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人間に会う編

11.魔法を覚える。そして、考える。

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 俺は家に帰った後。
 外に出れないというのは割と暇なことに気づいた。

「あぁ、暇、ゲームしたい」

 なんて呟きながら、やることを探していた。

 あぁ、そういえば俺が使える魔法は、攻撃するものが多いなぁ。
 そもそも、あの森ではあまり魔法を使わないように修行してたしなぁ。
 魔法の本でも読もうかなー。

 俺は魔法について学ぶことにした。

 まず真っ先に学ぶべきは、回復魔法。

 マードさんをみて、万能薬が、なかった時のことを考えると実に覚えておきたい魔法だからだ

 回復魔法は光属性の派生魔法である。覚えるのには、結構コツがいる。


 光をイメージして魔力を使い、回復させるようにイメージするのはなかなか難しい。

 まあ、この本を読めば一発ですけどね!神様知識様様!!

 回復魔法を効率的に練習して、死者を生き返らせる以外の魔法を覚えた。

 二日かかった。もう文字は見たくない。

 回復魔法をほぼマスターした時の夜ニルファさんに、一週間したら外に出てもいい、といわれたので。

 一週間、村の手伝いの依頼と魔法の勉強に費やした。

 と、言っても新しく使える属性が増えたわけではない。いや増えたといえば増えたのだが。
 基本属性をかなり頑張って、火をさらに強くして、炎を作ったり、風や水から雷や氷を使ったり、しただけだ。

 実際、雷や氷、炎は元々使えていたが、より実用性が高くなった。

 そして俺は久々のゴッロニャー狩りに来ていた。

 今日は刀は使わないで、雷を落としてゴッロニャーを倒した。

 雷はまじでかっけぇ、雷でドラゴンを作ってサンダードラゴンとか出してぇ!!

 シシオウはなんも変わらず燃やしたり、爪で切ったりしていた。

 そんな時俺はふと思った。

 いつこの村から俺は出るんだ?出ることは考えていたけど。いつ出るかとかは決まっていなかったから、だらだらと過ごしてしまった。

 人間に会うことを達成した今、この村から出て、ガナタントルを目指しながら、人助けをしたい。だけど、ニルファさんがいる。

 どうしようかとても悩む。

 その日はぼーっとしていたら、一日が終わってしまった。

 二日目も、ぼーっと

 三日は今後について考えていた。

 四日目の夜、ニルファさんが話をかけてきた。

「どうしたの?なんかあった?外に出るのが楽しくなくなった?」

「い、いや、なんでもないよ」

「嘘ついちゃだめって約束したでしょ?正直に話して」

 と言われてしまったので、ニルファさんに話した。

「俺、この村を出ようと思うんだけど、姉さんも一緒にきて欲しいなって思う」

 俺が考えた結論は姉さんと村から出る。
 だった。

「もちろんすぐにじゃなくて、一年後くらいを予定してるよ、姉さんに危険は及ばないようにするし、俺だって怪我しないようにする。どうかな?」

「うーーん、ゆうたがこの村から出て行くのは最初から知っていたから否定しないよ。だけど私は一緒には行けないよ。それだと、私はゆうたの足を引っ張る事になるから」

「そ、そんなことないよ!足を引っ張るなんて……」

「そう?何もできない人がついて行って迷惑にならない旅なんてないよ」

「うっ……」
 やだな。これでお別れなんて

「やっぱ私は一緒には行けないかな。仕事だってあるし。でも……一緒に行けなくても、後からついて行くことだったらできるよ。ギルドは全国にあるからね!ゆうたが目指してる、ガナタントルにも多分ギルドがあると思うから」

 姉さんはそう言った。

「姉さん……」

「もちろん、私だってゆうたと離れるのは嫌だよ、だけど、足を引っ張るのはもっと嫌だから。
 ゆうたには目標があるから、お姉ちゃんは邪魔したくないから、だからガナタントルで再会しよう!」

 姉さんがそう言っている時俺は泣いてしまった。本当この世界に来て泣いてばっかだ。
 人の寂しさと暖かさがこの世界に来て、たくさん感じるようになった、だから泣き虫になってしまった。

「そうだね。再会じよう……うぅぅ!!」

「うん、うん……!!」

 しばらく抱き合って、泣いていた。



 少しして落ち着いた頃。

「それじゃあ、一年で村に出る準備をしなくっちゃね!」

 準備??

「準備って何をするの?」

「勉強に決まってるじゃない!」

「勉強……ですか??」

「ゆうたは常識、私はギルドを移動するための試験勉強だよ!」

「ゲェッ!」

「次の休みは図書館だね!ふふふっ!」

「了解ですぅ…」

 その日はよく寝れた。ここ三日モヤモヤしてあまり寝れなかったからかすやっといけた。


 そして特に何も起きずに、ニルファさんの休みが来てしまった。


図書館での勉強の時間キリングタイムだ。

 俺の前に沢山の本が山積みに置かれていた。算数、数学、歴史、魔法、様々置かれていた。

 泣きそうになった。だから俺はズルをした。
 力を使ったのだ。これを使うと頭痛がするからあまりしたくなかった。

が、

 仕方がない。算数と数学と歴史はきっと俺の脳みそが覚えてくれない。

 俺は算数の教科書と数学の教科書と歴史の教科書を召喚した。

 召喚されたのはなぜか、アートの教科書だったが関係はない。

 俺はそれを収納して、脳に抽出した。

 あぁ、いたぃ。頭がものすごく痛い。
 いたいなぁ……

 俺は気を失った。

「ゆうた?ゆうた!」
 と声が聞こえる。

「な……つ…め」
 視界がぼやけてよく見えない

「ゆうた、大丈夫?」
 ああ、ニルファさんだ、そりゃそうだ。
 夏目はここにはいないんだった。現代知識を積み込んだから、幻覚を見てしまった。ちくしょう、悲しくなる。

「あぁ、大丈夫。いつのまにか気を失ってたみたい」

「勉強のしすぎだね。ふふふっ」

「そうだね。もう、全部問題わかるよ」

「え!これ全部??」

「うん、余裕」

 当たり前じゃないか、数学は記憶さ!はっはっは!
 俺はニルファさんから出された問題を全てスラスラと解いて説明してやった。

「ぐぬぬ、この問題結構レベル高いやつなのに!」

「文明レベルが低いんじゃないか?はっはっは!」

「ゆうた!」

「あ、はいすみません」

「じゃあ次は歴史ね!」

「なんでもかかってこーい」

 そう言って俺は歴史の問題を出された。だがしかし、歴史の問題は全くもって答えることができなかった。

 召喚したのは、アートの世界の歴史の教科書だったからだ。


 俺は一年間、勉強をすることになるんだな。魔物を倒す方がいいよ。



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