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戻ってきた元悪役令嬢
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しおりを挟むいっぱい溢れてくるからあんまり意味ないけど、ダートの涙を下から親指で拭いながら、気持ちが伝わる様に精一杯笑う。
「––––––じゃあ、ディアナはオレが死ぬまで幸せだ」
「そうね、長生きしてね?」
「死ねねぇな…ばーさんになったお前看取ってすぐオレもついてくわ」
「ふ、死んだ後もついてくるの?」
「当たり前、お前一人にしたら黄泉でも男が寄ってきそう」
私が居なくても生きてねって言わないといけないんだろうけど、言いたくない。どこまでもついてくるって言ってくれるダートがいい。
「オレはずっとディアナのだから、オレの全てはディアナのだから、要らなくなったらちゃんと処分してな」
泣き止まないダートの首に腕をまわして、抱き締める。
全身全部くっついて、離れてるところなんてない。
「ディアナ、そんなんされたらとまんね…こんなんちんこ突っ込んでやる話じゃねぇのに萎えないオレおそろし」
「要らなくなんてならない、私の全部もダートにあげる。」
ダートが両手を突っ張って、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔で私を見つめる。
ダートの顔を拭きながら、ああこの全部見せてくれるダートに惚れたんだなぁって思った。
体ごとおりてきて、顔中にキスを贈られる。
唇と唇が触れたとき、私から口を開いて舌を絡めとった。
ダートは一瞬ビクッと肩を震わせたけど、そのままお互い絡ませ合う。飲み込めなかった唾液が合わせた口から溢れるのも気にならない。
何度も角度を変えて夢中でキスを交わしながら、少しずつダートが腰を動かしだす。
「––––––っ、痛くねぇ?」
「全然へーき」
流石に気持ちいいとかはないけど、馴染んだのか痛みはない。
「……オレだけ気持ちいーのはヤダな」
そう言いながらダートの手が下半身に伸びて、そのままいつもの様に敏感なところへ愛撫される。
「ぅあ…」
「やべ、締まった。やっぱ中だけで良くなんのなんかまだまだ先だよな…気持ちい?ディアナ」
ダートの指に擦られるところが熱い。ゆっくりした動きが熱さを倍増させる。
「ぁ、んっ、…あっ」
「あぁ、かわいー…好きディアナ。可愛い、ディアナ…オレのディアナ」
「ふぁ––––…っんん、っ!」
グリッて潰された瞬間にぶぁって鳥肌が立って、達したのに気付いたダートの抽送が少しだけ速くなる。
「は、んっ」
「ディアナ、ディアナ」
目を開けたら目の前にまた泣いてるダートの顔があって、二人で必死に唇を合わせる。
合間合間に私の名前だけを呼んで、瞬きする度に落ちてくる涙さえ愛おしい。
「–––––––っ、ふ」
強く突かれて押し付けられて、しばらく動きがとまったあとずるりと抜けていった。
ダートはそのまま倒れ込んできて、私の背中に手を回したと同時にぐるんと上下を入れ替える。
「ぅわ」
「っはぁ––––~、ごめんすっげ気持ちいかった、最後痛くねかった?」
「…そーゆー感想いらない。痛くなかった。」
「なんでよ、事後の甘いトークを展開しようぜ」
ぎゅうぎゅう抱きこまれて、ダートが私の胸に顔を埋める。
「あー、こんなエロくない気持ちでディアナの胸に挟まる日がくるとは」
「ダート子供みたい」
髪の毛に手を入れて梳かしながら撫でて、頭のてっぺんにキスをする。
「子供…うん、いつか子供ほしーな。ディアナ、オレの嫁になってくんね」
「えぇ?」
「全部くれんだろ。夫婦になってちっせぇ家で死ぬまで幸せに暮らすの」
また泣きそうな顔で下から覗き込まれて、キュンとくる。ダートでっかいから上目遣いとか超貴重。
「まだ早くない?学生なのに」
「早くねぇよ、そのへんの学生と違ってオレらちゃんと自分で稼いで生活してんじゃん。オレお前と会ってから家の金使ったことねぇわ、権力は使ったけど」
「あはは、権力は使ったんだ」
「どっかの勇者様が次から次に男引き寄せるからな~、使えるもん何でも使って牽制してたわ」
「そんなことしてたの?」
「オレと組んで複数回口説いてくるヤツ居なくなったろ?ぜーんぶオレの仕業だ」
そう言えばしつこいの居なかった気がする。
「ただでさえ望み薄だったのに選択肢増やしてたまるかってな。奇跡起きてからは尚更だし」
「ふぅん。でも学生で夫婦になっちゃったらもう青春じゃなくない?卒業してからでいいじゃん」
「……じゃあ、卒業前にちゃんとプロポーズするわ。それまでディアナ婚約者ね、第二の王子様現れても困るし」
婚約者ね。元婚約者との縁も流石に切れただろうし、いいかもしれない。
にまにま笑う私をとびきり優しい目で見つめるダートと目が合って、思いっきり抱きついた。
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