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森に迷い込んだ編
12.異世界に来て三年半。獅子に羽が生えているのだけど
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しっかりと、森を散歩して半年で帰ってきた。
森は既に俺の庭となっている。御山の大将ならぬ、御森の大将である。
「シシオウは帰ってきてるかな」
なんて呟きながら重力山へ向かっていったのだが、重力山がなんか明るい。
今は昼だがそれにしても明るい。と言うよりか太陽は空にあるのに、重力山にも太陽が落ちているようなそんな明るさだ。
重力山についてその正体はわかった。
いや。わかっていたのだけれど。
正体はシシオウだった。
いやいや。シシオウなんだけど、少しいやかなり見た目が変わっている。
また変わったのか。焦ってしまうよ、この姿は、可愛げがあったライオンが、少しかっこよくなったのが、ついこの前だってのに。
さらにかっこよくなって、前の赤獅子がいなくなっちゃったよ。
脚元は変わらずにしましまの脚。たてがみは生え際は白くて、毛先にかけて赤みがかったグラデーションである。
そして何よりの変化は体だあろう。
背中にたてがみの様なグラデーションの羽が生えている。おしりから鳥の尻尾の様なものが生えている。
シシオウが凛々しくなった。
絶対にコイツは南にある鳥を食べた。それはよくないが、いいとして。
眩しい、眩しすぎる。眩しすぎて一緒にいると色々と困る。
とりあえずじいちゃんに帰宅報告しよう。
「じいちゃんただいま。シシオウはどうしちゃったんだ?」
「おお、ゆうた、おかえり半年振りじゃのそれはシシオウに聞いとくれ」
「わかったよ」
「シシオウおかえり。どうしちゃったんだ、そのピカピカは。」
「グルゥ」
やはりシシオウは鳥を食べたらしい。
光はちゃんと抑えられるらしいので安心だ。
自慢したかったらしい。
ピカピカなんて使い道あまりなさそうだしなぁ。
だがそのピカピカから放たれる聖気は神様なのかと思うくらい強い。
まあ神様は見たことがないのだけれども。俺の相棒がここまで強くなったことはとても嬉しい。
ボクモンでタマゴから育てて、赤獅子になって、この世界にきて、さらに育ったのだ。
白焔の獅子とか思っていたら、また姿が変わったのだから、また名前を考えなければいけないなぁ。
なんて思い、ニヤニヤしていた。
「ゆうたよ、お前たちはもうすでにこの森を高速で出れるだけの力がある。
きっとある程度の脅威にも耐えることができるだろう。この森はかなり危険な森じゃったからな。
お前たちにはもう、庭同然じゃろうしな。
しかし、慢心はするな、人間は簡単に死ぬのじゃからな、ワシも簡単に死んだくちじゃしの」
じいちゃんがニヤニヤしてる俺に真面目なことを言ってきた。
「ああ、ありがとう。じいちゃん。
じいちゃんがいなければこの森を出れずに死んでたとおもう。刀術、死の恐怖、森での生き方、心構え。いろんなものを教えてもらったよ。不器用だったけどなんとか伝わったよ」
「不器用は余計じゃ!それでどうするのじゃ。今後の予定とかはきまっておるのか?」
今後の予定か。生きるために強くなる事と人間に会うことばっか考えていたな。
人間にあったら何をしよう。まず初対面の人にはなんて挨拶すればいいんだ?
俺獣臭くないかな。おっと、話が逸れた。
俺が何をしたいのか。俺は……
「俺は困っている人を助けたい。救いを求めている奴がいたら救ってやりたい。
俺は運良く、ここまで生きてこれたけど、一人で悲しんでいる奴もいるかもしれない。そんな奴を助けてやりたい」
「……そうか。ならば、人間との会話の仕方を学ばないといかんの!ゆうたは、森でワシとシシオウとしかはなしとらんしの!はっはっは!」
「俺はセイちゃんとも話してるぞ!そもそも森にはそれくらいしか話せる奴がいないじゃないか。
しかも、この世界で人語を話している奴はじいちゃんと暗闇であった奴らだけだし!」
「残り半年で教えられるのは、この森の外の常識だけじゃな。ワシの知っている限りをゆうた達には教えよう」
そして半年はあっという間に過ぎた。
森は既に俺の庭となっている。御山の大将ならぬ、御森の大将である。
「シシオウは帰ってきてるかな」
なんて呟きながら重力山へ向かっていったのだが、重力山がなんか明るい。
今は昼だがそれにしても明るい。と言うよりか太陽は空にあるのに、重力山にも太陽が落ちているようなそんな明るさだ。
重力山についてその正体はわかった。
いや。わかっていたのだけれど。
正体はシシオウだった。
いやいや。シシオウなんだけど、少しいやかなり見た目が変わっている。
また変わったのか。焦ってしまうよ、この姿は、可愛げがあったライオンが、少しかっこよくなったのが、ついこの前だってのに。
さらにかっこよくなって、前の赤獅子がいなくなっちゃったよ。
脚元は変わらずにしましまの脚。たてがみは生え際は白くて、毛先にかけて赤みがかったグラデーションである。
そして何よりの変化は体だあろう。
背中にたてがみの様なグラデーションの羽が生えている。おしりから鳥の尻尾の様なものが生えている。
シシオウが凛々しくなった。
絶対にコイツは南にある鳥を食べた。それはよくないが、いいとして。
眩しい、眩しすぎる。眩しすぎて一緒にいると色々と困る。
とりあえずじいちゃんに帰宅報告しよう。
「じいちゃんただいま。シシオウはどうしちゃったんだ?」
「おお、ゆうた、おかえり半年振りじゃのそれはシシオウに聞いとくれ」
「わかったよ」
「シシオウおかえり。どうしちゃったんだ、そのピカピカは。」
「グルゥ」
やはりシシオウは鳥を食べたらしい。
光はちゃんと抑えられるらしいので安心だ。
自慢したかったらしい。
ピカピカなんて使い道あまりなさそうだしなぁ。
だがそのピカピカから放たれる聖気は神様なのかと思うくらい強い。
まあ神様は見たことがないのだけれども。俺の相棒がここまで強くなったことはとても嬉しい。
ボクモンでタマゴから育てて、赤獅子になって、この世界にきて、さらに育ったのだ。
白焔の獅子とか思っていたら、また姿が変わったのだから、また名前を考えなければいけないなぁ。
なんて思い、ニヤニヤしていた。
「ゆうたよ、お前たちはもうすでにこの森を高速で出れるだけの力がある。
きっとある程度の脅威にも耐えることができるだろう。この森はかなり危険な森じゃったからな。
お前たちにはもう、庭同然じゃろうしな。
しかし、慢心はするな、人間は簡単に死ぬのじゃからな、ワシも簡単に死んだくちじゃしの」
じいちゃんがニヤニヤしてる俺に真面目なことを言ってきた。
「ああ、ありがとう。じいちゃん。
じいちゃんがいなければこの森を出れずに死んでたとおもう。刀術、死の恐怖、森での生き方、心構え。いろんなものを教えてもらったよ。不器用だったけどなんとか伝わったよ」
「不器用は余計じゃ!それでどうするのじゃ。今後の予定とかはきまっておるのか?」
今後の予定か。生きるために強くなる事と人間に会うことばっか考えていたな。
人間にあったら何をしよう。まず初対面の人にはなんて挨拶すればいいんだ?
俺獣臭くないかな。おっと、話が逸れた。
俺が何をしたいのか。俺は……
「俺は困っている人を助けたい。救いを求めている奴がいたら救ってやりたい。
俺は運良く、ここまで生きてこれたけど、一人で悲しんでいる奴もいるかもしれない。そんな奴を助けてやりたい」
「……そうか。ならば、人間との会話の仕方を学ばないといかんの!ゆうたは、森でワシとシシオウとしかはなしとらんしの!はっはっは!」
「俺はセイちゃんとも話してるぞ!そもそも森にはそれくらいしか話せる奴がいないじゃないか。
しかも、この世界で人語を話している奴はじいちゃんと暗闇であった奴らだけだし!」
「残り半年で教えられるのは、この森の外の常識だけじゃな。ワシの知っている限りをゆうた達には教えよう」
そして半年はあっという間に過ぎた。
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