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豊穣の町(仮)に行く編
閑話.王都受付の苦難。いそがしいわ!
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ここはレノス王国の王都。
私はギルド受付で昇進して、王都のギルドの受付になった。
ここまで来るのに色々あった。
馬車の長旅で、とっても色々なことがあった。
ダニエルは開拓途中の村で近くに村も街もないので、王国に行くのに時間がかかる。
ある時なんて、魔物の群れに襲われたりなんかした。
もちろん冒険者の人達が守ってくれるのだけど、冒険者の攻撃をかいくぐって馬車までやってくる魔物もいる。
そんな時は私が結界魔法を使って、馬車を守って、風魔法で魔物を倒したりもした。中で見ていた人達からはすごい感謝された。
山賊に襲われることはなかった。
噂では身なりのいい馬車を襲って、金品を盗んだり、人をさらってどこかへ売ったりするらしい。
乗っていた馬車は、身なりのいいわけじゃないし、守ってくれる冒険者は、銅級冒険者パーティの『確固たる意志』が守ってくれていたので、安全に王都まで到着した。
そこから私は王都に着いたのだけれど、初めて王都を見た私はとっても驚いた。
人がいっぱい!見たことない服!建物!しかも広い!!
それはもう、まるで都会に来た田舎の人のようにはしゃいだ。
事実、田舎から来ているわけだし、そんなことよりもキラキラした王都に興奮していた。
そこから、冒険者ギルドへ人に聞きながら向かった。
私は冒険者ギルドに着いた時にさらに驚いた。
今まで見たことがないくらいに大きい建物に冒険者ギルドと書いてあったからだ。
ダニエルもかなり大きいギルドだと思っていたけど、素材も、レベルも大きさも段違いだった。
中もすごい賑やかで、これから私もここに働くのか。と思いながら受付に向かって、軽く面接見たいのをして、晴れて王都受付になったのだ。
いやー、本当に色々あったなぁ。
と思っていると。話をかけられた。
「ニルファさん、手止まってるよ!王都は田舎と違って忙しいんだから!手は休めない!」
「すみません!先輩!」
先輩のナルニさんに怒られてしまった。
別に田舎とか言わなくてもいいのになー!ダニエルもいい村だよ!
まだ王都に来て私は冒険者の対応をしていない。
王都について勉強はしているがやはり現地と本では違うものがある。
だから、依頼書などを作ったり、資料を作ったりしながら、王都の冒険者の様子を見ていた。
一週間、裏で見ていてわかったことがある。
まず冒険者の治安について。
王都には冒険者が沢山いる。
沢山稼げるからだ。
王都には貴族がいるし、少し離れたところに迷宮というものがあるからだ。
なので、多くの冒険者が王都にいた。
ただ、冒険者が多い分、素行の悪い人もいる。『新人潰し』をする人もいるらしい。
早くその人から冒険者ライセンスを剥奪して!
と思うかもしれないが、やり方がとても巧妙で、捕まえるに捕まえれないらしいのだ。
結果、王都の冒険者ギルドの治安は若干悪い。
説明し忘れていたが、迷宮とは、
なんらかの理由でそこに魔力がたまって、誰が作ったわけでもなく、建物になったり、洞窟になったりする場所である。
そこには、魔物が出てきたり、宝箱が出てきたりするのだ。
迷宮ができる原理は解明されていない。
そんな、魔物が出て怖い場所に誰が行くんだよー!ってなるかもしれない。
しかし、迷宮を攻略するものには、莫大な富が手に入る。
と言われているので、怖いもの知らずな冒険者は迷宮に入って稼いでいくのだ。
王都には近くに迷宮が二つある。
なんでそんなところに王都があるのかというと、王国ができた後に迷宮ができたからだ。
しかも、調査をすると、かなりの経済効果をもたらすことがわかったので、冒険者に任せているのだ。
王都にいるのは冒険者だけではない。
王国には騎士がいる。騎士は王を守るためにいるので、王都に住んでいるのだ。
騎士に見初められれば、女にとって最高な暮らしができる!と同僚のカナーニちゃんに、凄い勢いで言われたのを覚えている。
ただ、冒険者ギルドに騎士が来ることなんてあるのかな?
噂では騎士は冒険者を嫌っているらしいし。……カナーニちゃんには言わないでおこう。
一週間でわかったことはこのくらいだった。
後は、王都に住むに当たって借りたアパートの近くにあるパン屋さんは美味しいということくらいだ。
そしてついに、ナルニ先輩に「来週から冒険者の対応を任した」と言われた。
そして一週間があっという間に過ぎた。
私は受付で座っている。
滑り出しが重要だ!ここで周りの冒険者にもいい印象を与えておかないと、この仕事は後からきつい!優しい人!優しい人が来て!
そんなことを願っていた。
「おい、ネェちゃん。ゲヘヘ、この依頼を頼むよ。ぐへへ」
願いは叶わなかったみたいだ。
話しかけてきたのは髪の毛がかろうじて生えている不潔な大男。
最悪だー!よりにもよって、受付が勝手に決める、話しかけられたくない冒険者ランキング3位の男に話しかけられたーー!
いや、大丈夫だ!ここは笑顔に冷静に!
「はい、薬草採取とバニユン討伐ですね。承りました。では気をつけて行ってらっしゃいませ」
さあ!行ってください!お願いします!
ちなみにバニユンは1.5メートルくらいのトカゲでまあまあ強い。
「ところでネェちゃん俺の名前わかるか?ぐへへ」
えぇー…まだ話すの…
「はい、ケガナイド様ですよね。有名ですよ」
気持ち悪いで。
「やっぱり、有名か!ぐへへ、ペロッそんで俺の名前を覚えているのか。そんなに俺のことがきになるのか。
そうかそうか。ペロッまあ俺くらいになると誰でも知っているのかな?」
「そうですね、知ってるんじゃないでしょうか?」
気持ち悪いで。
「そうかぁ、ペロッでは依頼に行ってくるかなぁ!ぐへへ」
「お気をつけないでください」
なんだ!!!なんだ、あの人は!気持ち悪い!途中から変な目で見てくるし、ペロッが気持ち悪い。
あぁ、幸先悪いなー。はじめて、受付した冒険者がケガナイドなんて。
受付して昼休みに入った。
ケガナイド以外はちゃんとした冒険者の受付ができた。
「おつかれニルファ!朝のやつみたよ!最初の受付がケガナイドだったのね!ニルファってば、ついてないねー!」
「本当だよー、本当についてない。受付やっていけるかなー、ケガナイドの受付を毎回していたら、私受付やめてるかもしれないよ」
「たしかに、あの気持ち悪さは触りたくないし、喋りたくないよねー」
「カナーニは最初に受付した人は誰だったの?」
悪口の話になりそうなので話を変えた。
「え?私?私はねー!なんと!なんと!王都で有名な銀級冒険者の叫びの剣だったの!」
知っている名前がでた。
「へぇ、そうなんだ」
「そうなの!マード様かっこよかったよー!」
そこからカナーニはずっと叫びの剣の話をし出してお昼休みは終わった。
お昼をすぎると、冒険者ギルドはかなり空いていて、だいたい、新人冒険者だったり、王都の手伝いをしてお金を稼いでいる冒険者がいる。夜になると、冒険者が依頼達成して、帰ってくるので混む。
夕方になって、そろそろ混む時間帯になった。
私は変わらず受付で座っていると、会いたくない大男が現れた。
いや、まだギルドも空いている!窓口は五つあるし!私みたいな新人のところに来る確率の方が低い!!来るな!来るな!
「ぐへへ、よう、ネェちゃん!ネェちゃんのために早く帰ってきたんだ。ぐへへ、夜は空けとかないと行けないからなぁ!ペロッ」
「ありがとうございます。依頼、お疲れ様でした。依頼達成を確認しましたので、こちらが報酬です。ではまたのご活躍を期待しております」
ちょっと冷たい対応してみた。
あんまりこうゆうことはしたくないけど、なんか危険を感じるから。
「ネェちゃん、夜は暇なんだろ?ぐへへいっしょに酒でも飲もうや!なんもしないぜ!ペロッ」
嘘つくなー!そんな目で見てる人が何もしないわけないだろー!ペロッてするなー!
「すみません。夜は別の方と予定がありまして」
私も嘘をついてみた。
「そうか、そんなことよりも俺の方が楽しいのは顔で見てわかるだろ?ぐへへ」
「いえ、予定があるので」
「そうか、女ってやつは王子様に連れ出されるのが好きなんだよな!ぐへへ、悪い悪い!俺が連れ出してやるよ」
「あの仕事中ですので、困ります」
ちょっと怖くなって、ギルドのあたりを見回した、まだ新人冒険がいっぱいいて、目が合うけれどすぐそらされてしまう。
ケガナイドに喧嘩を売るのは流石に新人としてはきついのだろう。
「いいから来いよ!グフフ!」
「きゃっ!」
私は受付の窓口から腕を引っ張られて外へ出されそうになった。
怖い。魔法を使おうとしても、人間に向かって放つのは躊躇ってしまった。
やばい、と思ったその瞬間。
私のブレスレットが光って、私の体を結界が覆った。
「なんだ?それは」
ケガナイドはそう言ってわたしから手を離したその瞬間。
ブレスレットからケガナイドに向かって雷が放たれた。
「アワワワワワワ」
と言ってケガナイドは倒れた。
「……へ?」
わたしを含め周りから出た言葉はこれだった。
私もしばらく思考が止まった。そして動き出した。
周りはまだ、固まっている。もしかしたら私がそこに倒れている大男を倒したように周りから見えたのかもしれない。
しばらくして、時が動き出したかのように、騒ぎになった。
「ケガナイドを倒したぞ!」
という声が周りから聞こえる。
そしてすぐにケガナイドは病院に運ばれて衛兵が私の元へ来たけれど、みんなが状況を説明してくれて、どうにか助かった。
カナーニには「すごい!」とか言われたし。
私のことを見てた新人冒険者はキラキラした目でこちらを見てくるし。
私なんもしてないよー!ゆうた!ブレスレットいじったでしょ!っと言いたい!次会ったら叱ってやる!
と息巻きながら、これから忙しいだろうなと思いながらギルド受付に戻った
私はギルド受付で昇進して、王都のギルドの受付になった。
ここまで来るのに色々あった。
馬車の長旅で、とっても色々なことがあった。
ダニエルは開拓途中の村で近くに村も街もないので、王国に行くのに時間がかかる。
ある時なんて、魔物の群れに襲われたりなんかした。
もちろん冒険者の人達が守ってくれるのだけど、冒険者の攻撃をかいくぐって馬車までやってくる魔物もいる。
そんな時は私が結界魔法を使って、馬車を守って、風魔法で魔物を倒したりもした。中で見ていた人達からはすごい感謝された。
山賊に襲われることはなかった。
噂では身なりのいい馬車を襲って、金品を盗んだり、人をさらってどこかへ売ったりするらしい。
乗っていた馬車は、身なりのいいわけじゃないし、守ってくれる冒険者は、銅級冒険者パーティの『確固たる意志』が守ってくれていたので、安全に王都まで到着した。
そこから私は王都に着いたのだけれど、初めて王都を見た私はとっても驚いた。
人がいっぱい!見たことない服!建物!しかも広い!!
それはもう、まるで都会に来た田舎の人のようにはしゃいだ。
事実、田舎から来ているわけだし、そんなことよりもキラキラした王都に興奮していた。
そこから、冒険者ギルドへ人に聞きながら向かった。
私は冒険者ギルドに着いた時にさらに驚いた。
今まで見たことがないくらいに大きい建物に冒険者ギルドと書いてあったからだ。
ダニエルもかなり大きいギルドだと思っていたけど、素材も、レベルも大きさも段違いだった。
中もすごい賑やかで、これから私もここに働くのか。と思いながら受付に向かって、軽く面接見たいのをして、晴れて王都受付になったのだ。
いやー、本当に色々あったなぁ。
と思っていると。話をかけられた。
「ニルファさん、手止まってるよ!王都は田舎と違って忙しいんだから!手は休めない!」
「すみません!先輩!」
先輩のナルニさんに怒られてしまった。
別に田舎とか言わなくてもいいのになー!ダニエルもいい村だよ!
まだ王都に来て私は冒険者の対応をしていない。
王都について勉強はしているがやはり現地と本では違うものがある。
だから、依頼書などを作ったり、資料を作ったりしながら、王都の冒険者の様子を見ていた。
一週間、裏で見ていてわかったことがある。
まず冒険者の治安について。
王都には冒険者が沢山いる。
沢山稼げるからだ。
王都には貴族がいるし、少し離れたところに迷宮というものがあるからだ。
なので、多くの冒険者が王都にいた。
ただ、冒険者が多い分、素行の悪い人もいる。『新人潰し』をする人もいるらしい。
早くその人から冒険者ライセンスを剥奪して!
と思うかもしれないが、やり方がとても巧妙で、捕まえるに捕まえれないらしいのだ。
結果、王都の冒険者ギルドの治安は若干悪い。
説明し忘れていたが、迷宮とは、
なんらかの理由でそこに魔力がたまって、誰が作ったわけでもなく、建物になったり、洞窟になったりする場所である。
そこには、魔物が出てきたり、宝箱が出てきたりするのだ。
迷宮ができる原理は解明されていない。
そんな、魔物が出て怖い場所に誰が行くんだよー!ってなるかもしれない。
しかし、迷宮を攻略するものには、莫大な富が手に入る。
と言われているので、怖いもの知らずな冒険者は迷宮に入って稼いでいくのだ。
王都には近くに迷宮が二つある。
なんでそんなところに王都があるのかというと、王国ができた後に迷宮ができたからだ。
しかも、調査をすると、かなりの経済効果をもたらすことがわかったので、冒険者に任せているのだ。
王都にいるのは冒険者だけではない。
王国には騎士がいる。騎士は王を守るためにいるので、王都に住んでいるのだ。
騎士に見初められれば、女にとって最高な暮らしができる!と同僚のカナーニちゃんに、凄い勢いで言われたのを覚えている。
ただ、冒険者ギルドに騎士が来ることなんてあるのかな?
噂では騎士は冒険者を嫌っているらしいし。……カナーニちゃんには言わないでおこう。
一週間でわかったことはこのくらいだった。
後は、王都に住むに当たって借りたアパートの近くにあるパン屋さんは美味しいということくらいだ。
そしてついに、ナルニ先輩に「来週から冒険者の対応を任した」と言われた。
そして一週間があっという間に過ぎた。
私は受付で座っている。
滑り出しが重要だ!ここで周りの冒険者にもいい印象を与えておかないと、この仕事は後からきつい!優しい人!優しい人が来て!
そんなことを願っていた。
「おい、ネェちゃん。ゲヘヘ、この依頼を頼むよ。ぐへへ」
願いは叶わなかったみたいだ。
話しかけてきたのは髪の毛がかろうじて生えている不潔な大男。
最悪だー!よりにもよって、受付が勝手に決める、話しかけられたくない冒険者ランキング3位の男に話しかけられたーー!
いや、大丈夫だ!ここは笑顔に冷静に!
「はい、薬草採取とバニユン討伐ですね。承りました。では気をつけて行ってらっしゃいませ」
さあ!行ってください!お願いします!
ちなみにバニユンは1.5メートルくらいのトカゲでまあまあ強い。
「ところでネェちゃん俺の名前わかるか?ぐへへ」
えぇー…まだ話すの…
「はい、ケガナイド様ですよね。有名ですよ」
気持ち悪いで。
「やっぱり、有名か!ぐへへ、ペロッそんで俺の名前を覚えているのか。そんなに俺のことがきになるのか。
そうかそうか。ペロッまあ俺くらいになると誰でも知っているのかな?」
「そうですね、知ってるんじゃないでしょうか?」
気持ち悪いで。
「そうかぁ、ペロッでは依頼に行ってくるかなぁ!ぐへへ」
「お気をつけないでください」
なんだ!!!なんだ、あの人は!気持ち悪い!途中から変な目で見てくるし、ペロッが気持ち悪い。
あぁ、幸先悪いなー。はじめて、受付した冒険者がケガナイドなんて。
受付して昼休みに入った。
ケガナイド以外はちゃんとした冒険者の受付ができた。
「おつかれニルファ!朝のやつみたよ!最初の受付がケガナイドだったのね!ニルファってば、ついてないねー!」
「本当だよー、本当についてない。受付やっていけるかなー、ケガナイドの受付を毎回していたら、私受付やめてるかもしれないよ」
「たしかに、あの気持ち悪さは触りたくないし、喋りたくないよねー」
「カナーニは最初に受付した人は誰だったの?」
悪口の話になりそうなので話を変えた。
「え?私?私はねー!なんと!なんと!王都で有名な銀級冒険者の叫びの剣だったの!」
知っている名前がでた。
「へぇ、そうなんだ」
「そうなの!マード様かっこよかったよー!」
そこからカナーニはずっと叫びの剣の話をし出してお昼休みは終わった。
お昼をすぎると、冒険者ギルドはかなり空いていて、だいたい、新人冒険者だったり、王都の手伝いをしてお金を稼いでいる冒険者がいる。夜になると、冒険者が依頼達成して、帰ってくるので混む。
夕方になって、そろそろ混む時間帯になった。
私は変わらず受付で座っていると、会いたくない大男が現れた。
いや、まだギルドも空いている!窓口は五つあるし!私みたいな新人のところに来る確率の方が低い!!来るな!来るな!
「ぐへへ、よう、ネェちゃん!ネェちゃんのために早く帰ってきたんだ。ぐへへ、夜は空けとかないと行けないからなぁ!ペロッ」
「ありがとうございます。依頼、お疲れ様でした。依頼達成を確認しましたので、こちらが報酬です。ではまたのご活躍を期待しております」
ちょっと冷たい対応してみた。
あんまりこうゆうことはしたくないけど、なんか危険を感じるから。
「ネェちゃん、夜は暇なんだろ?ぐへへいっしょに酒でも飲もうや!なんもしないぜ!ペロッ」
嘘つくなー!そんな目で見てる人が何もしないわけないだろー!ペロッてするなー!
「すみません。夜は別の方と予定がありまして」
私も嘘をついてみた。
「そうか、そんなことよりも俺の方が楽しいのは顔で見てわかるだろ?ぐへへ」
「いえ、予定があるので」
「そうか、女ってやつは王子様に連れ出されるのが好きなんだよな!ぐへへ、悪い悪い!俺が連れ出してやるよ」
「あの仕事中ですので、困ります」
ちょっと怖くなって、ギルドのあたりを見回した、まだ新人冒険がいっぱいいて、目が合うけれどすぐそらされてしまう。
ケガナイドに喧嘩を売るのは流石に新人としてはきついのだろう。
「いいから来いよ!グフフ!」
「きゃっ!」
私は受付の窓口から腕を引っ張られて外へ出されそうになった。
怖い。魔法を使おうとしても、人間に向かって放つのは躊躇ってしまった。
やばい、と思ったその瞬間。
私のブレスレットが光って、私の体を結界が覆った。
「なんだ?それは」
ケガナイドはそう言ってわたしから手を離したその瞬間。
ブレスレットからケガナイドに向かって雷が放たれた。
「アワワワワワワ」
と言ってケガナイドは倒れた。
「……へ?」
わたしを含め周りから出た言葉はこれだった。
私もしばらく思考が止まった。そして動き出した。
周りはまだ、固まっている。もしかしたら私がそこに倒れている大男を倒したように周りから見えたのかもしれない。
しばらくして、時が動き出したかのように、騒ぎになった。
「ケガナイドを倒したぞ!」
という声が周りから聞こえる。
そしてすぐにケガナイドは病院に運ばれて衛兵が私の元へ来たけれど、みんなが状況を説明してくれて、どうにか助かった。
カナーニには「すごい!」とか言われたし。
私のことを見てた新人冒険者はキラキラした目でこちらを見てくるし。
私なんもしてないよー!ゆうた!ブレスレットいじったでしょ!っと言いたい!次会ったら叱ってやる!
と息巻きながら、これから忙しいだろうなと思いながらギルド受付に戻った
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