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第一章
初日・森の脅威
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ムサシマルが指差した方向を見ると、何かが居た。
熊が一匹、直立して威嚇をしている。遠目にも大型と分かる。その後ろには子熊が隠れている。
「まずいな」
ムサシマルが呟いたその時!
地を揺るがす怒号が響いた。
熊では無い。
親熊の前に立つ、熊よりもふた回り大きい人型の豚!
服は特につけず、斧だけ持っている。
ムサシマルでさえ両手で持たないと、扱えそうに無いそのサイズを片手で持っていた。
「オークじゃな。こんな所にいるなんて珍しい」
ムサシマルが話してくれた敵性亜人の一種だ。こんなにデカイのか!
「足は遅い方じゃから、ここで様子を見るぞ」
オークは先ほどの怒号に一瞬怯んだ親熊との距離を無造作に詰める。
重戦車が肩からタックルをした。
俺ならこの一撃で吹き飛んで終わる所だが、相手は熊だ。よろけただけだ。
怪物大戦争。
熊も唸り声を上げて噛みついた。
オークは噛み付かれたまま斧を熊の後頭部に叩きつける。手入れなどされていない切れ味の悪い斧が首に食い込み血が斧を濡らす。
思わず食い込んだ牙を外す熊は、怒りに任せて腕を振り回す。
普通の人間であればその一振り一振りが必殺の一撃だが、オークは意に介せず斧を叩きつける。
お互いノーガードの叩き合いを制したのは、オークだった。
最後はオークが熊の首を切り落とす。
「グォ~!!!」
傷だらけのオークは勝利の雄たけびを上げ、血が滴る斧を握りしめたまま子熊へ近づく。親を殺された子熊は動けないでいる。
あんな化け物に立ち向かう義理も勇気もない。
弱肉強食は自然の摂理だ。若干、可哀想だと思わないでもないが、仕方がない。
ムサシマルと二人で離脱するタイミングを伺っていた。
「ストップ!」
熊が一匹、直立して威嚇をしている。遠目にも大型と分かる。その後ろには子熊が隠れている。
「まずいな」
ムサシマルが呟いたその時!
地を揺るがす怒号が響いた。
熊では無い。
親熊の前に立つ、熊よりもふた回り大きい人型の豚!
服は特につけず、斧だけ持っている。
ムサシマルでさえ両手で持たないと、扱えそうに無いそのサイズを片手で持っていた。
「オークじゃな。こんな所にいるなんて珍しい」
ムサシマルが話してくれた敵性亜人の一種だ。こんなにデカイのか!
「足は遅い方じゃから、ここで様子を見るぞ」
オークは先ほどの怒号に一瞬怯んだ親熊との距離を無造作に詰める。
重戦車が肩からタックルをした。
俺ならこの一撃で吹き飛んで終わる所だが、相手は熊だ。よろけただけだ。
怪物大戦争。
熊も唸り声を上げて噛みついた。
オークは噛み付かれたまま斧を熊の後頭部に叩きつける。手入れなどされていない切れ味の悪い斧が首に食い込み血が斧を濡らす。
思わず食い込んだ牙を外す熊は、怒りに任せて腕を振り回す。
普通の人間であればその一振り一振りが必殺の一撃だが、オークは意に介せず斧を叩きつける。
お互いノーガードの叩き合いを制したのは、オークだった。
最後はオークが熊の首を切り落とす。
「グォ~!!!」
傷だらけのオークは勝利の雄たけびを上げ、血が滴る斧を握りしめたまま子熊へ近づく。親を殺された子熊は動けないでいる。
あんな化け物に立ち向かう義理も勇気もない。
弱肉強食は自然の摂理だ。若干、可哀想だと思わないでもないが、仕方がない。
ムサシマルと二人で離脱するタイミングを伺っていた。
「ストップ!」
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