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二部

久しぶりの制服。

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アマンダと2人でこれからのことを話したら少しスッキリした。
アマンダは昔から一緒にいてくれるからかお姉様のようでとても相談がしやすい。

昨日で長期休暇も終わり今日からまた制服に袖を通す。
「久しぶりね、真っ黒な制服。」
1ヶ月前は普通に来ていた制服だけれど、どこかいつもと違うように見えるのは恋人ができたからだろうか…

気温上昇期をすぎると急激に気温が下がって行くため、黒いタイツを履く。
鏡で見ると全身黒すぎて思わず笑ってしまった。髪を三つ編みして眼鏡をかけたら完成だ。

化粧が最低限なのもあり、休み中の準備よりはやく終わってしまった。

準備を終えてダイニングルームに行くとお母様とお父様が「おはよう」と声をかけてくれる。

「お父様、お母様おはようございます。」
挨拶をしてから席に着くと、皆で朝食を食べ始めた。

「お父様、お母様。学校が終わったらお二人にご相談したいことがあるんですが、お時間いただいてもよろしいでしょうか?」少しドキドキしながら2人に伝える。今までなかなか口にできなかったからこそ口にするには勇気が必要だった。

お父様とお母様は2人で顔を見合わせてから、
「ティアナから相談なんて珍しいね。勿論構わないよ。私たちもティアナが帰ってくる時間に合わせて執務室にいるようにしよう。」
2人の言葉にホッとする。

「ありがとうございます。では学校から帰ってきましたら執務室にいきますね。」

話しながら朝食を食べているとあっという間に学院へ行く時間になっていた。
お父様たちに挨拶をして学院へ向かう。
1ヶ月お休みだっただけなのにすごく緊張している。久しぶりにクラスの人たちと会うからだろうか。
デューク様に会うのも1週間ぶりくらいかもしれない。

学院につき教室に向かっていると大きな人だかりができていた。
「私の王子様はいつも薔薇の花束をくれるのよ。とても素敵でしょう?それにドレスもたくさんくれるの。あなたたちモブには薔薇の花束をくれる人なんていないでしょうけど!」

朝から見たくないものを見てしまった。みんなは見なかったことにしたいのか一瞬止まるもののそのままその場を去っていく人ばかりだ。そしてなぜニーナは制服ではなくドレスを着ているんだろう…後何だか以前よりもわがまま度が増したようなそんな気がした。


私も便乗してその場を去ろうと踵を返したとき、先生の声がこだました。

「ルルーさん!至急教員室までいらしてください。大至急です。」

「先生方まで私を呼んでくださるなんて、私ってモテるのね。それではモブの皆様さようなら。」

きっと皆同じことを思っただろう。
「「「いや、あなたは今からお説教されるのだと思います。そしてモブとはなんなんだ
…」」」と…

それぞれが何も見なかったことにして歩き出した。


⟡.·*.··············································⟡.·*.

ニーナ視点。

運動祭で私には1人恋人ができたの。
白馬に乗って颯爽と私の前に現れたアントン様。私は衝撃を受けたわ。
「本物の王子様が迎えにきた。」と…

それから私はアントン様の恋人になった毎日を楽しく過ごしているの。
長期休暇中もほとんど一緒に過ごしたわ。

私のモブがいる領地のお祭りに参加した時は、皆が私たちを見るものだからすごく恥ずかしかったけれど、お姫様は皆に人気だものね。仕方ないわ。

アントン様は毎日必ず薔薇の花束をくれるの。お父様やお母様にはお願いしても、「薔薇なら自分で育てなさい。」
ばかりいわれるんだもの。自分で育てるのと人から貰うのは全然違うし、人から貰うから嬉しいのよね。
アントン様は毎日違う色の花束を持ってきてくれて幸せだわ。

そしてもう一つ嬉しいのはドレスをたくさん送ってくれることね。
ドレス屋さんに行ってドレスを見るといつも一つプレゼントしてくれるの。
流石にこんなに高いものたくさんもらえないと思って始めは断っていたんだけれど、私にこれだか尽くしてくれると思ったら流石に断れなくなったわ。

今の時期なかなか着て行くところがなくて勿体無いから私は思いついたわけ。

「なら、学院にきていけばいいじゃない!」って…いい考えでしょ?

そして私は、マヤに頼んでドレスを着させてもらった。
マヤには
「本当によろしいんですか?学院は制服で行くのが規則ですよ。」と何度も言われた。

でも貴族相手にそこまで怒る教員がいるとは思えず私は「いいのよ!マヤは言う通りにして。」と言ってドレスを着飾った。



学院につくとたくさんの人が私を見てくる。私は見られるのが嬉しくて

「私の王子様はいつも薔薇の花束をくれるのよ。とても素敵でしょう?それにドレスもたくさんくれるの。あなたたちモブには薔薇の花束をくれる人なんていないでしょうけど!」

と大声でアントン様とのことを惚気てしまった。皆私のことを羨ましそうに見てくるからすごく気持ちよかったわ。

まさか教員までも私を呼んでくれるとは思わなかったけれど…

正直ルルー家はそこまでお金持ちではないし、領地経営するのでいっぱいいっぱいなのは私でも知っている。
私にアントン様という恋人ができた時はお父様たちも泣いて喜んでいたくらい、この領地に来てくれる人はなかなかいなかったのだと思う。

お父様たちには毎日言われるわ。
「アントン君を決して手放すんじゃないぞ」って…

当たり前じゃない。私の大好きな王子様だもの。
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