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後日談
運動会
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晩御飯の準備をしていると小学3年になった大志がママと声をかけてきた。おやつを食べて、宿題すると部屋に入って行ったはずなのに。
「たいちゃんどうしたの?」
後ろ手に何かを隠しているのが分かるが何も言わない。目線を合わせるためにしゃがむ。
「何かな~。たいちゃん教えてくれる?」
後ろに隠してた物を僕に見せてくれた。
「運動会のプリント?親子リレーの参加希望申し込み…。」
「ママ!!親子リレー出たい。」
「えっ?」
リレー…運動特に走るの苦手なんだけど。無理?としょんぼりしてる大志を見てると、とてもじゃないが出たくないなんて言えない。
「いいよ…出よう。パパにはママからお願いするから大丈夫だよ。」
「ホント?」
「本当。プリント書いとくね。明日先生に出してね。」
わーい。と喜んで部屋に戻っていった。…正直出たくない。歳も30半ば近くだし。周りのお父さんお母さんなんて20代ばっかりだ。きっと僕が足を引っ張る。
「う…ぅ。煇どうしよう。」
プリントを握りしめて途方に暮れた。
夜御飯の時には大志が期待の目で僕を見ている。う…っ。
「うん?どうしたの二人とも。澄何か知ってる?」
「あーあれじゃない?運動会親子リレー出るんでしょママ。」
「親子リレー?」
「あっ…うん。」
「パパに、まだ言ってないのママー。」
と大志が言う。
何か悟ったのか煇が意味深に笑ってる。
「よーし。パパもママも頑張るよ。」
大志が喜んでる。澄は呆れてるように見えるんだけど。
その夜、煇と珈琲を飲みながらことの顛末を話す。
「大志が言ってきたの?珍しいね。」
「しょんぼりしてる顔見てたら出たくないって言えなかったよ。…煇どうしよう。僕走るの苦手なのに。しかももうオジさんだよー。周りなんて若いお父さんお母さんばっかりなのに。」
ははっと笑ってる。笑い事じゃないのに。
「もうっ酷い!明日からジョギングしないと。」
今小学校の運動会は5月にある。ゴールデンウィーク明けだ。発情期も終わったばかり、少しでも子供たちに恥ずかしい思いをさせないようにしないと。
「でも大志運動苦手なのに…変だな。澄なら分かるんだけど。さりげなく聞いてみるか。では、奥さんいきなりの運動は危険なので柔軟からしましょうか。」
と言って、煇が僕をソファーに仰向けにすると僕の足をパカーンと開いたのだ。
「ばかじゃないの。ありえないこんな格好。」
股関節を動かしとかないと、と楽しいそうに脚を開いたり閉じたりこんな格好まるで…。
「あれっ?奥さんどうしたの?顔が赤いけど」
とニヤニヤしているお腹を思いっきり蹴った。
次の日朝食を食べている時に煇が大志に親子リレーなんで出たいのか聞いていた。
「だってパパは格好いいしママは美人だもん。」
と、嬉しいけど理解が出来ない。
「…その通りかもしれないけど何でそれがリレー走りたいになったの?」
煇が聞くが答えない。
学校行く時間になり大志が準備している。大志はのんびり屋さんなので先に準備をさせる。澄は余裕でまだ御飯を食べてる。
「大志隣の席の孝治くんに男と結婚したお父さん変なの、ってからかわれてたみたいよ。パパは格好いいしママは美人だもんって言い返してたみたいだけど。」
と澄が僕達に言う。澄と大志はクラスが違う。澄と大志は双子で似てるが、性格がまるで違う。澄は積極的な性格だが大志はどちらかというと天然さん。自分の世界があるらしく、たまによく分からない独自の解釈をする。言い回しも難しく僕も理解出来ない時がある。しかも大志は小さい時の僕にそっくりだ。
「まぁ、孝治くん大志が好きなんだと思うけど。いつもちょっかい掛けてるらしいから。」
僕のせいでからかわれるなんて。未だにオメガに偏見をもつ人も少なからずいる。でもまさかそれで大志が苛められてるなんて。まだ二人とも性が何なのか分からない。アルファとオメガの親からはベータは産まれないけど、何になっても守っていくつもりだ。
「ママ~気にしなくていいよ。苛めじゃないし。」
私あーゆう男大っ嫌いだから。好きな子苛めて反応みようなんて最低だしと言ってくれるけど。
「すみちゃん、ママリレー頑張るよ。煇が変って言われないように。」
何故か煇と澄が溜め息をついた。そーいうことではないんだけどと言っているが僕は大志の母親だ絶対守るんだと思っていた。
「ママ~準備出来たよ。3人ともどうしたの?」
何でもないよと煇が二人を連れて出勤した。
実は子供が小学校入った頃から煇の会社で働き始めた。ただ、また2人とも小学生なの家のことをしてから出勤し、帰りも2人が帰ってくるまでには帰宅する。
出勤するとみんなすでに働いてる。僕は自分の机のパソコンを起動した。煇のスケジュールなどの管理を主にやっている。メールのチェックなどをしているとすぐにお昼になる。
「拓。昼食にしよう。」
休憩室に行くと他の3人はいなかった。外で食べるらしい。
「今朝の話だけど拓、澄の言う通り気にしなくていいよ。子供の話だし。」
「そう言うわけにはいかないよ。大志が心配じゃないの?」
そういうわけじゃないよと言う。
「拓の方向が違うというか。苛めじゃないと思うし。」
もうっと怒ると
「違うよ。煇が変って言われてるんだよ。絶対後悔させてやる。こんなに格好いい旦那に可愛い大志を。」
別に僕が言われるのは気にならない。煇が変?どこがだ!!大志を苛めてる?絶対ゆるさない。
「あー。拓が怒ってんのそこ?俺が変って言われてることに怒ってるの?ははっ。わかった。孝治くんだっけ大人げないけど後悔させてあげましょう。俺が格好いいところ見せてあげないと。」
と煇が笑った。
運動会当日。寒くもなく暑くもなくとてもいい天気。前日から仕込んでおいた材料でお弁当もバッチリ。
あれから毎日柔軟と軽いジョギングをしてきた。煇が転けなければいいから怪我をしないようにと。あとは自分に任せろと言ってくれた。
「あんなこと言ったけど…僕が後悔しそう。」
大丈夫だよと煇が抱き締めてくれる。先に子供たちは登校している。最近場所取りは出来なく学年ごとのテントで応援する感じだ。お弁当食べるのはグランド内でどこでもいいらしい。
「さぁ、俺たちも行こうか。その前に転ばないおまじない。」
と言って目蓋、鼻、唇とキスしてくれた。うん。きっと大丈夫。二人並んで家を出た。
大志と澄は徒競走とダンスと綱引きに出る。澄は紅白リレーにも。女子の学年代表にもなっている。親子リレーは最後から2番目。紅白リレーの前にある。
徒競走では大志はビリではなかったけど後ろから2番目。澄は一着だった。ダンスも可愛くて煇にビデオを回してもらった。本当は両親も来たがっていたが今年はお兄ちゃん夫婦の方に応援に行っている。大体同じ日で被ることが多い。今度ビデオを見せる約束をしている。
昼食の時間になり木の下に場所を確保していたのでお弁当を広げる。
「「ママ~すごーい。美味しそう。」」
「毎年豪勢なお重だね。お疲れさま。」
「まぁね~今回はいつも以上に気合い入れましたから。」
唐揚げに煮付け物今回はちらし寿司にしたので保冷バッグに保冷剤をたんまり入れてデザートもイチゴのムースタルトを作った。インスタ映えする盛り付けをお母さんに教わりに行ったし今回は気合いの入れ方が違うのだ。
「パパママあれが孝治くん。」
とこっそり澄が教えてくれた。見るとお母さんと孝治くんと妹さんがいた。お父さんは見当たらない。しかも何か困ってる様子。昼食の場所を探してるみたいだった。
「たいちゃん孝治くんたち困ってない?」
と言うと大志がさっと立ち上がって行ってしまった。
「ママご飯食べる場所探してるんだって。うち広いから一緒にいい?」
「もちろん。」
と言うとすぐに連れてきた。
「すみません。ちょっとお弁当取りに行ってる間にシート広げるような所がなくて。いいんですか?本当に。」
煇も僕も笑顔でどうぞと少し片付けて3人が座れる場所を作った。
「わぁー。すごいですねお弁当。羨ましいわ。家のお弁当広げるのが恥ずかしいです。」
誉められて嬉しくなった。よろしかったらとちらし寿司など取り分けた。沢山作っていたので残ったら晩御飯にしようと思ってた。食べてもらえるなら助かる。孝治くんは大志よりも身長も高くイケメンくんだった。きっとモテるタイプだろう。
「ママのちらし寿司おいしいんだよ。」
と大志が孝治くんにちらし寿司を勧めてる。苛められてるんじゃなかったの?と思っていると。
「3年生にもなってママって言ってんの?恥ずかしくねーの?」
と言い出した。お母さんがコラっと怒ってこちらに謝ってきたが大志が
「えっ?ママにママって言って変なの?孝治くんお母さんにお母さんって言ってるじゃない。変なの~」
と独自の解釈で返した。そういうことじゃない気がするが大志は気にしてない。もしかして僕達のことも悪口と捉えて無い気がしてきた。
お互いにちょっと気まずい雰囲気だったけどちらし寿司を食べた孝治くんが美味しいと呟いた瞬間
「でしょ~もっと食べて~ママのご飯世界一美味しいんだから。ママ~タルトも孝治くんと柚希ちゃんにも食べさせてあげて。これ僕もなかなか食べられないんだよ。美味しいんだから~」
とにこにこしながら言ってるのを見てたら煇が僕の頭に手を置いて心配する必要なさそうだねって言った。僕もそう思った。
孝治くんのお父さんは仕事で親子リレーに間に合うように来るらしい。孝治くんの家も出るんだと思うとちょっと憂鬱になった。お母さんは昔陸上やってたらしい。しかも20代。後悔させようとしてたけどすでに僕が後悔している…。
「拓、リレー前に柔軟するよ。」
と言って足首や肩を回したりした。とうとう始まる。
「ママ~大丈夫。パパいるし。私も頑張るし。」
「僕も頑張るよ。ママ待っててね。」
と子供達が励ましてくれた。
「拓、リラックス~なかなか親子で競技なんて出来ないんだから勝つことより楽しもうよ。」
と煇も言ってくれた。そしておまじないをまた掛けてくれた。唇はさすがにしなかったけど。
孝治くんのお父さんも来たみたいで準備している。
まず、子供二人が走ってお母さんお父さんがアンカーになっている。お母さんまでが半周でお父さんは校庭一周。澄、大志、僕、煇の順だ。
大体同じ学年で組んでいる。うちはお母さんのグループで男の僕が走るので公平を期す為に大志は高学年と混ざって走る。孝治くん所とは同じ組にはならなかったのでよかった。と思っていたけど周りはやっぱり若いお父さんお母さん達だ。
ひとつ前に孝治くんくん達の組が走ったが皆すごく速かったし本気だった。孝治くん達は一着だった。
「はぁ~楽しむ楽しむ。よーし頑張る。」
澄が先に走るので一緒の所だ。
「ママ。私一番取るから応援よろしくね。」
「もちろん。応援する。」
「ママ、一番でもビリでもいいから。ママと一緒に出れて嬉しいから。大志に感謝だね。」
と言って手を振りながらスタート位置に立った。僕も嬉しいよ。自分の子供と思い出がまた一つ増えるんだもん。澄ちゃん頑張れ。
「位置についてよーい。」
パーンとともに男女混ざって7人が一斉にスタートした。宣言通り澄が一番に走ってきてる。すごい。男の子達に勝ってる。
「澄ちゃーんがんばれー」
家の子が一番だ。すごいすごい。スムーズに大志にバトルが渡る。
「たいちゃーんがんばれー」
と応援していたらお母さん準備してくださいとスタート位置に並ばされた。大志も頑張っているけどやっぱり学年が上なのか1人また1人と抜かれて4位まで落ちた。孝治くんも応援してくれている。
「はぁはぁ、ママごめん。頑張ってパパにバトン渡して。」
と息を切らせながら僕はバトンを受け取った。
受け取ったはずだった。受け取って前を向いて走ろうとしたらバトンがスッポ抜けた。前にバトンが転がる。慌てて拾って走ったがビリになってしまった。それでも子供達がつないでくれたのだ、一生懸命走った。いままでにこんなに走ったことはないくらい。煇にバトンを落とさないおまじないもしてもらえばよかった…
「はぁはぁ…ひかりごめん。」
と言って渡すと
「任せときなさい。」
とにっこり笑って走っていった。
「ママ~」
と二人が掛けよってきた。
「ごめんね。本当にごめんね。ママがバトン落とさなかったら…。」
「大丈夫パパがママに格好いいところみせないはずがないじゃない。」
と澄が走ってる煇を指差す。ビリで渡したはずなのに半周で煇は2番になっていた。
「うそっ。」
「パパすごいすごい。パパ~がんばれー」
「パパがんばれー」
と二人が応援する。
「ひかりーがんばれー!!」
と3人で応援する。一番のお父さんも速いけど明らかに煇のスピードの方が速い。あっという間に並んだと思ったら抜いて一番になった。そのままゴールした。
3人で駆け寄る。
「パパ格好いい~」
「さすが澄のパパ。格好よかったよー。」
「煇~格好いい。」
一周走ったとは思えないほど涼しい顔で
「任せとけっていったろ。惚れ直した?拓。」
もちろん。って言って3人で抱きついた。最高の盛り上げを見せた親子リレーで実況の先生も興奮していた。
その後の紅白リレーも澄は一番だったけど結局負けてしまって今年は白組が優勝した。2人は赤組だったので残念だった。
4人で歩いて帰る。ずっとアドレナリンが出ているのか僕は興奮していて煇の腕にしがみついて格好よかったとか惚れ直したとか子供みたいにはしゃいでいた。ヤバい拓がデレてると言っている。
そういえば運動会が終わった後孝治くんが僕達のところに来た。
「さっきは失礼なことを言ってすみませんでした。あと、大志にお前の父さん男と結婚して変なのと言ってしまって…本当にすみませんでした。今日見ていて素敵な家庭だなと思いました。本当にすみませんでした。」
と謝ってくれた。小学生と思えない言葉使いで、きっとこの子は良い子なんだろう。ちょっとひねくれちゃってるだけだと思った。大志にも謝っていたが
「孝治くん何かしたの?」
と、別に気にしてる感じではなかった。澄も「大志天然だったの忘れてた。」と言っている。
帰り道、今日は歩いて帰る。
「しかし結局何で親子リレー出たかったの?」
またその質問?と大志はうちら3人に向かって
「だからパパは格好いいしママは美人なの。皆に見て欲しかっただけ。自慢したかったの。」
孝治くんは全く関係なかったみたい。
3人で笑ってたら仲間外れだと思ったのか大志が拗ねて
「ママ~抱っこ」
と言い出した。さすがに無理なので煇が抱っこしてあげる。澄も私もといっておんぶをせがむ。小学生3年生二人は無理かと思ったがなんともない感じで二人を抱っことおんぶすると荷物をお互いに半分持ってもう一つの手を繋いで歩く。
「煇、すごいね~。」
澄すら僕は無理かもしれない。
「拓、俺の仕事設計図書くだけじゃないから。現場行って手伝ったりするし。この二人分くらいの資材持ったりするし。」
すごいなぁ。僕も少し体力つけないと。
「あっ、二人とも寝ちゃったみたい。」
重くなったと煇が言う。
今日の思い出はいつか4人で楽しく話したりするんだろうなと思いながら煇と手を繋ぎ僕達の家に帰った。
「たいちゃんどうしたの?」
後ろ手に何かを隠しているのが分かるが何も言わない。目線を合わせるためにしゃがむ。
「何かな~。たいちゃん教えてくれる?」
後ろに隠してた物を僕に見せてくれた。
「運動会のプリント?親子リレーの参加希望申し込み…。」
「ママ!!親子リレー出たい。」
「えっ?」
リレー…運動特に走るの苦手なんだけど。無理?としょんぼりしてる大志を見てると、とてもじゃないが出たくないなんて言えない。
「いいよ…出よう。パパにはママからお願いするから大丈夫だよ。」
「ホント?」
「本当。プリント書いとくね。明日先生に出してね。」
わーい。と喜んで部屋に戻っていった。…正直出たくない。歳も30半ば近くだし。周りのお父さんお母さんなんて20代ばっかりだ。きっと僕が足を引っ張る。
「う…ぅ。煇どうしよう。」
プリントを握りしめて途方に暮れた。
夜御飯の時には大志が期待の目で僕を見ている。う…っ。
「うん?どうしたの二人とも。澄何か知ってる?」
「あーあれじゃない?運動会親子リレー出るんでしょママ。」
「親子リレー?」
「あっ…うん。」
「パパに、まだ言ってないのママー。」
と大志が言う。
何か悟ったのか煇が意味深に笑ってる。
「よーし。パパもママも頑張るよ。」
大志が喜んでる。澄は呆れてるように見えるんだけど。
その夜、煇と珈琲を飲みながらことの顛末を話す。
「大志が言ってきたの?珍しいね。」
「しょんぼりしてる顔見てたら出たくないって言えなかったよ。…煇どうしよう。僕走るの苦手なのに。しかももうオジさんだよー。周りなんて若いお父さんお母さんばっかりなのに。」
ははっと笑ってる。笑い事じゃないのに。
「もうっ酷い!明日からジョギングしないと。」
今小学校の運動会は5月にある。ゴールデンウィーク明けだ。発情期も終わったばかり、少しでも子供たちに恥ずかしい思いをさせないようにしないと。
「でも大志運動苦手なのに…変だな。澄なら分かるんだけど。さりげなく聞いてみるか。では、奥さんいきなりの運動は危険なので柔軟からしましょうか。」
と言って、煇が僕をソファーに仰向けにすると僕の足をパカーンと開いたのだ。
「ばかじゃないの。ありえないこんな格好。」
股関節を動かしとかないと、と楽しいそうに脚を開いたり閉じたりこんな格好まるで…。
「あれっ?奥さんどうしたの?顔が赤いけど」
とニヤニヤしているお腹を思いっきり蹴った。
次の日朝食を食べている時に煇が大志に親子リレーなんで出たいのか聞いていた。
「だってパパは格好いいしママは美人だもん。」
と、嬉しいけど理解が出来ない。
「…その通りかもしれないけど何でそれがリレー走りたいになったの?」
煇が聞くが答えない。
学校行く時間になり大志が準備している。大志はのんびり屋さんなので先に準備をさせる。澄は余裕でまだ御飯を食べてる。
「大志隣の席の孝治くんに男と結婚したお父さん変なの、ってからかわれてたみたいよ。パパは格好いいしママは美人だもんって言い返してたみたいだけど。」
と澄が僕達に言う。澄と大志はクラスが違う。澄と大志は双子で似てるが、性格がまるで違う。澄は積極的な性格だが大志はどちらかというと天然さん。自分の世界があるらしく、たまによく分からない独自の解釈をする。言い回しも難しく僕も理解出来ない時がある。しかも大志は小さい時の僕にそっくりだ。
「まぁ、孝治くん大志が好きなんだと思うけど。いつもちょっかい掛けてるらしいから。」
僕のせいでからかわれるなんて。未だにオメガに偏見をもつ人も少なからずいる。でもまさかそれで大志が苛められてるなんて。まだ二人とも性が何なのか分からない。アルファとオメガの親からはベータは産まれないけど、何になっても守っていくつもりだ。
「ママ~気にしなくていいよ。苛めじゃないし。」
私あーゆう男大っ嫌いだから。好きな子苛めて反応みようなんて最低だしと言ってくれるけど。
「すみちゃん、ママリレー頑張るよ。煇が変って言われないように。」
何故か煇と澄が溜め息をついた。そーいうことではないんだけどと言っているが僕は大志の母親だ絶対守るんだと思っていた。
「ママ~準備出来たよ。3人ともどうしたの?」
何でもないよと煇が二人を連れて出勤した。
実は子供が小学校入った頃から煇の会社で働き始めた。ただ、また2人とも小学生なの家のことをしてから出勤し、帰りも2人が帰ってくるまでには帰宅する。
出勤するとみんなすでに働いてる。僕は自分の机のパソコンを起動した。煇のスケジュールなどの管理を主にやっている。メールのチェックなどをしているとすぐにお昼になる。
「拓。昼食にしよう。」
休憩室に行くと他の3人はいなかった。外で食べるらしい。
「今朝の話だけど拓、澄の言う通り気にしなくていいよ。子供の話だし。」
「そう言うわけにはいかないよ。大志が心配じゃないの?」
そういうわけじゃないよと言う。
「拓の方向が違うというか。苛めじゃないと思うし。」
もうっと怒ると
「違うよ。煇が変って言われてるんだよ。絶対後悔させてやる。こんなに格好いい旦那に可愛い大志を。」
別に僕が言われるのは気にならない。煇が変?どこがだ!!大志を苛めてる?絶対ゆるさない。
「あー。拓が怒ってんのそこ?俺が変って言われてることに怒ってるの?ははっ。わかった。孝治くんだっけ大人げないけど後悔させてあげましょう。俺が格好いいところ見せてあげないと。」
と煇が笑った。
運動会当日。寒くもなく暑くもなくとてもいい天気。前日から仕込んでおいた材料でお弁当もバッチリ。
あれから毎日柔軟と軽いジョギングをしてきた。煇が転けなければいいから怪我をしないようにと。あとは自分に任せろと言ってくれた。
「あんなこと言ったけど…僕が後悔しそう。」
大丈夫だよと煇が抱き締めてくれる。先に子供たちは登校している。最近場所取りは出来なく学年ごとのテントで応援する感じだ。お弁当食べるのはグランド内でどこでもいいらしい。
「さぁ、俺たちも行こうか。その前に転ばないおまじない。」
と言って目蓋、鼻、唇とキスしてくれた。うん。きっと大丈夫。二人並んで家を出た。
大志と澄は徒競走とダンスと綱引きに出る。澄は紅白リレーにも。女子の学年代表にもなっている。親子リレーは最後から2番目。紅白リレーの前にある。
徒競走では大志はビリではなかったけど後ろから2番目。澄は一着だった。ダンスも可愛くて煇にビデオを回してもらった。本当は両親も来たがっていたが今年はお兄ちゃん夫婦の方に応援に行っている。大体同じ日で被ることが多い。今度ビデオを見せる約束をしている。
昼食の時間になり木の下に場所を確保していたのでお弁当を広げる。
「「ママ~すごーい。美味しそう。」」
「毎年豪勢なお重だね。お疲れさま。」
「まぁね~今回はいつも以上に気合い入れましたから。」
唐揚げに煮付け物今回はちらし寿司にしたので保冷バッグに保冷剤をたんまり入れてデザートもイチゴのムースタルトを作った。インスタ映えする盛り付けをお母さんに教わりに行ったし今回は気合いの入れ方が違うのだ。
「パパママあれが孝治くん。」
とこっそり澄が教えてくれた。見るとお母さんと孝治くんと妹さんがいた。お父さんは見当たらない。しかも何か困ってる様子。昼食の場所を探してるみたいだった。
「たいちゃん孝治くんたち困ってない?」
と言うと大志がさっと立ち上がって行ってしまった。
「ママご飯食べる場所探してるんだって。うち広いから一緒にいい?」
「もちろん。」
と言うとすぐに連れてきた。
「すみません。ちょっとお弁当取りに行ってる間にシート広げるような所がなくて。いいんですか?本当に。」
煇も僕も笑顔でどうぞと少し片付けて3人が座れる場所を作った。
「わぁー。すごいですねお弁当。羨ましいわ。家のお弁当広げるのが恥ずかしいです。」
誉められて嬉しくなった。よろしかったらとちらし寿司など取り分けた。沢山作っていたので残ったら晩御飯にしようと思ってた。食べてもらえるなら助かる。孝治くんは大志よりも身長も高くイケメンくんだった。きっとモテるタイプだろう。
「ママのちらし寿司おいしいんだよ。」
と大志が孝治くんにちらし寿司を勧めてる。苛められてるんじゃなかったの?と思っていると。
「3年生にもなってママって言ってんの?恥ずかしくねーの?」
と言い出した。お母さんがコラっと怒ってこちらに謝ってきたが大志が
「えっ?ママにママって言って変なの?孝治くんお母さんにお母さんって言ってるじゃない。変なの~」
と独自の解釈で返した。そういうことじゃない気がするが大志は気にしてない。もしかして僕達のことも悪口と捉えて無い気がしてきた。
お互いにちょっと気まずい雰囲気だったけどちらし寿司を食べた孝治くんが美味しいと呟いた瞬間
「でしょ~もっと食べて~ママのご飯世界一美味しいんだから。ママ~タルトも孝治くんと柚希ちゃんにも食べさせてあげて。これ僕もなかなか食べられないんだよ。美味しいんだから~」
とにこにこしながら言ってるのを見てたら煇が僕の頭に手を置いて心配する必要なさそうだねって言った。僕もそう思った。
孝治くんのお父さんは仕事で親子リレーに間に合うように来るらしい。孝治くんの家も出るんだと思うとちょっと憂鬱になった。お母さんは昔陸上やってたらしい。しかも20代。後悔させようとしてたけどすでに僕が後悔している…。
「拓、リレー前に柔軟するよ。」
と言って足首や肩を回したりした。とうとう始まる。
「ママ~大丈夫。パパいるし。私も頑張るし。」
「僕も頑張るよ。ママ待っててね。」
と子供達が励ましてくれた。
「拓、リラックス~なかなか親子で競技なんて出来ないんだから勝つことより楽しもうよ。」
と煇も言ってくれた。そしておまじないをまた掛けてくれた。唇はさすがにしなかったけど。
孝治くんのお父さんも来たみたいで準備している。
まず、子供二人が走ってお母さんお父さんがアンカーになっている。お母さんまでが半周でお父さんは校庭一周。澄、大志、僕、煇の順だ。
大体同じ学年で組んでいる。うちはお母さんのグループで男の僕が走るので公平を期す為に大志は高学年と混ざって走る。孝治くん所とは同じ組にはならなかったのでよかった。と思っていたけど周りはやっぱり若いお父さんお母さん達だ。
ひとつ前に孝治くんくん達の組が走ったが皆すごく速かったし本気だった。孝治くん達は一着だった。
「はぁ~楽しむ楽しむ。よーし頑張る。」
澄が先に走るので一緒の所だ。
「ママ。私一番取るから応援よろしくね。」
「もちろん。応援する。」
「ママ、一番でもビリでもいいから。ママと一緒に出れて嬉しいから。大志に感謝だね。」
と言って手を振りながらスタート位置に立った。僕も嬉しいよ。自分の子供と思い出がまた一つ増えるんだもん。澄ちゃん頑張れ。
「位置についてよーい。」
パーンとともに男女混ざって7人が一斉にスタートした。宣言通り澄が一番に走ってきてる。すごい。男の子達に勝ってる。
「澄ちゃーんがんばれー」
家の子が一番だ。すごいすごい。スムーズに大志にバトルが渡る。
「たいちゃーんがんばれー」
と応援していたらお母さん準備してくださいとスタート位置に並ばされた。大志も頑張っているけどやっぱり学年が上なのか1人また1人と抜かれて4位まで落ちた。孝治くんも応援してくれている。
「はぁはぁ、ママごめん。頑張ってパパにバトン渡して。」
と息を切らせながら僕はバトンを受け取った。
受け取ったはずだった。受け取って前を向いて走ろうとしたらバトンがスッポ抜けた。前にバトンが転がる。慌てて拾って走ったがビリになってしまった。それでも子供達がつないでくれたのだ、一生懸命走った。いままでにこんなに走ったことはないくらい。煇にバトンを落とさないおまじないもしてもらえばよかった…
「はぁはぁ…ひかりごめん。」
と言って渡すと
「任せときなさい。」
とにっこり笑って走っていった。
「ママ~」
と二人が掛けよってきた。
「ごめんね。本当にごめんね。ママがバトン落とさなかったら…。」
「大丈夫パパがママに格好いいところみせないはずがないじゃない。」
と澄が走ってる煇を指差す。ビリで渡したはずなのに半周で煇は2番になっていた。
「うそっ。」
「パパすごいすごい。パパ~がんばれー」
「パパがんばれー」
と二人が応援する。
「ひかりーがんばれー!!」
と3人で応援する。一番のお父さんも速いけど明らかに煇のスピードの方が速い。あっという間に並んだと思ったら抜いて一番になった。そのままゴールした。
3人で駆け寄る。
「パパ格好いい~」
「さすが澄のパパ。格好よかったよー。」
「煇~格好いい。」
一周走ったとは思えないほど涼しい顔で
「任せとけっていったろ。惚れ直した?拓。」
もちろん。って言って3人で抱きついた。最高の盛り上げを見せた親子リレーで実況の先生も興奮していた。
その後の紅白リレーも澄は一番だったけど結局負けてしまって今年は白組が優勝した。2人は赤組だったので残念だった。
4人で歩いて帰る。ずっとアドレナリンが出ているのか僕は興奮していて煇の腕にしがみついて格好よかったとか惚れ直したとか子供みたいにはしゃいでいた。ヤバい拓がデレてると言っている。
そういえば運動会が終わった後孝治くんが僕達のところに来た。
「さっきは失礼なことを言ってすみませんでした。あと、大志にお前の父さん男と結婚して変なのと言ってしまって…本当にすみませんでした。今日見ていて素敵な家庭だなと思いました。本当にすみませんでした。」
と謝ってくれた。小学生と思えない言葉使いで、きっとこの子は良い子なんだろう。ちょっとひねくれちゃってるだけだと思った。大志にも謝っていたが
「孝治くん何かしたの?」
と、別に気にしてる感じではなかった。澄も「大志天然だったの忘れてた。」と言っている。
帰り道、今日は歩いて帰る。
「しかし結局何で親子リレー出たかったの?」
またその質問?と大志はうちら3人に向かって
「だからパパは格好いいしママは美人なの。皆に見て欲しかっただけ。自慢したかったの。」
孝治くんは全く関係なかったみたい。
3人で笑ってたら仲間外れだと思ったのか大志が拗ねて
「ママ~抱っこ」
と言い出した。さすがに無理なので煇が抱っこしてあげる。澄も私もといっておんぶをせがむ。小学生3年生二人は無理かと思ったがなんともない感じで二人を抱っことおんぶすると荷物をお互いに半分持ってもう一つの手を繋いで歩く。
「煇、すごいね~。」
澄すら僕は無理かもしれない。
「拓、俺の仕事設計図書くだけじゃないから。現場行って手伝ったりするし。この二人分くらいの資材持ったりするし。」
すごいなぁ。僕も少し体力つけないと。
「あっ、二人とも寝ちゃったみたい。」
重くなったと煇が言う。
今日の思い出はいつか4人で楽しく話したりするんだろうなと思いながら煇と手を繋ぎ僕達の家に帰った。
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・高校一年生のときに困っている自分に声をかけてくれた秀斗に一目惚れし、絶対に秀斗と結婚すると決めていた
・秀斗を迎え入れるために早めに子どもをつくろうと蒼と相談していたため、会社には勤めずにフリーランスとして仕事をしている
・蒼のことは家族としての好意を持っており、光希のこともちゃんと愛している
・運命の番(蒼)に出会ったときは本能によって心が惹かれるのを感じたが、秀斗の姿がないのに気づいた瞬間に絶望をして一時期病んでた
※他サイトにも掲載しています
ビーボーイ創作BL大賞3に応募していた作品です
【完結】あなたの妻(Ω)辞めます!
MEIKO
BL
本編完結しています。Ωの涼はある日、政略結婚の相手のα夫の直哉の浮気現場を目撃してしまう。形だけの夫婦だったけれど自分だけは愛していた┉。夫の裏切りに傷付き、そして別れを決意する。あなたの妻(Ω)辞めます!
すれ違い夫婦&オメガバース恋愛。
※少々独自のオメガバース設定あります
(R18対象話には*マーク付けますのでお気を付け下さい。)
愛する事はないと言ったのに
マイユニ
BL
両親の期待に応えるべく真面目に順風満帆な毎日を送っていた大倉聡真(おおくらそうま)は、Ωだと診断されてから世界が変わった。両親の関心は弟へ向けられ、友人からは襲われそうになり、抑制剤の副作用で体調を崩す日々。おまけに厄介払いをしたいのか見合いまで勧められる。
真面目に生きることが馬鹿馬鹿しくなった聡真は、遊んでやろうと歓楽街へ。そこで、ある男と出会い一夜を共にする。もう出会うはずはないと思っていた男となんの運命のいたずらかか、見合いをすることに。自分のことを覚えていないような素振りの男から、見合いの最後に「君のことを愛することはない」と告げられる。たまに抱いてくれるなら構わないという条件を出すと驚いた顔をする男。自分も愛することはないからという答えを気に入った男から、話を進めたいと言われ受け入れる。
こうして結婚の話は進んでいき、二人の結婚生活が始まった。
オメガバース設定です。
薬の開発が進んでいて発情を抑制できている世界です。
背後注意なシーンには*マークをつけています。
今後、主人公が攻め以外から無理やり襲われるシーンが出てきます。
苦手な方は読むのをお控えください。
毎日20時更新です。
この恋は運命
大波小波
BL
飛鳥 響也(あすか きょうや)は、大富豪の御曹司だ。
申し分のない家柄と財力に加え、頭脳明晰、華やかなルックスと、非の打ち所がない。
第二性はアルファということも手伝って、彼は30歳になるまで恋人に不自由したことがなかった。
しかし、あまたの令嬢と関係を持っても、世継ぎには恵まれない。
合理的な響也は、一年たっても相手が懐妊しなければ、婚約は破棄するのだ。
そんな非情な彼は、社交界で『青髭公』とささやかれていた。
海外の昔話にある、娶る妻を次々に殺害する『青髭公』になぞらえているのだ。
ある日、新しいパートナーを探そうと、響也はマッチング・パーティーを開く。
そこへ天使が舞い降りるように現れたのは、早乙女 麻衣(さおとめ まい)と名乗る18歳の少年だ。
麻衣は父に連れられて、経営難の早乙女家を救うべく、資産家とお近づきになろうとパーティーに参加していた。
響也は麻衣に、一目で惹かれてしまう。
明るく素直な性格も気に入り、プライベートルームに彼を誘ってみた。
第二性がオメガならば、男性でも出産が可能だ。
しかし麻衣は、恋愛経験のないウブな少年だった。
そして、その初めてを捧げる代わりに、響也と正式に婚約したいと望む。
彼は、早乙女家のもとで働く人々を救いたい一心なのだ。
そんな麻衣の熱意に打たれ、響也は自分の屋敷へ彼を婚約者として迎えることに決めた。
喜び勇んで響也の屋敷へと入った麻衣だったが、厳しい現実が待っていた。
一つ屋根の下に住んでいながら、響也に会うことすらままならないのだ。
ワーカホリックの響也は、これまで婚約した令嬢たちとは、妊娠しやすいタイミングでしか会わないような男だった。
子どもを授からなかったら、別れる運命にある響也と麻衣に、波乱万丈な一年間の幕が上がる。
二人の間に果たして、赤ちゃんはやって来るのか……。
成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
捨てられオメガの幸せは
ホロロン
BL
家族に愛されていると思っていたが実はそうではない事実を知ってもなお家族と仲良くしたいがためにずっと好きだった人と喧嘩別れしてしまった。
幸せになれると思ったのに…番になる前に捨てられて行き場をなくした時に会ったのは、あの大好きな彼だった。
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素敵な物語りでした😊
煇君と拓君の少しの言葉のすれ違いが誤解を呼びどんどん溝になってしまうけど、拓君の煇を愛する気持ちは揺らがなかったね☺️
煇君も自分も大変な仕事で切羽詰まってるのに拓君の事を1番に考え優しい🥹
アルファの特性のオメガを自分の巣に囲い込み、例え子供にでも嫉妬は隠さないのは、もう仕方ないよ~拓君😀
愛ゆえなんだから(笑)
煇君と拓君と子ども達の話もその風景が見えるようで凄く良かったです。
ありがとうございました😊
その後4 仕事もなかなか行きたらず→仕事もなかなか行きたがらず ではありませんか?
ご指摘ありがとうございます。
全く気づかず…すみません。
25で実家にが食堂→実家が食堂 では無いでしょうか?
ご指摘ありがとうございます。
全く気づかず。ありがとうございました。