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第45話 異世界でこれから
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「さて、マモルさん、これからどうするつもりですか?」
魔王幹部の顔に戻ったバララムが、これからのことを確認してきた。
バララム的にはこちらの話が本命で、お見合いというのがただの口実だと思っているようだった。
「六人の勇者の内、三人は大なり小なり負傷している。俺を含んだ二人はこちら側。一人は異世界に行ってしまった……チャンスだな」
「ええ、しかし、まだ数万という兵は残っています。マモルさんの所は数千の兵士しかいませんよね」
「ああ、まともにやったら、全くチャンスじゃないな」
「まあ、そうでしょうね」
「だから、王都を攻め落とします」
「え!?」
俺の言葉に反応したのは、静かに話を聞いていた風の王女アイレだった。
戦争も政治にも興味がないであろう王女は、黙って聞いていたが、この状況の不利さは十分い理解していたのだろう。しかし、戦いとは攻める方が難しく、十倍以上戦力が上の相手に攻め込むなど、その無謀さは十分分かっているようだった。
それに対して、バララムは俺の言葉に賛同してくれた。
「それしかないでしょうね。これまでは、私たち魔王軍い主力を割いていた上、たまたま個別撃破が出来ていましたから良かったですが、光の勇者まで異世界に追いやったとなれば、こちらに戦力を割いて短期決戦ののちに、私たちに向かってくるでしょうね」
「ああ、そうなれば、籠城戦をしてもじり貧だ。そもそも援軍来ない籠城なんてただの地獄だからな」
籠城戦は守る側が有利だが、気をつけなければいけないの点が二つ。一つは援軍が来ることが条件である。援軍さえ来れば、挟み撃ちにて長期戦から短期決戦に切り替えられる。そして、何より重要なのが兵糧、つまり水と食糧の確保だ。援軍が来れば、敵側の補給線を潰してしまえば、数の多さがアダになる。逆にこちらの食料が確保されいなければ、相手は無駄に攻め込まずに、ただ時間をかければ良くなってしまう。
魔王源が援軍としてきてくれれば籠城戦も選択肢に入るが、そもそも魔王との約束の期限もある。あまり悠長に時間をかけられない。
ならば先手を打ってこちらから仕掛けるしかない。
「それで、私に、いや私たちに何をやらせる気ですか?」
「流石、バララムさん。話が早くて助かる。そんな難しいことじゃないんですよ」
俺は考えていた計画をバララムとアイレに話した。
途中でメイを含めたノアール達も呼び、王都攻略計画を説明した。
その説明を聞いて、ノアールが抗議の声を上げた。
「マモル! アイレお姉様が危険じゃないですか!」
魔王幹部の顔に戻ったバララムが、これからのことを確認してきた。
バララム的にはこちらの話が本命で、お見合いというのがただの口実だと思っているようだった。
「六人の勇者の内、三人は大なり小なり負傷している。俺を含んだ二人はこちら側。一人は異世界に行ってしまった……チャンスだな」
「ええ、しかし、まだ数万という兵は残っています。マモルさんの所は数千の兵士しかいませんよね」
「ああ、まともにやったら、全くチャンスじゃないな」
「まあ、そうでしょうね」
「だから、王都を攻め落とします」
「え!?」
俺の言葉に反応したのは、静かに話を聞いていた風の王女アイレだった。
戦争も政治にも興味がないであろう王女は、黙って聞いていたが、この状況の不利さは十分い理解していたのだろう。しかし、戦いとは攻める方が難しく、十倍以上戦力が上の相手に攻め込むなど、その無謀さは十分分かっているようだった。
それに対して、バララムは俺の言葉に賛同してくれた。
「それしかないでしょうね。これまでは、私たち魔王軍い主力を割いていた上、たまたま個別撃破が出来ていましたから良かったですが、光の勇者まで異世界に追いやったとなれば、こちらに戦力を割いて短期決戦ののちに、私たちに向かってくるでしょうね」
「ああ、そうなれば、籠城戦をしてもじり貧だ。そもそも援軍来ない籠城なんてただの地獄だからな」
籠城戦は守る側が有利だが、気をつけなければいけないの点が二つ。一つは援軍が来ることが条件である。援軍さえ来れば、挟み撃ちにて長期戦から短期決戦に切り替えられる。そして、何より重要なのが兵糧、つまり水と食糧の確保だ。援軍が来れば、敵側の補給線を潰してしまえば、数の多さがアダになる。逆にこちらの食料が確保されいなければ、相手は無駄に攻め込まずに、ただ時間をかければ良くなってしまう。
魔王源が援軍としてきてくれれば籠城戦も選択肢に入るが、そもそも魔王との約束の期限もある。あまり悠長に時間をかけられない。
ならば先手を打ってこちらから仕掛けるしかない。
「それで、私に、いや私たちに何をやらせる気ですか?」
「流石、バララムさん。話が早くて助かる。そんな難しいことじゃないんですよ」
俺は考えていた計画をバララムとアイレに話した。
途中でメイを含めたノアール達も呼び、王都攻略計画を説明した。
その説明を聞いて、ノアールが抗議の声を上げた。
「マモル! アイレお姉様が危険じゃないですか!」
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