異世界に迷い込んだ俺は異世界召喚された幼馴染と再会した

たたたかし

文字の大きさ
上 下
46 / 133
迷宮都市編

2.迷宮都市冒険ギルド。やっぱり都会は格が違う

しおりを挟む
 俺は迷宮都市の冒険者ギルドの前に立っていた。

 迷宮都市に入ってすぐに案内板があり、少し歩いたらすぐに見つかった。

 かなり大きいギルドで、素材だって綺麗にカットされた石で出来ている。アートの世界のビルみたいでびっくりだ。

 ここに入って良いんだよな。よし!いくぞ!

 俺はギルドの中に入った。中は清潔感があり、まるで白を基調とした宮殿のようだった。
 冒険者?は数名程いて、壁に貼られた綺麗な紙を見ていたり、高そうな机で高そうな紅茶を飲んでいたりしていた。

 正面に受付があり、そこへ歩いて行った。

「あの、すみません」

「…」

「あの、すみません」

「…」

 ん?俺は話しかけているよな?

 俺はしっかりと目の前にいる受付に話をかけている。
 少し間をおいてまた話しかけてみた。

「あのー、すみません」

「はぁ、何でしょうか?」

「俺、ここに来たばかりなんで、このギルドの利用の仕方とか、オススメの依頼とか聞きたくて。教えてもらっても良いですか?」

「はぁ、失礼ですがギルドライセンスを見せていただいても良いですか?」

 と受付の女性に言われた。なんだか怒っている感じがする。疲れているのかもしれない。

 俺はそんなことを思いながら、ポケットからギルドライセンスを出した。
 いや正確にはちょっとだけライセンスが見えた。

「あぁ~、もういいです。お引き取りください」

「え、」

 いやいやいや、なんで!?疲れているからってそれはひどいだろ!

「はぁ、お引き取りになられないんですか?人呼びますよ?」

「ちょ、っと待ってください!何か理由でもあるのでしょうか?」

「ちっ、はぁ、行ったら出て行くんですか?」

「え、あ、はい」

 受付の女性の威圧感にびっくりしてはいって言ってしまった。怖い

「この冒険者ギルドは強い方限定のギルドですので、鉄級のようなゴ、実力の方は利用できません」

「えぇ、そうなんですか…じゃあ俺どうすれば」

 困るぞ、冒険者として資金を貯めたり迷宮を行ったりしたい。

「知りませんよ。早く出て行ってくれませんかね」

「あ、はい」

 いや、都会怖い。

 俺はそのまま冒険者ギルドを出て行った。

 迷宮に入るのなら依頼を受けて入った方がいいし、情報が手に入らないと動きにくそうなんだよな。本で読んだが罠とかあるらしいし。
 仕方ないから迷宮にそのまま行くしかないかなぁ。

 そんな事を思いながら都市を歩いていると、良い匂いがする。今は昼飯時なので食べ物の匂いがすごい。
 思わず匂いにつられてお店の中へ入ってしまった。

 中は酒場のようで、冒険者達がいっぱいいた。
 俺は店員さんにオススメを頼んで酒場の冒険者達を眺めていた。

 心眼で見ると俺よりも弱いのに、冒険者ギルドでどうやって依頼受けてるんだろう。

 なんて思っていると、冒険者達は酒を飲みながら話し始めた。

「イーストで依頼を受けたんだけどよ、あそこはダメだ。クズしかいねぇよ。やっぱりサウスに戻ろうかな。」

「げ、お前イーストで依頼受けたのかよ!サウスはどうしたんだよ!」

「いやぁ、この前サウスで依頼を受けてたんだが、依頼をセントラルの奴らに邪魔っつうか取られてよ。それが何度も起きるもんだから、イーストで依頼を受けてみたんだけどよ、邪魔はされねぇが、イーストの奴らはクソだったぜ」

「やっぱり、あの噂は本当かもな、俺はウェストで受けているがサウスと状況はかわらねぇ、おそらくノースもセントラルに邪魔されてるぜ」

 会話で知らない単語が出てきたが、依頼を受けたという言葉が聞こえた。別に依頼を受ける場所があるって事だなこれは。

「お客さん!料理!!」

「あ、すみません」

 机に肘を当てて考え事をしていたので店員さんに怒られてしまった。

「ちょっと探してみるか」

 俺はそう呟いて、酒場を出てイーストというところへ向かおうとした。

 イーストって言ったら東に進めば良いのかな。

 なんて思い十字路を東の方へ向かって歩いた。
 
 そうすると俺の知っているギルドが現れた。
 村のギルドと同じくらいの大きさだった。

 これこれ!こういうギルド!

 そう思って、歩きながら近づいて行くとだんだんなんかおかしいことに気づいた。

 ギルドに所々穴が空いていたり、木が痛んだりしている。
 さらにギルドが騒がしい。

 おかしいだろ、今は昼少し過ぎだぞ。なんでギルドが騒がしいんだ?依頼は?それになんでこんなにボロボロなんだ?直さないのか?

 そう思いはしたがとりあえず中に入った。
 中の内装も村のギルドとあまり変わった様子はないと思ったが、座るスペースが酒場のようになっていた。
 そこでは、冒険者達が集まり、ひゃっひゃっと言いながら酒を飲んでた。

 俺に向かって、ひとりの冒険者?が「地獄へようこそぉ」と言っていた。

 やばい所だここは。
 思わずびっくりして足を止めてしまった。
 それを見た冒険者達は何か面白かったらしく、ヒャァーとか言いながら笑っていた。

 お前達は夜叉か。
 
 ふと我に返って受付の方へ進んだ。

「あのー、すみません」

「はい!ようこそお越しくださいました!ここは冒険者ギルド『イースト』です!依頼の申請でしょうか!それとも受ける方ですか?」

 お、おう、勢いが強いけどストレスのない受付の女性だ。よかった。ちゃんとした人がいて。

「あ、依頼を受ける方です、えっとこのギルドの利用方法と迷宮に行く為のオススメの依頼とか教えてもらえませんか?」

「はい!わかりました!まずは利用方法から!利用方法は…」

 村と利用方法は違いはないそうだ。ただ、このギルド、イーストでは酒場が併設されているのと少し治安が悪いという違いがある。

「えーっと次は迷宮に行く方へのオススメ依頼ですね!どちらの迷宮に行かれますか?」

「えっと、初めてに優しい迷宮がいいですね。そもそもあまり迷宮には詳しくないので」

「そうなんですか!では迷宮について軽く教えますね!まず、迷宮都市には迷宮が三つ存在するのはご存知ですか?」

「はい、ウル、ウルク、ラガシュですよね?」

 名前と場所くらいは知っているがそれ以降はあまり知らない。

「はい!そうです!その三つの迷宮は現在も攻略はされておりません。
 ですがある程度なら攻略はされていますね。攻略でわかった中で比較的簡単なのはラガシュ大迷宮ですね!
 1階層から10階層まで出てくる魔物は固定されていますし罠も少ないです」

 へぇ、すごい詳しいな。この人は嘘も言っていないし、ラガシュに行こうかな。

「ラガシュの依頼をお願いします」

「では、ラガシュの依頼にしますね!あ、忘れてましたね私の名前はレイラです!」

「あ、中森 ゆうたです。よろしくお願いします。」

「中森様ですね!よろしくお願いします!」

 と言いながら何枚かの紙を出してきた。

「こちらなんてどうでしょう?」

『ロケットキャメルの討伐』

『アシッドピオンの討伐』

『ダンスキャクタスの採取』

 その三つを見せられた。

 どれもいい感じの報酬だし、討伐は嬉しい。

 ん?あれ?

「全部依頼が銅級なんですけど?」

「はい!迷宮は銅級から入れるようになりますからね!」

 あ、やらかした。

しおりを挟む
感想 91

あなたにおすすめの小説

神様に加護2人分貰いました

琳太
ファンタジー
ある日白い部屋で白い人に『勇者として召喚された』と言われたが、気づけば魔法陣から突き落とされ見知らぬ森の中にポツンと1人立っていた。ともかく『幼馴染』と合流しないと。 気付けばチートで異世界道中楽々かも?可愛いお供もゲットしたフブキの異世界の旅は続く…… この世界で初めて出会った人間?はケモ耳の少女いろいろあって仲間になり、ようやく幼馴染がいると思われる大陸へ船でやてきたところ…… 旧題【異世界召喚、神様に加護2人分貰いました】は改題され2018年3月書籍化、8巻まで発売中。 2019年7月吉祥寺笑先生によるコミカライズ連載開始、コミック1巻発売中です。 ご購入いただいた皆様のおかげで続刊が発売されます。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

【書籍化進行中、完結】私だけが知らない

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

おばあちゃん(28)は自由ですヨ

美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。 その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。 どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。 「おまけのババアは引っ込んでろ」 そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。 その途端、響く悲鳴。 突然、年寄りになった王子らしき人。 そして気付く。 あれ、あたし……おばあちゃんになってない!? ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!? 魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。 召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。 普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。 自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く) 元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。 外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。 ※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。 ※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要) ※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。 ※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...