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迷宮都市編
16.迷宮生活の始まり。難しい話はむずい
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昨日は休日?を過ごし、今日から迷宮に長期間潜ることになっている。
俺はシリルさん達と迷宮へ向かった。
迷宮へ着くと、シリルさんに六日間の迷宮生活について説明された。
「一昨日も説明した通り六日間迷宮で過ごしてもらうよ。六日分の依頼を全部こなして、六日後に出る。それだけだよ。
準備はいいかい?ゆうたくん」
「大丈夫です。一五階層まで行ければ依頼は殆ど達成できますし、サッと終わらせて後半は迷宮でゴロゴロしてやりますよ」
「すごい意気込みだね!でも、油断はしちゃダメだからね。それじゃあ、始めようか」
と言って、迷宮生活の幕を開いた。
まず手始めに十階層に行く。
これは歩き慣れた道なのですぐに着いた。
問題はここから五階層進むことだ。
実際のところ十階層までは銅級パーティくらいならたどり着けるだろうが、
十一階層から銀級パーティの領域だ。
いや、銀級なら大丈夫だろって思ったが、そうじゃない。そういうことじゃないんだよ。
ラガシュ迷宮は現在四六階層まで攻略されているらしい。
つまり大体三十階層までの地図なら手に入る。
そして地図を使って冒険者達は迷宮の依頼を達成したり、攻略したりする。
つまり、迷宮攻略は地図を持たないで進むのは、割と難しいと言うとこだ。
銀級冒険者がここまで到達できるのだって地図があるからだ。
地図がなければ、魔物がどこがよく現れるとか、迷宮の出口だとか、罠がどこにあるかなどは手探りで探していかなければならない。
攻略の難易度が全然違うのだ。
俺はあえて、迷宮についてあまり調べていない。
たしかに、地図を買わなければ死ぬ確率が上がるだろうし迷って永遠に出れなくなるなんてこともあるかもしれない。
だが、地図に頼っていたら、深層に潜った時に対応が難しくなってしまう。
俺は罠だって感知できない状態で地図ばかりに頼るのは少し怖かったので、いつでも臨機応変に対応できる様になるために、今から練習をしているのだ。
なので、銀級パーティが到達できるところでも、俺にとってはかなり危険なのだ。
十階層は歩き慣れているのでサクサクと進み、十一階層へ今向かっている。
そんな時にシリルさんが話をかけてきた。
「ゆうたくん、この迷宮がどうしてできたのかは知っているかい?」
「見てるだけじゃないんですか?」
「ずっと黙って見てるのは暇じゃないか」
「まあ、たしかにそうですね」
「そうでしょ?それでどうしてできたか知ってるかい?」
「え、っとたしか、まだ解明されてないんでしたよね。一説によると昔の人が作ったとか、神様が作ったとか言われてるんですよね」
「おぉ、よくしってるね。迷宮は何で出来てるか謎なんだよね。
ゆうたくんはどっちだと思う?神が作った物なのか、昔の人が作ったものなのか」
「うーん、神様が作った方だと思いますね」
「どうしてだい?」
「迷宮では中に入るごとに空間が変わっていくじゃないですか。そんな超魔法が使えるのは神様くらいじゃないですか?」
「そうなんだけどね、一説によると昔の人は現在使われている魔法とは違う魔法を使ったとされているんだよ。
それが古代魔法とかロストマジックと言われている魔法だよ。
昔の人がそんなすごい魔法を使えるのなら迷宮も昔の人が作ったとも言えないかい?」
「うーん、でも時空間魔法でもこれだけの規模の魔法は使えませんよ。いくら昔の人がすごくても、迷宮ほどの人智を超えたものは作れませんって」
「時空間魔法?なんだい?それは」
あ、やべ。口が滑った
「あ、そんな魔法があるんじゃないかって予想ですよ。空間や時間がこの迷宮では歪んでいますから、あってもおかしくないと思うんですよね」
「なかなか、興味深い事を言うね!ちなみに僕も神が迷宮を作った派だよ。
でも、昔の人もそれに協力したとも思えるんだよね。
神が作ったなら遺跡になんてならないと思うからね」
「たしかに」
「でも、神が作ったとするなら、何のために作られたんだろうね。
魔物が湧き、宝が出てくるだけのものを神が作るなんてありえないと思わないかい?」
なんか難しい話をしてるな。
「魔物が出てくるだけなのならば何かを守っているってことになりますけど、宝箱が出てくるのは、明らかに俺らを誘ってますからね」
「そうなんだよねぇ。迷宮っていうのは奥に行けば行くほど魔物が強くなるんだよ、最奥地には到達させたくないんだろうけど、迷宮を攻略したものがいないからねぇ。なんなんだろうね」
「結局奥に行かなきゃわからないってことですね」
「迷宮はどこまで続いてるかわからないけどね。それが一番解明に繋がりそうなんだよね」
シリルさんの目は輝いている。迷宮の事がかなり気になっているんだろう。
ちょっと怖い。
「シリル兄ちゃん話が全然わかんないだけど、どう言う事なんだ?」
と、アシルが言ったので、シリルさんから逃げる様にアシルに反応した。
「迷宮攻略は難しいって事だよ。多分」
「うーん、そんなの当たり前じゃねーか!俺はいつか迷宮を攻略してやるんだぜ!」
「アシルはすごいな。でも迷宮って何階層まであるんだろうな。それによって、いけるか変わって来ないか?」
「そんなこと考えてても迷宮の階層がわかることなんてないんだから、攻略のことを考えようぜ!」
たしかに。
そんな話をしているうちに十一階層へ着いた。
目的地である一五階層に向けて頑張るとするか。
俺はシリルさん達と迷宮へ向かった。
迷宮へ着くと、シリルさんに六日間の迷宮生活について説明された。
「一昨日も説明した通り六日間迷宮で過ごしてもらうよ。六日分の依頼を全部こなして、六日後に出る。それだけだよ。
準備はいいかい?ゆうたくん」
「大丈夫です。一五階層まで行ければ依頼は殆ど達成できますし、サッと終わらせて後半は迷宮でゴロゴロしてやりますよ」
「すごい意気込みだね!でも、油断はしちゃダメだからね。それじゃあ、始めようか」
と言って、迷宮生活の幕を開いた。
まず手始めに十階層に行く。
これは歩き慣れた道なのですぐに着いた。
問題はここから五階層進むことだ。
実際のところ十階層までは銅級パーティくらいならたどり着けるだろうが、
十一階層から銀級パーティの領域だ。
いや、銀級なら大丈夫だろって思ったが、そうじゃない。そういうことじゃないんだよ。
ラガシュ迷宮は現在四六階層まで攻略されているらしい。
つまり大体三十階層までの地図なら手に入る。
そして地図を使って冒険者達は迷宮の依頼を達成したり、攻略したりする。
つまり、迷宮攻略は地図を持たないで進むのは、割と難しいと言うとこだ。
銀級冒険者がここまで到達できるのだって地図があるからだ。
地図がなければ、魔物がどこがよく現れるとか、迷宮の出口だとか、罠がどこにあるかなどは手探りで探していかなければならない。
攻略の難易度が全然違うのだ。
俺はあえて、迷宮についてあまり調べていない。
たしかに、地図を買わなければ死ぬ確率が上がるだろうし迷って永遠に出れなくなるなんてこともあるかもしれない。
だが、地図に頼っていたら、深層に潜った時に対応が難しくなってしまう。
俺は罠だって感知できない状態で地図ばかりに頼るのは少し怖かったので、いつでも臨機応変に対応できる様になるために、今から練習をしているのだ。
なので、銀級パーティが到達できるところでも、俺にとってはかなり危険なのだ。
十階層は歩き慣れているのでサクサクと進み、十一階層へ今向かっている。
そんな時にシリルさんが話をかけてきた。
「ゆうたくん、この迷宮がどうしてできたのかは知っているかい?」
「見てるだけじゃないんですか?」
「ずっと黙って見てるのは暇じゃないか」
「まあ、たしかにそうですね」
「そうでしょ?それでどうしてできたか知ってるかい?」
「え、っとたしか、まだ解明されてないんでしたよね。一説によると昔の人が作ったとか、神様が作ったとか言われてるんですよね」
「おぉ、よくしってるね。迷宮は何で出来てるか謎なんだよね。
ゆうたくんはどっちだと思う?神が作った物なのか、昔の人が作ったものなのか」
「うーん、神様が作った方だと思いますね」
「どうしてだい?」
「迷宮では中に入るごとに空間が変わっていくじゃないですか。そんな超魔法が使えるのは神様くらいじゃないですか?」
「そうなんだけどね、一説によると昔の人は現在使われている魔法とは違う魔法を使ったとされているんだよ。
それが古代魔法とかロストマジックと言われている魔法だよ。
昔の人がそんなすごい魔法を使えるのなら迷宮も昔の人が作ったとも言えないかい?」
「うーん、でも時空間魔法でもこれだけの規模の魔法は使えませんよ。いくら昔の人がすごくても、迷宮ほどの人智を超えたものは作れませんって」
「時空間魔法?なんだい?それは」
あ、やべ。口が滑った
「あ、そんな魔法があるんじゃないかって予想ですよ。空間や時間がこの迷宮では歪んでいますから、あってもおかしくないと思うんですよね」
「なかなか、興味深い事を言うね!ちなみに僕も神が迷宮を作った派だよ。
でも、昔の人もそれに協力したとも思えるんだよね。
神が作ったなら遺跡になんてならないと思うからね」
「たしかに」
「でも、神が作ったとするなら、何のために作られたんだろうね。
魔物が湧き、宝が出てくるだけのものを神が作るなんてありえないと思わないかい?」
なんか難しい話をしてるな。
「魔物が出てくるだけなのならば何かを守っているってことになりますけど、宝箱が出てくるのは、明らかに俺らを誘ってますからね」
「そうなんだよねぇ。迷宮っていうのは奥に行けば行くほど魔物が強くなるんだよ、最奥地には到達させたくないんだろうけど、迷宮を攻略したものがいないからねぇ。なんなんだろうね」
「結局奥に行かなきゃわからないってことですね」
「迷宮はどこまで続いてるかわからないけどね。それが一番解明に繋がりそうなんだよね」
シリルさんの目は輝いている。迷宮の事がかなり気になっているんだろう。
ちょっと怖い。
「シリル兄ちゃん話が全然わかんないだけど、どう言う事なんだ?」
と、アシルが言ったので、シリルさんから逃げる様にアシルに反応した。
「迷宮攻略は難しいって事だよ。多分」
「うーん、そんなの当たり前じゃねーか!俺はいつか迷宮を攻略してやるんだぜ!」
「アシルはすごいな。でも迷宮って何階層まであるんだろうな。それによって、いけるか変わって来ないか?」
「そんなこと考えてても迷宮の階層がわかることなんてないんだから、攻略のことを考えようぜ!」
たしかに。
そんな話をしているうちに十一階層へ着いた。
目的地である一五階層に向けて頑張るとするか。
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