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迷宮都市編

5.冒険者同士の喧嘩。なんだってんだいこんなところで

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 俺は情報を整理するために飯屋に来ていた。

 ウェストのすぐ向かい側にあるご飯屋さんだ。

 うまそうだし、冒険者がよく来るので情報がよく手に入りそうなのでここに来た。

「おい!聞いてくれよ!ノースでまた依頼が減った!いよいよダメになってきたかもれねぇ!」

「地上の魔物の様子が不安定なんだろ?お前も迷宮に潜った方がいいぜ?」

「いや、俺は迷宮みてぇになげぇ間潜ってられねぇよ!それよりも魔物の様子が不安定なのは最近スタンピードが起こるんじゃないかって噂になってるぜ。そろそろこの稼業も潮時かもしれねぇ」

「怖い怖い。だがどうせセントラルの奴らがどうにかするだろ。別に心配いらねぇんじゃねーか?
 スタンピードなんて魔物が暴走するだけじゃねぇか。ここは冒険者の国だぜ!?
 まぁ俺は、迷宮に潜って厄介ごとは避けるとするかな」

「けっ!迷宮攻略が向いてる奴はお気楽でいいな!セントラルの奴らで抑えきれなかったら、盾に使われるのは俺だぜ!そんな危ねぇ事はしたくねぇからな。
 俺はちけぇうちにここを出て行こうかと考えてんだ」

「そんなこと言ったってどこ行くんだよ。最近の国も怪しいって聞いたぜ?迷宮に潜ってる俺ですら知ってるぞ」

「あぁ、俺も聞いてるよ。アムリス帝国が戦争を近ごろ起こそうとしてるって奴だろ?どこでも有名だぜその話は。
 レノス王国もそれに備えて近くの国と同盟を結んだらしいし、いよいよ本覚的にやべぇって話だ。
 さらに、アムリス帝国はその同盟に備えて聖教国と同盟を結んで、なんか怪しい事をしているらしいぜ」

「なら余計どこも行けねぇじゃねぇか!ここは冒険者が大量にいるからどの国もここには命令ができねぇ。ここにいた方がとくじゃねぇか!」

「俺もそう思ってたんだが、スタンピードで死んだら意味ねぇだろ!
 だから俺は新しくできた村に行こうと思ってるんだよ。そこには食べ物とか住む場所が沢山あるらしいからな。善は急げってやつだ」

「しらねぇな、そんな村ができたのか?」

「あぁ、豊穣の村だとか言われてるぜ。レノス王国の国内にあるがアムリスと、かなり離れているし、食料が大量にあるなら生きやすい。
 それに俺ももう現役引退が近い歳だからな」

「へぇ、そんないい村があんのか。なら俺が冒険者やめたらお前んところに行くとするかな」

「百万メダ払ったら助けてやるよはっはっは!」

「とりすぎだ!」




 飯食ってたらかなりの情報が手に入ったな!
 あんなにペラペラと喋ってくれるなんてな!はっはっは!

 ここのギルドだけじゃなく、国までやばいのか。
 魔女と関係しているのかもしれないなぁ。
 思ったよりドロドロしてるなぁ。
 いや、それよりもスタンピードについてだな。魔物が大量に来る気配があれば駆けつけることができるけど、迷宮に入っている時に来られれば困るな。

 あ、俺、迷宮入れないんだった。

「どうすっかなぁ…」
 問題が多すぎるんだよな。

 とりあえず、迷宮に入るためには銅級冒険者の人に手を借りなきゃ行けないんだよな。
 イーストは心が汚いやつらばかりだしな、サウスかウェストで手を貸してくれる人がいないもんかね。

「お嬢さん、僕とお茶をいかがですか?」

 考え事をしていると、キラキラとした顔のお兄さんがエルフの女性にナンパをしているところだった。

「いえ、人を待っているので結構です」

「ははっ、僕はセントラルの金級冒険者のゴルアルって名前なんだ。知っているかい?」

「いえ、存じ上げません。人を待っているのでほかを当たってもらえませんか?」

「他なんて見えないよ。君の輝きが眩しくて周りが見えないんだ。きっと君は天使なのかもしれないね。
 こんなところでご飯を食べるより僕ともっといいところでご飯を食べた方が絶対にいいと思うんだよね」

「話聞こえてますか?他を当たってくれって言っているんですけど?」

「ははっ怒ったところもかわいいね!輝きがさらにましたようだよ。君は今この世界で一番輝いているよ。
 こんな暗いところよりも僕ともっと明るい場所にいって、君を輝かしてあげたいんだ」

「はぁ、別に輝きたくないんですけど。何ですか眩しいってそんなに眩しいなら離れてくださいよ、しつこいですね」

「ぅ、ははっ!眩しいほど美しいって意味だよ。いいから、一緒に行こう!」

「だから、しつこいって!」

 喧嘩になってしまっている。というか男の方はやばいやつなのかもしれない。
 助けた方がいいのだろうか。

 そう考えていると、男がエルフの腕を掴んで引っ張っていこうとしていたので止めに入った。


「さぁ!僕と明るいところへいこう!」
 と変な男が言うと

「ちょっと!話して!」
 とエルフの女性が言っていたので

「お、お前、なおこか!?こんなところで何してるんだ、なおこ!」

 とっさに知り合いに見せたくて、適当に名前を呼んで見たが、焦ったせいで日本人の様な名前で呼んでしまった。

「?君は誰だい?僕は今から彼女と出かけるんだが、邪魔をしないでくれ。僕は金級の冒険者だ」
 と言ってライセンスを見せてきた。

 本物じゃん。

「いや、その女性のなおこと知り合いで…」

「君は服装から見て商人だろう、どうして冒険者の服装の彼女と知り合いなんだい?」

「えっ、薬草!薬草をいつも買ってもらってるんだ!なおこありがとな!今日も二時間後に買う約束をしてたよな!薬草!」

 やばい、無理やりすぎる。合わせてくれ!なおこ!

「え、ええ、そうよ。二時間後にちゃんと買う約束をしてるわね。
 そう言う事だから、離してくれない?」

「くっ、ははっ!お嬢さん!予定が空いていたら今度こそ一緒に遊びましょうね!」

 そう言って男は、俺を睨んで出て行った。

「大丈夫でしたか?」
 と俺が聞くと。

「すみません、ありがとうございます」
 と言われた。

 ふぅ、たすかったぁ。
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