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第一章
デートの朝
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朝、目が覚めた。
そして、青ざめた。
窓から見た日時計は十時を少し過ぎている。
隣のベットを見るとムサシマルも寝ている。
今日は安い部屋を探すだけといっていたので、そのままにしておいた。
「いたっ」
寝起きで声が出る。
筋肉痛だ。体のあちこちが痛い。しかしそんなことは言ってられない。
慌てて服を着ると昨日、下見をしていた猫像まで走った。
猫像までこの角を曲がってすぐのはず!
「きゃ!」
角を曲がると目の前に女性がいた。
まずい! うなれ俺のサイドステップ。
ズルッ。
今日は街中しか行かないと思い、こっちに来た時に身に着けていた革靴だったのが災いした。
滑り、ぶつかる。
俺が覆いかぶさるようになってしまった。
「すみません。大丈夫ですか?」
俺はすぐ立ち上がり、女性に手を差し伸べた。
ふわりと長い髪の胸の大きい女性だった。巨乳!
「ぃぇ」
消え入りそうなその声は澄んでスッと心を吹き抜けていった。
「本当にすみません。急いでいたもので。お怪我はないですか?」
差し伸べた手をそのままに、女性は自分で立ち上がった。
「だいじょうぶ……です」
女性はそれだけ言うとそそくさと去って行ってしまった。
ふんわりとした雰囲気の控えめな、どこか怯えているような感じの女性だったな。
外に出ず、ずっと家で本を読んでいそうな、おとなしい感じだった。
「いかん!」
俺は周りに注意しながら待ち合わせ場所に急ぐ。
猫像は待ち合わせ場所によく使われているようで、多くの人が集まっていた。
汗を拭き、息を整えながらレイティアを探す。
いた! きれいな金髪を下ろし、可愛らしいワンポイントの花が付いた麦わら帽子をかぶっていた。
空色のワンピースにその髪の色と合わせたような黄色の細いベルトを腰に巻き、小さな鞄を手に持ち、
背の高い男と話していた。
男!?
そして、青ざめた。
窓から見た日時計は十時を少し過ぎている。
隣のベットを見るとムサシマルも寝ている。
今日は安い部屋を探すだけといっていたので、そのままにしておいた。
「いたっ」
寝起きで声が出る。
筋肉痛だ。体のあちこちが痛い。しかしそんなことは言ってられない。
慌てて服を着ると昨日、下見をしていた猫像まで走った。
猫像までこの角を曲がってすぐのはず!
「きゃ!」
角を曲がると目の前に女性がいた。
まずい! うなれ俺のサイドステップ。
ズルッ。
今日は街中しか行かないと思い、こっちに来た時に身に着けていた革靴だったのが災いした。
滑り、ぶつかる。
俺が覆いかぶさるようになってしまった。
「すみません。大丈夫ですか?」
俺はすぐ立ち上がり、女性に手を差し伸べた。
ふわりと長い髪の胸の大きい女性だった。巨乳!
「ぃぇ」
消え入りそうなその声は澄んでスッと心を吹き抜けていった。
「本当にすみません。急いでいたもので。お怪我はないですか?」
差し伸べた手をそのままに、女性は自分で立ち上がった。
「だいじょうぶ……です」
女性はそれだけ言うとそそくさと去って行ってしまった。
ふんわりとした雰囲気の控えめな、どこか怯えているような感じの女性だったな。
外に出ず、ずっと家で本を読んでいそうな、おとなしい感じだった。
「いかん!」
俺は周りに注意しながら待ち合わせ場所に急ぐ。
猫像は待ち合わせ場所によく使われているようで、多くの人が集まっていた。
汗を拭き、息を整えながらレイティアを探す。
いた! きれいな金髪を下ろし、可愛らしいワンポイントの花が付いた麦わら帽子をかぶっていた。
空色のワンピースにその髪の色と合わせたような黄色の細いベルトを腰に巻き、小さな鞄を手に持ち、
背の高い男と話していた。
男!?
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