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闇が来ると彼女は言った
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朝の学校はいつも通り賑やかだ。
人の喧騒の中を通り抜け、教室に入って、光輝は自分の席に付いて鞄を置いた。
ほっと安心の息を吐いていると、不意に横から声を掛けられてびっくりした。
「おはよう、時坂君」
「おはよう、凛堂さん」
挨拶をしてきたのは隣の席の凛堂郁子だ。黒髪ロングの似合う寡黙な少女で特に親しく話したことはない。
クラスのみんなともほとんど会話をしているのを見たことのない彼女が挨拶をしてくるなんて珍しい何かの前触れかと思っていたら、それっきり本を読み始めてしまった。ただの彼女の気まぐれだったようだ。
気にしてもしょうがない。無表情で本を読み続ける彼女の考えなんて分からない。光輝は気にしないことにして授業の準備をすることにした。
チャイムが鳴って、いつもの授業が始まる。先生の話を聞きながら今日も平和だと思っていたら、不意に隣で郁子が呟いた。
「今日の風は黒いわね」
「え?」
不思議に思って彼女の視線を辿って窓の外を見るが、別に風は荒れてるわけでも色が付いてるわけでも無かった。天気の良いほのぼのとした朝だ。
視線を窓から教室に戻すと、郁子は気にせず教科書を見ていた。ただの空耳だったのかまた何かの気まぐれだったのだろうか。
隣の席にいるのにあまり口を利いたことのないクラスメイトを気にしてもしょうがないので、光輝は授業に意識を戻すことにした。
先生が黒板にチョークを走らせる授業の時間が流れる。このクラスの生徒はみんな真面目で、光輝も置いていかれまいと意識した。
それから数分が経った頃だろうか。
いきなり窓ガラスやドアがガタガタと揺れだした。風が強くなったのだろうか、郁子が風がどうとか言ってたのはこれか、隣のクラスメイトは天気予報士かと思っていたら、いきなり窓ガラスが割れて黒い影が飛びこんできた。
石が投げ込まれたわけでは無かった。鳥や蜂が飛びこんできたわけでも無かった。
それには角があり、翼があり、牙や爪があった。現れたのは悪魔だった。最初はみんなわけが分からなかったが、一人が悲鳴を上げるとみんなが逃げ出した。
危なさそうな動物が出たら誰だって距離を取る。だが、光輝はただ黙って見ているしか出来なかった。それは隣の郁子が黙って見ていたからそうしてしまったのかもしれない。
悪魔が凶悪的に見せる爪から逃げようと生徒達がドアに押し寄せるが、ドアは開かなかった。
悪魔は語る。流暢な日本語で。
「無駄だ。ロックの魔法を掛けた。そのドアはもう内側からは開かない。お前達の中に闇の炎を受け継いだ者がいるはずだ。そいつを出せ」
みんなには何の事か分からない。光輝も分からずに見ていると、郁子が悪魔の前に歩み出た。彼女はいつもの涼やかな顔を全く崩さず、悪魔を相手に恐れも好奇心も見せずに堂々と啖呵を切った。
「闇の者よ、この世界であなたの好きにはさせないわ」
「お前、ハンターか!」
悪魔はみんなの知らない郁子のことを知っているようだった。みんなが彼女を頼りに見る中で、郁子は先生に向かって片手を伸ばして言った。
「先生、この前わたしから没収した剣を返して! 闇の者はあれで無ければ倒せない!」
「あれなら職員室に置いてあるぞ。凛堂、あんな物を学校に持ってきちゃ駄目だぞ」
「職員室ね」
郁子は颯爽と行こうとするが、ドアは開かない。悪魔は言う。親切に二回目を。
「そのドアはロックの魔法を掛けているから内側からは開かんぞ。たとえハンターだとしても例外ではない!」
「そうだったわね。どうしようかしら」
悩んでしまう郁子。みんながハンターに何とかしてもらおう、わけの分からない物は専門家にお任せと頼りにして状況を見守る中で、光輝は思い切って言う事にした。
「悪魔よ、お前の狙いは何なんだ!」
言ってしまってから希美みたいな言い回しになってしまったと恥じたが、悪魔が大真面目に返してくれたので助かった。
「俺は主様から命じられて闇の炎を宿す者を探しに来たのだ。この辺りにいるはずなのだが。おや、お前の右腕から感じる力は……」
「気づかれたか」
悪魔が飛びかかるのと、郁子が光輝を突き飛ばしたのは同時だった。いきなり突き飛ばされた光輝はその勢いのまま机の角で頭を打ってしまう。
「痛い! 何をするんだ凛堂さん!」
「敵の狙いはあなたなのよ!」
「え!?」
「お前が炎を宿す者だな。主様の仰られた通り、ここにいた!」
悪魔が光輝を追い詰めるようににじり寄る。郁子は悔し気だ。
「刀さえあれば……」
「すまんな、凛堂。玩具だと思ったんだ」
先生が謝った時、ドアが開いて希美が姿を現した。
「お兄ちゃん! 何かここの窓に黒いのが飛び込むのが見えたんだけど何の騒ぎ……!?」
「しまった! 俺のロックの魔法は外側には鍵を掛けられないんだ!」
悪魔の注意が逸れた隙に、郁子は光輝の手を掴んでダッシュした。
「チャンスよ! 後をお願い!」
「任された!」
後をノリで答えた希美に託し、郁子と光輝は教室から廊下へ飛び出した。そのまま職員室を目指して走っていく。希美は恐れと興奮を我慢して悪魔と向かい合う。
「魔の者、いつか対峙することになるとは思っていたけど」
「お前は我を恐れず向かって来るか」
「お兄ちゃんは必ず戻ってくるよ。そういう人なんだ!」
「そうか。ならば待たせてもらうとしよう!」
二人の間に一触即発の空気が流れる。
悪魔は光輝と郁子を追っては来なかった。光輝は途中で郁子の手を振り払った。
「何が起きているんだ! 説明してくれたって良いだろう!」
「そうね」
郁子は真面目な顔をして説明してくれる。教室の希美が心配だが、今戻っても出来ることはない。
狙われているのは自分だし、今は合理的に判断しようと光輝は彼女から話を聞くことにした。
「わたしは闇のハンターギルドから派遣されてきたハンターよ。闇の王の生まれ変わりと推測されたあなたを監視するためにこの学校に通っていたの」
「僕が闇の王の生まれ変わり!?」
まるで漫画か希美が好むような話だが、妹は何かを感じていたのだろうか。
光輝には分からないので今は分かる人の話を伺った。
「詳しいことは知らないけど、上はそう判断したの。上の決定に従うのが下の仕事よ」
「何で敵は僕を狙って……」
「それは敵に訊いてちょうだい。今は急ぐわ」
再び手を繋いで廊下を走る。授業中なので廊下には人気が無い。
異性と手を繋ぐなんて恥ずかしいなと光輝は思うが、郁子が何も気にいていないようなので照れを我慢した。今はそんな思春期なことを気にしている場合では無いのだ。
「職員室。ここね」
「そうだね」
日直の仕事で何回か来たことがあるので知っている。
目的地に着いた郁子は光輝のびっくりするような勢いでそこのドアを開けた。
「ドアは静かに開けなさい!」
先生に注意されるのも仕方がない乱暴な開け方だった。だが、郁子は動じなかった。
「緊急事態よ。静かにして」
悪魔に対しても恐れを見せない郁子は先生に対しても恐れない。
悪魔の現れた騒ぎは職員室にまでは届いていないようだった。先生達が問題児を見るような視線をぶつけてくる中で、光輝は気まずく思いながら彼女に代わって謝った。
「すみません、すみません」
郁子は気にせず光輝の手を引いたまま職員室を通り、机に立てかけてあった剣を手に取った。
「あったわ、これがあれば奴と戦える!」
「じゃあ、早く戻ろうね」
自分がついてきた意味はあったのだろうか。狙われているから意味はあるのか。光輝は自問自答した。
先生方からの視線が気まずい職員室からすぐに出ようと光輝は思ったのだが、郁子はあろうことか手にしたばかりの剣を鞘から抜いて数回振った。
白刃が宙に弧を描き、郁子は実に手慣れた動作でそれを鞘に収めた。
「うん、絶好調。勘は鈍ってないわ」
彼女は実に誇らしげで満足そうだった。
「はいはい、分かったから早く戻ろうね。すみませんすみません」
光輝の方はただ気まずさが増しただけだった。彼女の背中を押してみんなにあやまりながら職員室を出た。
廊下に出て光輝は周囲を確認する。悪魔の姿は見えなかった。左右に素早く視線を走らせて郁子は言う。
「まだ教室にいるのかもしれないわ。行きましょう」
素早く駆け出す少女。
「廊下は走っちゃ……」
いけませんとは今更言える状況では無かった。光輝は急いで彼女の後を追った。
人の喧騒の中を通り抜け、教室に入って、光輝は自分の席に付いて鞄を置いた。
ほっと安心の息を吐いていると、不意に横から声を掛けられてびっくりした。
「おはよう、時坂君」
「おはよう、凛堂さん」
挨拶をしてきたのは隣の席の凛堂郁子だ。黒髪ロングの似合う寡黙な少女で特に親しく話したことはない。
クラスのみんなともほとんど会話をしているのを見たことのない彼女が挨拶をしてくるなんて珍しい何かの前触れかと思っていたら、それっきり本を読み始めてしまった。ただの彼女の気まぐれだったようだ。
気にしてもしょうがない。無表情で本を読み続ける彼女の考えなんて分からない。光輝は気にしないことにして授業の準備をすることにした。
チャイムが鳴って、いつもの授業が始まる。先生の話を聞きながら今日も平和だと思っていたら、不意に隣で郁子が呟いた。
「今日の風は黒いわね」
「え?」
不思議に思って彼女の視線を辿って窓の外を見るが、別に風は荒れてるわけでも色が付いてるわけでも無かった。天気の良いほのぼのとした朝だ。
視線を窓から教室に戻すと、郁子は気にせず教科書を見ていた。ただの空耳だったのかまた何かの気まぐれだったのだろうか。
隣の席にいるのにあまり口を利いたことのないクラスメイトを気にしてもしょうがないので、光輝は授業に意識を戻すことにした。
先生が黒板にチョークを走らせる授業の時間が流れる。このクラスの生徒はみんな真面目で、光輝も置いていかれまいと意識した。
それから数分が経った頃だろうか。
いきなり窓ガラスやドアがガタガタと揺れだした。風が強くなったのだろうか、郁子が風がどうとか言ってたのはこれか、隣のクラスメイトは天気予報士かと思っていたら、いきなり窓ガラスが割れて黒い影が飛びこんできた。
石が投げ込まれたわけでは無かった。鳥や蜂が飛びこんできたわけでも無かった。
それには角があり、翼があり、牙や爪があった。現れたのは悪魔だった。最初はみんなわけが分からなかったが、一人が悲鳴を上げるとみんなが逃げ出した。
危なさそうな動物が出たら誰だって距離を取る。だが、光輝はただ黙って見ているしか出来なかった。それは隣の郁子が黙って見ていたからそうしてしまったのかもしれない。
悪魔が凶悪的に見せる爪から逃げようと生徒達がドアに押し寄せるが、ドアは開かなかった。
悪魔は語る。流暢な日本語で。
「無駄だ。ロックの魔法を掛けた。そのドアはもう内側からは開かない。お前達の中に闇の炎を受け継いだ者がいるはずだ。そいつを出せ」
みんなには何の事か分からない。光輝も分からずに見ていると、郁子が悪魔の前に歩み出た。彼女はいつもの涼やかな顔を全く崩さず、悪魔を相手に恐れも好奇心も見せずに堂々と啖呵を切った。
「闇の者よ、この世界であなたの好きにはさせないわ」
「お前、ハンターか!」
悪魔はみんなの知らない郁子のことを知っているようだった。みんなが彼女を頼りに見る中で、郁子は先生に向かって片手を伸ばして言った。
「先生、この前わたしから没収した剣を返して! 闇の者はあれで無ければ倒せない!」
「あれなら職員室に置いてあるぞ。凛堂、あんな物を学校に持ってきちゃ駄目だぞ」
「職員室ね」
郁子は颯爽と行こうとするが、ドアは開かない。悪魔は言う。親切に二回目を。
「そのドアはロックの魔法を掛けているから内側からは開かんぞ。たとえハンターだとしても例外ではない!」
「そうだったわね。どうしようかしら」
悩んでしまう郁子。みんながハンターに何とかしてもらおう、わけの分からない物は専門家にお任せと頼りにして状況を見守る中で、光輝は思い切って言う事にした。
「悪魔よ、お前の狙いは何なんだ!」
言ってしまってから希美みたいな言い回しになってしまったと恥じたが、悪魔が大真面目に返してくれたので助かった。
「俺は主様から命じられて闇の炎を宿す者を探しに来たのだ。この辺りにいるはずなのだが。おや、お前の右腕から感じる力は……」
「気づかれたか」
悪魔が飛びかかるのと、郁子が光輝を突き飛ばしたのは同時だった。いきなり突き飛ばされた光輝はその勢いのまま机の角で頭を打ってしまう。
「痛い! 何をするんだ凛堂さん!」
「敵の狙いはあなたなのよ!」
「え!?」
「お前が炎を宿す者だな。主様の仰られた通り、ここにいた!」
悪魔が光輝を追い詰めるようににじり寄る。郁子は悔し気だ。
「刀さえあれば……」
「すまんな、凛堂。玩具だと思ったんだ」
先生が謝った時、ドアが開いて希美が姿を現した。
「お兄ちゃん! 何かここの窓に黒いのが飛び込むのが見えたんだけど何の騒ぎ……!?」
「しまった! 俺のロックの魔法は外側には鍵を掛けられないんだ!」
悪魔の注意が逸れた隙に、郁子は光輝の手を掴んでダッシュした。
「チャンスよ! 後をお願い!」
「任された!」
後をノリで答えた希美に託し、郁子と光輝は教室から廊下へ飛び出した。そのまま職員室を目指して走っていく。希美は恐れと興奮を我慢して悪魔と向かい合う。
「魔の者、いつか対峙することになるとは思っていたけど」
「お前は我を恐れず向かって来るか」
「お兄ちゃんは必ず戻ってくるよ。そういう人なんだ!」
「そうか。ならば待たせてもらうとしよう!」
二人の間に一触即発の空気が流れる。
悪魔は光輝と郁子を追っては来なかった。光輝は途中で郁子の手を振り払った。
「何が起きているんだ! 説明してくれたって良いだろう!」
「そうね」
郁子は真面目な顔をして説明してくれる。教室の希美が心配だが、今戻っても出来ることはない。
狙われているのは自分だし、今は合理的に判断しようと光輝は彼女から話を聞くことにした。
「わたしは闇のハンターギルドから派遣されてきたハンターよ。闇の王の生まれ変わりと推測されたあなたを監視するためにこの学校に通っていたの」
「僕が闇の王の生まれ変わり!?」
まるで漫画か希美が好むような話だが、妹は何かを感じていたのだろうか。
光輝には分からないので今は分かる人の話を伺った。
「詳しいことは知らないけど、上はそう判断したの。上の決定に従うのが下の仕事よ」
「何で敵は僕を狙って……」
「それは敵に訊いてちょうだい。今は急ぐわ」
再び手を繋いで廊下を走る。授業中なので廊下には人気が無い。
異性と手を繋ぐなんて恥ずかしいなと光輝は思うが、郁子が何も気にいていないようなので照れを我慢した。今はそんな思春期なことを気にしている場合では無いのだ。
「職員室。ここね」
「そうだね」
日直の仕事で何回か来たことがあるので知っている。
目的地に着いた郁子は光輝のびっくりするような勢いでそこのドアを開けた。
「ドアは静かに開けなさい!」
先生に注意されるのも仕方がない乱暴な開け方だった。だが、郁子は動じなかった。
「緊急事態よ。静かにして」
悪魔に対しても恐れを見せない郁子は先生に対しても恐れない。
悪魔の現れた騒ぎは職員室にまでは届いていないようだった。先生達が問題児を見るような視線をぶつけてくる中で、光輝は気まずく思いながら彼女に代わって謝った。
「すみません、すみません」
郁子は気にせず光輝の手を引いたまま職員室を通り、机に立てかけてあった剣を手に取った。
「あったわ、これがあれば奴と戦える!」
「じゃあ、早く戻ろうね」
自分がついてきた意味はあったのだろうか。狙われているから意味はあるのか。光輝は自問自答した。
先生方からの視線が気まずい職員室からすぐに出ようと光輝は思ったのだが、郁子はあろうことか手にしたばかりの剣を鞘から抜いて数回振った。
白刃が宙に弧を描き、郁子は実に手慣れた動作でそれを鞘に収めた。
「うん、絶好調。勘は鈍ってないわ」
彼女は実に誇らしげで満足そうだった。
「はいはい、分かったから早く戻ろうね。すみませんすみません」
光輝の方はただ気まずさが増しただけだった。彼女の背中を押してみんなにあやまりながら職員室を出た。
廊下に出て光輝は周囲を確認する。悪魔の姿は見えなかった。左右に素早く視線を走らせて郁子は言う。
「まだ教室にいるのかもしれないわ。行きましょう」
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