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小さいからって負けると思ったら大間違いです。
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馬術の競技が終わって束の間。わたしは剣術会場に来ていた。
馬術では優勝することができたし、あの無駄なやり取りがなければ負けていたと思うと少し悔しいけど…この流れで剣術も勝ち進みたいところだった。
剣術会場につくとポーター君と、ローベルさんが話していた。
「ポーター君、ローベルさん!」私は2人に近付いていく。
「あら、アズーロ君じゃない!馬術見ていたわ!優勝おめでとう。」ローベルさんが笑顔でお祝いの言葉をくれた。
「ありがとう。決勝戦は少し危ないかも…と思っていたんだけど、なんとか勝てて良かったよ。」
「きっとあの2人は別世界の住人なのよ!気にしなきゃいいわ!次は剣術の試合でしょ?応援しているから頑張ってね。」
「ありがとう。そういえばポーター君は?」
緊張しているのか顔が青くなっている気がする。
「俺もまさか、準決勝まで残ったんだけど、自分でもびっくりしているよ。アズーロ君とは逆側で準決勝だ。が、が、がんばってくるよ。」
かなり緊張してガチガチになっている。ここまでガチガチだとなかなかかける言葉が見つからないな…
「マーカス。私はあなたが勝っても負けてもかっこいいと思うわ!みんながやりたがらない剣術の試合に出て苦手ながらに準決勝にまで残っているんだもの。私は観客席で応援しているから、がんばってね。」頬に軽くキスを落としてからローベルさんは観客席へ向かった。
耳が赤くなっている姿を見ると相当恥ずかしかったみたいだ。
「ポーター君。彼女にあそこまで言われたら出来る限りの力を出さないといけないね。お互いかっこいい姿を見てもらおう!」肩を軽く叩いてから私もウォーミングアップに向かった。
『これより剣術準決勝。マーカス・ポーター対クラーク・ポレの試合を開始いたします。』
2人が場内に入り軽く一礼してから始める。
『はじめ!!』
ポレ君はポーター君よりかなりがたいが大きい。小技は苦手そうだけど、一振りで木なども薙ぎ倒してしまいそうな感じだ。私だったらどうやって倒すかシミュレーションしていく。あの強さだと風圧に当たっただけでもかなり厄介そうだし、足払いなども効かないだろう。できるとしたら動きを早くして自分の動きを捉えられないようにしながら相手の体力を削っていく感じか…見たところそこまで体力は無さそうだしその戦い方が1番かもしれない。
色々考えているとあっという間に決着がついた様だった。
『剣術準決勝。勝者クラーク・ポレ。』
2人に拍手が送られている。場内へ向かっているとちょうど試合を終えた2人が前から現れた。ポーター君が先ほどと違ってすごく晴れやかな顔になっていて良かった。
「アズーロ君。負けた俺がいうのもなんだけど、応援している。頑張って!」
誰からでも応援されたら嬉しいものだ。
「ありがとう!ポーター君の試合見たよ!僕も頑張ってくるね。」手を振って場内へ入った。
場内に入ると空気が重くなる。この緊張感がたまらない。
『これより剣術準決勝2戦目。ルネ・アズーロ対クーパー・ペリエの試合を開始します。両者前へ』一礼して前に出る。
『始め!!』
ペリエ君はあまり背丈が変わらないけど相当鍛錬を積んでいると思う。一撃一撃の剣の重さがすごく重い。
そしてなかなか隙が見つからない。一撃の重さでいうとどうしてもこちらの方が軽くなってしまうし、どうしたらいいか。1番は目の近くに剣先を持っていって、少しずるい方法にはなるけど隙を作るしかないか。剣を両手で持ち直し、いなしながら進んでいく。両手で持つことでこちらも少し威力がアップできるだろうという算段だ。
ペリエ君の剣を少し強めに弾きながら目の近くに突きをすると、思った通り一瞬ペリエ君が怯んだ。その瞬間を狙って剣を弾く。剣が宙をまって遠くに落ちる音が聞こえた。
『勝者。ルネ・アズーロ。』
お互い握手をして場内から出る。
「アズーロ君がまさか目を狙ってくるとは思わなかったよ。」笑いながら話すペリエ君に私も
「ペリエ君の隙が見つからなかったからね。こちらから隙を作る作戦に変更したんだよ。もし良かったらまた模擬戦してくれると嬉しいな。」
純粋にペリエ君と剣を交えてみたいと思い、その気持ちを伝えるとペリエ君は笑顔で「勿論!またやろう」と言って別れた。
女子の部の準決勝を行っている間少し休憩をしていると、デューク先輩が現れた。
「ルネ、強いな。決勝まで残るなんてすごいじゃないか。しかも男子相手に…」
「ありがとうございます。デューク先輩。辺境伯家として負けるわけにはいかないんです。でも次はもしかしたら難しいかもしれません。できることはしますが、小手先が通用しなさそうです。」
「確かにかなりがたいが大きいもんな。ルネなら風圧だけで飛ばされそうだ…気づいていると思うが、ガタイの大きいやつほど体の近くに行けば行くほど動きがとらえにくくなるからそこを狙うのがいいだろう。あとは体力がなさそうだからゴリゴリ削ってやれ。ルネなら勝てるよ。」軽く頭を撫でて観客席に戻っていった。
きっと緊張をほぐしに来てくれたんだろうな。おそらく一撃喰らえば負け確定だろう。まずは喰らわない様に動き回ることから始めていくしかない。
私は頭の中で考えた作戦忘れない様に叩き込み、場内へもどった。
『これより、剣術決勝戦。クラーク・ポレ対ルネ・アズーロの試合を開始する。両者前へ。』
一礼をして前に出ると合図がなった。
『始め!!』
ポレ君の前に立つと思っていた以上に大きかった。
2回りくらい大きいだろうか…
同じ剣を持っているはずなのにすごく小さく見える。これは体にあった剣を持たれていたら勝ち目がなかったかもしれない。
ただ、剣筋にあまり切れ味はないので思っていたよりも避けやすいのは助かった。剣をいなすことは難しそうなので今回は避けながら進めていく。
剣が振り下ろされると同時に相手の股下をくぐり後ろへ回る。相手が後ろを振り返っている間に前へ回るそれを繰り返していくこと10分。相手が少し疲れてきた様だ。一撃一撃が少し軽くなってきたのと足取りがすごく重くなってきていた。体の重心が少し後ろに来ていたのでその隙をついてポレ君の頭から胴の辺りにかけて剣を振り下ろした。ポレ君は尻餅をついたのでそのまま剣を弾き飛ばす。
『勝者、ルネ・アズーロ!!』
観客たちが一瞬静まり返りそのあとどっと声援が湧き上がった。
最後の方は私も体力の限界だったから勝てて良かった。
お祖父様たちに手を振ると気づいてくれたのか手を振替してくれた。
そしてビアンカを見つけたのでビアンカに走りよって抱きつく。
「ビアンカ!勝ったよ!」
「えぇ!見ていたわ!ルネなら勝てると思っていたけど。すごくかっこよかった。」
2人で抱きしめあっているとレナード先輩がすごい形相でこちらに向かってきた。レナード先輩に捕まると大変なことになりそうだと思いそそくさと元いた位置に戻りポレ君と握手を交わして会場を後にした。
会場を出るとデューク先輩が腕を組んで待ってくれていた。
馬術では優勝することができたし、あの無駄なやり取りがなければ負けていたと思うと少し悔しいけど…この流れで剣術も勝ち進みたいところだった。
剣術会場につくとポーター君と、ローベルさんが話していた。
「ポーター君、ローベルさん!」私は2人に近付いていく。
「あら、アズーロ君じゃない!馬術見ていたわ!優勝おめでとう。」ローベルさんが笑顔でお祝いの言葉をくれた。
「ありがとう。決勝戦は少し危ないかも…と思っていたんだけど、なんとか勝てて良かったよ。」
「きっとあの2人は別世界の住人なのよ!気にしなきゃいいわ!次は剣術の試合でしょ?応援しているから頑張ってね。」
「ありがとう。そういえばポーター君は?」
緊張しているのか顔が青くなっている気がする。
「俺もまさか、準決勝まで残ったんだけど、自分でもびっくりしているよ。アズーロ君とは逆側で準決勝だ。が、が、がんばってくるよ。」
かなり緊張してガチガチになっている。ここまでガチガチだとなかなかかける言葉が見つからないな…
「マーカス。私はあなたが勝っても負けてもかっこいいと思うわ!みんながやりたがらない剣術の試合に出て苦手ながらに準決勝にまで残っているんだもの。私は観客席で応援しているから、がんばってね。」頬に軽くキスを落としてからローベルさんは観客席へ向かった。
耳が赤くなっている姿を見ると相当恥ずかしかったみたいだ。
「ポーター君。彼女にあそこまで言われたら出来る限りの力を出さないといけないね。お互いかっこいい姿を見てもらおう!」肩を軽く叩いてから私もウォーミングアップに向かった。
『これより剣術準決勝。マーカス・ポーター対クラーク・ポレの試合を開始いたします。』
2人が場内に入り軽く一礼してから始める。
『はじめ!!』
ポレ君はポーター君よりかなりがたいが大きい。小技は苦手そうだけど、一振りで木なども薙ぎ倒してしまいそうな感じだ。私だったらどうやって倒すかシミュレーションしていく。あの強さだと風圧に当たっただけでもかなり厄介そうだし、足払いなども効かないだろう。できるとしたら動きを早くして自分の動きを捉えられないようにしながら相手の体力を削っていく感じか…見たところそこまで体力は無さそうだしその戦い方が1番かもしれない。
色々考えているとあっという間に決着がついた様だった。
『剣術準決勝。勝者クラーク・ポレ。』
2人に拍手が送られている。場内へ向かっているとちょうど試合を終えた2人が前から現れた。ポーター君が先ほどと違ってすごく晴れやかな顔になっていて良かった。
「アズーロ君。負けた俺がいうのもなんだけど、応援している。頑張って!」
誰からでも応援されたら嬉しいものだ。
「ありがとう!ポーター君の試合見たよ!僕も頑張ってくるね。」手を振って場内へ入った。
場内に入ると空気が重くなる。この緊張感がたまらない。
『これより剣術準決勝2戦目。ルネ・アズーロ対クーパー・ペリエの試合を開始します。両者前へ』一礼して前に出る。
『始め!!』
ペリエ君はあまり背丈が変わらないけど相当鍛錬を積んでいると思う。一撃一撃の剣の重さがすごく重い。
そしてなかなか隙が見つからない。一撃の重さでいうとどうしてもこちらの方が軽くなってしまうし、どうしたらいいか。1番は目の近くに剣先を持っていって、少しずるい方法にはなるけど隙を作るしかないか。剣を両手で持ち直し、いなしながら進んでいく。両手で持つことでこちらも少し威力がアップできるだろうという算段だ。
ペリエ君の剣を少し強めに弾きながら目の近くに突きをすると、思った通り一瞬ペリエ君が怯んだ。その瞬間を狙って剣を弾く。剣が宙をまって遠くに落ちる音が聞こえた。
『勝者。ルネ・アズーロ。』
お互い握手をして場内から出る。
「アズーロ君がまさか目を狙ってくるとは思わなかったよ。」笑いながら話すペリエ君に私も
「ペリエ君の隙が見つからなかったからね。こちらから隙を作る作戦に変更したんだよ。もし良かったらまた模擬戦してくれると嬉しいな。」
純粋にペリエ君と剣を交えてみたいと思い、その気持ちを伝えるとペリエ君は笑顔で「勿論!またやろう」と言って別れた。
女子の部の準決勝を行っている間少し休憩をしていると、デューク先輩が現れた。
「ルネ、強いな。決勝まで残るなんてすごいじゃないか。しかも男子相手に…」
「ありがとうございます。デューク先輩。辺境伯家として負けるわけにはいかないんです。でも次はもしかしたら難しいかもしれません。できることはしますが、小手先が通用しなさそうです。」
「確かにかなりがたいが大きいもんな。ルネなら風圧だけで飛ばされそうだ…気づいていると思うが、ガタイの大きいやつほど体の近くに行けば行くほど動きがとらえにくくなるからそこを狙うのがいいだろう。あとは体力がなさそうだからゴリゴリ削ってやれ。ルネなら勝てるよ。」軽く頭を撫でて観客席に戻っていった。
きっと緊張をほぐしに来てくれたんだろうな。おそらく一撃喰らえば負け確定だろう。まずは喰らわない様に動き回ることから始めていくしかない。
私は頭の中で考えた作戦忘れない様に叩き込み、場内へもどった。
『これより、剣術決勝戦。クラーク・ポレ対ルネ・アズーロの試合を開始する。両者前へ。』
一礼をして前に出ると合図がなった。
『始め!!』
ポレ君の前に立つと思っていた以上に大きかった。
2回りくらい大きいだろうか…
同じ剣を持っているはずなのにすごく小さく見える。これは体にあった剣を持たれていたら勝ち目がなかったかもしれない。
ただ、剣筋にあまり切れ味はないので思っていたよりも避けやすいのは助かった。剣をいなすことは難しそうなので今回は避けながら進めていく。
剣が振り下ろされると同時に相手の股下をくぐり後ろへ回る。相手が後ろを振り返っている間に前へ回るそれを繰り返していくこと10分。相手が少し疲れてきた様だ。一撃一撃が少し軽くなってきたのと足取りがすごく重くなってきていた。体の重心が少し後ろに来ていたのでその隙をついてポレ君の頭から胴の辺りにかけて剣を振り下ろした。ポレ君は尻餅をついたのでそのまま剣を弾き飛ばす。
『勝者、ルネ・アズーロ!!』
観客たちが一瞬静まり返りそのあとどっと声援が湧き上がった。
最後の方は私も体力の限界だったから勝てて良かった。
お祖父様たちに手を振ると気づいてくれたのか手を振替してくれた。
そしてビアンカを見つけたのでビアンカに走りよって抱きつく。
「ビアンカ!勝ったよ!」
「えぇ!見ていたわ!ルネなら勝てると思っていたけど。すごくかっこよかった。」
2人で抱きしめあっているとレナード先輩がすごい形相でこちらに向かってきた。レナード先輩に捕まると大変なことになりそうだと思いそそくさと元いた位置に戻りポレ君と握手を交わして会場を後にした。
会場を出るとデューク先輩が腕を組んで待ってくれていた。
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