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第43話 異世界のナビゲーションシステムナビちゃん
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『そんなものもらってどうするんですか? 私はナビゲーションシステムですよ』
「そうだよな。ちなみに俺なら、実務は他の人間に任せて、金だけもらって悠々自適生活を送るけどな」
『そして、堕落の象徴として、新たな勇者に討たれるのですね』
「ぐぬぬ。それで、ナビちゃんは何が欲しいんだ?」
『ほら、私って、エネルギーさえあれば、大体何でも作れちゃうじゃない。だから物欲はないんです』
「そうだな。おかげで助かっている。CBSとナビちゃんがいなければ、俺はこの世界ですぐに死んでいただろうな。ナビちゃんには感謝してるよ」
ナビゲーションシステムに物欲の有無を確認するのはどうかと思うが、ナビちゃんに感謝しているという気持ちに嘘はなかった。
『それ! それですよ、マモル。その感謝の言葉、深謝の態度、万謝の気持ち。それが私は欲しいのです。お金も、物も、性欲もない私は感謝こそが、仕事効率を上げるのです。テンションアップです!』
ナビちゃんは耳が痛くなるような興奮した声で、一気にまくし立てた。
そう言えば、改まってお礼を言ったことがなかったかな? ナビちゃんあってのCBSだ。これまでもどれだけ、ナビちゃんに助けられたか分からない。ちゃんと言葉にしておいた方が良いだろう。
「ありがとう、ナビちゃん。これまで、どれだけナビちゃんに助けられたか」
『ここまでで、良いの?』
「いや、これからもずっと俺を助けてくれ。俺にはナビちゃんが必要なんだ」
『これからもずっと?』
「ああ、ずっとだ」
『ピロン♪ 録音が完了しました。永遠保存ファイルに保存されました』
「はぁ?」
俺は、突然の録音完了のお知らせに驚いた。
そうか、俺のお礼の言葉が、録音するほど嬉しいのか。俺もなんだか嬉しくなった。
『言質とりましたからね、マモル』
「言質? 何の?」
『これからもずっと、私のことが必要って言いましたよね』
「ああ、言ったけど、それが何か?」
『つまり、マモルは最低でもこの先、15年は童貞を守ってくれるのですよね』
「……あっ!!」
そうだった、俺がCBSを使える条件。童貞でいること。それも最低でも30才になるまで。
そうか、CBSが使えなく、CBSのナビゲーションシステムであるナビちゃんも使えなくなる。次のCBSの使用者が
現れるのを亜空間で待ち続けることになるのだろう。それを防ぐために、俺に約束させたのだ。
「ちょっと、待った! ナビちゃん、あんな美人五人が側にいて、手が出せないのか?」
『五人? 私……他は?』
「ナビちゃん、顔をあるのか? メイさん、ノアール、アイリーン、クリスそれにギリギリネーラだろう」
『ピロン♪ 再生します。俺にはナビちゃんが必要なんだ』
「いやいや、確かにナビちゃんは必要だよ。それと美人とは関係ないだろう」
『マモル、ひどい。私のナビ能力だけが目的なのね。騙されてたわ』
「そりゃ、ナビちゃんはナビシステムなんだから、ナビ能力を必要に思うのは当たり前だろう。まあ、でも、ナビちゃんは声美人だよね」
『へ、声美人?』
ナビちゃんは口が悪いが、声はすこぶる綺麗なのだ。クセがなく、よく通り、聞いていて落ち着く声なのだ。
画像がないから、余計、声で想像するナビちゃんはすこぶる美人の気がする。しかし、あくまで想像の域を超えない。だから、声美人なのだ。
『もう、マモルったら、口がお上手で~』
「お、そろそろ、二人の話し合いが終わったみたいだぞ」
ナビちゃんの機嫌が直ったところで、俺は話を逸らすことにする。
事実、二人は俺を探しているようだった。
「そうだよな。ちなみに俺なら、実務は他の人間に任せて、金だけもらって悠々自適生活を送るけどな」
『そして、堕落の象徴として、新たな勇者に討たれるのですね』
「ぐぬぬ。それで、ナビちゃんは何が欲しいんだ?」
『ほら、私って、エネルギーさえあれば、大体何でも作れちゃうじゃない。だから物欲はないんです』
「そうだな。おかげで助かっている。CBSとナビちゃんがいなければ、俺はこの世界ですぐに死んでいただろうな。ナビちゃんには感謝してるよ」
ナビゲーションシステムに物欲の有無を確認するのはどうかと思うが、ナビちゃんに感謝しているという気持ちに嘘はなかった。
『それ! それですよ、マモル。その感謝の言葉、深謝の態度、万謝の気持ち。それが私は欲しいのです。お金も、物も、性欲もない私は感謝こそが、仕事効率を上げるのです。テンションアップです!』
ナビちゃんは耳が痛くなるような興奮した声で、一気にまくし立てた。
そう言えば、改まってお礼を言ったことがなかったかな? ナビちゃんあってのCBSだ。これまでもどれだけ、ナビちゃんに助けられたか分からない。ちゃんと言葉にしておいた方が良いだろう。
「ありがとう、ナビちゃん。これまで、どれだけナビちゃんに助けられたか」
『ここまでで、良いの?』
「いや、これからもずっと俺を助けてくれ。俺にはナビちゃんが必要なんだ」
『これからもずっと?』
「ああ、ずっとだ」
『ピロン♪ 録音が完了しました。永遠保存ファイルに保存されました』
「はぁ?」
俺は、突然の録音完了のお知らせに驚いた。
そうか、俺のお礼の言葉が、録音するほど嬉しいのか。俺もなんだか嬉しくなった。
『言質とりましたからね、マモル』
「言質? 何の?」
『これからもずっと、私のことが必要って言いましたよね』
「ああ、言ったけど、それが何か?」
『つまり、マモルは最低でもこの先、15年は童貞を守ってくれるのですよね』
「……あっ!!」
そうだった、俺がCBSを使える条件。童貞でいること。それも最低でも30才になるまで。
そうか、CBSが使えなく、CBSのナビゲーションシステムであるナビちゃんも使えなくなる。次のCBSの使用者が
現れるのを亜空間で待ち続けることになるのだろう。それを防ぐために、俺に約束させたのだ。
「ちょっと、待った! ナビちゃん、あんな美人五人が側にいて、手が出せないのか?」
『五人? 私……他は?』
「ナビちゃん、顔をあるのか? メイさん、ノアール、アイリーン、クリスそれにギリギリネーラだろう」
『ピロン♪ 再生します。俺にはナビちゃんが必要なんだ』
「いやいや、確かにナビちゃんは必要だよ。それと美人とは関係ないだろう」
『マモル、ひどい。私のナビ能力だけが目的なのね。騙されてたわ』
「そりゃ、ナビちゃんはナビシステムなんだから、ナビ能力を必要に思うのは当たり前だろう。まあ、でも、ナビちゃんは声美人だよね」
『へ、声美人?』
ナビちゃんは口が悪いが、声はすこぶる綺麗なのだ。クセがなく、よく通り、聞いていて落ち着く声なのだ。
画像がないから、余計、声で想像するナビちゃんはすこぶる美人の気がする。しかし、あくまで想像の域を超えない。だから、声美人なのだ。
『もう、マモルったら、口がお上手で~』
「お、そろそろ、二人の話し合いが終わったみたいだぞ」
ナビちゃんの機嫌が直ったところで、俺は話を逸らすことにする。
事実、二人は俺を探しているようだった。
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