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第一章

終わった!?

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 オークの手が俺をまるで人形のように捕まえる。
 そのまま、豆腐を潰すように俺は潰される。
 ぎりぎりと骨が軋み砕け、先ほどのウサギのように肛門から内臓が飛び出し、鼻と口から血が吹き出す。
 
 終わった!







 そんな未来を想像して、意識が遠のきそうになる。

「プロテクション!」

 目の前でオークの手が光の盾に阻まれていた。

「そこの人、下がって! え! キヨ! 何やってるの! 死ぬ気!?」

 レイティアが俺の腕を引っ張りながら、叫ぶ。

「キヨ! 手を離して!」

 手には斧。オークが落とした斧を持ったままだから、体が重い。

「おりゃ!」

 斧をオークから遠ざけるように投げ放った。

 目的達成!

 これでオークの武器は無くなった筈だ。
 オークは怒り狂い、腕を振り回すが、ムサシマルが正面からいなし、避ける。
 ムサシマルが気を引いている間にリタともう一人、青い髪のショートヘアの女性は槍を手に後ろに回っていた。
 二人はタイミングを合わせて、槍で両脚の膝裏を突く。

「グガ~!」

 オークはたまらず膝をつき、四つん這いになったそのスキに、ムサシマルは剣を右肩上に真っ直ぐ天に着くように構える。

「ちぇすと!!!!」

 気合一声。ムサシマルは必殺の一撃はオークの首を刎ねた。
 ドスンと頭が落ちると同時に切り口から血が滝のように噴きだす。

「やった!」

 しかし、首を失った体がむくりと立ち上がる。

 まだ動くのか? 不死身か!?

 俺が驚愕するのもつかの間、そのまま首の無い体は力なくばたりと倒れた。
 それでも五人はしばらく、オークだった肉塊と周りの警戒を怠らない。

「もう大丈夫ですわね」

 レイティアの側にいた金髪の縦ロールの女性が言った。
 
 終わった?
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