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危機、据え膳で※
しおりを挟むコピペ漏れがあったため先ほど投稿した話を削除し、改めて公開しました。前の話を読んでいただいた方にはご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。
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目を開けると、窓から月が見えた。
一瞬ここはどこだと考えたけど、すぐに異世界の宿であることを思い出し、体を動かさずに目だけで時計を見る。
もうすぐ二時になるところだった。はやく寝たせいで半端な時間に目が覚めたのか。
「───ふ、ぅっ」
もう一度寝ようと目を閉じると同時に、背中からくぐもった声が聞こえた。
ああ……また泣いてるのか。
寝ぼけた頭でもすぐにそれに思い当たり、外側に向いていた体を反転して雅ちゃんの方へ向ける。
大丈夫だよ、と声をかけようとシーツに肘を立てて起き上がって、手を伸ばした先には驚愕の表情で目を見開いた雅ちゃんがいた。
オレが起き上がったせいでタオルケットがめくれている。前のボタンが全部外されていて、白い肌に……ずれ上がったブラジャーと、手がつっこまれているパンツ。
………………。
無言で凝視している間に、一瞬で顔を真っ赤にさせた雅ちゃんが開いていた前面をガバッと閉じて、「ちがうんです!」と叫んでスマホを押し付けてきた。投げられたかもしれない。
「こ、こここここ読んでください」
正直いまスマホなんか見ても頭に入らないと思うんだけど、かけるべき言葉も思い浮かばないので素直に液晶画面を覗き込む。画面を示している人差し指のにおい嗅ぎたい。
怪しまれない程度に顔をスマホに近づけて、書いてある文を読み進めた。
聖なる力は毎日放出しないと、体内に溜まって体を蝕む。
体が蝕まれることで一日の終わりに現れる症状は、性的欲求。
要約するとそんなようなことが書いてあった。
「………」
「あの、そういう理由で」
「今から結界出して放出じゃだめなの?」
問うと、雅ちゃんは無言でスマホをスクロールして次のページを表示させる。
『性的欲求が生じてしまえば、発散するまで聖なる力は使えない』
なるほど。
真っ赤な顔と涙目で見上げてくる雅ちゃんは大変よろしくない。
正直昨日の時点でムラムラしていたので、痴態まで見せられたら薄っぺらな理性はもう風前の灯だ。
「……雅ちゃん自慰したことないんじゃない?ひとりでイケる?」
「えっ」
相部屋で生活していたらしいし、何となく触るくらいしかしたことないんじゃないかな。
深夜二時。一日の終わりにということは、短く見積もっても二時間前から症状が出ていたわけで。
そこから理由を探るためにスマホを見て、解消方法を得た。少しためらったとしても、発情している状態でそんなに長い時間我慢する余裕も必要もない。触りだすまで一時間はかかっていないはず。もしオレだったら秒で股間に手を伸ばす。
慣れてないから絶頂までたどりつけないのかもしれない。……………ということにして、触りたい。
「イケそうだった?」
「………いえ、ぜんぜん」
「オレ手伝っていい?」
「うぇあ、や、は………お願いします」
どうしていいか分からなかったのかもしれない、信じられないほど簡単にお手伝いの許可が出た。
うきうきと雅ちゃんを後ろから抱きしめて、手だけで抑えていた寝間着の前を開いてもらう。
強張った体から力が抜けるよう、耳を触りうなじに唇を当てる。
「さっきどうやって触ってたの?」
「え、あの…ふつうに、胸と、下を」
体は火照るのに解消出来ない状態が長時間続いていたであろう雅ちゃんは、わりと素直に答えてくれる。
「触るね」
ずらしていただけのブラのホックを外して、肩で息をする彼女の上に跨って、少しだけ胸を揉んでみる。熱い。
息は荒いものの、もともと無理やり発情させられてはぁはぁ言ってたので、感じているわけではないと思われる。
乳首を手のひらで掠めるように撫でてみると、ちょっとだけ反応が返ってきた。
「気持ちいい?」
「あ、あんまわかんない…けど、ツライ」
その言葉を受けて、下半身に手を伸ばした。時間をかけて愛撫するより、早急にイカせた方が良い気がしたから。
雅ちゃんの身体をめいっぱい堪能したいところではあるけれど、これは前戯じゃなくて正常に戻すための行為だ。いちおう、建前上は。
「……あっ」
下着の上から指を往復させると小さな喘ぎ声が漏れた。
何度も繰り返し、擦り上げ、耳や首筋に唇を這わせる。
ゆっくりと艶っぽく吐き出していた息は段々と浅くなり、それに合わせて乳首を口に含んだ。かたくなった先端を転がし、甘噛みし、舌で刺激する。
漏れる声は甘みを帯び、足を擦り合わせはじめたので下着も脱がした。中指で膣口をなぞってみると、垂れる程ではないもののしっかりと濡れている。
愛液を掬いとって直接触れる。出来るだけ弱く刺激したつもりだったけど、クリトリスの位置に当たったときは途端にひときわ艶かしい声で身体を震わせた。
「ふ、あ、あっ」
あ───……むしゃぶりつきたい。
多分、このまま刺激していったらそのうちイク。
それは分かっていたけれど、至るところを舐めまわして調子にのっていたオレは雅ちゃんの秘部も舐めたくなった。
控えめな声を聞きながら、腰を撫で、顔を少しずつ下げていく。細い腰や臍下を味わい、膝を持ち上げて肩で押すように割り入った。
「雅ちゃん」
「……ふ……ぅあ、はいぃ…っひゃ」
少しぷっくりしたその場所をキスして食む。指が髪に通されて掴むように置かれたけれど、抵抗はなかったので唇と舌で堪能する。
コポリと愛液が溢れてきた。
指で確認すると、緊張はほとんどなくなったのかさっきより柔らかい。
これなら、そんなに痛くないかな……
浅いところ、第一関節だけをゆっくり挿れ、ほんの少し動かして反応を見る。
痛がるどころかむしろ喘ぎが増えたので、大丈夫だと判断したオレはその先も埋めていった。
うあー、狭い。
「気持ちよさそ……」
「ああっ!」
「気持ちいい?」
「っん、あ、あぁ、は、っ」
指を増やし、広げながら繰り返し押せばギュッと力が入り、舌の動きに合わせて締まる。
喘ぎ声がなくなって少し遅れて跳ねた体に、雅ちゃんがイッたのがわかった。
痙攣する体から指を抜き、口元を拭いながら起き上がる。
「大丈夫?寝れそう?」
「ん……」
雅ちゃんは胸を上下させ、ぐったりと動けないようだった。
タオルを濡らしてきて軽く拭き、体を支えて寝間着を腕に通させる。
「おやすみ」
ほとんど目が閉じていた雅ちゃんに声をかけ、オレは彼女の味を忘れないうちに浴室へと走ったのだった。
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