異世界に迷い込んだ俺は異世界召喚された幼馴染と再会した

たたたかし

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迷宮都市編

8.イーストでの一悶着。俺は迷宮探索を楽しみにしてたわけだよ?なのにそう言うことされると流石の俺も怒りがたまるんだよね、本当にふざけてる許…

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「かぁぁ!!!いい朝だ!!!」

 体が軽い!心も軽い!!ランドセルの名前みたいに軽い!!

 なんてったって今日は!

 迷宮に入れる日だから!!

 まだ日が昇っていないけど!

 時刻は四時半。

 俺は迷宮に行くことが楽しみで早く起きた。目覚まし時計を召喚していたが必要もなかった。

 集合時間まで時間が沢山あるので、トコトコの裏庭に素振りをしに言った。

 ブンッ!

 スパッ!

 スパッ!

 一時間ほど素振りをしたので井戸水を全身に被った。

「くぅー!きもちいい!」

 五時半なので部屋に戻ってすこしくつろいでいた。

 楽しみで待っていると全然時間が経たないので、迷宮についての本を読んで時間を潰した。

 よし!六時二十五分!行くしかねぇ!

 俺は部屋から出て、トコトコの出口に向かった。

「おはよう、ゆうたくん準備はできてるかい?」

 もうシリルさん達は準備が整っていて待たせていたようだった。

「おはようございます!はい!できてます!待たせちゃってごめんなさい」

「いや、全然待ってないから大丈夫だよ」
 シリルさんがそう言うと。

「そうだ!俺たちはつい十分前に来ただけだ!」
 アシルがそう言った。

 いや、結構前からいるじゃん!

「アシルおはよう!今日はよろしくな!」

「サニーもおはよう!」

「おう、よろしくな!ゆうたが使うその刀って言うやつがどんな感じに使うのかがすげー楽しみなんだ!」

「…おはようございます」

 アシルは朝は強いみたいだが、サニーは眠そうだ。

「俺もあまり人に見せたことがないからなぁ。どんな感じに見えてんだろうな。ダサくてもなんも言わないでくれよ!」

「じゃあ、なんも言わなかった時がダサいって事になるな!ははは!」


 そんな会話をしながらイーストへ向かった。

「シリルさん達って、イーストに行くのは初めてですか?」

「僕は一回だけあるよ。アシルとサニアは一度もないかな。
 僕も、他のギルドの様子を見る時に軽く見ただけだから依頼を受けたりするのは初めてかな」

「じゃあ、どんな感じなのかは大体分かるわけですね」

「まあ、一応はね」

 そんな会話をしていたらイーストに着いた。

 相変わらずボロボロだなぁ。と思いながら中へ入った。

「こ、これはすごいね」
 と目が覚めたサニーが言った。

「ギルドというか、酒場って感じだな…酒くせぇ」
 アシルが鼻を抑えながら言った。

 イーストは前来た時と変わらず平常運転だ。
 国家問題やギルド問題だって何もなかったように酒を飲んでみんなが騒いでいる。

「とりあえず受付をしようか」

「そうですね」

 シリルさんと俺はそう話して受付の元へ向かった。

「あの、すみません」

「はい!なんでしょう!って中森様!久しぶりですね!パーティは組めたのでしょうか?」

「レイラさん、お久しぶりです。パーティ組めました。これで迷宮に入れますよ」

「おお!よかったです!前の依頼とっておいてありますよ!」

 そう言って、前受けられなかった依頼書を出してくれた。

「えーっと、それでパーティの方はどちらに?」

「どうも、一応銀級冒険者パーティ『クリマ フォレ』をやってますシリルと申します。こっちがアシルでそっちはサニアです。
 これからイーストでお世話になるのでよろしくお願いします」

「どうも!イースト受付をしているレイラです!シリルさん、アシルさん、サニアさん!よろしくお願いします!
 さっそくですが、依頼の確認をしてもらってもよろしいでしょうか?」

 シリルさんは依頼を確認している。

「…この依頼で大丈夫ですので、この三つを受けます」

「かしこまりました!依頼を受け付けました!気をつけてくださいね」

 そうして俺たちは依頼を受けて外へ出た。

 よし!迷宮に行ける!あぁ、楽しみだ!どんな感じかな。

 なんて考えているとすぐに話をかけられた。

「おう!また会ったな!前もイーストに来てたよな。仲間は見つかったみたいだな!よかったじゃねぇか!」

 ああ、前にイーストで話しかけられたおっさんか。

「そうですね、よかったです。じゃあ失礼します」

「おい、待てよ」

 止められた。

「なんでしょうか?」

「仲間が集まったのって俺のおかげだよな?助けてもらったらお礼をするのは当たり前だろ?」

「えっと、元々あてがいると話したじゃないですか。
 そもそも助けてもらった覚えはないですけど」

「いや、お前が助けてもらったことを覚えているか覚えてないかなんて関係がないんだよ。
 俺が助けたことを覚えているんだからな。
 何のために優しく接してたと思っているんだ。お前はバカなのか?はっは!」

 何だこいつ。めちゃくちゃじゃねぇか。腹立つな。

「あなたが俺に何をして助けたと?」

「あぁ?そんなことはどうでもいいんだよ。俺は助けたんだよ。
 とりあえず、お前のその着ている服、あと持っている金、あとそこのエルフの女だな。
 おっと、そこのエルフの兄ちゃんは手を出すなよ。俺はCクラスの銅級冒険者だ。鉄級のガキを潰すことくらい簡単だぜ?はっは!」

 何言ってんだこのおっさんは。
 そもそも今ここにいる中で一番弱いのはおっさんじゃねぇかよ。

「早く、全部出せよ。まさか四対一で勝てると思っているのか?
 勝てるわけがないだろ?俺の後ろに五人控えているからな。これで六対四だな!はっは!早く女もこい!!」

 ふぅ、怒りよ静まれ。
 心頭を滅却すれば火もまた涼し。
 ふぅ。
 あんま意味ないな。

 そう思って周りを見ると、サニーやシリルさん、アシルは笑っていた。なんだか怖くて怒りが静まってきた。

 ただ怒りは静まっても変わらないことはある。

 こいつは絶対許さない。
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