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どこかで見たことあるような…。 デューク視点。
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馬術会場へ行ったときからレナードの様子が少しおかしい。
「レナード、何かあったのか?」
いくら話しかけても何か考えているのか「あぁ」とか「うん」とか…どこか上の空の返事ばかりだ。
いつもおさげのこと一緒にいるご令嬢の隣に男が立っているのを見てからだろうか。
しかし、あの隣にいた男。どこかで見たことがあるような気がしてならない。
「誰かに似ているんだよな…。」と思いながら自分たちの競技に向かう。今回俺たちが出ているのは剣技の種目だ。剣技は戦うのではなく技の綺麗さを競う競技の為、みんなで並んで剣技を行っていく。なので一斉スタートでサクッと終わる競技だ。運動祭に興味がないというわけではないのだが、できれば他の競技は何が行われているのか見て回りたかったため、剣技のみにした。
剣技は一つ一つのキレの動きが重要視されるため次のモーションまでのスピードや、そのスピードから動きをピタリと止めるのが難しかったりする。
剣技の技は自由で笛が鳴る度に剣技を変えていく仕様となる。難易度も自由だ。
次の笛が鳴るまでは動いてはいけないルールだ。
『これより3年生による剣技を行います。』
一斉に参加者が並ぶ。審査員が周りを回りながら一つ一つの剣技をしっかりと行っていく。
一つ目は基本の姿勢だ。片足を前に出し後ろ足は少し膝を曲げる。両手で剣を持ち頭の上につか部分を持ってきて刃を顔の上から斜め下に向けて一直線に持ってくる。
二つ目は突きだ。そこから重心を前に持っていき後ろ足を一歩前に出す。前に出した明日一緒に片手を前に突き出すように動かす。
三つ目、四つ目と笛の音が続いていき、最後の笛の音がなり剣技が終了した。剣技の終了と同時に審査員に一礼をしてから会場を後にする。
あとは閉会式の前に順位が張り出されるのでそれまで自由だ。
「レナード、どうだった?」
「あ、あぁ、まぁなんとか終わったよ…」
剣技中もこんな状態だったのか…。
「さっきの女の子のところ行ってみる?」試しにレナードに聞いてみると少し挙動不審になりながらも、「俺はどっちでもいいけどデュークがどうしてもっていうなら行ってもいいぞ。」
本当は自分がいきたいくせして、いきたいと言えないらしい。
「それにしても今日はおさげのこと見かけていないな…」
「確かに見ないよね。さっきもいつも一緒にいる女の子別の男といたし…」
自分で言っていてどんどん表情が落ち込んでいくのがまた面白いな。恐らくまだ好きとかではないんだろうが…そもそも2人のことを知っているのかと思っていたけどおさげの子のことは知っているけどもう1人の子は知らないみたいだった。
「レナード、もしかしてあの子のこと好きなのか!?」試しに聞いてみると。また挙動不審になった。
「ままままままだ、わからない。ただ気になるってだけだ。」耳を赤くしながらいう姿がいつも自信を持って話すレナードからは想像できない姿で人間らしい姿もあるんだなと思った。
「そうか…それなら、取り敢えず名前を聞くところからだな。」
レナードを引っ張りながら2人で馬術会場に戻った。
馬術会場に戻ると女の子が別の子と楽しく話しているようだった。
「ビアンカ!見てたわよ!すごかったじゃない。一回戦突破おめでとう。」
「ありがとう。ヘレナ。そう言えばルネはどうだったの?」
どうやらレナードが気になる子はビアンカというらしい。レナードもそれが聞こえたのか小さい声で「ビアンカ」と呟いていた。またどっか違う世界に行ってそうだなと思ったそのまま放っておく。それにしても今日はおさげの子見かけないな。と思いながら2人の話に耳を傾けていると、
「ルネは余裕で初戦突破よ。あの子本番強いし、アイビーの事大好きだから。時間があったら次の試合見にいくといいわ!」
2人は少し話した後それぞれ競技があるのか解散したみたいだった。
「ルネか…アイビーという女がいながらビアンカに手を出そうとしていたのか。」
今名前聞いたばかりなのにもう呼び捨てなことにびっくりしてレナードを二度見してしまった。しかもそのアイビーはきっと話の内容的に馬のことだと思うけど…
あえてここは突っ込まずそのままにしておく事にする。
それにしてもルネか。やっぱり見たことあると思うんだけど、どこで見たのか…ヘレナと言う子も以前見たことがある気がするし、思い出すのにすご時間かかりそうだができれば運動祭中に思い出したいところだ。
今はレナードをこのままにしておくのも心配なので、レナードについて一緒にビアンカ嬢の馬術競技を見る事にした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
レナード視点。
いつもデュークが昼休みになると見ている美術室に、いつからかもう1人女の子が一緒に来るようになっていた。始めはデュークが誰かを見ているのが珍しいということもあり興味本位で見ることが増えていたが、いつからかその女の子を目で追うようになっていた。
白銀の長い髪にウェーブがかかっていてスカイブルーの目の色。そして少し小柄な子だ。おさげの子のことについては以前父上から話を聞いていたこともあり知っていたが、一緒にいる子については全然知らなかった。
2人はいつも楽しそうに笑っている姿がいつからか頭から離れなくなっていたのもある。
運動祭で、男と一緒に顔を赤くしながら話している姿を見て心がすごく重くなった。しかもその男にはアイビーという女がいるというし…そんな男やめて俺のところに来て欲しいとすら思ってしまった。今すぐにでもビアンカと仲良くなりたいと感情のままに動いてしまいそうになったが急に話しかけたらビアンカも驚いてしまうだろうと思ったのでまずは話しかけるところから初めて少しずつ仲良くなろうと心に決めた。
「レナード、何かあったのか?」
いくら話しかけても何か考えているのか「あぁ」とか「うん」とか…どこか上の空の返事ばかりだ。
いつもおさげのこと一緒にいるご令嬢の隣に男が立っているのを見てからだろうか。
しかし、あの隣にいた男。どこかで見たことがあるような気がしてならない。
「誰かに似ているんだよな…。」と思いながら自分たちの競技に向かう。今回俺たちが出ているのは剣技の種目だ。剣技は戦うのではなく技の綺麗さを競う競技の為、みんなで並んで剣技を行っていく。なので一斉スタートでサクッと終わる競技だ。運動祭に興味がないというわけではないのだが、できれば他の競技は何が行われているのか見て回りたかったため、剣技のみにした。
剣技は一つ一つのキレの動きが重要視されるため次のモーションまでのスピードや、そのスピードから動きをピタリと止めるのが難しかったりする。
剣技の技は自由で笛が鳴る度に剣技を変えていく仕様となる。難易度も自由だ。
次の笛が鳴るまでは動いてはいけないルールだ。
『これより3年生による剣技を行います。』
一斉に参加者が並ぶ。審査員が周りを回りながら一つ一つの剣技をしっかりと行っていく。
一つ目は基本の姿勢だ。片足を前に出し後ろ足は少し膝を曲げる。両手で剣を持ち頭の上につか部分を持ってきて刃を顔の上から斜め下に向けて一直線に持ってくる。
二つ目は突きだ。そこから重心を前に持っていき後ろ足を一歩前に出す。前に出した明日一緒に片手を前に突き出すように動かす。
三つ目、四つ目と笛の音が続いていき、最後の笛の音がなり剣技が終了した。剣技の終了と同時に審査員に一礼をしてから会場を後にする。
あとは閉会式の前に順位が張り出されるのでそれまで自由だ。
「レナード、どうだった?」
「あ、あぁ、まぁなんとか終わったよ…」
剣技中もこんな状態だったのか…。
「さっきの女の子のところ行ってみる?」試しにレナードに聞いてみると少し挙動不審になりながらも、「俺はどっちでもいいけどデュークがどうしてもっていうなら行ってもいいぞ。」
本当は自分がいきたいくせして、いきたいと言えないらしい。
「それにしても今日はおさげのこと見かけていないな…」
「確かに見ないよね。さっきもいつも一緒にいる女の子別の男といたし…」
自分で言っていてどんどん表情が落ち込んでいくのがまた面白いな。恐らくまだ好きとかではないんだろうが…そもそも2人のことを知っているのかと思っていたけどおさげの子のことは知っているけどもう1人の子は知らないみたいだった。
「レナード、もしかしてあの子のこと好きなのか!?」試しに聞いてみると。また挙動不審になった。
「ままままままだ、わからない。ただ気になるってだけだ。」耳を赤くしながらいう姿がいつも自信を持って話すレナードからは想像できない姿で人間らしい姿もあるんだなと思った。
「そうか…それなら、取り敢えず名前を聞くところからだな。」
レナードを引っ張りながら2人で馬術会場に戻った。
馬術会場に戻ると女の子が別の子と楽しく話しているようだった。
「ビアンカ!見てたわよ!すごかったじゃない。一回戦突破おめでとう。」
「ありがとう。ヘレナ。そう言えばルネはどうだったの?」
どうやらレナードが気になる子はビアンカというらしい。レナードもそれが聞こえたのか小さい声で「ビアンカ」と呟いていた。またどっか違う世界に行ってそうだなと思ったそのまま放っておく。それにしても今日はおさげの子見かけないな。と思いながら2人の話に耳を傾けていると、
「ルネは余裕で初戦突破よ。あの子本番強いし、アイビーの事大好きだから。時間があったら次の試合見にいくといいわ!」
2人は少し話した後それぞれ競技があるのか解散したみたいだった。
「ルネか…アイビーという女がいながらビアンカに手を出そうとしていたのか。」
今名前聞いたばかりなのにもう呼び捨てなことにびっくりしてレナードを二度見してしまった。しかもそのアイビーはきっと話の内容的に馬のことだと思うけど…
あえてここは突っ込まずそのままにしておく事にする。
それにしてもルネか。やっぱり見たことあると思うんだけど、どこで見たのか…ヘレナと言う子も以前見たことがある気がするし、思い出すのにすご時間かかりそうだができれば運動祭中に思い出したいところだ。
今はレナードをこのままにしておくのも心配なので、レナードについて一緒にビアンカ嬢の馬術競技を見る事にした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
レナード視点。
いつもデュークが昼休みになると見ている美術室に、いつからかもう1人女の子が一緒に来るようになっていた。始めはデュークが誰かを見ているのが珍しいということもあり興味本位で見ることが増えていたが、いつからかその女の子を目で追うようになっていた。
白銀の長い髪にウェーブがかかっていてスカイブルーの目の色。そして少し小柄な子だ。おさげの子のことについては以前父上から話を聞いていたこともあり知っていたが、一緒にいる子については全然知らなかった。
2人はいつも楽しそうに笑っている姿がいつからか頭から離れなくなっていたのもある。
運動祭で、男と一緒に顔を赤くしながら話している姿を見て心がすごく重くなった。しかもその男にはアイビーという女がいるというし…そんな男やめて俺のところに来て欲しいとすら思ってしまった。今すぐにでもビアンカと仲良くなりたいと感情のままに動いてしまいそうになったが急に話しかけたらビアンカも驚いてしまうだろうと思ったのでまずは話しかけるところから初めて少しずつ仲良くなろうと心に決めた。
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