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第三章
マリアーヌの一言
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燻製とマヨネーズ、それにそば粉を持ってきた。
そば粉は軽く炒って牛乳を混ぜた洋風そばがきにする。
マヨネーズは茹でたジャガイモとゆで卵に付ける。
俺が一通り説明した後、神妙な顔つきで試食をする。
俺たちはシルビアの感想をじっと待つ。
「面白いわね。燻製とそば粉は好き嫌い別れるかもしれないけど、マヨネーズは良いわね。それであなたたちはこれをどう売りたいの?」
「これをある村の名産にしたいんだ。シルビアのところで引き取ってもらえないか?」
「一般の食材として売るということでいいのかしら? ちょっとまってなさい」
そう言って酒場の大将を呼んで、同じように試食させる。
「どうかしら?」
「なかなかおもしれえ味だな。シルビアさんとこの新商品か?」
「いいえ、この人たちが持ち込んで来たものよ。あなたがこれに価格をつけるとすると、どのくらいか意見を聞きたいの」
「そうだな……」
酒場の大将がつけた価格はごくごく真っ当なものだった。
「新しいもので、手間もそこそこかかっている。でも消費者的には、このくらいしか価値をつけない。あなたたちはそれで良くて?」
大量に生産できるようになれば、この価格でもいい。だが、今の段階では物珍しさも手伝って、もっと高くてもいいはずだ。
しかし、高すぎる価格は、ここみたいな庶民の酒場では厳しいだろう。
もっと高級店でないと……。
「シルビア、レストラン ヘブンズドアとは取引はあるか?」
「やっと気がついたのかしら、本当になんでお姉さまがこんな鈍感男を好きになったのか、不思議でしょうがありませんわ。この品々は当分、ヘブンズドア向けに流通させるわ。あなたたちがあのバカ男と一緒に何かやってるのは耳に入ってるのよ」
先ほど真っ赤になってた女の子の顔から、すっかり商人の顔になったシルビアは、いつものように文句を挟みながら話を進める。
「しばらく独占的に納めるから、量産のメドが立ったら教えてちょうだい。評判を聞いて大々的に売り出すから。当然、うちの独占販売にするから。明日、サンプルを全部持って店にきてちょうだい。いいわね」
そうまくし立てると、大将にご馳走さまと言って帰ってしまった。なんと今日の俺たちの飲み代まで払って……。
「えらいけったいな嬢ちゃんやなぁ。あれがこのおとなしいソフィアねぇの妹とはね~」
おとなしく話を聞いていた姫鶴が口を開く。
「まあ、そういうことで、明日、村に帰ったら生産を進めるように言っておいてくれ。味の研究も同時に進めるようにタマラにも言っといてくれないか?」
「よっしゃ、任しとき」
販路は確保した。
これで村の方も一安心だ。
「あれ、シルがこちらに来てると聞いたのですが?」
俺たちが今後の事を話し合っていると、マリアーヌがサンドラだけを連れて、酒場に入って来た。
「ああ、さっきまでいたんだけど、入れ違いで帰ったよ」
「あら、そうですの。残念ですわね」
マリアーヌはたおやかに、どうしたものか思案している。
「なあキヨにぃ、なんで上品なレイねぇがおるん? あれが噂のマリアーヌさん?」
姫鶴は俺の耳を引っ張ってささやく。
「ああそうだ。話してなかったな。グランドマスターのマリアーヌ様だ。レイティアにそっくりだが、血縁者じゃないみたいだぞ」
俺は姫鶴にマリアーヌを紹介する。
グランドマスターって? と首をかしげる姫鶴を興味深そうに見つめるマリアーヌ。
「そういえば、そちらの方は先ほどのドラゴンに乗ってた方ですよね」
「ああ、こいつは姫鶴と言って……ドラゴンライダーで、魔法少女で、魔王で俺の妹弟子だ」
「そうそう、出来の悪い兄弟子がお世話かけております……っておい! 誰が魔王で、妹弟子やねん!」
姫鶴が手の甲で俺の胸をビシッと叩いてツッコム。
「何言ってんだよ。師匠の弟子は俺の方が先だろう」
「それはそうやけど、納得いかん! それに魔王ってなんやねん。二人、ドン引きやんか!」
サンドラは剣に手をかけている。
兼光の背に乗っていたため、ただでさえ一般人とは思われていない。その上、魔王とまで紹介されれば警戒レベルマックスである。
「マリアーヌ、ドラゴン以外に魔物と魔王も討伐対象だったな。兼光のことがバレた以上、君には全て知っておいてもらった方がいい。ちょっと長くなるが聞いてもらえるか?」
マリアーヌは黙って頷く。
俺はシャーロッドの魔法の暴走の部分を隠して、ガンドの依頼の顛末を話す。
魔王であるサイゾウが姫鶴に倒されて、ガンドのお姫さまであるシャーロッドが助けられて物語の幕は下りる。
「そんな馬鹿な、信じられん。こんなうだつの上がらなさそうな男の仲間が……」
サンドラは相変わらず容赦ない言葉を投げつける。
「信じてもらえないかもしれないが、これが俺たちが経験したことだ。だから最近魔物と遭遇したと聞かなくなってるだろう」
「確かにあなたと初めてお会いした時から、魔物に遭遇しておりませんね。……わかりました。その件も、王都には報告させていただきます」
マリアーヌは驚きを隠せない顔で答える。
「まあ、サイゾウはマリアーヌが倒したことにしておいてくれたほうが、いいよな。新魔王様」
「ホーホッホ、良きに計らえ! って誰が魔王やねん! ……まあ、好きにしてくれてええで、厄介事には巻き込まれとうないからな」
今日はノリツッコミ頑張ってるな~と感心する。
「ふふふ、わかりましたわ。あなたたちに迷惑のかからないように対処しておきますわ。さて、わたくしも明日には王都に戻らなければなりません。その前にシルともお話がしたいので、ここで失礼させていただきますわ」
「ああ、道中気をつけな。まあ、鬼の護衛隊長殿がいるから大丈夫か」
大人しくしているサンドラが俺を睨みつける。
「お前に言われなくてみ、マリアーヌ様の安全は私が守る!」
「では皆様、また会うことは難しいかもしれませんが、お体には気をつけてくださいませ。まあ、キヨさんはまた何か厄介事に巻き込まれて、お会いしそうですが……ふふふ」
そう言って席を立ち、立ち去ろうとして立ち止まる。マリアーヌは踵を返して俺に耳打ちをする。
「おひとりに絞らないとそのうち、刺されてしまいますわよ」
そう言ってグランドマスター一行は酒場を後にした。
「キヨ、マリアーヌ様は最後になんて言ってたの? まさか、あなたアータルと同じようにマリアーヌ様を口説いてたの!」
「いやいや、誤解だよ。それよりレイティア、お願いがあるんだが」
嫉妬でむくれるレイティアに、俺は真剣な表情でそう伝えた。
そば粉は軽く炒って牛乳を混ぜた洋風そばがきにする。
マヨネーズは茹でたジャガイモとゆで卵に付ける。
俺が一通り説明した後、神妙な顔つきで試食をする。
俺たちはシルビアの感想をじっと待つ。
「面白いわね。燻製とそば粉は好き嫌い別れるかもしれないけど、マヨネーズは良いわね。それであなたたちはこれをどう売りたいの?」
「これをある村の名産にしたいんだ。シルビアのところで引き取ってもらえないか?」
「一般の食材として売るということでいいのかしら? ちょっとまってなさい」
そう言って酒場の大将を呼んで、同じように試食させる。
「どうかしら?」
「なかなかおもしれえ味だな。シルビアさんとこの新商品か?」
「いいえ、この人たちが持ち込んで来たものよ。あなたがこれに価格をつけるとすると、どのくらいか意見を聞きたいの」
「そうだな……」
酒場の大将がつけた価格はごくごく真っ当なものだった。
「新しいもので、手間もそこそこかかっている。でも消費者的には、このくらいしか価値をつけない。あなたたちはそれで良くて?」
大量に生産できるようになれば、この価格でもいい。だが、今の段階では物珍しさも手伝って、もっと高くてもいいはずだ。
しかし、高すぎる価格は、ここみたいな庶民の酒場では厳しいだろう。
もっと高級店でないと……。
「シルビア、レストラン ヘブンズドアとは取引はあるか?」
「やっと気がついたのかしら、本当になんでお姉さまがこんな鈍感男を好きになったのか、不思議でしょうがありませんわ。この品々は当分、ヘブンズドア向けに流通させるわ。あなたたちがあのバカ男と一緒に何かやってるのは耳に入ってるのよ」
先ほど真っ赤になってた女の子の顔から、すっかり商人の顔になったシルビアは、いつものように文句を挟みながら話を進める。
「しばらく独占的に納めるから、量産のメドが立ったら教えてちょうだい。評判を聞いて大々的に売り出すから。当然、うちの独占販売にするから。明日、サンプルを全部持って店にきてちょうだい。いいわね」
そうまくし立てると、大将にご馳走さまと言って帰ってしまった。なんと今日の俺たちの飲み代まで払って……。
「えらいけったいな嬢ちゃんやなぁ。あれがこのおとなしいソフィアねぇの妹とはね~」
おとなしく話を聞いていた姫鶴が口を開く。
「まあ、そういうことで、明日、村に帰ったら生産を進めるように言っておいてくれ。味の研究も同時に進めるようにタマラにも言っといてくれないか?」
「よっしゃ、任しとき」
販路は確保した。
これで村の方も一安心だ。
「あれ、シルがこちらに来てると聞いたのですが?」
俺たちが今後の事を話し合っていると、マリアーヌがサンドラだけを連れて、酒場に入って来た。
「ああ、さっきまでいたんだけど、入れ違いで帰ったよ」
「あら、そうですの。残念ですわね」
マリアーヌはたおやかに、どうしたものか思案している。
「なあキヨにぃ、なんで上品なレイねぇがおるん? あれが噂のマリアーヌさん?」
姫鶴は俺の耳を引っ張ってささやく。
「ああそうだ。話してなかったな。グランドマスターのマリアーヌ様だ。レイティアにそっくりだが、血縁者じゃないみたいだぞ」
俺は姫鶴にマリアーヌを紹介する。
グランドマスターって? と首をかしげる姫鶴を興味深そうに見つめるマリアーヌ。
「そういえば、そちらの方は先ほどのドラゴンに乗ってた方ですよね」
「ああ、こいつは姫鶴と言って……ドラゴンライダーで、魔法少女で、魔王で俺の妹弟子だ」
「そうそう、出来の悪い兄弟子がお世話かけております……っておい! 誰が魔王で、妹弟子やねん!」
姫鶴が手の甲で俺の胸をビシッと叩いてツッコム。
「何言ってんだよ。師匠の弟子は俺の方が先だろう」
「それはそうやけど、納得いかん! それに魔王ってなんやねん。二人、ドン引きやんか!」
サンドラは剣に手をかけている。
兼光の背に乗っていたため、ただでさえ一般人とは思われていない。その上、魔王とまで紹介されれば警戒レベルマックスである。
「マリアーヌ、ドラゴン以外に魔物と魔王も討伐対象だったな。兼光のことがバレた以上、君には全て知っておいてもらった方がいい。ちょっと長くなるが聞いてもらえるか?」
マリアーヌは黙って頷く。
俺はシャーロッドの魔法の暴走の部分を隠して、ガンドの依頼の顛末を話す。
魔王であるサイゾウが姫鶴に倒されて、ガンドのお姫さまであるシャーロッドが助けられて物語の幕は下りる。
「そんな馬鹿な、信じられん。こんなうだつの上がらなさそうな男の仲間が……」
サンドラは相変わらず容赦ない言葉を投げつける。
「信じてもらえないかもしれないが、これが俺たちが経験したことだ。だから最近魔物と遭遇したと聞かなくなってるだろう」
「確かにあなたと初めてお会いした時から、魔物に遭遇しておりませんね。……わかりました。その件も、王都には報告させていただきます」
マリアーヌは驚きを隠せない顔で答える。
「まあ、サイゾウはマリアーヌが倒したことにしておいてくれたほうが、いいよな。新魔王様」
「ホーホッホ、良きに計らえ! って誰が魔王やねん! ……まあ、好きにしてくれてええで、厄介事には巻き込まれとうないからな」
今日はノリツッコミ頑張ってるな~と感心する。
「ふふふ、わかりましたわ。あなたたちに迷惑のかからないように対処しておきますわ。さて、わたくしも明日には王都に戻らなければなりません。その前にシルともお話がしたいので、ここで失礼させていただきますわ」
「ああ、道中気をつけな。まあ、鬼の護衛隊長殿がいるから大丈夫か」
大人しくしているサンドラが俺を睨みつける。
「お前に言われなくてみ、マリアーヌ様の安全は私が守る!」
「では皆様、また会うことは難しいかもしれませんが、お体には気をつけてくださいませ。まあ、キヨさんはまた何か厄介事に巻き込まれて、お会いしそうですが……ふふふ」
そう言って席を立ち、立ち去ろうとして立ち止まる。マリアーヌは踵を返して俺に耳打ちをする。
「おひとりに絞らないとそのうち、刺されてしまいますわよ」
そう言ってグランドマスター一行は酒場を後にした。
「キヨ、マリアーヌ様は最後になんて言ってたの? まさか、あなたアータルと同じようにマリアーヌ様を口説いてたの!」
「いやいや、誤解だよ。それよりレイティア、お願いがあるんだが」
嫉妬でむくれるレイティアに、俺は真剣な表情でそう伝えた。
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