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第2話 きらりちゃんに会いに行こう
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次の日、俺はいつものようにゲームをしながらきらりちゃんは今頃何をやっているんだろうと気になった。
「うわ! また負けた」
集中力を切らしても良い結果にならないな。神社に神頼みでもしてくるか。ついでにどこまで行けるか運勢を見ておこう。
そう思って俺は久しぶりに外に出る事にした。
笹島神社は家の近所にある。歩いていける距離にあるのはありがたい。石段を昇るのは面倒だが。
頑張って息を切らしながら昇ると、ちょうど境内できらりちゃんが箒を持って掃除していた。
「きらりちゃん!」
「あ、昨日はお世話になりました。あれから何かありましたか?」
「いや、悪霊とかは出てないんだけど。ガチャを引きに来たんだ」
「ガチャ??」
きらりちゃんは不思議そうに首を傾げる。この年頃の子は知らないか。
(そもそもきらりちゃんは何才なんだろう。背は低いけどしっかりしているから年上に見えるんだよな。まあ、ニートの俺より働いてる彼女の方がしっかりしているのは当然かもしれないが)
考え事をしながら彼女の姿を眺めているときらりちゃんの目が不審な物を見るように鋭くなった。おっと、またぶたれないうちに用件を言ってしまおう。
俺は慌てて言い直した。
「いや、ガチャじゃなくて。おみくじを引きに来たんだ」
「ああ、おみくじですね。少々お待ちください」
きらりちゃんは深読みせずにすぐに取りに走っていった。そして、すぐに戻ってきて俺におみくじの入った筒を差し出した。
「500円になります」
「500!?」
高くね? と思ったが笑顔のきらりちゃんを見てはもう後には引けない。泣く泣く彼女に500円を差し出し、俺は勢いよく筒を振った。
「うおお! こうなったら当たりを引いてやる! 良いガチャ当たれ!」
そして、出てきたおみくじは……
「大凶!? ……なんて本当にあるんだ」
「やはり悪霊に憑りつかれているのでは……お祓いしていきますか?」
「じゃあ、お願いしようかな。きらりちゃんのお祓いなら効きそうだ」
「それじゃあ、1000……」
「うう……」
俺は泣く泣くきらりちゃんに紙幣を差し出した。さすがに哀れに思われたのか、
「あの……悪霊退治はただで引き受けますから」
「ああ、その時はお願いするよ」
お祓いをされながら彼女に気を使われるのだった。
「ふう、リアルの女は金が掛かるぜ」
家に帰ってそう強がる俺。大凶のおみくじは神社に結んできた。
お祓いが終わって運気が上がった気分になったのでもう一度引かせてもらったが、さすがにきらりちゃんの前でもう一度確認する勇気が無くてそれは持って帰ってきた。
もう一度お祓いをしてもらうのも申し訳ないしな。
「しかし、きらりちゃんの巫女服姿は良かったな。ただで悪霊退治してもらえるならそういうのが出てきてもいいかもな。悪霊ハンターきらりちゃんなんてな」
そんな事を呟く。
「それにしても、おみくじには何て書いてあるんだろう?」
俺はやっぱり気になったので運気が上がった気分になってから引いたそのおみくじをここで確認することにした。
「お、大吉じゃん。さすがきらりちゃん、金のかかる女」
さらに読み進めていく。
『恋愛運:今すぐ彼女作りに行け』
「どういう意味だよ。俺にきらりちゃんを口説けって言うのか。無茶言うなあ、このおみくじ野郎」
『仕事運:部下の言う事をよく聞いておけば上手くいく』
「部下なんていねよ。ニートだし。いや、ゲームの世界ならいるのか? 俺一応ギルドでは古参だし」
『金運:貯金を崩せ』
「今日使っちまったよ。くそったれ! まあ、ガチャを回す分ぐらいは残っているが」
『健康運:寝不足は禁物、しっかり睡眠を取りましょう』
「ああ、そうかよ。なら今日ぐらいは早く寝ようかな」
そして、最後の文面を読み終える。
「なになに、『総合的に見て、あなたはとても運が良いです。ですが、油断するとすぐにトラブルに巻き込まれるでしょう。注意してください』って、なんだこりゃ? どういう意味だ?」
まさか身近にトラブルの種があるというのか?
「そういえばきらりちゃんがこの家には悪寒がするような空気があると言ってたな。俺の匂いじゃないっていうなら何か悪霊に関係する物がこの家にあるのだろうか」
俺はちょっと家の中を探してみることにした。
部屋に積んである物をどかしたり、布団をめくったり、押し入れの中を探したりしてみる。
「積みゲーが多いな早く崩せよ。うわっ、埃がいっぱい。誰か掃除しろよ。きらりちゃんが掃除してくれないかな。いや、こんなフィギュアを見られるわけにもいかないか」
あちこち探している間に何か怪しいお札のような物が貼られた妖刀のような物を見つけた。
「何だこれ? そういえば昔伝奇物にハマっていた時にそれっぽいと思ってポチったっけ」
そのまま押し入れに直行してしまったが。お札を外して抜いてみようとして止めておいた。
きらりちゃんと会う口実になるかもしれないし、彼女は意外とこういう物を喜ぶかもしれない。
「プレゼントするなら新品がいいしな。よし、明日きらりちゃんに持っていこう」
俺はそう決めてその日は早く寝る事にした。大吉のおみくじの通りにしたらきっと運気が良くなるぞと思いながら。
「うわ! また負けた」
集中力を切らしても良い結果にならないな。神社に神頼みでもしてくるか。ついでにどこまで行けるか運勢を見ておこう。
そう思って俺は久しぶりに外に出る事にした。
笹島神社は家の近所にある。歩いていける距離にあるのはありがたい。石段を昇るのは面倒だが。
頑張って息を切らしながら昇ると、ちょうど境内できらりちゃんが箒を持って掃除していた。
「きらりちゃん!」
「あ、昨日はお世話になりました。あれから何かありましたか?」
「いや、悪霊とかは出てないんだけど。ガチャを引きに来たんだ」
「ガチャ??」
きらりちゃんは不思議そうに首を傾げる。この年頃の子は知らないか。
(そもそもきらりちゃんは何才なんだろう。背は低いけどしっかりしているから年上に見えるんだよな。まあ、ニートの俺より働いてる彼女の方がしっかりしているのは当然かもしれないが)
考え事をしながら彼女の姿を眺めているときらりちゃんの目が不審な物を見るように鋭くなった。おっと、またぶたれないうちに用件を言ってしまおう。
俺は慌てて言い直した。
「いや、ガチャじゃなくて。おみくじを引きに来たんだ」
「ああ、おみくじですね。少々お待ちください」
きらりちゃんは深読みせずにすぐに取りに走っていった。そして、すぐに戻ってきて俺におみくじの入った筒を差し出した。
「500円になります」
「500!?」
高くね? と思ったが笑顔のきらりちゃんを見てはもう後には引けない。泣く泣く彼女に500円を差し出し、俺は勢いよく筒を振った。
「うおお! こうなったら当たりを引いてやる! 良いガチャ当たれ!」
そして、出てきたおみくじは……
「大凶!? ……なんて本当にあるんだ」
「やはり悪霊に憑りつかれているのでは……お祓いしていきますか?」
「じゃあ、お願いしようかな。きらりちゃんのお祓いなら効きそうだ」
「それじゃあ、1000……」
「うう……」
俺は泣く泣くきらりちゃんに紙幣を差し出した。さすがに哀れに思われたのか、
「あの……悪霊退治はただで引き受けますから」
「ああ、その時はお願いするよ」
お祓いをされながら彼女に気を使われるのだった。
「ふう、リアルの女は金が掛かるぜ」
家に帰ってそう強がる俺。大凶のおみくじは神社に結んできた。
お祓いが終わって運気が上がった気分になったのでもう一度引かせてもらったが、さすがにきらりちゃんの前でもう一度確認する勇気が無くてそれは持って帰ってきた。
もう一度お祓いをしてもらうのも申し訳ないしな。
「しかし、きらりちゃんの巫女服姿は良かったな。ただで悪霊退治してもらえるならそういうのが出てきてもいいかもな。悪霊ハンターきらりちゃんなんてな」
そんな事を呟く。
「それにしても、おみくじには何て書いてあるんだろう?」
俺はやっぱり気になったので運気が上がった気分になってから引いたそのおみくじをここで確認することにした。
「お、大吉じゃん。さすがきらりちゃん、金のかかる女」
さらに読み進めていく。
『恋愛運:今すぐ彼女作りに行け』
「どういう意味だよ。俺にきらりちゃんを口説けって言うのか。無茶言うなあ、このおみくじ野郎」
『仕事運:部下の言う事をよく聞いておけば上手くいく』
「部下なんていねよ。ニートだし。いや、ゲームの世界ならいるのか? 俺一応ギルドでは古参だし」
『金運:貯金を崩せ』
「今日使っちまったよ。くそったれ! まあ、ガチャを回す分ぐらいは残っているが」
『健康運:寝不足は禁物、しっかり睡眠を取りましょう』
「ああ、そうかよ。なら今日ぐらいは早く寝ようかな」
そして、最後の文面を読み終える。
「なになに、『総合的に見て、あなたはとても運が良いです。ですが、油断するとすぐにトラブルに巻き込まれるでしょう。注意してください』って、なんだこりゃ? どういう意味だ?」
まさか身近にトラブルの種があるというのか?
「そういえばきらりちゃんがこの家には悪寒がするような空気があると言ってたな。俺の匂いじゃないっていうなら何か悪霊に関係する物がこの家にあるのだろうか」
俺はちょっと家の中を探してみることにした。
部屋に積んである物をどかしたり、布団をめくったり、押し入れの中を探したりしてみる。
「積みゲーが多いな早く崩せよ。うわっ、埃がいっぱい。誰か掃除しろよ。きらりちゃんが掃除してくれないかな。いや、こんなフィギュアを見られるわけにもいかないか」
あちこち探している間に何か怪しいお札のような物が貼られた妖刀のような物を見つけた。
「何だこれ? そういえば昔伝奇物にハマっていた時にそれっぽいと思ってポチったっけ」
そのまま押し入れに直行してしまったが。お札を外して抜いてみようとして止めておいた。
きらりちゃんと会う口実になるかもしれないし、彼女は意外とこういう物を喜ぶかもしれない。
「プレゼントするなら新品がいいしな。よし、明日きらりちゃんに持っていこう」
俺はそう決めてその日は早く寝る事にした。大吉のおみくじの通りにしたらきっと運気が良くなるぞと思いながら。
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