かと思っていたがどうやらマリウスのようだ。
マリウスはこの人数でどうやってアジュアール国を攻めるのか頭をフル回転させていたのだろう
考えている時に周りがうるさいとどうしても気がちってしまうから、こればかりは私たちがいけない。
「すまない。マリウス…。それでこれからどうやってアジュアール国に向かうのだ。」
「そうですね…。ボァとメローラにはドラゴウン国からの使者として王宮まで行って頂きましょう。私とウェイン、スロットとスラッハミールに別れてアジュアール国の実情を見ましょう。」
私とボァ兄様で王族の人達や貴族の現状を調べてこいということか。
私はボァ兄様の隣でニコニコして口を出すなということだろうな。
他4人は王都を見ながら現状を把握していく。商会の大きさや武力の差など調べられればなお良いという感じだろうか。
あとは裏路地などがあれば、どんな状態かを知ることである程度その国の実情も把握できるというものだ。
周りの民が王族のことをどう思っているかもかなり大きい。
「分かりました。ボァ兄様よろしくお願いいたします。」
今回はマーヤがいる訳じゃないから、1人でドレスなどを着ないといけないが…一応母様に言われて練習だけはしてきたからなんとかなるだろう。
「足だけは引っ張らないでくれよ。頼むから静かにしていてくれ。隣で立っているだけでいいからな。」
「大丈夫ですよ!私だって立っていることくらい出来るんですよ。にこにこしていればいいんですよね!任せてください。」
「「「「(いやいや、それが出来ないから言っているんだろーが…)」」」」
私の方を見て皆が深くため息を付いているのが少し気になったが、私だって成長しているのだから大舟に乗ったつもりで待っていて欲しいものだ。
そして、それから数日後。
私とボァ兄様はドラウゴン国からの、使者として、王宮の中に潜り込んだのであった。
アジュアール国はやはり、黒髪の人ばかりで私たちのような金髪の人は一人もいない。
それに、私たちとは違い少し変わった服装をしている。
私がキョロキョロ周りの服装を見ていたのが気になったのだろう。国王陛下の元に案内してくれている男性が、この国の民族衣装であることを教えてくれた。
「気になりますか?ここではチーパオや漢服を着るのが主流なんですよ。最近は漢服の方が人気なんですよね。」
胸元で布がクロスされており、袖がとても広く長いく、胸元からはスカートのようになっている。胸下が太めの紐で縛られているためか足が長くスタイルがよく見える気がする。
「そうなのですね。とても素敵だと思っておりました。国によってこんなにも変わるものなのですね。」
「そうですね。西洋の場合ですとドレスが主流ですしね。」
西洋と言うのは、私たちのことをまとめていると思って良さそうだ。
こうやって服の話をすれば少しは女性らしく見えるはずだ。
以前母様が言っていた。
「話に困った時は服を褒めるのですよ。それが女の中で上手く生きていくポイントです。」
こんな所でまさか役に立つとは思っていなかったけど、そのまさかである。
「私の案内はここまでとなります。ここから先は国王陛下と王妃、そして王子がお待ちです。」
胸元の前で開いた手に拳をぶつけて、軽く会釈をすると案内してくれた人はどこかに消えていった。
どうやらこれがこの国の挨拶ということか。
私とボァ兄様が扉を開けて入っていくと、王族だけでなくたくさんの貴族達が集まっていた。
「急な謁見にもかかわらずお時間頂きありがとうございます。アジュアール国王陛下。私、ドラウゴン国第2王子、ボァトルト・ドラウゴンと申します。そして、隣にいるのが…」
「ドラゴン国第1王姫、メロライン・ドラウゴンと申します。」
「「以後お見知り置きを…。」」
挨拶をした瞬間、少し空気が変わったのをボァ兄様も私も逃すことは無かった。
ブリュレソレイユドラゴンがまた生まれるのかは定かではないが、ここ100年は大丈夫だろうと言うのがマリウスの見解だ。
「まさか倒してしまうとは思っていなかったがな…」
「ミル兄様は強いですからね。最後のトドメは見ていてとても気持ちが良かったです。」
私が上手く羽根での攻撃をキャンセルしたのもあるかもしれないが、ミル兄様一瞬の隙を見逃さなかった。
あそこで羽根の攻撃を受けていたら皆丸焦げだっただろう。我ながら上手く動いたと思う。
「そうだろそうだろ。俺もドラゴンの首をスパーンと切った時は気持ちが良かったね。やはり俺は勇者になるべくして生まれたようだな。ハハハ!!」
うん…ミル兄様は少し子供っぽいところがあるが、その分扱いやすい。
家族の中で一番バカだけど、強さだけなら父様と同等かそれ以上だろう。
頭が使えない分父様には勝てないようだけど。
それでも有り余ってお釣りが来るくらいの強さだ。
バカだけど…。
「流石ですよ!この調子でアジュアール国も私たちの領土にしてしまいましょう!!ミル兄様!!」
「そうだな!それがよい。さぁ、行くぞ!!メローラよ!!!」
「はい、兄様!」
ミル兄様と2人で調子に乗って話を進めていると頭の上に拳骨が落ちてくる。
「君たち煩いよ。ボァ…お前の家族は本当に賑やかだね。」
今の拳骨…ボァ兄様かと思っていたがどうやらマリウスのようだ。
マリウスはこの人数でどうやってアジュアール国を攻めるのか頭をフル回転させていたのだろう
考えている時に周りがうるさいとどうしても気がちってしまうから、こればかりは私たちがいけない。
「すまない。マリウス…。それでこれからどうやってアジュアール国に向かうのだ。」
「そうですね…。ボァとメローラにはドラゴウン国からの使者として王宮まで行って頂きましょう。私とウェイン、スロットとスラッハミールに別れてアジュアール国の実情を見ましょう。」
私とボァ兄様で王族の人達や貴族の現状を調べてこいということか。
私はボァ兄様の隣でニコニコして口を出すなということだろうな。
他4人は王都を見ながら現状を把握していく。商会の大きさや武力の差など調べられればなお良いという感じだろうか。
あとは裏路地などがあれば、どんな状態かを知ることである程度その国の実情も把握できるというものだ。
周りの民が王族のことをどう思っているかもかなり大きい。
「分かりました。ボァ兄様よろしくお願いいたします。」
今回はマーヤがいる訳じゃないから、1人でドレスなどを着ないといけないが…一応母様に言われて練習だけはしてきたからなんとかなるだろう。
「足だけは引っ張らないでくれよ。頼むから静かにしていてくれ。隣で立っているだけでいいからな。」
「大丈夫ですよ!私だって立っていることくらい出来るんですよ。にこにこしていればいいんですよね!任せてください。」
「「「「(いやいや、それが出来ないから言っているんだろーが…)」」」」
私の方を見て皆が深くため息を付いているのが少し気になったが、私だって成長しているのだから大舟に乗ったつもりで待っていて欲しいものだ。
そして、それから数日後。
私とボァ兄様はドラウゴン国からの、使者として、王宮の中に潜り込んだのであった。
アジュアール国はやはり、黒髪の人ばかりで私たちのような金髪の人は一人もいない。
それに、私たちとは違い少し変わった服装をしている。
私がキョロキョロ周りの服装を見ていたのが気になったのだろう。国王陛下の元に案内してくれている男性が、この国の民族衣装であることを教えてくれた。
「気になりますか?ここではチーパオや漢服を着るのが主流なんですよ。最近は漢服の方が人気なんですよね。」
胸元で布がクロスされており、袖がとても広く長いく、胸元からはスカートのようになっている。胸下が太めの紐で縛られているためか足が長くスタイルがよく見える気がする。
「そうなのですね。とても素敵だと思っておりました。国によってこんなにも変わるものなのですね。」
「そうですね。西洋の場合ですとドレスが主流ですしね。」
西洋と言うのは、私たちのことをまとめていると思って良さそうだ。
こうやって服の話をすれば少しは女性らしく見えるはずだ。
以前母様が言っていた。
「話に困った時は服を褒めるのですよ。それが女の中で上手く生きていくポイントです。」
こんな所でまさか役に立つとは思っていなかったけど、そのまさかである。
「私の案内はここまでとなります。ここから先は国王陛下と王妃、そして王子がお待ちです。」
胸元の前で開いた手に拳をぶつけて、軽く会釈をすると案内してくれた人はどこかに消えていった。
どうやらこれがこの国の挨拶ということか。
私とボァ兄様が扉を開けて入っていくと、王族だけでなくたくさんの貴族達が集まっていた。
「急な謁見にもかかわらずお時間頂きありがとうございます。アジュアール国王陛下。私、ドラウゴン国第2王子、ボァトルト・ドラウゴンと申します。そして、隣にいるのが…」
「ドラゴン国第1王姫、メロライン・ドラウゴンと申します。」
「「以後お見知り置きを…。」」
挨拶をした瞬間、少し空気が変わったのをボァ兄様も私も逃すことは無かった。
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