41 / 54
二部
久しぶりの美術室。
しおりを挟む
朝からすごいものを見てしまったけれど、授業は何事もなく進んでいった。
一年生であれば殆どの人がニーナを目撃しただろうが、誰もそのことには触れない。特にこのクラスはいつもニーナに迷惑をかけられているからもう慣れてしまったのか当たり前のようにスルーする。
お昼になり、ビアンカと一緒に美術室へ向かった。
「ビアンカに会うのは辺境伯領から帰ってきて以来ね。そんなに長い間会っていなかったわけじゃないから久しぶりな感じがしないわ。」
「そうね…。」顔では頑張って笑顔を作っているもののあまり元気がないように見える。
「ビアンカ、もしかしてレナード様と何かあった?」周りくどく聞くのもよくないかと思い、そのまま感じたことを聞いてみる。ビアンカはポツリポツリと話し始めた。
「レナード様が、王都に帰ってから一度も手紙をくれないの…それまでは毎日のように手紙のやり取りをしていたのに…」
あのマメなレナード様が全く手紙をくれないなんて珍しい…。まぁ、デューク様も全く連絡ないけれど。それはそれ。これはこれだ。
「レナード様にしては珍しいわね。でもあのレナード様に限ってビアンカ以外の人に現を抜かすとは思えないわ。恐らく公務などが少し忙しかったんじゃないかしら。」
レナード様もデューク様も気さくで話しやすいけど第二王子だ。しかも今年で学院は卒業だし、少しずつ公務を行なっているのではないかと思う。
「私のお兄様たちも学院を卒業する少し前から領地の経営など任されて忙しそうにしていたわ。第二王子だと他国との外交などもあるだろうし今から色々行なっているんだと思うの。」
ビアンカも公爵家の令嬢なわけだしこのくらいは理解があるのだろう。少し不安が払拭されたのか
「そうよね!私もこれからは他国の言語など学ばなければならないわ。」
と鼻をふんふん鳴らして意気込んでいる。こう言ったところが公爵令嬢っぽくなくてビアンカの可愛らしい所だ。体も小さいからかまるで小動物を見ているみたいでかわいい。
「私も他国の言語を学びたいし一緒に勉強しましょう!」
2人で勉強すればすぐに覚えられるし、1人よりも楽しく勉強できるだろう。
「じゃあ、明日からね!」といってお昼ご飯を食べ始めた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
レナード視点。
「デューク。折角今日から学院なのに美術室に行かなくていいのか?」
いつもならお昼休憩になると美術室に向かうデュークが珍しく美術室に向かわず教室にいる。
「いや、それが俺たち付き合い出したと思うんだけど、俺が戻ってきてからと言うものティアナから全く連絡がないんだ…」
もしかしてデュークはアナから連絡がないことに拗ねていると言うことなのだろうか…
「デュークからは連絡を取っているのか?」
「いや、取っていない。」
自分から連絡を取らなきゃそれは来ないだろう…特にアナは恋愛以前にそう言った男女のやり取りに疎いと思う。「ドキドキするな。」くらいにしか思っていないだろう。
「デューク…それはお前が悪いぞ。そもそもアナは恋愛以前に男女のやり取りなどにも疎いはずだ。それに自分からグイグイくるタイプでもない。勿論向こうから連絡来たら嬉しいだろうか、今回はデュークから動かないといけないと思う。」
デュークは俺が話したことでハッとした顔をしていたので、アナのことを思い出していたのだろう。
俺も最近公務が忙しかったこと、ビアンカのことを父上たちに伝えて動かなくてはならなかったため全然連絡が取れていなかった。俺はそれを踏まえてデュークに助け舟を出してやる。
「まだ昼休憩も時間あるし美術室に行ってみないか?」美術室を見ると楽しそうに話している2人が見える。
「レナード。ありがとう。ティアナに会って少し話してみるよ。」
デュークには俺もいつも助けられているんだ。ビアンカとのことだってデュークがいたから前に進めた。
だからこう言う時くらい頼ってほしいと思っている。
「俺もビアンカと最近話せてなかったんだ。だから良かったよ。」
2人で美術室に向かった。
美術室につくと、廊下まで2人の笑い声が聞こえてくる。なんだかすごく楽しそうだ。
「レナード様ったらニーナをみたら、「なんだあいつは!別のからきたのか。」って言うのよ。私も思わずそうかもしれないですねって返しちゃったわ。」
収穫祭で始めてニーナとやらを見た時には衝撃が走ったんだった。ドレスがあまりにも時代遅れ過ぎだったし、羽みたいなのが後ろについていた。今思い出しても笑ってしまう。
「いつも思うのだけどドレスを着る時は必ず羽みたいなのが後ろについてるのよね。後ろから見たら大きなリボンみたいなんだけど…あれはなんなのかいつも不思議なのよ。今日の朝もすごかったわね。」
2人で楽しそうに話しているのを廊下で聞いているとデュークが美術室の扉を勢いよく開けた.
一年生であれば殆どの人がニーナを目撃しただろうが、誰もそのことには触れない。特にこのクラスはいつもニーナに迷惑をかけられているからもう慣れてしまったのか当たり前のようにスルーする。
お昼になり、ビアンカと一緒に美術室へ向かった。
「ビアンカに会うのは辺境伯領から帰ってきて以来ね。そんなに長い間会っていなかったわけじゃないから久しぶりな感じがしないわ。」
「そうね…。」顔では頑張って笑顔を作っているもののあまり元気がないように見える。
「ビアンカ、もしかしてレナード様と何かあった?」周りくどく聞くのもよくないかと思い、そのまま感じたことを聞いてみる。ビアンカはポツリポツリと話し始めた。
「レナード様が、王都に帰ってから一度も手紙をくれないの…それまでは毎日のように手紙のやり取りをしていたのに…」
あのマメなレナード様が全く手紙をくれないなんて珍しい…。まぁ、デューク様も全く連絡ないけれど。それはそれ。これはこれだ。
「レナード様にしては珍しいわね。でもあのレナード様に限ってビアンカ以外の人に現を抜かすとは思えないわ。恐らく公務などが少し忙しかったんじゃないかしら。」
レナード様もデューク様も気さくで話しやすいけど第二王子だ。しかも今年で学院は卒業だし、少しずつ公務を行なっているのではないかと思う。
「私のお兄様たちも学院を卒業する少し前から領地の経営など任されて忙しそうにしていたわ。第二王子だと他国との外交などもあるだろうし今から色々行なっているんだと思うの。」
ビアンカも公爵家の令嬢なわけだしこのくらいは理解があるのだろう。少し不安が払拭されたのか
「そうよね!私もこれからは他国の言語など学ばなければならないわ。」
と鼻をふんふん鳴らして意気込んでいる。こう言ったところが公爵令嬢っぽくなくてビアンカの可愛らしい所だ。体も小さいからかまるで小動物を見ているみたいでかわいい。
「私も他国の言語を学びたいし一緒に勉強しましょう!」
2人で勉強すればすぐに覚えられるし、1人よりも楽しく勉強できるだろう。
「じゃあ、明日からね!」といってお昼ご飯を食べ始めた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
レナード視点。
「デューク。折角今日から学院なのに美術室に行かなくていいのか?」
いつもならお昼休憩になると美術室に向かうデュークが珍しく美術室に向かわず教室にいる。
「いや、それが俺たち付き合い出したと思うんだけど、俺が戻ってきてからと言うものティアナから全く連絡がないんだ…」
もしかしてデュークはアナから連絡がないことに拗ねていると言うことなのだろうか…
「デュークからは連絡を取っているのか?」
「いや、取っていない。」
自分から連絡を取らなきゃそれは来ないだろう…特にアナは恋愛以前にそう言った男女のやり取りに疎いと思う。「ドキドキするな。」くらいにしか思っていないだろう。
「デューク…それはお前が悪いぞ。そもそもアナは恋愛以前に男女のやり取りなどにも疎いはずだ。それに自分からグイグイくるタイプでもない。勿論向こうから連絡来たら嬉しいだろうか、今回はデュークから動かないといけないと思う。」
デュークは俺が話したことでハッとした顔をしていたので、アナのことを思い出していたのだろう。
俺も最近公務が忙しかったこと、ビアンカのことを父上たちに伝えて動かなくてはならなかったため全然連絡が取れていなかった。俺はそれを踏まえてデュークに助け舟を出してやる。
「まだ昼休憩も時間あるし美術室に行ってみないか?」美術室を見ると楽しそうに話している2人が見える。
「レナード。ありがとう。ティアナに会って少し話してみるよ。」
デュークには俺もいつも助けられているんだ。ビアンカとのことだってデュークがいたから前に進めた。
だからこう言う時くらい頼ってほしいと思っている。
「俺もビアンカと最近話せてなかったんだ。だから良かったよ。」
2人で美術室に向かった。
美術室につくと、廊下まで2人の笑い声が聞こえてくる。なんだかすごく楽しそうだ。
「レナード様ったらニーナをみたら、「なんだあいつは!別のからきたのか。」って言うのよ。私も思わずそうかもしれないですねって返しちゃったわ。」
収穫祭で始めてニーナとやらを見た時には衝撃が走ったんだった。ドレスがあまりにも時代遅れ過ぎだったし、羽みたいなのが後ろについていた。今思い出しても笑ってしまう。
「いつも思うのだけどドレスを着る時は必ず羽みたいなのが後ろについてるのよね。後ろから見たら大きなリボンみたいなんだけど…あれはなんなのかいつも不思議なのよ。今日の朝もすごかったわね。」
2人で楽しそうに話しているのを廊下で聞いているとデュークが美術室の扉を勢いよく開けた.
665
お気に入りに追加
2,216
あなたにおすすめの小説
モブですが、婚約者は私です。
伊月 慧
恋愛
声高々に私の婚約者であられる王子様が婚約破棄を叫ぶ。隣に震える男爵令嬢を抱き寄せて。
婚約破棄されたのは同年代の令嬢をまとめる、アスラーナ。私の親友でもある。そんな彼女が目を丸めるのと同時に、私も目を丸めた。
待ってください。貴方の婚約者はアスラーナではなく、貴方がモブ認定している私です。
新しい風を吹かせてみたくなりました。
なんかよく有りそうな感じの話で申し訳ございません。
正妃として教育された私が「側妃にする」と言われたので。
水垣するめ
恋愛
主人公、ソフィア・ウィリアムズ公爵令嬢は生まれてからずっと正妃として迎え入れられるべく教育されてきた。
王子の補佐が出来るように、遊ぶ暇もなく教育されて自由がなかった。
しかしある日王子は突然平民の女性を連れてきて「彼女を正妃にする!」と宣言した。
ソフィアは「私はどうなるのですか?」と問うと、「お前は側妃だ」と言ってきて……。
今まで費やされた時間や努力のことを訴えるが王子は「お前は自分のことばかりだな!」と逆に怒った。
ソフィアは王子に愛想を尽かし、婚約破棄をすることにする。
焦った王子は何とか引き留めようとするがソフィアは聞く耳を持たずに王子の元を去る。
それから間もなく、ソフィアへの仕打ちを知った周囲からライアンは非難されることとなる。
※小説になろうでも投稿しています。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
【完結】せっかくモブに転生したのに、まわりが濃すぎて逆に目立つんですけど
monaca
恋愛
前世で目立って嫌だったわたしは、女神に「モブに転生させて」とお願いした。
でも、なんだか周りの人間がおかしい。
どいつもこいつも、妙にキャラの濃いのが揃っている。
これ、普通にしているわたしのほうが、逆に目立ってるんじゃない?
ひとりぼっち令嬢は正しく生きたい~婚約者様、その罪悪感は不要です~
参谷しのぶ
恋愛
十七歳の伯爵令嬢アイシアと、公爵令息で王女の護衛官でもある十九歳のランダルが婚約したのは三年前。月に一度のお茶会は婚約時に交わされた約束事だが、ランダルはエイドリアナ王女の護衛という仕事が忙しいらしく、ドタキャンや遅刻や途中退席は数知れず。先代国王の娘であるエイドリアナ王女は、現国王夫妻から虐げられているらしい。
二人が久しぶりにまともに顔を合わせたお茶会で、ランダルの口から出た言葉は「誰よりも大切なエイドリアナ王女の、十七歳のデビュタントのために君の宝石を貸してほしい」で──。
アイシアはじっとランダル様を見つめる。
「忘れていらっしゃるようなので申し上げますけれど」
「何だ?」
「私も、エイドリアナ王女殿下と同じ十七歳なんです」
「は?」
「ですから、私もデビュタントなんです。フォレット伯爵家のジュエリーセットをお貸しすることは構わないにしても、大舞踏会でランダル様がエスコートしてくださらないと私、ひとりぼっちなんですけど」
婚約者にデビュタントのエスコートをしてもらえないという辛すぎる現実。
傷ついたアイシアは『ランダルと婚約した理由』を思い出した。三年前に両親と弟がいっぺんに亡くなり唯一の相続人となった自分が、国中の『ろくでなし』からロックオンされたことを。領民のことを思えばランダルが一番マシだったことを。
「婚約者として正しく扱ってほしいなんて、欲張りになっていた自分が恥ずかしい!」
初心に返ったアイシアは、立派にひとりぼっちのデビュタントを乗り切ろうと心に誓う。それどころか、エイドリアナ王女のデビュタントを成功させるため、全力でランダルを支援し始めて──。
(あれ? ランダル様が罪悪感に駆られているように見えるのは、私の気のせいよね?)
★小説家になろう様にも投稿しました★
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる