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第2章
第23話
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あれから数日後、いよいよ明日に迫った舞踏会を前に私は準備に追われていた。忙しい私を見かねてかアリシアが手伝いにきてくれた。
「シャーロット様、髪飾りはどれにいたしましょうか?」
「うーん……これなんかどうかしら?」
「まぁ、とてもよくお似合いですね。さすがはシャーロット様です」
「うふふっ、ありがとう。アリシアもとても綺麗よ。いつものようにメイド服ではなくてドレスを着てくれても良いのに……ねぇ、いい加減に着てみない?」
「いえ、私はメイドですのでそういう訳にはいきません」
「そう……残念ね。きっと、すごく可愛いと思うのだけど」
「シャーロット様、申し上げにくいのですが明日の準備がまだ終わっておりませんので、私はこれで失礼いたします」
「あら、そうなのね……頑張ってね」
「はい、ありがとうございます。では、行ってまいります」
彼女は一礼してから部屋を出ていったので、残された私は仕方なく一人で準備を進めることにした。
「はぁ……面倒臭いわね。私の専属になってくれないかしら……」
思わず独り言を呟いていると、不意に扉をノックする音が響いたので振り返るとそこには殿下の姿があった。
「殿下……どうかなさいましたか?」
「ああ、ちょっと君に相談したいことがあったからね。少し時間を作ってもらっても構わないかな?」
「ええ、構いませんよ。それで、相談というのは一体どのような内容でしょうか?」
「実は、今回の舞踏会で婚約破棄を撤回するつもりなんだけど、君はそれでも問題ないかなって思って」
「ええ、もちろんですわ。むしろ、今さら何を言っているのかと呆れ果てています」
「そうかい? それなら安心したよ。ところで、君の方は大丈夫なのかな?」
「はい? どういう意味でしょうか?」
「いや、君も色々と大変そうだと思ったんだけど。ウィルの事も見つけられなくて……あの戦場ではやはり誰も……」
「……ええ、確かに大変なことはありますが、なんとか乗り越えられると思います」
「そうか……それならば良いんだけどね」
「心配してくださったんですね。ありがとうございます」
「いや、別に大したことではないから気にしないでくれるかな」
「はい、わかりました」
「うん、じゃあ僕は戻ることにするよ。邪魔をして悪かったね」
「いえ、こちらこそわざわざ来ていただいたのにすみませんでした」
そうして彼が部屋から出ていくと、私は溜息を吐いてから再び作業に戻ったのだった。
そして翌日になり、いよいよ運命の日を迎えることになった。
「はぁ……ついにこの日が来たのね」
「シャーロット様、ご気分が悪いようでしたら無理をなさらずお休みください」
「いえ、大丈夫よ。それより、エマの方こそ休んでいないのではないかしら? 昨日からずっと忙しそうにしているようだし」
「いえ、私のことなど気になさらないでください」
「そうかしら……でも、本当に体調が悪くなった時はきちんと休むのよ」
「はい、わかりました」
真面目な彼女は相変わらず素直に言うことを聞かないので、少し困ってしまうがこれ以上言っても無駄だと思い諦めることにした。
「シャーロット様、お迎えの馬車が到着しております」
「そう、わかったわ。すぐに向かうと伝えてくれる?」
「はい、承知しました」
それからしばらくして、私は身支度を整えてから会場へと向かった。
「シャーロット様、髪飾りはどれにいたしましょうか?」
「うーん……これなんかどうかしら?」
「まぁ、とてもよくお似合いですね。さすがはシャーロット様です」
「うふふっ、ありがとう。アリシアもとても綺麗よ。いつものようにメイド服ではなくてドレスを着てくれても良いのに……ねぇ、いい加減に着てみない?」
「いえ、私はメイドですのでそういう訳にはいきません」
「そう……残念ね。きっと、すごく可愛いと思うのだけど」
「シャーロット様、申し上げにくいのですが明日の準備がまだ終わっておりませんので、私はこれで失礼いたします」
「あら、そうなのね……頑張ってね」
「はい、ありがとうございます。では、行ってまいります」
彼女は一礼してから部屋を出ていったので、残された私は仕方なく一人で準備を進めることにした。
「はぁ……面倒臭いわね。私の専属になってくれないかしら……」
思わず独り言を呟いていると、不意に扉をノックする音が響いたので振り返るとそこには殿下の姿があった。
「殿下……どうかなさいましたか?」
「ああ、ちょっと君に相談したいことがあったからね。少し時間を作ってもらっても構わないかな?」
「ええ、構いませんよ。それで、相談というのは一体どのような内容でしょうか?」
「実は、今回の舞踏会で婚約破棄を撤回するつもりなんだけど、君はそれでも問題ないかなって思って」
「ええ、もちろんですわ。むしろ、今さら何を言っているのかと呆れ果てています」
「そうかい? それなら安心したよ。ところで、君の方は大丈夫なのかな?」
「はい? どういう意味でしょうか?」
「いや、君も色々と大変そうだと思ったんだけど。ウィルの事も見つけられなくて……あの戦場ではやはり誰も……」
「……ええ、確かに大変なことはありますが、なんとか乗り越えられると思います」
「そうか……それならば良いんだけどね」
「心配してくださったんですね。ありがとうございます」
「いや、別に大したことではないから気にしないでくれるかな」
「はい、わかりました」
「うん、じゃあ僕は戻ることにするよ。邪魔をして悪かったね」
「いえ、こちらこそわざわざ来ていただいたのにすみませんでした」
そうして彼が部屋から出ていくと、私は溜息を吐いてから再び作業に戻ったのだった。
そして翌日になり、いよいよ運命の日を迎えることになった。
「はぁ……ついにこの日が来たのね」
「シャーロット様、ご気分が悪いようでしたら無理をなさらずお休みください」
「いえ、大丈夫よ。それより、エマの方こそ休んでいないのではないかしら? 昨日からずっと忙しそうにしているようだし」
「いえ、私のことなど気になさらないでください」
「そうかしら……でも、本当に体調が悪くなった時はきちんと休むのよ」
「はい、わかりました」
真面目な彼女は相変わらず素直に言うことを聞かないので、少し困ってしまうがこれ以上言っても無駄だと思い諦めることにした。
「シャーロット様、お迎えの馬車が到着しております」
「そう、わかったわ。すぐに向かうと伝えてくれる?」
「はい、承知しました」
それからしばらくして、私は身支度を整えてから会場へと向かった。
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