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森に迷い込んだ編

4.適応してきた。慣れって怖くない?

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異世界に迷い込んで二週間くらい経った。

「シシオウそっちはどうだった?」

「ガルゥ」

「へぇ結構とったんだな!」

 二週間たつと生活に慣れてきていた。
初めは外に出るのはすこし怖かったが今じゃ魔法を使って魔物を狩って食べている。

 この森には、すごい強そうな牛とかずっと燃えている鳥など、さまざまな魔物がいる。

 どれもシシオウの攻撃や俺の魔法で倒せる。
 おそらく見た目を強そうに見せている魔物だろう。

 シシオウには時空間魔法をどうにかして覚えさせてシシオウが狩った魔物はそこにしまっている。

 俺もたくさんの魔法を覚えたし、多分強い。

 天候だって変えられるくらいの魔法を使えるし、世界中の人間がこんな事をしているわけがない。つまり俺は強いのだろう。神様のおかげかな?

「シシオウその鳥の卵取って、、ありがと。あ、あと、そこの肉焼いといて!」

 最近は一緒にご飯を作っている。
一人だったらもう心が折れていたかもしれない。ありがとうシシオウ。

 そんなこんなで一緒に狩りをして昼飯を食べて夜は魔法やらの練習をしたり本を読んだりしていた。

 そういえば、家の名前を言ってなかったな一週間前に家の名前を決めようとして、看板の前に立ったら夏目の顔が浮かんできてしまって独り言を呟いてしまった。

「あいつみたいな
の名前をつけなくないな…」

(家の名前が決定しました)

「どんな名前にしようかなーやっぱりかっこいいのが、、、ん??」

今なんて?家の名前が決定しました???なんで??

 気になって看板を覗いたそしたら看板には書かれていたのだ。
『センス』
 や、ヤッチマッタァ!!まじかよ!!名前って一度つけると変えられないんだろ!なんでこんな、、!!でも
「まあ、いいか」

そして今に至る。

 あとこの家はすこしデカくなった、なんでも、この家の核つまりは宝石に魔力を込めるとそれを吸い上げて成長するらしい。
 キッチンができたり、家の材質が変わったりした。家具は作られるのだがインテリアは作られないので⦅召喚⦆した。

 正直八歳の住むような家ではない。
まあ、八歳が住む環境でもないのだが。
シシオウの小家が外にできていた。

 正直ここで暮らす分には何も不自由していないが本もあと数冊で読み終わる。森のマッピングでもしようと思う。

そして2日経った頃

「よし、この袋に宝石入れて、剣も良しと」
 この家は核の宝石を取り外して外に持ち出すと家が宝石の中に吸い込まれる。
 インテリアや、周りのものも吸い込んでくれるので、まるでそこには何もなかったかのようになる。

 そして俺は森のマッピングをしに歩いた。

 実際半径30キロくらいはもう狩りをしているので探索済みである。
問題はどっちの方向に歩くかである。
 木の棒を倒して先っぽが向いた方向へ歩いてみた。

 朝から昼飯まで何も起こらず進んでいた。
 昼から夜も甲羅があるムキムキのゴリラ五頭に囲まれるくらいで特に問題はなかった。
 夜になれば〈センス〉を出してそこで寝た。

 そんなことを繰り返すこと1週間。
何も変化がなかった森の風景に、変化が起きた。

 それは、山が見えたということ。しかも超特大。あの山を登ればもしかしたら人間が住んでいる村や町が見えるかもしれない。

 そう思った。

 この世界に来て三週間たったがまだ誰かと会話した事はない。

 シシオウとは会話をしているがなんていうかそれとは違う会話がしたいんだよ。
 そんなことを考えながら、山へ向かった。

 向かえば向かうほどものすごくデカくて、これ登るのに一週間以上かかるのは確定だなと確信した。

 二日経って山の目の前に立った。禍々しい。立っているだけで帰りたくなる気持ちが出てくる。

 きっとここにいる魔物とレベルも環境も違うのだろう。だが進まないといけない気がして山へ足を踏み入れた。

 この山はまず、すごい。
なぜならこの山を登るにつれ体が重くなるのだ。疲れているとかじゃなくて物理的に。重力がこの山だけ違うのは明らかだった。

 息もしづらい山を登り始めて二日目で、体が思ったように動かないくらい重く感じていた。この時にシシオウは箱に戻した。

 そして、今まで見たこともないくらいふざけた顔した猿が、尋常じゃない速さでこちらに向かってきて、途中で止まるとこちらを覗いてきた。

 そして俺の動きが遅くて動きづらそうな顔をしているのがわかったのかふざけた顔の猿はさらにふざけた顔になり、ゆっくり近づいてきて、ニヤニヤしながら変な踊りをしているのだ。

 とても腹がたつ殴ろうとすると。

(おいおいそんなのろまなパンチじゃあたらないぜぇ)

 という顔をしてきたのでムカついて魔法を使ってしまった。
 今まで使わずにいたがこいつだけはしっかりと始末しなければいけないと思った。

 なので重力魔法を使い相手に重力をかけ、俺にかかっている重力を軽くした。

 そして俺はふざけた顔の猿にむかってニヤニヤしながら本気で殴ったよ。頭が消し飛び体だけが残っていた。

「やれやれだ」

この山初の一言であった。

 そして夜に〈センス〉に入りそこだけ重力魔法をかけ横になった。
 これはいい修行になりそうだな。
と思いながら眠りについた。

 夢を見た。元の世界の夢で家族がいて、おばさんがいて、夏目がいた。俺もいたがみんな俺のことが見えていなくて、話をかけても返事をくれない。

 みんな暗い顔をしていて公園の前の道路でみんな泣いていた。
それを見て俺も泣いた。

 そして目が覚めた。
シシオウが起きていてこちらを見ている。そして顔を舐めてきた。

「あぁ、俺泣いてたんだな。帰れないのに。ありがとなシシオウ。励ましてくれんだなあ。うぅ……うぅっ」

この日久々に大泣きした。シシオウはずっとそばにいて俺を慰めてくれた。
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