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第一章

決意

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 アレックスが女!? 女が女を口説いてた?

 冷静になってこれまでの事を思い直した。
 女友達に遊びに誘われて断った。リーダー格の女の誘いを断ったレイティアに文句を言う取り巻き?

 よし、納得した!

 仲の良い女友達を男に取られそうになって焦るアレックス。そう考えるとアレックスも可愛く思えてきた。

 俺達はレイティアの馴染みの武具屋へ行くことにした。
 色々な武器や防具が置いてある。
 なるべく軽めで扱いやすい物をお願いしますとレイティアに選定をお願いした。
 レイティアが店員と話している間、俺は店内を物色する。
 実は、武器や防具以外に欲しいものがあったのだ。
 まあまあ広い店内をぐるっと回る。ここは武具がメインではあるが、キャンプ用品も一部置いていて、郊外に出る時は大いに役立たつ店の様だ。値段もそんなに高くない。
 俺はレイティア達のところに戻ると、クロスボウ、中型の剣、腕に取り付けれる小型の木の盾それに皮の胸当てを選んでくれていた。
 初心者セットかな。まあ、俺にとっては妥当か?

「それと欲しいものがあるんだけど」
「なんだい、にいちゃん。安くしとくぜ」

 レイティアもなんだろうという顔でこちらを見ている。

「小動物用の罠は置いて無いの?」
「罠か。置いてねえな。需要が少なすぎる」
「需要が少ない? 狩りには必要じゃ無いのか?」

 昨日、森の帰りに考えていた。俺がムサシマルの様になるのには時間がかかり過ぎる。罠を張って捕まえるとかしないと干上がってしまう。
 店員とレイティアは顔を見合わせた。

「そうね。男が狩りに行くのなら、罠はあった方がいいわね。キヨ、狩り以外で生活するつもりは無いの?」

 う! そうだ。女性なら魔法があるので罠など不要だろう。
 これまでどうやって生活して来ていたのか、自分でも分からない。昨日はムサシマルに教えられるまま狩りをしたが、実際、自分に合っているかと言われると正直、難しい。ムサシマルは逆にあの生活が合っているのだろう。

「正直、狩りは自分に合って無いと思う」
「だったら、仕事を探すのを手伝うわよ」

 おそらく、レイティアの言う仕事の形容詞に『安全な』と言うのが付くのだと思う。

「だけど、もう少しムサシマルに付いて色々学んでみたい!」

 オークの時の様に守られてるだけでは嫌だ。せめて一緒に戦いたい。その言葉は飲み込んだ。

「わかったわ。だけど……無理はしないでね」

 買った荷物は宿に届けてくれる事になった。
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