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媚薬と執着

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「あっ…ん…ラファエル、殿下、もう…やめ」
「もう…無理だ…止めてあげられない…」
どこか懇願する様な眼差しがリリアンヌを絡め取る様にトロリと甘く揺らめいて見える。

「君の全てをもらうよ」


ラファエルの手がするりとリリアンヌの髪を解いてくしゃりと握りしめた。

─そんな苦しげな顔で、なぜこんなことを…

─なぜこんなことに…

リリアンヌの知るラファエルは紳士的でガリガリだったリリアンヌをまるで栄養の足りてない孤児でも見るように懐から小さなキャンディや焼き菓子を取り出してはいつも与えてくれる優しい王子様だった。

なのに…

首筋をラファエルの舌が這う。
「やっ、…んっ」
胸を柔らかく揉み込み片方の手はリリアンヌの両手を拘束したままラファエルは息の上がった状態で乱れるリリアンヌを欲に染った眼差しでねっとりと見つめている。
「やぁ…あっ…あっ…」
口に含まれた乳首を吸い上げ引っ張られ、くちゅくちゅと口の中で転がされる。
「…あっ…んんっ」

長い指が乳房を離れ太ももをなぞり下着の中に入っていく。
「ひっ…やぁ、そこダメっあっ、んんんん」

長い指が膣内に潜り溢れた蜜を入り口の突起に塗りつけ擦り付けた。
「やっ、ダメ、あっ…あぁ、ん」
くちゅりと音がする。
それが自分の下肢からの音だとわかりリリアンヌは羞恥で息すら止まりそうだった。
ギシギシと音がする。リリアンヌを拘束していた存在が少しずつリリアンヌの足元に位置を変えて行く。
今まで拘束していた手がいつの間にか離されていたことにも気づかずリリアンヌは初めて感じる刺激に狼狽えながらも感じていた。
足を開かれその間にラファエルが入り込みリリアンヌの蜜口を舐めた。
「やっ!そんな、んん…ラファエル様、ダメ…あっあぁ…っ…ふっ…ぅああ…」

そんな場所を、ラファエルが舐めるなんて。リリアンヌは非現実的過ぎる光景に目を逸らし手に触れる布を握りしめ顔を隠した。
「ひっ…っん…」
指が膣内をかき乱し跳ね上がる身体が押さえつけられてリリアンヌは初めて絶頂を経験した。
「あぁっ…あっ…んんー!!」
リリアンヌの痴態を舐めるように見ていたラファエルは己の熱をリリアンヌの蜜口に押し当て擦り付けながらゆっくりと中へ進めて行った。
焼け付く熱がメリメリとリリアンヌの中を突き進む。

「やぁぁぁ!痛っんァっ、ぁ…あっ痛っ…いやっ」

ぐっと圧迫感のある物が膣内に入り込みリリアンヌは余りの痛さに硬直した。






「あっ…ぁぁ、んんっ、やぁ!ラファエル様、くる…きちゃうの……やぁぁぁ!!」

「っ、く、リリアンヌ」

涙目で必死に首を振り、何度目になるかわからない絶頂を迎えたと同時にリリアンヌの奥底で張り詰めた何かが弾けてじんわりと熱と快楽を広げていく。

リリアンヌがやっと終わったと力を抜いた瞬間にまた固さを取り戻した物がリリアンヌの膣内を擦る様に動き出した。
「ぁあ、や、もう許して」
首を振り懸命にラファエルを見上げて懇願する。
涙を流し熱に溶けた潤んだ眼差しと上気した肌。リリアンヌの姿に魅入った男は下肢にさらなる熱を感じ熱い息を吐いた。
「その顔は逆効果だよ」
白い足が片方ラファエルの手に捉えられ、つーっと舌が這う。太ももを舐めて吸い上げまた赤い所有印を付けていく。
女に執着した事など一度もないラファエルが、執拗なまでに所有印を付け、何度も子種を注ぐその意味をラファエル本人すら自覚すること無くリリアンヌの奥底を抉る様にまた腰を進めた。

「ひぁ、ぁぁ!も、やぁ、あぁ!!ダメ、ラファエル様!そこ、もうダメなの」
「リリアンヌは奥と入り口のコレを同時に弄られるのが気に入ったようだね」

ぐちゅっと抉る様に突き上げられると目の前が揺らぎ、快楽の波に飲まれて思考はどんどん薄れて行く。
初めは痛くて泣いた。
なのに汗ばみ壮絶な色気を放つラファエルは、執拗な愛撫でリリアンヌの快楽を強引に引きずり出しリリアンヌは何度も絶頂を繰り返すまでに慣らされてしまった。
そして何度めかの絶頂でラファエルは深く息を吐き停止した。

これで私は解放されるのでは?

とこの時、淡い期待を抱いたが結果はこの通りで、その後も何度も何度も子種を注がれた。

処女相手に鬼畜すぎる。
リリアンヌはマジ泣きでラファエルに壊れちゃうからもう止めてと懇願した。
しかししかし、その度にラファエルは逆効果だ、もしかしてわざとなのかと訳の分からない事を言って突き上げるのだ。

舞踏会の終わった深夜に襲われ、空が白みはじめ、気のせいだろうか…現在、暖かな春の日差しがカーテンの隙間から差し込んでいる気がする。

「…リリアンヌ」
口付けられ奥を強く突き上げられリリアンヌは強すぎる快感に目の前がチカチカした。


なぜこんなことになっているのか。


リリアンヌは気づけばまた精を放たれ、とうとう気を失った。






「…すまない、媚薬を仕込まれた事に気づき急いで部屋まで戻っていたところまでは我慢出来ていたんだが。いや、言い訳にしかならないな…本当に、すまない」

悄然とした顔色悪い男ラファエルは簡素なシャツにズボン姿でリリアンヌに土下座をして現在ぴくりとも動けないリリアンヌに謝罪を繰り返していた。

舞踏会でいつもしつこく言い寄ってくる女性から諦めるから最後に一緒に飲んで欲しいと頼まれ飲んだ酒に媚薬が入っていた。
異変に気づいたラファエルは女に誘われるまま客室で休憩する風を装って部下達と先程無事捕縛したそうだ。
ラファエルは後始末を部下に任せ何やら熱くなってきた身体を不審に思い犯人の令嬢に媚薬の詳細を訪ね、急ぎ自室に向かった。

普通の媚薬であれば既に様々な毒に体を慣らしているラファエルならば効果など現れるはずが無かった。
しかし、最悪な事にその媚薬は魔女の祝福を受けた媚薬だった。

魔女は気まぐれで、祝福は強力な効果を発揮する。なので魔女の祝福は魔女の呪いとも呼ばれている。
大陸の南にある魔女の里にて出会った世界屈指の魔女様である。
そんな情報を媚薬を仕込んだ令嬢から入手したラファエルは愕然とした。
ラファエルはひとまず部屋に戻り急ぎ解毒薬を作らねば…そう思い急ぎ戻っている途中だったのだと。

しかしその途中でリリアンヌにぶつかり、それからの記憶が朧気になっているそうだ。

事情も説明してもらえたし起きてからずっと謝って頂いている。
しかし、何度謝られても無理やり手篭めにされた事実に変わりはなく。リリアンヌは止まらない涙を拭う以外にどうする事もできなかった。

死ぬほど恥ずかしい思いと、溺れそうなほど何度も何度も子種を注がれた事実に頭が付いてきてくれない。
お菓子で釣られて懐いていた王族に手篭めにされた場合、一体どうしたら良いと言うのだ。

「ラファエル、さま、ひとまず……土下座はやめてください!」

リリアンヌはとりあえず、ぐずぐずと泣きながらそう言った。

土下座はまずいだろう。例え強姦魔でも王族なんだし。
ぐすん。
と言った心境になっていた。
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