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豊穣の町(仮)に行く編
4.村の現状確認。これは思ったより酷いのでは
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村人達に用意してもらった家に、泊まった次の日
まずは百二十人に食べ物を行き渡らせ。朝ごはんの時間にした。
またもや、朝ごはんを食べて、夢じゃなかったのだと、涙する人がいた。
井戸の水を何度も確認して涙する人もいた。
そんなこんなで村人達全員が、朝食を食べ終えたのを確認して、畑に案内してもらおうと思った。
「グロウ、畑の様子を見せてくれないか?」
「かしこまりました。付いてきてください」
俺は畑を見て回った。個人で、使っている畑も、村全体で使っている大きな畑も、例外なく酷い状況だった。
地面は枯れて、土は死んでいた。
「死んでる…」
所々畑の周りに何か掘った跡がある。
きっと、別の場所でも畑を作ろうとしたのだろう。
畑の土を触ってみても砂漠のような土となっていた。
え、これどうするんだ。自然魔法でいけるかと思ったら、地面が完全に死んでいるから、つかえねぇ。どうしよう。
回復魔法での蘇生はできない。死んだ大地に水魔法は効果はない。自然魔法での復活も望めない
「…原因の究明が必要ですね」
「そうですね、畑に手を加えようとしても同じような結果になりました。村の外に出て、生きている土を持ってきたりしてみたのですが、この村に入るとたちまち土は死にました。あと敬語は必要ありません」
「…わかった、では牧畜をしていた場所にあんないを頼む」
「病気にかかるかもしれませんよ?大丈夫でしょうか?」
「かかるかどうかを確かめるんだよ。それに、かかるとしたら、この村に入るときに、かかってるよ。グロウは案内したらすぐに、その場から下がって」
「わかりました、一応、牧畜は燃やしてありますので、その場には何もいません」
「了解」
俺はシシオウを念のため広場においてきている。獣にかかるような呪いだったら、聖気で弾けるが、それ以外の何かならば、弾けないからだ。
牧畜していた、エリアについた。
ついた瞬間にわかる。ここは嫌な予感しかしない。足を止めたいくらいに、何かを感じる。
魔力でもない、聖気でもない、呪いの力のようなものを感じる。
これ以上先に進むのは、とりあえずやめておいた。
だが、はっきりわかる。あそこに原因が存在している。
あれ以上近づくと、こちらが呪われそうなくらい、禍々しいものを感じる
俺は辺りを見回しながら広場へ戻った。
うーん、この村の雰囲気のせいで、この村が暗いのかと思っていたけど、どうやら違うなぁ
この村の一つ一つに呪いがかけられていると思っていたが、村全体呪いの結界にかかっているみたいだ。
魔女はかなりの実力者らしい。
村全体に結界を貼り、呪いを付与している。
二ヶ月以上結界と付与が成されているという事だ。
それがわかった以上、消滅しない魔法が使えているってこだ。
更に、村全体に呪いをかけるほどの生命力があるということになる。
これが魔女の古の魔法なのか?ロストマジックを使うほど長く生きているのは確かだな。
考えても仕方がないな。魔女は強くて、長生きってことだ。
「どうすっかなぁ…」
「どうかしましたか?」
「いや、治す方法をちょっと考えていてね」
「な!もう原因がわかったのですか?」
「まあ、一応は…ただ確実に治せるかどうかがまだわからないんだよなー」
「そうですか。でも、村に助かる希望があるんのですね。それも、これも、ゆうた様とシシオウ様が舞い降りてくださったからです。ありがとうございます」
「舞い降りたって…」
そんな会話をしていると、広場に着いた。
俺はすぐに村人を集めて、原因について話すことにした。
「えぇー、この村の畑と牧畜していた場所を見せてもらいました。そして、原因がわかりました。それは…」
俺は今俺がわかっていることを話した。
この村全体に呪いの結界がかけられていて、作物や井戸水が汚れたこと。
原因は牧畜エリアにあること。
呪いを解かない限り畑は育たないし、井戸水もまた、ダメになるだろうことも話した。
村人の顔はやや暗い。
俺は安心させるように話を続けた。
「だけど、心配しないでください。原因をなくせば、呪いは解けますし、方法もいくつかあります。だから安心してください」
「…さすが…神…だ」
「やはり、我々の救世主だ」
少し暗い表情が、明るくなった。方法があると聞かされて希望を持ってくれたみたいだ。
「牧畜エリアに近づかないように」と言って話を終えた俺はお昼ご飯の分の食料を配り、シシオウと対策を考えていた。
「呪いを解くにはシシオウの力が必要だ。
あの場所は聖気が無ければ近づけない。だけど、シシオウが呪いを解きに行けば、もしもの時に村人を守れない。なんかいい案ないか?」
「ガゥグゥ」
「いや、お前は分身できないだろ」
「グァウ」
「うーん、一度シシオウが結界魔法と付与魔法を覚えるのは、俺も考えたんだけどな、それじゃあ時間がかかりすぎる。村人達が不安になっちゃうからなー」
「グゥガァ」
「いや、シシオウだけ解きに行っても俺は村人を守れないよ」
「ガァ」
「やっぱ、玉砕覚悟で俺が解きに行くしかないかー。はぁ、死にたくねぇなぁー」
俺が解きに行ってシシオウが村人達を聖気で守る。ということになり、話をそれで進めていった。
夜になり、広場で食料を配り終えた時に全員に説明をした。
「えっと、明日、俺が原因を解きに行きます。心配しなくてもみんなには危害が加わるような事にはさせません。シシオウがみんなを守ります」
ざっくりと簡単に説明した。
村人達はわかってくれたみたいで全員が頷いていた。昨日会った時の顔をしている奴は一人たりともいなかった。
そして俺とシシオウは明日に備えて早く寝た。
まずは百二十人に食べ物を行き渡らせ。朝ごはんの時間にした。
またもや、朝ごはんを食べて、夢じゃなかったのだと、涙する人がいた。
井戸の水を何度も確認して涙する人もいた。
そんなこんなで村人達全員が、朝食を食べ終えたのを確認して、畑に案内してもらおうと思った。
「グロウ、畑の様子を見せてくれないか?」
「かしこまりました。付いてきてください」
俺は畑を見て回った。個人で、使っている畑も、村全体で使っている大きな畑も、例外なく酷い状況だった。
地面は枯れて、土は死んでいた。
「死んでる…」
所々畑の周りに何か掘った跡がある。
きっと、別の場所でも畑を作ろうとしたのだろう。
畑の土を触ってみても砂漠のような土となっていた。
え、これどうするんだ。自然魔法でいけるかと思ったら、地面が完全に死んでいるから、つかえねぇ。どうしよう。
回復魔法での蘇生はできない。死んだ大地に水魔法は効果はない。自然魔法での復活も望めない
「…原因の究明が必要ですね」
「そうですね、畑に手を加えようとしても同じような結果になりました。村の外に出て、生きている土を持ってきたりしてみたのですが、この村に入るとたちまち土は死にました。あと敬語は必要ありません」
「…わかった、では牧畜をしていた場所にあんないを頼む」
「病気にかかるかもしれませんよ?大丈夫でしょうか?」
「かかるかどうかを確かめるんだよ。それに、かかるとしたら、この村に入るときに、かかってるよ。グロウは案内したらすぐに、その場から下がって」
「わかりました、一応、牧畜は燃やしてありますので、その場には何もいません」
「了解」
俺はシシオウを念のため広場においてきている。獣にかかるような呪いだったら、聖気で弾けるが、それ以外の何かならば、弾けないからだ。
牧畜していた、エリアについた。
ついた瞬間にわかる。ここは嫌な予感しかしない。足を止めたいくらいに、何かを感じる。
魔力でもない、聖気でもない、呪いの力のようなものを感じる。
これ以上先に進むのは、とりあえずやめておいた。
だが、はっきりわかる。あそこに原因が存在している。
あれ以上近づくと、こちらが呪われそうなくらい、禍々しいものを感じる
俺は辺りを見回しながら広場へ戻った。
うーん、この村の雰囲気のせいで、この村が暗いのかと思っていたけど、どうやら違うなぁ
この村の一つ一つに呪いがかけられていると思っていたが、村全体呪いの結界にかかっているみたいだ。
魔女はかなりの実力者らしい。
村全体に結界を貼り、呪いを付与している。
二ヶ月以上結界と付与が成されているという事だ。
それがわかった以上、消滅しない魔法が使えているってこだ。
更に、村全体に呪いをかけるほどの生命力があるということになる。
これが魔女の古の魔法なのか?ロストマジックを使うほど長く生きているのは確かだな。
考えても仕方がないな。魔女は強くて、長生きってことだ。
「どうすっかなぁ…」
「どうかしましたか?」
「いや、治す方法をちょっと考えていてね」
「な!もう原因がわかったのですか?」
「まあ、一応は…ただ確実に治せるかどうかがまだわからないんだよなー」
「そうですか。でも、村に助かる希望があるんのですね。それも、これも、ゆうた様とシシオウ様が舞い降りてくださったからです。ありがとうございます」
「舞い降りたって…」
そんな会話をしていると、広場に着いた。
俺はすぐに村人を集めて、原因について話すことにした。
「えぇー、この村の畑と牧畜していた場所を見せてもらいました。そして、原因がわかりました。それは…」
俺は今俺がわかっていることを話した。
この村全体に呪いの結界がかけられていて、作物や井戸水が汚れたこと。
原因は牧畜エリアにあること。
呪いを解かない限り畑は育たないし、井戸水もまた、ダメになるだろうことも話した。
村人の顔はやや暗い。
俺は安心させるように話を続けた。
「だけど、心配しないでください。原因をなくせば、呪いは解けますし、方法もいくつかあります。だから安心してください」
「…さすが…神…だ」
「やはり、我々の救世主だ」
少し暗い表情が、明るくなった。方法があると聞かされて希望を持ってくれたみたいだ。
「牧畜エリアに近づかないように」と言って話を終えた俺はお昼ご飯の分の食料を配り、シシオウと対策を考えていた。
「呪いを解くにはシシオウの力が必要だ。
あの場所は聖気が無ければ近づけない。だけど、シシオウが呪いを解きに行けば、もしもの時に村人を守れない。なんかいい案ないか?」
「ガゥグゥ」
「いや、お前は分身できないだろ」
「グァウ」
「うーん、一度シシオウが結界魔法と付与魔法を覚えるのは、俺も考えたんだけどな、それじゃあ時間がかかりすぎる。村人達が不安になっちゃうからなー」
「グゥガァ」
「いや、シシオウだけ解きに行っても俺は村人を守れないよ」
「ガァ」
「やっぱ、玉砕覚悟で俺が解きに行くしかないかー。はぁ、死にたくねぇなぁー」
俺が解きに行ってシシオウが村人達を聖気で守る。ということになり、話をそれで進めていった。
夜になり、広場で食料を配り終えた時に全員に説明をした。
「えっと、明日、俺が原因を解きに行きます。心配しなくてもみんなには危害が加わるような事にはさせません。シシオウがみんなを守ります」
ざっくりと簡単に説明した。
村人達はわかってくれたみたいで全員が頷いていた。昨日会った時の顔をしている奴は一人たりともいなかった。
そして俺とシシオウは明日に備えて早く寝た。
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