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迷宮都市編
22.金級冒険者出現。お前はお呼びでないぞ
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俺は悩んでいた。
知らない大多数を救うか。仲間を救うか。
実際に俺はイーストのやつらを仲間だと思っている。
あまり話さないし会釈くらいしかしないが、無実の罪をかけられようが変わらず過ごす奴らだ。
いや、ただ酒を飲んでいる冒険者もいるかもしれないが、悪評を立てられようがイーストのギルドメンバーを貫いているのは凄いと思う。実力はそうでもないけれど。
それにレイラさんは、鉄級の俺にもイーストの冒険者にも平等に接してくれるし、ギルドマスターはイーストのためにバイトしている。
つまり俺はイーストが好きなんだ。
だからといって、未然に防げることを見逃して、罪のない人達を巻き込むわけにもいかない。
うーーーん!どうすればいいんだよー!!
そんなことを考えていると飯屋に見たことある顔が入ってきた。
見たことある顔はこちらへ向かってきて、サニーの手を取りキスをしようとした。
唇が近づいていることに気づいたサニーはさっと手を退けて緊急回避していた。
……ん?…え?は!?
え、なになに!
今こいつ何しようとした!?手にキスしようとしてたな!?
あまりの早さに追いつけなかった!
確かこいつはサニーと初めて会った時に絡んでいた奴だな。気持ち悪っ!
「迎えにきました。お姫さま」
見たことある顔は爽やかな笑顔でサニーに向けて跪いてそう言い放った。
「えっと、どちら様ですか?あいにくですが迎えは間に合っているので大丈夫です」
「ははは!ご冗談がお上手なお姫さまだ。僕はセントラルの金級冒険者のゴルアルですよ。
君の王子様だよ」
相変わらず凄いなこいつは。
「すみません。存じ上げないです」
「はは!僕が覚えているさ!君の名前も知っているよ!サニア!君が教えてくれたんだよ。忘れちゃったのかい?」
「教えた覚えはありませんが?」
サニーはいつも口説かれるのは慣れているのかスラスラと避けていく。
「そうか!君は記憶喪失なんだな!
いいだろう!説明しよう!僕とサニアは愛し合ってたんだよ!結婚まで誓った仲だよ。それも忘れてしまったのかい?」
と、見たことある男がおかしなことを言い出した。
話が全く通じない系男子らしい。
「どなたかと人違いしていませんか?私はあなたと愛し合ってはいませんよ。
それに私はこの都市に来てから私は、ほとんど、ずっと家族と一緒ですよ?どうやってあなたとお付き合いして、結婚まで誓うんですか?」
サニーが完全に突き放して、相手に決定的な質問を投げかけた。
そうすると見たことある男が突然変なことを言い出した。
「え、く、貴様らか!!!貴様らがサニアの記憶を弄ったのか!!よくも!!俺のサニアを返してもらうぞ!!!」
俺、アシル、シリルさんに向かってそう怒鳴ってきた。
え、えぇ、前こんなやつじゃなかっただろ。どうしたんだこいつ。妄想力が凄いぞ。
というかやばい。サニーがキレそうだ。
と、思ったらシリルさんがキレていた。
いつも隠してある気配がピリピリと湧いて出てきた。
「えっと、僕達が何かしたと?」
「な、なんだ貴様!僕はセントラルの金級冒険者だ!このことがどういう意味かわかってるのか?」
「どういう意味なんだ?」
おい、シリルさんをこれ以上怒らせないでくれよ。アシルがガタガタ震えてるし、サニーも震えてるじゃねぇか!
「は、はは!セントラルの金級は選ばれた者だけがなれるんだ!わかるか?セントラルにおいて金は最強って意味なんだよ!!」
「セントラルにおいて最強か。じゃあ、ここにおいてはどうなのか試してみるか」
と言って、シリルさんは高速で相手の腰につけていた剣を奪い素手で鞘ごと握りつぶした。
「それじゃあ、セントラルの最強?勝負といこうか」
そう言ってシリルさんは握りこぶしを作り構えた。
「ひ、ひぃ、俺の剣が!!は、は、ははは!お、お前らは俺が手を下さなくてもすぐにスタンピードで死ぬさ!俺はそれを高みの見物でもしてるかな!ははは!」
そう言って、金級冒険者は走ってどこかへ行った。
シリルさん怖い。
「サニア、アシル、ゆうたくん大丈夫だったかい?」
「「う、うん…」」
「は、はい…」
「なんだか周りも静かになっちゃったね。
迷惑になるといけないし僕達も出ようか!」
そうして、俺達は外へ出てトコトコに向かった。
ああぁ、怖かった。シリルさんマジ怖いな。
というか、あの金級冒険者なんでサニーの名前知ってたんだ?前、教えてなかったよな?
まあ、いいか。
でもあいつのおかげで決意できたよ。
俺はセントラルを潰す。
でも、その為には作戦を考えなくちゃならないな。
一個作戦があるけど、この作戦はどうなんだろうか。
魔物が魔力だまりから出現するまで大体一週間ってところか。
それまでにどうにかできるかな。
うーん、この作戦をやるとなると、ギルドマスターと会ったことはないけどウェストとノースのギルドマスターにも会わなきゃいけないな。
よし!!セントラルをつぶすぞ!!!
明日シリルさん達にも作戦を伝えて、作戦始動だな!
知らない大多数を救うか。仲間を救うか。
実際に俺はイーストのやつらを仲間だと思っている。
あまり話さないし会釈くらいしかしないが、無実の罪をかけられようが変わらず過ごす奴らだ。
いや、ただ酒を飲んでいる冒険者もいるかもしれないが、悪評を立てられようがイーストのギルドメンバーを貫いているのは凄いと思う。実力はそうでもないけれど。
それにレイラさんは、鉄級の俺にもイーストの冒険者にも平等に接してくれるし、ギルドマスターはイーストのためにバイトしている。
つまり俺はイーストが好きなんだ。
だからといって、未然に防げることを見逃して、罪のない人達を巻き込むわけにもいかない。
うーーーん!どうすればいいんだよー!!
そんなことを考えていると飯屋に見たことある顔が入ってきた。
見たことある顔はこちらへ向かってきて、サニーの手を取りキスをしようとした。
唇が近づいていることに気づいたサニーはさっと手を退けて緊急回避していた。
……ん?…え?は!?
え、なになに!
今こいつ何しようとした!?手にキスしようとしてたな!?
あまりの早さに追いつけなかった!
確かこいつはサニーと初めて会った時に絡んでいた奴だな。気持ち悪っ!
「迎えにきました。お姫さま」
見たことある顔は爽やかな笑顔でサニーに向けて跪いてそう言い放った。
「えっと、どちら様ですか?あいにくですが迎えは間に合っているので大丈夫です」
「ははは!ご冗談がお上手なお姫さまだ。僕はセントラルの金級冒険者のゴルアルですよ。
君の王子様だよ」
相変わらず凄いなこいつは。
「すみません。存じ上げないです」
「はは!僕が覚えているさ!君の名前も知っているよ!サニア!君が教えてくれたんだよ。忘れちゃったのかい?」
「教えた覚えはありませんが?」
サニーはいつも口説かれるのは慣れているのかスラスラと避けていく。
「そうか!君は記憶喪失なんだな!
いいだろう!説明しよう!僕とサニアは愛し合ってたんだよ!結婚まで誓った仲だよ。それも忘れてしまったのかい?」
と、見たことある男がおかしなことを言い出した。
話が全く通じない系男子らしい。
「どなたかと人違いしていませんか?私はあなたと愛し合ってはいませんよ。
それに私はこの都市に来てから私は、ほとんど、ずっと家族と一緒ですよ?どうやってあなたとお付き合いして、結婚まで誓うんですか?」
サニーが完全に突き放して、相手に決定的な質問を投げかけた。
そうすると見たことある男が突然変なことを言い出した。
「え、く、貴様らか!!!貴様らがサニアの記憶を弄ったのか!!よくも!!俺のサニアを返してもらうぞ!!!」
俺、アシル、シリルさんに向かってそう怒鳴ってきた。
え、えぇ、前こんなやつじゃなかっただろ。どうしたんだこいつ。妄想力が凄いぞ。
というかやばい。サニーがキレそうだ。
と、思ったらシリルさんがキレていた。
いつも隠してある気配がピリピリと湧いて出てきた。
「えっと、僕達が何かしたと?」
「な、なんだ貴様!僕はセントラルの金級冒険者だ!このことがどういう意味かわかってるのか?」
「どういう意味なんだ?」
おい、シリルさんをこれ以上怒らせないでくれよ。アシルがガタガタ震えてるし、サニーも震えてるじゃねぇか!
「は、はは!セントラルの金級は選ばれた者だけがなれるんだ!わかるか?セントラルにおいて金は最強って意味なんだよ!!」
「セントラルにおいて最強か。じゃあ、ここにおいてはどうなのか試してみるか」
と言って、シリルさんは高速で相手の腰につけていた剣を奪い素手で鞘ごと握りつぶした。
「それじゃあ、セントラルの最強?勝負といこうか」
そう言ってシリルさんは握りこぶしを作り構えた。
「ひ、ひぃ、俺の剣が!!は、は、ははは!お、お前らは俺が手を下さなくてもすぐにスタンピードで死ぬさ!俺はそれを高みの見物でもしてるかな!ははは!」
そう言って、金級冒険者は走ってどこかへ行った。
シリルさん怖い。
「サニア、アシル、ゆうたくん大丈夫だったかい?」
「「う、うん…」」
「は、はい…」
「なんだか周りも静かになっちゃったね。
迷惑になるといけないし僕達も出ようか!」
そうして、俺達は外へ出てトコトコに向かった。
ああぁ、怖かった。シリルさんマジ怖いな。
というか、あの金級冒険者なんでサニーの名前知ってたんだ?前、教えてなかったよな?
まあ、いいか。
でもあいつのおかげで決意できたよ。
俺はセントラルを潰す。
でも、その為には作戦を考えなくちゃならないな。
一個作戦があるけど、この作戦はどうなんだろうか。
魔物が魔力だまりから出現するまで大体一週間ってところか。
それまでにどうにかできるかな。
うーん、この作戦をやるとなると、ギルドマスターと会ったことはないけどウェストとノースのギルドマスターにも会わなきゃいけないな。
よし!!セントラルをつぶすぞ!!!
明日シリルさん達にも作戦を伝えて、作戦始動だな!
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