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人間に会う編
3.事情説明と情報。母というより姉
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俺はニルファさんが保護者となり無事、冒険者手続きを終えることができた。
「ゆうた、これがギルドライセンスだよ。なくしちゃダメだからね!それと。今日は色々と話すことがあると思うから私が仕事終わるまでそこの椅子で待っててくれるかな?」
「う、うん、わかりまし、わかったよニルファさん」
そこには、かなりぎこちなく返事をする俺がいた。家族になったのはついさっきだし。仕方ないと思う。
夜になった。
本当はこんな早くに仕事は終わらないらしいのだが、今日は特別な日なので早く、終わらせてもらったらしい。
ニルファさんに村を案内してもらった。結構広い。
木造建築が立ち並んでいるので村っぽいが、町くらいには栄えていると思う。
「賑やかだね」
「それはねー、ここの村は村といっても、ここは上質な木が採れる場所で、商人がよく来るの。
だから商品がいっぱいあるし、商人の護衛をする冒険者は、悪い人が少ないの!
だからこの村は平和で賑やかなの!」
「へぇ、そんな理由があるんだ。悪い人って?どんな人?」
「え、えっとそれは……」
「それは?」
「じ、地面に唾かける人…とか?」
「なんで、俺に聞いてるの、はははっ」
やばい楽しい、会話だ、日常会話ってやつだこれ。あの魔物は美味しいとか、あれを食らえば、倒れるとかそんな会話じゃない。
普通の会話だこれ!
「お母さんはゆうたの笑ってる顔、好きだなぁ。可愛いし、見てると撫でたくなる。うりっうり!」
「もう、撫でてるよ!俺、ニルファさんはお母さんってより、お姉さんって感じなんだよね……姉さんじゃダメかな?」
「全然いいよ。私とゆうたは家族ってことは変わらないし!あ、ついたよ!ここが私が今住んでいる家だよー」
そこには小綺麗なアパートがあった。
早く〈センス〉に移住したいなぁ。
でも、移住するにも、村長さんに土地をもらう許可取らなきゃいけないよなぁ。
許可もらうっていい響きだなぁ!ここには守るべきルールがあるんだなぁ。
と、ドアの前でぼーっとしていると声がかかった。
「何ぼーっとしてるのー、入って入って!」
「あ、うん。」
そう言って俺はニルファさんの家の中に入った。
「おかえりなさい」
「た、ただいま」
この世界に来てじいちゃんに続きニルファさんのおかえりなさいを聞けた。
一人じゃない。人間の幸福だ!!
「じゃあ、ここで待っててね、すぐに料理作っちゃうから!」
「俺も手伝うよ」
「いいの、いいの。ゆうたに今、私の料理を食べて欲しいの。それに手伝いっていっても、調味料の場所もわからないでしょ?」
そうだった、初めて来た家だここは!待ってるのは少し、ムズムズするなぁ。
ムズムズしているうちに料理ができた。
「これがこの村の名物のボアステーキだよ!後、森の野菜で作ったサラダとスープ。どうぞ、召し上がれ」
「いただきます」
「ッ!!」
普通の料理で普通にうまい。
ただめちゃくちゃあったかかった。
シシオウもじいちゃんも料理が作れない。作れるのは俺のみ。魔法の引き出しはあるけど、あたたかさは感じない。
この世界で一番美味しく感じた。
いや、泣きましたよ?悪いですか?おいし嬉し泣きですよ?しあわせですから??
「ゆうた?味合わなかった?」
「違う……うまくて……あったかくて……」
そう言うと、ニルファさんは俺に近づいて抱き締めてきた。
「これからは、いつでも作ってあげられるよ」
この人は、聖女なのか。
「うぅ…ありがとう…」
しばらくして、落ち着いた頃、お互いの自己紹介をする事にした。
ニルファさんは俺とと同じように両親と離れ離れになったらしい。
困っているところをニルファさんのおばあちゃんに助けてもらったと言う事だ。そのおばあちゃんはもう、亡くなってしまったそうだ。
ニルファさんは俺と自分が重なって見えてどうにかしないと。と思ったらしい。
俺も自己紹介をした。
最初はこの世界の人間じゃない、と言うと驚いていたが、だんだん話していくうちに、ニルファさんの表情は暗くなっていった。
「そんな、すごいことを四年間で味わったのね。その時に助けてあげられなくてごめんね」
そう言ってニルファさんは泣いてくれた。
心配されて、俺も泣いた。二人とも抱き合って泣いた。
ごめん、じいちゃん。
じいちゃんの修行はやっぱ厳しすぎるよ。ニルファさんが号泣してるぞ。
泣き止んだ後は、俺の力について詳しく話した。宝石も、力も、この世界にないものなのだから、かなり驚いていた。
「ゆうたはつよいんだね」って
来週のこの日は、ニルファさんは休みらしいので、その日に村長に土地開拓の許可をもらって、〈センス〉に引っ越す事にした。
次の日は村と村の周りの探検をした。魔物が出ると聞いていたので、その確認だ。
魔物の名前は『ドッラニャー』
凶暴な猫の魔物だ。素材としてと全く使えず、お金にならないため、あまり狩られない。狩られないことで調子に乗って暴れているらしい。
その戦闘力は一匹あたり刃物を持った大人一人分だ。群れるとすごい怖い。爪がギラついている。
確認するついでに、倒しても問題はないので火魔法で灰にした後自然魔法で埋めた。
暗くなってきたので、ニルファさんの家に帰る。料理を作って待っておく。
ニルファさんが帰ってきて、料理を褒められ、休憩していると、一つ疑問が浮かんだので聞いてみた。
「ニルファさんはなんで俺を冒険者にしたの?」
ニルファさんが保護者になればどの仕事でも見習いとして入れる。
まあ、俺は冒険者になりたかったのだけれど。
他の職業を勧めることもできたのだ。
「そのことね。それはねー、ここから南東にアムリス帝国というところがあってね、そこが怪しい動きをしているらしくてね。
どうやら、武器を集めたりして、戦争の準備見たいのをしているらしいの。
ここは端っこだし、これ以上進んでも、名無しの森しかないから、ここまで被害は及ばないとは思うけど、一応この村も、レノス王国っていう国の一部だから。
もしアムリス帝国がこちらに戦争を起こしたりしてきたら、戦いに行かないといけなくなっちゃうの。
でも、ギルドなら国境に縛られない独立団体だから。戦争に縛られないで済むの」
「ニルファさんすごいね……情報をいっぱい持ってて」
「受付していると色々わかるの」
そんな怪しい会話をしながら一日が終わった。
「ゆうた、これがギルドライセンスだよ。なくしちゃダメだからね!それと。今日は色々と話すことがあると思うから私が仕事終わるまでそこの椅子で待っててくれるかな?」
「う、うん、わかりまし、わかったよニルファさん」
そこには、かなりぎこちなく返事をする俺がいた。家族になったのはついさっきだし。仕方ないと思う。
夜になった。
本当はこんな早くに仕事は終わらないらしいのだが、今日は特別な日なので早く、終わらせてもらったらしい。
ニルファさんに村を案内してもらった。結構広い。
木造建築が立ち並んでいるので村っぽいが、町くらいには栄えていると思う。
「賑やかだね」
「それはねー、ここの村は村といっても、ここは上質な木が採れる場所で、商人がよく来るの。
だから商品がいっぱいあるし、商人の護衛をする冒険者は、悪い人が少ないの!
だからこの村は平和で賑やかなの!」
「へぇ、そんな理由があるんだ。悪い人って?どんな人?」
「え、えっとそれは……」
「それは?」
「じ、地面に唾かける人…とか?」
「なんで、俺に聞いてるの、はははっ」
やばい楽しい、会話だ、日常会話ってやつだこれ。あの魔物は美味しいとか、あれを食らえば、倒れるとかそんな会話じゃない。
普通の会話だこれ!
「お母さんはゆうたの笑ってる顔、好きだなぁ。可愛いし、見てると撫でたくなる。うりっうり!」
「もう、撫でてるよ!俺、ニルファさんはお母さんってより、お姉さんって感じなんだよね……姉さんじゃダメかな?」
「全然いいよ。私とゆうたは家族ってことは変わらないし!あ、ついたよ!ここが私が今住んでいる家だよー」
そこには小綺麗なアパートがあった。
早く〈センス〉に移住したいなぁ。
でも、移住するにも、村長さんに土地をもらう許可取らなきゃいけないよなぁ。
許可もらうっていい響きだなぁ!ここには守るべきルールがあるんだなぁ。
と、ドアの前でぼーっとしていると声がかかった。
「何ぼーっとしてるのー、入って入って!」
「あ、うん。」
そう言って俺はニルファさんの家の中に入った。
「おかえりなさい」
「た、ただいま」
この世界に来てじいちゃんに続きニルファさんのおかえりなさいを聞けた。
一人じゃない。人間の幸福だ!!
「じゃあ、ここで待っててね、すぐに料理作っちゃうから!」
「俺も手伝うよ」
「いいの、いいの。ゆうたに今、私の料理を食べて欲しいの。それに手伝いっていっても、調味料の場所もわからないでしょ?」
そうだった、初めて来た家だここは!待ってるのは少し、ムズムズするなぁ。
ムズムズしているうちに料理ができた。
「これがこの村の名物のボアステーキだよ!後、森の野菜で作ったサラダとスープ。どうぞ、召し上がれ」
「いただきます」
「ッ!!」
普通の料理で普通にうまい。
ただめちゃくちゃあったかかった。
シシオウもじいちゃんも料理が作れない。作れるのは俺のみ。魔法の引き出しはあるけど、あたたかさは感じない。
この世界で一番美味しく感じた。
いや、泣きましたよ?悪いですか?おいし嬉し泣きですよ?しあわせですから??
「ゆうた?味合わなかった?」
「違う……うまくて……あったかくて……」
そう言うと、ニルファさんは俺に近づいて抱き締めてきた。
「これからは、いつでも作ってあげられるよ」
この人は、聖女なのか。
「うぅ…ありがとう…」
しばらくして、落ち着いた頃、お互いの自己紹介をする事にした。
ニルファさんは俺とと同じように両親と離れ離れになったらしい。
困っているところをニルファさんのおばあちゃんに助けてもらったと言う事だ。そのおばあちゃんはもう、亡くなってしまったそうだ。
ニルファさんは俺と自分が重なって見えてどうにかしないと。と思ったらしい。
俺も自己紹介をした。
最初はこの世界の人間じゃない、と言うと驚いていたが、だんだん話していくうちに、ニルファさんの表情は暗くなっていった。
「そんな、すごいことを四年間で味わったのね。その時に助けてあげられなくてごめんね」
そう言ってニルファさんは泣いてくれた。
心配されて、俺も泣いた。二人とも抱き合って泣いた。
ごめん、じいちゃん。
じいちゃんの修行はやっぱ厳しすぎるよ。ニルファさんが号泣してるぞ。
泣き止んだ後は、俺の力について詳しく話した。宝石も、力も、この世界にないものなのだから、かなり驚いていた。
「ゆうたはつよいんだね」って
来週のこの日は、ニルファさんは休みらしいので、その日に村長に土地開拓の許可をもらって、〈センス〉に引っ越す事にした。
次の日は村と村の周りの探検をした。魔物が出ると聞いていたので、その確認だ。
魔物の名前は『ドッラニャー』
凶暴な猫の魔物だ。素材としてと全く使えず、お金にならないため、あまり狩られない。狩られないことで調子に乗って暴れているらしい。
その戦闘力は一匹あたり刃物を持った大人一人分だ。群れるとすごい怖い。爪がギラついている。
確認するついでに、倒しても問題はないので火魔法で灰にした後自然魔法で埋めた。
暗くなってきたので、ニルファさんの家に帰る。料理を作って待っておく。
ニルファさんが帰ってきて、料理を褒められ、休憩していると、一つ疑問が浮かんだので聞いてみた。
「ニルファさんはなんで俺を冒険者にしたの?」
ニルファさんが保護者になればどの仕事でも見習いとして入れる。
まあ、俺は冒険者になりたかったのだけれど。
他の職業を勧めることもできたのだ。
「そのことね。それはねー、ここから南東にアムリス帝国というところがあってね、そこが怪しい動きをしているらしくてね。
どうやら、武器を集めたりして、戦争の準備見たいのをしているらしいの。
ここは端っこだし、これ以上進んでも、名無しの森しかないから、ここまで被害は及ばないとは思うけど、一応この村も、レノス王国っていう国の一部だから。
もしアムリス帝国がこちらに戦争を起こしたりしてきたら、戦いに行かないといけなくなっちゃうの。
でも、ギルドなら国境に縛られない独立団体だから。戦争に縛られないで済むの」
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