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第一章

浮気マスター

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 そう言えば、そうかも。
 それにソフィアはデートと言ったが、知り合いと二人で出かけるだけと考えればセーフか?
 いや、でもそれがレイティアにバレた時にレイティアがどう受け取るだろうか?

「ごめん。遅くなったわ。大将! ブドウジュースをお願い」

 レイティアが店に入って来た。

「どうしたの? みんな?」
「いや。それより遅かったね。どうした?」

 レイティアは言うべきかどうか一瞬悩み、別の話をした。

「お姉ちゃん達の隊の状況を聞いていたの。いつくらいに帰って来れるのか、警備本部に確認してたんだけど、なかなか教えてくれなくて、時間がかかったのよ」
「それであとどのくらいで帰って来れそうなんじゃ?」
「まだしばらくかかりそう」

 レイティアは寂しそうに言った。

「確かゴブリンの掃討に出たんだったよね」
「ええ、ゴブリンって単体だとちょっと小狡いだけの種族なんだけど、繁殖力が凄いのよ。だから、早めに潰しておかないと畑や家畜、最悪は子供達に被害が出るのよ」

 レイティアはブドウジュースでのどを潤す。

「今回、アリシアさんを含む精鋭の三部隊が行ってるのだから、直ぐに帰って来そうだけどね。場所が意外と遠いのかな?」
「場所は教えてくれなかったわ。ただ、補給隊の話だとあと二週間はかかるだろうって言ってた」
「そうか、まだそんなにかかるのじゃな。そんなに長いと帰って来ても、直ぐに立ち会うと言うわけにもいかんじゃろうな。まあ、気長に待つかのう。この街は居心地が良いしな」

 ムサシマルは気楽に言った。これで最低でも二週間ほどはムサシマルから稽古は受けられる。その間になんとか剣術も形にしておかないといけない。

「そうそう、リタ。今度の野営訓練の準備はしたの?」

 レイティアの言葉にリタはソーセージを喉に詰まらせそうになった。

「あれ? いつからだっけ?」
「明後日からだよ。二泊三日だからちゃんと準備しとかないと教官から怒られるわよ。サンダー教官のこと、あなた苦手でしょ」
「そうだった! 今回、鬼サンダーだった。私の担当なんだっけ?」
 
 野営訓練? 二泊三日? もしかしてその間、レイティア達は街にいない?

「と言うわけで明後日から三日間わたし達は来れないからね。キヨ、危険な事をしちゃダメよ。ムサシマル、キヨをよろしくね」

 やっぱり、弟か?




 浮気とはそれができてしまう環境が一番の問題である。(浮気マスター談) 
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