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魚釣り
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辺境伯領に戻ってきてから私は伸び伸びと毎日を過ごしていた。
昨日はレナード様とデューク様が到着する予定だったので、わたしは美味しいものを食べてもらいたいと魚釣りに来ていた。
魚釣りは海釣り、川釣り両方とも行うがわたし的には海釣りの方が向いていたりする。アイビーに乗って魚釣りの穴場スポットへ向かった。
「アイビー。今日もいい天気ね!きっといい魚が釣れるわ!」アイビーを木にくくりつけ早速魚釣りを始める。
ノヴァ家の領地ないということもあり、わたしを見かけるとみんなが話しかけてくれるので、待っている間も退屈せず待つことができる。
「おじいさん、こんにちわ今日は釣り日和ですね!」
「なんだ。ティアナ様じゃないか。久しぶりだな。帰ってきておったんじゃな!今日は釣り日和じゃのう。」このお爺さんはいつもこの釣り場で一緒に釣りをする釣り仲間だったりする。
「最近はどうですか?釣れます?」
お爺さんは釣竿を動かしながら最近の釣り事情を教えてくれた。なんでも今年は結構な大漁らしい。最近だと鯖、鯵や、タイなどの様々な魚が取れるみたいだ。
「ちなみに今日は鯖が大漁じゃね。」フォッフォッフォと笑いながら釣りを続けるお爺さん。わたしもお爺さんの隣で釣りを始めた。釣りをしながら、お爺さんと最近あった話をする。
学院では楽しく過ごせていることや友人ができたことなどだ。あとは運動祭の話などもした。
「楽しそうでよかったわい。なんじゃったかの。あの自称ヒロインだったかい?あの子はどうなったんじゃ?」
「あの子は王子様が現れたとかでとても浮かれていました。このままわたしの前に現れなきゃいいんですけど…まだ見つかりたくないので頑張って隠れているんですよ!おさげにメガネかけて。」お爺さんはそれを聞いて、古典的な隠れ方じゃな。と笑いながら話を聞いてくれる。
「そう言えば今回は友人も辺境伯寮に遊びにきているんです。なので今度機会があったらこちらに釣れてきますね!」
「ふむ。楽しみにしておるからいつでも連れておいで。」
お爺さんはわたしより早くここにきていたみたいである程度の魚も集まったからか帰って行った。わたしももう少し釣ったら帰ろうと思いながら釣りをしていたらあっという間に昼を過ぎていた。
今日は鯖が大漁に取れたので、夜ご飯は鯖料理にしてもらうようにお願いした。
「魚釣りは中々誘いにくいんだけどデューク先輩とか珍しいこと好きそうだし行くかもしれないな。」次回の釣りは友達を連れてききたいなと思いながら1人悶々と色々考えていた。
次の日になりレナード様とビアンカが遠乗りに出かけて行った。
2人して少し緊張しているようだったけど、帰ってきた2人の雰囲気を見ているとうまくいったみたいでよかった。
きっと収穫祭も2人でいきそうな気がするし折角くっついた2人だ。2人で話したいこともあるだろうと思って1番暇してそうなデューク先輩に声をかけてみることにした。
「デューク先輩。暇ですか?もしよかったら明日釣りにでもいきません?穴場スポットがあるんですよ!」
「俺も暇だったし、一緒に行こうかな。何ならレナードとビアンカも誘ってみよう。ヘレナは部屋でゆっくりするって言っていたしさ。」2人を誘ってみると釣りはしたことがないからやってみたいとのことだった。みんなそれぞれ馬に乗れるので、明日は馬で行くことになった。
次の日みんなそれぞれ動きやすい服装で愛馬をつれて外に集まっていた。4人での移動なので結構な大所帯だ。私たちはそれぞれ馬に乗り、ゆっくり進む。
「アナ。今は何の魚が釣れるんだい?」
「そうですね。釣り仲間のお爺さんの話だと…鯵やサバ、鯛などが取れるみたいですよ。ちなみにこの間夕食で出た鯖はわたしが釣ってきた魚です。」そう伝えるとみんなびっくりしていた。1尾くらいしか捕まえていないだろうと思っていたそうだ。
みんなでゆっくり進んでいくと穴場スポットに到着した。この辺に馬をつないでおいてくださいと伝えるとそれぞれ繋いでからスポットにむかうとすでにお爺さんが魚を釣っていた。
「おじいさぁーん!!」遠くで手を振りながらお爺さんに声をかけるとお爺さんも気づいたのか手を振りかえしてくれた。
「あのお爺さんは私の釣り友達なので仲良くしてください」と先輩、ビアンカに伝えるとうなずいてくれた。
ただ1人を除いて…レナード様が目を凝らしてお爺さんを見ていた。
そしてレナード様が衝撃の一言を放ったのだ。
「あれ!?お祖父様??なぜここにいらっしゃるのですか?」
「「「え?えええ???」」」
「おお、レナードも来てたのかい。久しぶりじゃなぁ。」フォッフォッフォと笑うおじいさんを見てまさかレナード様のお祖父様だとは気づきもしなかった。
何でもお爺さんは陛下を引退したからこの領地にお忍びでよく来ているらしい。勿論お父様たちは知っているのだとか…
お爺さんにはニーナの話をしていたし、ニーナの話を陛下も知っているような感じだったのでなんでだろうと思っていたが、まさかこんなところで繋がっていたなんて気づきもしなかった。
「お爺さんはレナード様のお祖父様でいらしたんですね?かしこまったほうがいいですか…?」
今まで馴れ馴れしい態度をとっていたことを思い出し、急いで態度を改める。
「よいよい。私も隠しておったのだ。今まで通り魚釣り友達として仲良くしてほしいのぅ。」顎髭を触りながら笑っているお爺さんに私も笑顔で「ありがとう」と返した。
そのあとはみんなで魚釣りをしながら色々話をして楽しんだ。レナード様は久しぶりにお爺さんに会えたからかいつもよりも口数多く楽しそうに話していて、それを見つめるビアンカもとても楽しそうだった。
昨日はレナード様とデューク様が到着する予定だったので、わたしは美味しいものを食べてもらいたいと魚釣りに来ていた。
魚釣りは海釣り、川釣り両方とも行うがわたし的には海釣りの方が向いていたりする。アイビーに乗って魚釣りの穴場スポットへ向かった。
「アイビー。今日もいい天気ね!きっといい魚が釣れるわ!」アイビーを木にくくりつけ早速魚釣りを始める。
ノヴァ家の領地ないということもあり、わたしを見かけるとみんなが話しかけてくれるので、待っている間も退屈せず待つことができる。
「おじいさん、こんにちわ今日は釣り日和ですね!」
「なんだ。ティアナ様じゃないか。久しぶりだな。帰ってきておったんじゃな!今日は釣り日和じゃのう。」このお爺さんはいつもこの釣り場で一緒に釣りをする釣り仲間だったりする。
「最近はどうですか?釣れます?」
お爺さんは釣竿を動かしながら最近の釣り事情を教えてくれた。なんでも今年は結構な大漁らしい。最近だと鯖、鯵や、タイなどの様々な魚が取れるみたいだ。
「ちなみに今日は鯖が大漁じゃね。」フォッフォッフォと笑いながら釣りを続けるお爺さん。わたしもお爺さんの隣で釣りを始めた。釣りをしながら、お爺さんと最近あった話をする。
学院では楽しく過ごせていることや友人ができたことなどだ。あとは運動祭の話などもした。
「楽しそうでよかったわい。なんじゃったかの。あの自称ヒロインだったかい?あの子はどうなったんじゃ?」
「あの子は王子様が現れたとかでとても浮かれていました。このままわたしの前に現れなきゃいいんですけど…まだ見つかりたくないので頑張って隠れているんですよ!おさげにメガネかけて。」お爺さんはそれを聞いて、古典的な隠れ方じゃな。と笑いながら話を聞いてくれる。
「そう言えば今回は友人も辺境伯寮に遊びにきているんです。なので今度機会があったらこちらに釣れてきますね!」
「ふむ。楽しみにしておるからいつでも連れておいで。」
お爺さんはわたしより早くここにきていたみたいである程度の魚も集まったからか帰って行った。わたしももう少し釣ったら帰ろうと思いながら釣りをしていたらあっという間に昼を過ぎていた。
今日は鯖が大漁に取れたので、夜ご飯は鯖料理にしてもらうようにお願いした。
「魚釣りは中々誘いにくいんだけどデューク先輩とか珍しいこと好きそうだし行くかもしれないな。」次回の釣りは友達を連れてききたいなと思いながら1人悶々と色々考えていた。
次の日になりレナード様とビアンカが遠乗りに出かけて行った。
2人して少し緊張しているようだったけど、帰ってきた2人の雰囲気を見ているとうまくいったみたいでよかった。
きっと収穫祭も2人でいきそうな気がするし折角くっついた2人だ。2人で話したいこともあるだろうと思って1番暇してそうなデューク先輩に声をかけてみることにした。
「デューク先輩。暇ですか?もしよかったら明日釣りにでもいきません?穴場スポットがあるんですよ!」
「俺も暇だったし、一緒に行こうかな。何ならレナードとビアンカも誘ってみよう。ヘレナは部屋でゆっくりするって言っていたしさ。」2人を誘ってみると釣りはしたことがないからやってみたいとのことだった。みんなそれぞれ馬に乗れるので、明日は馬で行くことになった。
次の日みんなそれぞれ動きやすい服装で愛馬をつれて外に集まっていた。4人での移動なので結構な大所帯だ。私たちはそれぞれ馬に乗り、ゆっくり進む。
「アナ。今は何の魚が釣れるんだい?」
「そうですね。釣り仲間のお爺さんの話だと…鯵やサバ、鯛などが取れるみたいですよ。ちなみにこの間夕食で出た鯖はわたしが釣ってきた魚です。」そう伝えるとみんなびっくりしていた。1尾くらいしか捕まえていないだろうと思っていたそうだ。
みんなでゆっくり進んでいくと穴場スポットに到着した。この辺に馬をつないでおいてくださいと伝えるとそれぞれ繋いでからスポットにむかうとすでにお爺さんが魚を釣っていた。
「おじいさぁーん!!」遠くで手を振りながらお爺さんに声をかけるとお爺さんも気づいたのか手を振りかえしてくれた。
「あのお爺さんは私の釣り友達なので仲良くしてください」と先輩、ビアンカに伝えるとうなずいてくれた。
ただ1人を除いて…レナード様が目を凝らしてお爺さんを見ていた。
そしてレナード様が衝撃の一言を放ったのだ。
「あれ!?お祖父様??なぜここにいらっしゃるのですか?」
「「「え?えええ???」」」
「おお、レナードも来てたのかい。久しぶりじゃなぁ。」フォッフォッフォと笑うおじいさんを見てまさかレナード様のお祖父様だとは気づきもしなかった。
何でもお爺さんは陛下を引退したからこの領地にお忍びでよく来ているらしい。勿論お父様たちは知っているのだとか…
お爺さんにはニーナの話をしていたし、ニーナの話を陛下も知っているような感じだったのでなんでだろうと思っていたが、まさかこんなところで繋がっていたなんて気づきもしなかった。
「お爺さんはレナード様のお祖父様でいらしたんですね?かしこまったほうがいいですか…?」
今まで馴れ馴れしい態度をとっていたことを思い出し、急いで態度を改める。
「よいよい。私も隠しておったのだ。今まで通り魚釣り友達として仲良くしてほしいのぅ。」顎髭を触りながら笑っているお爺さんに私も笑顔で「ありがとう」と返した。
そのあとはみんなで魚釣りをしながら色々話をして楽しんだ。レナード様は久しぶりにお爺さんに会えたからかいつもよりも口数多く楽しそうに話していて、それを見つめるビアンカもとても楽しそうだった。
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