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勇者召喚編

17.乙女と大きな扉。苦労しない迷宮跡地探索

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「伊織!そっちにバニユン二匹向かった!!そのまま引きつけといて!」

「うん!」

 伊織の前に二匹のトカゲの魔物が飛び込んでくる。

 バニユンだ。

 バニユンは伊織が止まったのを確認すると一匹のバニユンが首元を狙い飛びついてくる。

 それを伊織は右手に持った銀で作られた棒ではたき落として、そのバニユンの頭を突き刺す。

 その隙を狙って、もう一匹のバニユンが首に食いかかろうとするが、左手に持っていたもう一本の短い銀の棒を、そいつの背に突き刺した。

「なつめさん!ゆうひさん!倒したよ!!」


 伊織がバニユンにトドメを刺した後、私と夕日に声をかけた。


「よーし!お昼ご飯ゲットー!!この量だと明日のお昼まで持ちそう!」


 伊織の元へと現れた夕日が動かなくなったトカゲを見てヨダレを垂らしながらそう言った。

 1.5メートル程のトカゲを二匹、いい栄養源になる。

 そんなことを考えてしまう私たちは随分成長したと思う。


 私たちが洞窟で生活して三週間が経った気がする。
 本当は三週間経ったかどうかは分かっていない。
 時計がないので、私たちの寝た回数が三週間分だっただけだ。


 とにかく三週間、洞窟で過ごしているのだ。


 体が嫌でもこの生活に適応してしまった。
 今はお昼ご飯にするための獲物を捕まえていた。
 別に食料に困っているわけではないのだけど、食料はなるべく自分たちの手で摂って食べている。

 時代は獲得経済だ!!


「ナツナツ!いおりん!見て見て!さっきこんなキノコ生えてたんだー!」

 そう言って夕日は[アイテムボックス]から沢山のキノコを出す。

 ちなみに、[アイテムボックス]は夕日が私に[技能共有マジックシェアリング]をする事で覚えたスキルだ。

「見て!このキノコ!!ピンク色でハートの形してるよ!!」

 もっさりとできたキノコの山から夕日は一本のキノコを出した。


 んー、このキノコは確か、"ドキドキダケ"口にしてから初めて見た人の顔を見ると心臓がドキドキしてしまうキノコだった気がする。

「それは、食べれないからダメ」

 私は書庫で見た植物図鑑の記憶を元に食べれるか食べれないかを見分けていく。

 私が食べれないと、説明すると夕日は燃やすことも捨てることもせずに、ニヤニヤしながら[アイテムボックス]の中にしまった。


 何ニヤニヤしてんの!!

「こら!捨てなさい!!」

「じゃあ、これは!食べれる?」

 笠が赤く、その中に黒い丸が模様となっているキノコを出してきた。

「話をはぐらかさない!!ん?これは"ホンネダケ"だね。食べたら嘘がつけ無くなるキノコだよ。食べれないね」

 私がそう言うとほうほう、と言いながらそれもアイテムボックスへ入れていく。

 こら!!なんでアイテムボックスに入れるの!!ほら!ニヤニヤしない!!


「じゃあさーこのキノコ!」

 紫色の笠に"ドキドキダケ"と同様にハートの形をしたキノコだ。

「それは、"アナタダケ"だよ。
 それを食べた人は、最初に見た人の事しか考えられなくなるキノコ。だから絶対食べれません」

「ヘェ~ソウナンダ。じゃあ食べられないね!」

 と言って、ニヤニヤとしながらアイテムボックスにまたもしまう。


 それから食べれるキノコと、毒キノコに仕分けて、お昼?ご飯にする。


 水魔法で血抜きをした先程のバニユンのステーキに"タダウマイダケ"というキノコを添えられたシンプルなメニュー。

 作ってくれたのは伊織だ。


「「「いただきます」」」


 食べ物に感謝してお昼を食べる。


「いおりん、腕あげたねぇ」

「ゆうひさん、焼いただけだよ」

「いや!いおりんの愛情がこもってる!!それだけで美味しいの!!」

「う、うん…ありがと」


 そんな会話を交えつつお昼をすませると、迷宮跡地の探索をする。


 もう三週間もこもっているのだから外に出てもいいんじゃないかと。
 そう思う気持ちもあるが、警戒を怠りたくない。

 私はあるものを見つけるまで出たくないのだ。



 そのあるものとは銀だ。

 銀はこの世界では魔力をよく通す鉱物とされている。この洞窟で採掘できれば、弁財天で武器を作れるから。

 今は伊織の棒と食器に使っている分しか銀がない。

 この迷宮を出る前に少なくとも私の武器分くらいは銀が欲しい。
 そう思って、奥へ進んでいる。



 そして、迷宮跡地から出ない理由はもう一つある。

 それは…


「あ、また分かれ道だ」

 伊織が今、目の前に5つに分岐した道を見てそう言った。

「夕日」

「うん、右から2番目の道にしよう!!」


 この夕日のだ。

 夕日についていくと、行き止まりにも何のトラブルもなく進むことができるのだ。


 おそらく、これは夕日の[幸運]なのだろう。

 これがあるので大した苦労もなくずんずんと進んでいける。







「なんだか、ビチャビチャしてきたね」

「そうだねナツナツ、してきたね」


 洞窟の奥へ奥へと進むたびになんだが、洞窟が湿り気を帯びてきた気がする。







「なつめさん、ゆうひさん、なんか霧がかってきてる気がするんだけど??」

 更に洞窟の奥へ進むと霧がではじめた。


 最初は薄くかかっていた霧がだんだんと濃くなっていく。

 流石に前が見えなくなってきたので。私の水魔法で霧を消した。


 すると、そこには、なにもなく行き止まりであった。


 夕日の[幸運]でここまで来たが、ついに行き止まりになってしまった。


「どうする?引き返す?」

 私がそうみんなに聞くと、夕日が顎に手を当ててうーんと唸る。


「…うーん、なんか、あの壁の向こうに行きたい気がするんだよね~」


 そう言って、夕日は行き止まりとなっている壁を指差す。

 伊織と私はなんの疑問を持たず、夕日が指をさした壁を破壊していった。


 ゴォォン!ゴォォン!!


 ガラガラ…


 
 壁を水魔法で穴を開けたり、手で壊していくと、どこか空洞に繋がったようで、先の景色が見えるようになった。


 やっぱり、夕日のスキルはやばいなぁ。


 そんなことを思いながら三人で開けた穴を抜けた。


「お、おっきい」

「何これ!」

「扉?」


 伊織、夕日、私がバラバラの感想を呟く。


 そう、目の前に大きくて、木で作られた扉があった。

 高さは15メートルくらいで、横は5メートルくらいの大きな扉。

 その空間にはそれ以外何もないし、私たちが開けた穴以外に道はなかった。


 迷宮跡地を探索してきて、今までにない変化だった。


「ナツナツ、どうしようこの扉。開けちゃう?」

「いや、それは早いでしょ!これ開けたら強い魔物が出てきそうじゃん!」

 過激派の考えの夕日にツッコミを入れる。

「流石に僕も、今すぐ開けるのは良くないと思う!」

 伊織が少し強気に言った。

「ナツナツ、いおりんや、考えてみなされ。これを開けなかったら絶対に先へは進めないと思いますのじゃ」

 夕日がボケてそう言うが、もう絶対にツッコミは入れない。

「じゃあ、一回休憩というか睡眠をとろう?私たち、結構歩いて疲労も溜まってるし、お腹も空いてるから。明日にしよう?」

 夕日の考えも理解できる。

 結局開けるなら今開けちゃえばいいのに。

 私もそう思う。だが、万が一を考えるなら万全な体制で開けるべきだ。

「たしかに、ちょっと疲れてるからそうしよっか!」

 夕日からの許可も出たので、扉の前で休憩を取ることにする。


「じゃあ!今日の夜?は私が料理作るね!!」

 夕日がそう言うので料理は夕日に任せて私と伊織は扉の事について話す。


「なつめさん、扉の先に何があると思う?」

 伊織は私が水魔法で作り出したウォーターソファに座りながら私にそう問いかけた。

「あーゆーのの先は魔物に決まってるよ」

 絶対そうだ。迷宮跡地で今まで出てきたものといえばキノコと魔物と葉っぱくらいなものだ。

「だよね。僕、なつめさんとゆうひさんの役に立てるかが不安なんだ」

 ソファの上で縮こまりながら俯いてそう言った。

「役に立ってるよ!大丈夫だよ!今日だってバニユン倒してくれたし!」

 となりに座って慰めるように言うが伊織は俯いたままだった。

「でも、剣を握れない僕はみんなの足を引っ張ってるような気がしてならないよ」

「気にしすぎだよ。ここまでこれたのは二人がいたから。誰一人としてかけてもここまでは来れなかったよ。
 それに剣が握れなくても今は棒を振れてるじゃん。絶対大丈夫だから」


 そう言って伊織の頭を撫でる。

 伊織の髪は若干ボサボサとしている。

 女の子なのに、男っぽくする為らしい。

 髪の毛伸びたらかわいいんだろうなー。
 でもまだサラシも巻いてるし本人の心の準備もあるのだろう。


「はーい!できたよ!!シチュー!!キノコとトカゲのクリームシチューだよ!!」


 そんなことを考えていたら夕日が作った料理が運ばれてきた。

「ちょっと待ってねー。私が盛るから!!」

 シチューの鍋をプニョプニョした水魔法で作った机の上に置く。

 そして、夕日がお椀にシチューを盛って、私と伊織に渡して最後に自分によそった。


「さあ!!食べて!!食べて!!」

 ニコニコと笑っている夕日がシチューを食べるのを急かしている。


 怪しすぎる。

 ここ三週間の内、夕日が料理を作った回数は3回。その3回とも夕日が作らなすぎるので強制的に作らせたものだ。


 だが今回自分から料理を作ると言い出した。

 何か入っているに違いない。


「ナツナツ!いおりん!早く食べてよ!!そして感想を!感想を聞かせてよ!!」


「「いただきます」」

 私と伊織はそう言ってスプーンを手に取りシチューをスプーンに乗せる。

 手を持ち上げ、口に近づける。


 そして口に…


「感想は…自分にきけぇぇ!!!!」



 私はニコニコと笑う夕日の口にシチューを放り込んだ。


 パクッ


「もぐもぐ……」

「…」

「…」


 あれ??何も起きない?


「……う、うぐぅ…ううぅ…‼︎」

「…」

「…私!!ナツナツがほんとうに大好きなのぉ!!もうナツナツだけしか考えられないのぉぉぉ!!悪戯しちゃったけどぉぉ!許しテェェ!!捨てないでぇぇ……‼︎」

「な!!」

 夕日は涙を流しながら私にしがみついてそんなことをいった。

「シチューに何を入れたの?」

 と聞くと。

「アナタダケをナツナツに入れて、いおりんにドキドキダケを入れた!!ごめんなさいぃ!!…うぅ!!」

 そう言いながら私にすがりつくように涙を流す夕日。

 そんな夕日を無視して伊織に話をかける。

「だってさ。食べる前でよかったね」

「…もぐもぐ」

「いおり!?」

 バカァァァァ!!!なんで食べてんの!!!!


「なつめ。なつめを見てると僕、ドキドキする、なんでだろう。なんだろうこの気持ち」

 ドキドキダケだよぉぉ!!


「ナツナツぅぅぅう!!!」

「なつめ」


 そう言って夕日はぎゅーっと私の腰に巻きついて、伊織は私の腕に巻きついた。


 何この状況!!!


 ご飯怖い!!!


 誰か助けて!!!!






 一時間ほど経った頃。

 土下座した夕日とキノコの効果が切れて顔を赤くする伊織の姿があった。
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