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人間に会う編

6.買い物に行く。きづいてしまったことがある

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 俺は服を買いに服屋へ向かった。
 村には服屋は二つある。高い方と、安い方だ。もちろん俺は安い方へ行った。

「いらっしゃいませ~」

 服屋の中は割と普通の服屋だった。
 服はハンガーにかかっていたり、畳まれたりしていた。

 ただ、服の種類が少ない。無地の麻の服や、染められた麻の服、ちょっと奇抜な麻の服。固そうな革のジャケット。など。
 子供用のサイズは少ないがちゃんとあった。

 俺は無難な、無地の麻の服を着てみた。

 めっちゃゴワゴワする。今後着る気がしねぇ。
 でも、みんな、これを着て歩いているし、一応買っとこう。
 ただズボンは買わなくていいや、股ずれしそうだ。

 俺は無地の麻の服(二千メダ)を買って服屋を出た。

 俺はこの服を着る時が来るのだろうか。

 
 次に向かったのは勿論、武具屋だ!
 ワクワクが止まらない!兵隊の鎧とか着たい。弓矢持ちたい。かっこいい剣とか持ってみたい。

 考えているうちに、武具屋についた。

「いらっしゃい」
そこには、少しごついおじさんが立っていた

「こ、こんにちは、防具を探しているんですけど」

「坊主が使うやつか?それなら……これとこれとこれだな」

 出された防具は
 兵隊の鎧のようなかっこいい装備(十万メダ)

 皮の胸当てをメインとした装備(二万メダ)

 金属の軽い装備(六万メダ)

 が出てきた。
 迷わず俺はかっこいい装備を選んだ。

「あのこれ着てみても良いですか?」

「これか?いいぞ?着方わかるか?」

「わからないので、お願いします」
 と言っておじさんに着せてもらった。

 動くとガチャリ、ガチャリと音がなる、まじかっこいい。と、思っていた。

着てしばらく経つと考えは変わる。

 動きづらい。死なないための防具で、死ぬ危険性が上がる。
 しかも暑い、ガチャガチャ音もだんだん腹が立ってくるくらい暑い。

 よくこんなもん着れるな。

 金属の軽い装備も、皮装備も若干の動きづらさに腹が立ってくる。

 俺は防具を買うのをやめた。武器は欲しかったが、刀があるのでやめた。

 何も買わずに店を出た。

 今までこの服でやってきていたわけだし、破れても魔法の引き出しから出せば服なんていくらでも出せる。
 皮や金属なんてつけてたところで死ぬときは死ぬんだから別にいらない。
 と、結論づけた。

 何も買わなかったので七万近くメダがある。ニルファさんに感謝の贈り物を買えると思い、宝石屋さんに行ったが、何も買わなかった。

 宝石たかぃぃ!

 俺は金属細工のお店に行った。

 ここなら買えるかなぁ、すごい綺麗なものがいっぱいある。ニルファさんにはブレスレットをあげたいな。と思い、ブレスレットがいっぱい並んでいるところを見た。すると、

「どのようなものを求めていますか?」
 と聞かれたので

「家族に送るようなブレスレットってありますか?」
 と言ったら、「ございます」と言われオススメのブレスレットを出された。

 銀のブレスレットだった、凄い綺麗なブレスレットだが、見た目はシンプルであまり豪華そうではない。普段つけられそうなブレスレットだ。

「いくらですか?」

「五万メダでございます」

 子供に五万メダのもん買わせんのかよ。服装で金持ってるって思われたな。

「買います」
 買いますよそりゃ、店員さんもわかってるね。この商売上手が!

「ありがとうございます、商品は贈り物用でラッピングしておきますね」

「は、はい」

 俺はブレスレットを買って店を出た。
 ちょうど暗くなりそうになってきた頃だったので、家に帰った。

 まだニルファさんは帰ってきていないので、ご飯を作っていると「ただいまー」とニルファさんが帰ってきた。
 贈り物を渡すと考えていると、ちょっとドキドキした。

 夕飯を食べた後。

「ニルファさん」

「なーに」
 ヤベ緊張する。

「こ、これ、いつもありがとぅ」
 ギリギリ噛んでない、セーフ。

「え、これわたしくれるの!?」
 と箱からブレスレットを出して確認してきた。

 少しからかいたくなったので。

「あげないって言ったら、どうする?」
 と言ってみたら。

「え、くれないの?」
 としょんぼりしてしまった。

「う、嘘だよ、そのブレスレットはいつものお礼にあげるよ!いつもありがとう」
 と早口で言うと。

「ふふ、ありがとねゆうた!毎日つけるからこれ!」

 かなり喜んでくれたみたいでよかったなぁ

 その日、ニルファさんは、ブレスレットをつけたまま寝ていた。
 次の日にもブレスレットをつけたまま仕事へ向かっていった。


 俺は朝、ゴッロニャー三体討伐の依頼と木を加工場に運ぶ依頼を受けて、ゴッロニャーがよく出る場所でシシオウとたわむれていた。

「明日引越しの準備するからな、待ってろよー」

「グゥ」

「まあ、なるべく急ぐからな、あと少し我慢してくれよ」

「ガゥ」

 納得してくれたみたいだった。
 朝のうちにゴッロニャーを討伐して、昼に、木こりが切った気を加工場に運んでいると、もう夕方になっていた。

「坊主がいてくれて助かったよ、また依頼するぜ!」
 と加工場の人に言われて。

「ありがとうございます!」
 と答えておいた。


 その日の夜。

「ニルファさん、明日はついに引越しだね」

「そうだねー、シシオウくんも外に出たいって言ってるんでしょう?早く土地を所有する許可をもらわなきゃね」

 この村の土地は、森を自分で開拓して、その土地の所有権を申請すると、村長から土地の所有権がもらえる。
 自分の土地となると、管理は所有者がやらなければならないけれど、かなりいい条件だと思う。
 村の近くの未開拓の場所には目をつけてあるので後は許可をもらって、開拓するだけだ。

「朝一番に村長のところへ行こう」

「そうだねー」

 そんなような会話を、しばらくしていると、ふと疑問に思ったことをニルファさんに聞いた。

「そういえば今日の朝、受けられそうな依頼を探してたんだけど、気になった依頼があって」

「うーん?なにかな、ゆうたくん、私が知っていることはなんでも教えましょう」

 なんで先生キャラなんだよ。

「その依頼書に、剣術スキル持ち求って書いてあったんだけど、スキルってどうやって確認するの?」

「え……そっか、そうだよ。ゆうたは知らないんだよね。
 えーっとねー、シューニャで生まれた子供は四歳になると『スキル授与の儀』って言うのを教会でするの。
 授与と言っても元々その子にある才能を確認する儀式なんだけど、シューニャのイベントみたいなものだからかっこよく授与って言ってるんだよ。
 ちなみに私は【記憶力向上】って言うスキルを持ってます!
 この村には教会が無いけど、もし行く機会があったら確認しに行こうね!」

 シューニャにはスキルというものがある、先天的スキルと後天的スキル、先天的スキルにはその人の才能があるスキルで、そのスキルはとても伸びやすい、後天的スキルは頑張って手に入れるスキルで先天的なスキルよりも伸びない。

 それは知っていたけど、教会に行かなきゃ確認できないのは知らなかったなぁ。

 いつか行けるといいなぁ。
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