異世界に迷い込んだ俺は異世界召喚された幼馴染と再会した

たたたかし

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豊穣の町(仮)に行く編

閑話.乙女の学校生活。いじめはダメ!

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 ゆうたがいなくなって五年とちょっとが経った。

 今は夏休み前だ。

 私は中学二年生で、芸能活動は土日だけで、学業に専念していた。

 今は子供の頃からの親友の秋と登校中である。

「秋!ボクモンの新シリーズが発表されたよ!今度の舞台は日本が舞台だって!ものすごい楽しみだね!」

 ボクモンはシリーズごとに舞台が変わる。サバンナだったり、アメリカだったり。前の作品は海の中だった。

「そうだねー、夏目はボクモン大好きだもんねー」

「何当たり前なこと言ってるの!」

「そんなことよりも、テスト大丈夫?夏目いつも、ゲームしてるし、土日だって芸能活動で忙しいんでしょ?勉強できてる?夏休み前のテスト来週だよ!」

「ふっふっふ!何を隠そう、私は三河第三中学の天才だよ!勉強は学校でしているだけで十分よ!おっほっほ!」

「いつも思うけど、本当にそれだけで十分なのがすごいよ…」

「入学前に三年分は予習してあるからね。余裕なのだよ秋くん!ふっふっふ!」

「はいはーい、もう行くよーー」

「話振ったの秋じゃんよー!酷いなー!」

 そんなこんなで学校に着いた。

 八時半だ。

「よう!夏目、秋!お前たちはいつも通りの時間に来るなー!ある意味すごいな」

「「おはよー、上村くん」」

 上村くんは中学に入学したての時に私に話をかけてきた男の子だ。

 私が入学した時は秋ちゃんと同じクラスじゃなかったので、いつも隅っこで、隠れてボクモンをしていたのを上村くんにバレて、話しかけられたのだ、また同じクラスなので仲良くしている。

「夏目ちゃん、秋ちゃんおはよー!今日も夏目ちゃんは可愛ゆいなぁ!ペットにしたいよぉ~」

 と言って抱きついてくるのは、大橋まなみちゃん元気目の活発な少女でこの子も私が入学した時に上村くんと話していると、話しかけてきた子で、仲良くなった子だ。

「まなみ、おはよー、くすぐったい!」
「まなみちゃんおはよう」

 私と秋は挨拶をし終わった後、会話をしていたら、もうそろそろ朝学活なので、自分の席へ移動した。

「夏目おはよう、いつも賑やかだな」

「近衛くんおはよう、そうだね、いつも楽しいよ!」

 近衛くんは上村くんと幼馴染らしく、中学二年生になって同じクラスになり隣の席なのでまあまあ仲がいい。

「近衛くんは、今日は机にずっと座ってたけど、上村くんと喧嘩でもしたの?」

「いや違うよ、来週テストだから、勉強してたんだよ。上村や夏目、秋みたいに俺は頭いいわけじゃないし、まなみみたいなおばかでもないからな」

「へぇー、偉いんだねー」

「おう、今回の数学は、自信あるな」

「じゃあ、勝負しようよ、負けた方が勝った方にジュースを奢りで!」

「ほうー、いいぞ、その勝負乗った!」

 なんて会話をしていたら、朝学活が終わってしまった。

 そこからは普通に授業を受けて、昼休みになった。


「夏目ちゃん!秋ちゃん!マーメイドで新しい新作が出たんだって!放課後、一緒に行こうよー!部活もテスト期間で休みだし!」

 と、まなみが話しかけてきた。

 マーメイドは今流行りのカフェでシーズンごとに新作を出している。夏の新作が出たらしい。

「私は全然いいけど、まなみってテスト大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫!三日前になったらちゃんとやるよ!」

「ふーん、じゃあ行こうか!秋もいけるでしょ?」

「もちろん行くよ」

「本当は桜子ちゃんとも一緒に行きたかったんだけど、今日休みだからなー」

 桜子は中学一年で別のクラスだったけど、まなみの友達で上村くんの幼馴染ということで、一年の頃から仲良くなった子だ。二年で同じクラスになれた。
 桜子はお金持ちの家で、たまに学校に来ない時がある。今日がその日みたいだ。

「へぇ、面白そうな話をしてるなー」
 と上村くんが言ってきた。

 近衛くんもいる。

「うん!夏目ちゃんと秋ちゃんとマーメイドの新作を飲みに行くんだー!上村くんも来る?」

「ぇ」
 私は小さく誰にも聞かれないように呟いた。

 いや、上村くん男子だよ?マーメイドの新作に興味なんてあるわけないじゃん!

「そうか、じゃあ俺も行こうかな、面白そうだし」

 まじか!女子か!すごいな!新作に興味あるなんて!

悠人ゆうとが行くなら俺も行こうかな」
 と近衛くんがいった。

 悠人とは上村くんのことだ。

 え、近衛くん、朝、テスト勉強してたのに、放課後は遊ぶの?余裕だな!

 なんて思っていると。話はすすめられて、五人でマーメイドに行った後ゲームセンターへ行って遊ぶ事になった。

 そしてなんのトラブルもなく、放課後になった。

 みんな同じクラスなので、そのまま近くのマーメイドへ行って新作を飲んでいた。
 かなり甘い味がして私と秋は顔を合わせて苦笑いした。
 私と秋は甘いのは好きなのだが甘過ぎるのはちょっと苦手で半分くらい食べたりすると、疲れてしまう。

 まなみは美味しそうにのんでいて、上村くんは新作を飲んで、びっくりした顔をしていた。近衛くんは別のやつを飲んでいた。

 上村くんは新作に興味があったわけじゃないのかな?

 と、思いながら私と秋ちゃんは半分残してしまって、まなみに飲んでもらった。

 ゲームセンターにつくと、バラバラになって、各々ゲームを楽しむことになった。
 
 私も、UFOキャッチャーでボクモンの赤獅子のぬいぐるみがあったのでそこにずっと張り付いて。
 ぬいぐるみを五百円で取った。
 
「夏目…目がすごかったよ」

 いつのまにか秋ちゃんがそばにいた。

「いや、ぬいぐるみが欲しくて。エヘヘ」

 そんな会話をしながら歩いていると、人気ひとけのないゲームコーナーを通っていた。

 そこを歩いていると、うちの中学の制服の人が複数人と別の中学の制服の人が一人いた。

 なんだか雰囲気が怪しくて、秋ちゃんと一緒に隠れて近くに寄った。

 そこでは、同学年で素行の悪い、松島くん、本田くん、北岡くんが、他校の生徒さんにカツアゲのようなことしていた。

「おーい、影山ちゃん、俺ゲーセンきたのはいいんだけど、財布忘れちゃってよー、、お前を見つけてよかったよー!二千円あれば楽しめそうなんだよなー。って事で二千円出してくれね?」

 と、松島くんが言っているのを確認して、一応スマホで録音しながら、秋ちゃんに店員さんを呼んでもらった。

「二千円だね、わかった、出すから」
 と言って影山ちゃん?が財布から二千円を出した。

「二千円、いただきー!はい、後四千円だね!」

「二千円って言ったじゃないか…」

「一人二千円って意味だよ。俺らどう見ても三人いるだろうが、よく見ろよボケが」

「もう、お金がないんだ、これ以上は……」

「いいから、出せよ!」
 と言って、財布の取り合いになった時。

 私は見ていられなくて、姿を現した。

「ちょっと、何してるの!あなたたち!」

「は、八条さん!い、いや!俺はこいつらと友達でよ!遊んでただけだよ!なぁ!」

「は、はい…」

「そんなわけないでしょ!その財布その子のでしょう!返してあげて!」

「いや、遊びで財布取り上げゲームっていうのしててな!もちろん遊びだよ!ほら、返すよ影山!」

 そう言っている時に、秋ちゃんと上村くん達と店員さんが来た。

「どうしたんだ!ってまた君たちか。君たちまた問題起こしたら出入り禁止にするって言ったよね?もう出入り禁止だよ!」

 と店員さんは松島くん達三人に言って、「ちっ」っと言いながら松島くん達は店を出ていった。

 店員さんは「君たちも気をつけるようにね」と言ってどこかへ言った。


「えっと君、大丈夫?」
 と私はカツアゲされてた子に言った。

「はぁ…天使だ…」

「ん?」

「あ、いや、なんでもない、俺の名前は影山 十夜とうやよろしく。さっきはありがとな」

 と、すごいハキハキと自己紹介された。

「う、うん。気にしないで。大丈夫みたいだね。気をつけてね」

 と言って、私は秋ちゃんの元へ戻った。

「夏目!大丈夫だったか!俺は心配したんだ!」
 と上村くんが凄い勢いで言ってきた。

「夏目、怪我とかはしてないのか?」
 と言いながら近衛くんが私を下から上にと見てきた。

「夏目ちゃん!心配したんだよー!」
 とまなみが抱きついてきた

「夏目!危険な事したらダメだよ!ゆうたくんに怒られちゃうよ!」
 と秋ちゃんに怒られた、うっ!と胸に来た。

「ごめんね、みんな心配してくれてありがとう。今度から気をつけるよ」

 と言って、そこから何もないように遊んで、プリクラを撮って。ゲームセンターを後にした。

 ゆうたとカフェ行ったり、プリクラ撮ったりしたいなー。
 私が絡まれたら、ゆうたは助けてくれるのかなぁ。

 なんて考えながら、家に帰って、ゆうたの家から取ってきた枕でいつものように寝た。





「僕の、天使…僕だけの天使…」

 そんな声が夏目の家の前で放たれていたのは、夏目達は聞いていない。

 
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