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第三章
酒場で給料
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俺が魔法技術院を出たころには日が傾きかけていた。
あのあと、院長へ魔法習得の原理や催眠術についてレクチャーをおこなった。
院長は俺の話に食い入るように聞き、質問をして、自分なりに咀嚼(そしゃく)したようだ。
その内容により、俺と院長との約束は締結された。
「なあ、ソフィア。魔法技術院に戻るつもりはないか?」
いつもの酒場にいつものメンバーが集まる。
久しぶりにレイティアの親友リタとも会えて、懐かしささえ覚えた。
「どうしたんですか? ご主人様のおかげで、あたしのあそこで研究をする意味はなくなったと申し上げたはずですが……院長から何か言われましたか?」
そうだ。最後に院長が出した条件は「キヨさんと同じ条件でいいので、ソフィアに研究を続けて欲しい」だった。
人付き合いは最悪だったが、魔法の研究に関しては院長は期待を寄せていたらしい。
「実は俺は魔法技術院の特別講師になることになった。その間、ソフィアも元の研究をしてくれないかとお願いされたんだ。まあ、無理にとは言わないが……魔法の研究は嫌いではなかったんだろう」
「魔法技術院の講師!? それって高給取りじゃないの!」
俺の話に食いついたのは赤毛の食いしん坊リタだった。
「そういえば、高給取りで思い出した。レイティア、預けたお金をいったん返してもらえないか? 二人の給料を払わなきゃいけないから」
「ごめん、キヨ。今日、二人で五万マルくらい使っちゃったかも」
そう言ってウインクして可愛らしくぺろりと舌を出すレイティアは袋を俺に差しだす。
「ああ、それくらいなら必要経費だ、気にする必要はないよ。それでは、まずレイティアと師匠の給料に二百万マルずつ渡すよ。金額確認してくれ」
「はぁ!? 二百万マル! キヨ! あんたのところはそんなにもらえるの?」
リタは鳥の煮込みを飲み込んで、驚きの声を上げる。
「今回はたまたま儲けが大きかったんだよ。危ない目にもあったし、これくらい渡さないと割が合わないだろう」
「儂はもっともらっても構わんぞ」
ムサシマルは酒をあおりながら、ロクに数えもせず金を懐に入れた。
「ソフィアはとりあず百万マル渡しておくが、その他は次の仕入れの支払いや馬車を借りたり、次の準備が終わってからでいいか?」
「……ご主人様が講師……ステキ。先生と生徒のラブロマン……」
ソフィアの魂はどうやらここにいないらしい。何やら妄想の世界に入り込んでいるようだ。
「ソフィア、帰っておいで」
「は! レイ様。何でしょうか?」
レイティアがソフィアの頬を突っつく。
「ソフィア、これ借りていたお金の一部、百万マルを受け取って」
「レイ様、急に何でしょうか? あたし、お金なんて受け取れませんよ」
金を差し出すレイティアの手をぐっと押し戻す
「お姉ちゃんを助けに行く時に借りたお金。まだ全然足りないけど、少しずつでも返すって約束したわよね」
「いえ、あれは差し上げたもので……」
レイティアはソフィアの手を取る。
「あの時にあのお金がなかったら、お姉ちゃんは助からなかった。あの時のお金をくれると言うのなら、わたしは感謝を返すわ。受け取って!」
「レイ様……」
「もし本当にいらないって言うのなら、このお金でまた遊びに行きましょうよ! ね!」
レイティアの押しに負けたソフィアは、今度は素直に受け取った。
「あ~ソフィア。今回の給料の事なんだけど、とりあえず百万マル渡すが、あとは次の行商の準備ができてから渡すけど、いいか?」
「ああ、はい。それは全然かまいません。ご主人様にはロゼッタに生活費をいただいているので、百万マルもいただくなんて、それだけであたしはかまいません。それよりもご主人様が講師をされるんであれば、あたしも生徒として魔法技術院に戻ります!」
ソフィアはお嬢様だからか、あまり金に執着がない。おかげで俺は助かっている。
「じゃあ、これが取り分だ。それと生徒じゃなくて、研究者として戻ってほしいという要請なんだけど、どうする?」
「研究者として戻って、ご主人様の講義だけ聞きに行けば良いんですね」
そう言って、妄想の世界に戻って行ってしまった。
「キ~ヨさ~ん」
気持ち悪い猫なで声が聞こえる。
「なんだよ、リタ。気持ち悪いな」
「そんなに儲かるなら、早く言ってよ~。私も転職していいかな~」
リタよ。酔っ払ってるな。
「いいけど、俺たち次も魔物とドラゴンと盗賊団の出る街道を通って、魔王がいるという噂の山に住んでいる偏屈なドワーフの村に商売に行くんだがいいのか?」
「ヴェ! あんたたちそんなのところに火酒もって行くの? レイティア、悪いこと言わないから警備隊に戻りなよ」
レイティアは俺たちをみて鈴を転がしたような声で笑う。
「キヨったら、リタを脅しすぎよ。リタ、他の人に絶対言っちゃだめよ。魔王は死んだし、盗賊団もドラゴンもドワーフもわたしたちの知り合いよ」
リタはレイティアの額に手を当てる?
「熱は無いようね。何言ってるのこの子?」
まあ、リタがそういうのも仕方がない。厳密に言えば魔王も俺たちの仲間だけどな。
「やっぱり私は警備隊続けるわ。あのいけ好かないグランドマスター一味もそのうち帰るだろうからね」
「ん? どういうことだ」
その時、酒場の入り口で俺を呼ぶ男の声が聞こえた。
そちらを見ると服屋の店員が服を持って手を振っている。
「ああ、やっとつかまった」
「もう服できたんですか?」
「キヨ、こちらは?」
レイティアが不思議そうにこちらを見ている。
「ああ、今度アータルの店に行くのに服を作っているんだ。え~と」
「オリベです。あまり時間がないのですみませんが、仮縫いの寸法合わせをお願いします」
オリベと名乗ったメガネの男性は、俺を立たせると持ってきた服を着せて、着心地を次々に確認していく。
「ありがとうございました。それではこれでまた、進めていきますので、フィッティングをお願いしますね」
オリベは三十分もたたずに嵐のように去っていった。
「キヨ、アータルの店に行くっていうことはグランドマスターと行くってことよね。いつそんな約束をしたのよ!」
レイティアが俺に詰め寄る。
仕方なく、昼間のアータルの店の前での出来事をかいつまんで説明した。
「明後日の夜! そんなに急に大丈夫なの?」
「だから慌てて服を作ってもらってるんだよ」
慌てるレイティアに俺はあえて値段には触れないように話をする。
「そういうことじゃないのよ……」
「キヨ様! 話は聞かせていただきました。お時間がございません。早急にお屋敷にお戻りください。お嬢様もご一緒に!」
なぜか、ロゼッタが酒場に飛び込んでくると俺とソフィアを家に連れ戻した。
あのあと、院長へ魔法習得の原理や催眠術についてレクチャーをおこなった。
院長は俺の話に食い入るように聞き、質問をして、自分なりに咀嚼(そしゃく)したようだ。
その内容により、俺と院長との約束は締結された。
「なあ、ソフィア。魔法技術院に戻るつもりはないか?」
いつもの酒場にいつものメンバーが集まる。
久しぶりにレイティアの親友リタとも会えて、懐かしささえ覚えた。
「どうしたんですか? ご主人様のおかげで、あたしのあそこで研究をする意味はなくなったと申し上げたはずですが……院長から何か言われましたか?」
そうだ。最後に院長が出した条件は「キヨさんと同じ条件でいいので、ソフィアに研究を続けて欲しい」だった。
人付き合いは最悪だったが、魔法の研究に関しては院長は期待を寄せていたらしい。
「実は俺は魔法技術院の特別講師になることになった。その間、ソフィアも元の研究をしてくれないかとお願いされたんだ。まあ、無理にとは言わないが……魔法の研究は嫌いではなかったんだろう」
「魔法技術院の講師!? それって高給取りじゃないの!」
俺の話に食いついたのは赤毛の食いしん坊リタだった。
「そういえば、高給取りで思い出した。レイティア、預けたお金をいったん返してもらえないか? 二人の給料を払わなきゃいけないから」
「ごめん、キヨ。今日、二人で五万マルくらい使っちゃったかも」
そう言ってウインクして可愛らしくぺろりと舌を出すレイティアは袋を俺に差しだす。
「ああ、それくらいなら必要経費だ、気にする必要はないよ。それでは、まずレイティアと師匠の給料に二百万マルずつ渡すよ。金額確認してくれ」
「はぁ!? 二百万マル! キヨ! あんたのところはそんなにもらえるの?」
リタは鳥の煮込みを飲み込んで、驚きの声を上げる。
「今回はたまたま儲けが大きかったんだよ。危ない目にもあったし、これくらい渡さないと割が合わないだろう」
「儂はもっともらっても構わんぞ」
ムサシマルは酒をあおりながら、ロクに数えもせず金を懐に入れた。
「ソフィアはとりあず百万マル渡しておくが、その他は次の仕入れの支払いや馬車を借りたり、次の準備が終わってからでいいか?」
「……ご主人様が講師……ステキ。先生と生徒のラブロマン……」
ソフィアの魂はどうやらここにいないらしい。何やら妄想の世界に入り込んでいるようだ。
「ソフィア、帰っておいで」
「は! レイ様。何でしょうか?」
レイティアがソフィアの頬を突っつく。
「ソフィア、これ借りていたお金の一部、百万マルを受け取って」
「レイ様、急に何でしょうか? あたし、お金なんて受け取れませんよ」
金を差し出すレイティアの手をぐっと押し戻す
「お姉ちゃんを助けに行く時に借りたお金。まだ全然足りないけど、少しずつでも返すって約束したわよね」
「いえ、あれは差し上げたもので……」
レイティアはソフィアの手を取る。
「あの時にあのお金がなかったら、お姉ちゃんは助からなかった。あの時のお金をくれると言うのなら、わたしは感謝を返すわ。受け取って!」
「レイ様……」
「もし本当にいらないって言うのなら、このお金でまた遊びに行きましょうよ! ね!」
レイティアの押しに負けたソフィアは、今度は素直に受け取った。
「あ~ソフィア。今回の給料の事なんだけど、とりあえず百万マル渡すが、あとは次の行商の準備ができてから渡すけど、いいか?」
「ああ、はい。それは全然かまいません。ご主人様にはロゼッタに生活費をいただいているので、百万マルもいただくなんて、それだけであたしはかまいません。それよりもご主人様が講師をされるんであれば、あたしも生徒として魔法技術院に戻ります!」
ソフィアはお嬢様だからか、あまり金に執着がない。おかげで俺は助かっている。
「じゃあ、これが取り分だ。それと生徒じゃなくて、研究者として戻ってほしいという要請なんだけど、どうする?」
「研究者として戻って、ご主人様の講義だけ聞きに行けば良いんですね」
そう言って、妄想の世界に戻って行ってしまった。
「キ~ヨさ~ん」
気持ち悪い猫なで声が聞こえる。
「なんだよ、リタ。気持ち悪いな」
「そんなに儲かるなら、早く言ってよ~。私も転職していいかな~」
リタよ。酔っ払ってるな。
「いいけど、俺たち次も魔物とドラゴンと盗賊団の出る街道を通って、魔王がいるという噂の山に住んでいる偏屈なドワーフの村に商売に行くんだがいいのか?」
「ヴェ! あんたたちそんなのところに火酒もって行くの? レイティア、悪いこと言わないから警備隊に戻りなよ」
レイティアは俺たちをみて鈴を転がしたような声で笑う。
「キヨったら、リタを脅しすぎよ。リタ、他の人に絶対言っちゃだめよ。魔王は死んだし、盗賊団もドラゴンもドワーフもわたしたちの知り合いよ」
リタはレイティアの額に手を当てる?
「熱は無いようね。何言ってるのこの子?」
まあ、リタがそういうのも仕方がない。厳密に言えば魔王も俺たちの仲間だけどな。
「やっぱり私は警備隊続けるわ。あのいけ好かないグランドマスター一味もそのうち帰るだろうからね」
「ん? どういうことだ」
その時、酒場の入り口で俺を呼ぶ男の声が聞こえた。
そちらを見ると服屋の店員が服を持って手を振っている。
「ああ、やっとつかまった」
「もう服できたんですか?」
「キヨ、こちらは?」
レイティアが不思議そうにこちらを見ている。
「ああ、今度アータルの店に行くのに服を作っているんだ。え~と」
「オリベです。あまり時間がないのですみませんが、仮縫いの寸法合わせをお願いします」
オリベと名乗ったメガネの男性は、俺を立たせると持ってきた服を着せて、着心地を次々に確認していく。
「ありがとうございました。それではこれでまた、進めていきますので、フィッティングをお願いしますね」
オリベは三十分もたたずに嵐のように去っていった。
「キヨ、アータルの店に行くっていうことはグランドマスターと行くってことよね。いつそんな約束をしたのよ!」
レイティアが俺に詰め寄る。
仕方なく、昼間のアータルの店の前での出来事をかいつまんで説明した。
「明後日の夜! そんなに急に大丈夫なの?」
「だから慌てて服を作ってもらってるんだよ」
慌てるレイティアに俺はあえて値段には触れないように話をする。
「そういうことじゃないのよ……」
「キヨ様! 話は聞かせていただきました。お時間がございません。早急にお屋敷にお戻りください。お嬢様もご一緒に!」
なぜか、ロゼッタが酒場に飛び込んでくると俺とソフィアを家に連れ戻した。
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