異世界に迷い込んだ俺は異世界召喚された幼馴染と再会した

たたたかし

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豊穣の町(仮)に行く編

10.村のグレードアップ。村人と書いてせんしと読む

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 次の日の朝。

 いつものように村人に食料を配って、全員が食べ終えたのを確認したので、俺は話を始めた。

 今日から村を開拓することや、村の整備など、グロウと昨日話したことを全部話した。

「…ってことなんだけど、みなさんはどうですか?賛成の人は手を上げてください」

 というと、村人全員が手を挙げた。
 村人みんな変わろうと思っているって事だ。

 全員がやる気だということがわかったので、森開拓兼村人強化組と村整備組に分かれた。
 シシオウが村開拓兼村人強化組で、俺が村整備組だ。
 
 ちなみに村整備組は女性や子供が多い。

 俺とシシオウはすぐに分かれて各々作業に取り掛かった。

「じゃあ、村整備組にはまずは魔法を覚えてもらいます。整備の多くは魔法で済むからです。魔法は生活を便利にするので是非覚えましょう!」

「はい!」

 そう言って、整備組ではまず、自然魔法をメインとして水魔法を教えた。

 流石に一日じゃ覚えないが、簡単な水魔法はみんな使えた。
 心眼で見ている限り整備組は魔力量が多い人が沢山いる。というかみんなが多い。

 あ、食べると力の出る実食べさせてたからだ。

 今日は魔法を初めて使う人がいたので。一日かけて教えたが、明日からは村の整備もするつもりだ。

 魔法を教え終わると、ちょうど森開拓兼強化組。略して開強組が帰ってきた。

 全員がものすごく疲れている。

 そしてシシオウの時空間魔法から大量の動物や魔物が出てきた。

 村人達に狩らせたみたいだ。それにしてもかなりの量がある。どんなスパルタをしたらこんなに狩ってくるんだと思うくらいにある。

 シシオウには後で言っとこう。

 そういえば俺とシシオウって他の人が狩りをしているところとか、戦っているところは見たことがない。

 どこからが厳しい修行なのかわからないな。
 つらそうな顔をしたら、ストップにすればいいか。


 そんなことを考えながら一ヶ月整備、開拓、強化をしていった。

 途中整備から開拓がしたくなった女の子や、開拓から整備したくなった男の子がいたが、順調に全てが進んで、村なのにかなりの技術を持った村ができてしまったかもしれない。

 まずは整備。

 村の道を土から石畳にした。オシャレだから。

 家を木と石で作られた家にした。強そうだから。

 畑を拡大して、作物の貯蔵庫も作った。一応飢饉に備えて。

 井戸を増やした。村が広くなったから。

 いろんな職種の建物を作った。開拓したから。

 これらを無属性魔法で身体を強化して一ヶ月で終わらせた。

 自分で教えたのもなんだが、子供達や若い女性が大きな岩を笑顔で運んでいた時はちょっと焦った。

 次に開拓。

 開拓に関しては結構広げてもらった。

 林だと思っていたが、思ったより木がいっぱいあったので、森よりの林なのかもしれない。名もない森にいたから感覚がわからない。

 開拓している途中にシシオウ達が湖を見つけた。
 水が少し汚れていたのでシシオウが聖気をつかって綺麗にした。
 村人達が湖の中を潜っていると、粘土を発見したらしく、レンガを今製作中だ。
 村の周りには今かなり広いスペースがある。
 開拓しすぎかもしれないが、今後外部とつながり合うことを考えて少し広めにした。

 最後に強化。

 強化についてはいい感じだと思う。

 開拓組は主に無属性魔法と風魔法がかなり精度が上がったし、統率力もかなり高い。
 林の魔物は弱いので、話にならない。林の中で強い部類で、トカゲの魔物のバニユンというやつがいるのだが、村人一人で倒せるくらいだ。

 整備組は、自然魔法、水魔法、火魔法、風魔法、無属性魔法が使える。いずれも戦闘では使っていないので、器用なことはできるが、弱い魔物くらいしか倒せないと思う。
 ただ、すごい器用なのだ。
 自然魔法は作物を育てるときに使うのだが、土に負担をあまりかけない程度に調節して使うことができる。

 一ヶ月でだいぶ逞しくなったので、強化をやめて、新しく部隊を分けてみた。

 新しく生産と管理にを作った。

 生産は、粘土が見つかったことだし、色々作ってもらえればいいなぁーって気持ちでつくった。

 管理は、整備、開拓、生産の中のリーダーが管理という役職にもついて村の方針を決めてもらうって物だ。
 これには話をまとめる人が必要だと思ってグロウを管理のリーダーにした。

 ちなみに整備のリーダーはラルという女性で、家の建造や石畳の貼り付けを得意としている。男っぽいが女性。

 開拓のリーダーはダミルという男性で、戦闘センスがよく、みんなを指揮できるし頭もきれるので、比較的に話しやすい。

 生産のリーダーはモーニという女性だ。裁縫技術と自然魔法がとても上手い。たまに、変なことを言うが、ご愛嬌。

 管理のリーダーはグロウ。開拓の仕事をしていたが、途中でやめさせて時空間魔法を覚えさせた。管理が便利になりそうだから。

 そんな感じで、ブリード村は発展を目指した。

 ゆくゆくはこの村を街にして教会を作りたい。
 俺を含め村人達は教会を見たことがない。だから自分達のスキルについても知らない。

 気になるじゃん!スキル!俺、何持ってんだろ。


 そんなこんなで、半年が過ぎ、ブリード村は発展を続けた。
 レンガ造りは成功して家がレンガにグレードが上がった。そんでもって、家を増やした。これから、外部と繋がりに行くからだ。

 正直、俺がやれることはもうない。
 と言うかこの半年、シシオウも俺も何もしていない。強いて言うならセンスで魔法の本を読んだり、ちょっと素振りをしたくらいで、勝手に村が発展していった。

 やべ、俺どうすればいいんだ。

「ゆうた様、シシオウ様お話がございます」

 どうしようかな考えていると、グロウが話をかけてきた。

「どうしたー?グロウ」

「私は来週、王都へ向かって、村の交易などの話をしてまいります。そこで二つお願いがあります。」

「お願い?」

「はい!お願いでございます」

「お願いとは?」

「まず一つ目は私を村長と認めて欲しいこと。二つ目は交易が成功した暁にはゆうた様とシシオウ様の銅像を村の広場に作らせていただきたいのです!」

 え、グロウは村長じゃなかったの!?
 それに銅像って…ちょっといいかもしれないなぁ…

「えーと、村長のは全然グロウで大丈夫だよ。んで銅像かー、何のために作るの?」

「それは、我らの神であるゆうた様とシシオウ様を讃えるためです!木や粘土でも作ったのですがやはり、大きな銅像を私たちをお救いしてくださった広場に建てるのが私たちの希望なのです」

 あぁ、目の前で神って言われたよ。恥ずかしいな。
 俺は破壊神みたいなお兄さんを知ってるから俺が神なんて言われるのは恥ずかしい。

「まぁ、わかった。作ってもいいよ。シシオウも大丈夫か?」

「ガゥ!」

「作って欲しいだって」

「本当ですか!!はい!ありがとうございます!!」

 そう言って、センスからグロウは飛び出していった。
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