AIの書いた桃太郎

けろよん

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第3話

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 昔々、とある村にひとりの若者がいました。名前は桃太郎といいます。彼は子供のころから正義感が強く、困っている人がいればすぐに助けてあげる優しい心の持ち主です。そんな性格ですから、大人になっても貧しい人たちのために一生懸命働き続けました。おかげで今では村の人気者です。今日も朝からせっせと畑仕事に精を出しています。

「ふぅ、これで今日の分は全部終わったかな。よし、そろそろ家に帰るとするか」

 そう言って帰ろうとしたその時です。村の方から悲鳴のような声が聞こえました。

「うわあぁぁん! 誰か助けてくれぇー!」

 声のする方へ行ってみると、なんと一匹の大きな犬が暴れています。どうやら野良犬のようで、口から涎を垂らしながら村人たちを追いかけ回しています。このままでは危ないと思った桃太郎は、勇気を振り絞って犬の前に立ちふさがりました。

「おい、やめろ! これ以上暴れるというのなら、俺が相手になってやる!」

 するとどうでしょう。さっきまで凶暴な顔をしていた犬が、急におとなしくなったではありませんか。それどころか、しっぽを振って嬉しそうにしているようにさえ見えます。

「おや? なんだか様子がおかしいぞ……?」

 不思議に思っているうちに、犬はどこかへ去って行ってしまいました。それからというもの、この村では毎日のように犬が悪さをするようになりました。しかも困ったことに、どの犬も決まって同じ行動をとるのです。例えばこんなふうに……

「きゃうんきゃうん、くぅ~ん」

 というような鳴き声をあげながら、村人の周りをぐるぐる回ります。その様子はまるで子犬のように可愛らしく見えるかもしれません。しかし、騙されてはいけません。こいつの正体はただの野犬なのですから。

 それに気が付いた村人たちは慌てて逃げ出しますが、相手はすばしっこい犬です。そう簡単に捕まるはずがありません。そうやって油断した隙を狙って、後ろからガブリと噛み付くというわけです。なんとも恐ろしい話ですね。

 そんなわけで、今や村は大混乱に陥っております。一刻も早くなんとかしなければと思うのですが、なにしろ相手が相手なのでどうしようもありません。誰もが頭を抱えていると、そこへ一人の老人が現れました。どうやら旅の途中のようでしたが、なぜか全身ずぶ濡れになっています。それを見た村長が尋ねました。

「もし、そこのお方。どうしてそのように濡れておられるのじゃ?」

 すると、老人はこう答えました。

「いやぁ、それが途中で川に落ちてしまいましてねぇ……」

 それを聞いた村長が驚いてこう言います。

「まさかとは思うが、その川はもしや鬼ヶ淵ではないのか?」
「その通りですが、なぜそのことをご存知で?」
「いやなに、じつは数日前に鬼ヶ島へ鬼退治に行った者がいてのう……」
「ほう、それはそれは……」
「それでどうなったかというとじゃな……」

 その後のことを説明しようとしたときのことです。またしても悲鳴が聞こえてきました。今度は若い女性の声です。
 急いで駆けつけてみると、なんと鬼ヶ島へ向かったはずの男が倒れているではないですか! さらにその周りには数人の子供たちが集まっています。
 よく見てみると、なんと全員鬼の格好をしているではありませんか! これには大人たちもすっかり困ってしまいました。なにせ本物の鬼が出てきたのですから無理もないことです。
 とはいえ放っておくわけにもいきませんので、とりあえず縄で縛っておくことにしました。そして、さっそく尋問を始めます。まずは一番近くにいた男の子に話しかけてみることにしました。

「お主たち、いったい何者なんじゃ? なんでこんなことをしたのか話してみなさい」

 すると子供は不思議そうな顔をして言いました。

「なんでそんなことを聞くんだよ? 俺たちは鬼だぞ」
「なにを言っておるんじゃ、お前たちはどう見ても人間じゃないか」
「いいや違うぞ、これは変装しただけだ」
「しかし、角は生えていないだろう」
「それはほら、あそこに生えている木を使ったんだ」

 そう言われて指差された方を見ると、確かに一本の大きな角が生えていました。もちろん本物ではありませんが、それらしい形をしていたので見間違えたのでしょう。続いて隣の女の子にも尋ねてみましたが、やはり同じようなことを言われました。そこで今度はもう一人の少年に質問してみます。

「お前はどうなんだ? 何か知っていることがあれば教えてくれないか?」
「えっとね、僕はずっと寝ていたんだけど、その間にみんないなくなっちゃったみたい」

 それを聞いて大人たちは唖然としました。まさかこんな子供が事件の張本人だったとは思いもしなかったからです。結局、この子供には詳しい事情を聞くことができませんでした。仕方なくそのまま解放することにしましたが、念のため村の外へ出るまでは監視を付けることにしました。ところが……

「あれっ? もういないぞ!?」

 いつの間にか姿を消していたのです。慌てて探してみると、近くの森の方へ走っていくのを見つけました。きっと仲間のところへ戻るつもりなのでしょう。そう考えた村人たちはすぐに後を追い始めました。

 幸い子供の足はそれほど速くなかったので、ほどなく追いつくことができました。そして捕まえようとしたのですが、これがなかなか手強い相手です。捕まえたと思ったらすぐにすり抜けていきますし、おまけにこちらの顔を覚えられてしまったらしく、いくら追いかけ回しても捕まらないのです。とうとう疲れ果てた頃にようやく諦めてくれたようで、やれやれ一安心といったところでした。
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