28 / 38
28.裏社会との取引
しおりを挟む
その後も、この執行役員さんとお話し合いをして、一応の了承を得た。
後日、執行役員さん立会いの下、借金を支払うことでこの場は収まった。
どうせ、あの人も俺たちのことを調べるのだろうからわかると思うが、ブルガン王国関係者と分かれば、あまり無茶はしないだろう。
とにかく、約束の一千万円を準備することにした。
大丈夫だ。
俺にはまだ退職金が500万円以上ある。
しかも、準備金としてローレン殿下から二千万円も預かっているから、これはすぐに使えるお金だ。
そこから現金を引き下ろして一千万円を用意して先方からの連絡を待った。
早速翌日にあの執行役員から連絡があり、前にあったホテルの一室で落ち合うことになった。
密室で会うために俺の身の安全も図らないとまずいので、アプリコットさんに相談すると、アプリコットさんはもちろんのことマリーさんとキャシーさんも俺と一緒に同行することになった。
また、隣室にはクルーザーの乗員で操船担当の女性4人までもが葵さんと一緒に入ることになった。
なぜかって、それはこの方たち誰もが強いのだよ。
下手な男なんか太刀打ちができないくらいに強い。
乗員の4人は軍人で全員が格闘技をそれなりにマスターしているし、マリーさんとキャシーさんは情報部出身で、聞かなかったけど屈強な男どもを殺した経験も片手で足りないくらだと思われる。
ちなみにアプリコットさんも情報部の人だ。
経験こそなかったけど、しっかりと教育と訓練はされている。
何の経験だってって、それは両方だよ両方。
尤も片方の経験は俺もすでに済ませて、今も毎日のように経験値を増している。
葵さんからドードンさん経由で警視庁公安部外事課にも一応の連絡はしてあるそうだ。
いつでも動けるのだとか。
どこまで本当かは知らないけど、一応の安全は担保した状態で翌日待ち合わせの部屋に向かう。
待ち合わせの部屋に入ると、すでに部屋にはやくざの方たちが待っていた。
さすがと言おうか、こういうところはやくざの人は外さない。
俺も時間に余裕をもってここに来たわけなのだが、それよりも前に部屋に入りすっかりと準備ましていている。
こういう緊張するような場面では、とにかく先に着いた方が心情的にも有利となる。
俺は営業の経験もあまりないが、できる営業から聞いたことではそういうものらしい。
最後は心理的な余裕がものをいうらしい。
まあ、そういう部分では俺は万全の準備までしているからそれほど緊張はしていない。
何せ修羅場に慣れた女性が俺の横にそれも複数いるのだ。
ここで、大事なことには女性だという部分だ。
やくざの方でも俺たちのことを調べるくらいはしているだろうが、どうせ俺のことくらいしか調べられないだろう。
それも、会社を渡り歩いて今では産油国の王子に個人的に雇用されているくらいかたぶんわかっていない。
いや、ここまで調べられればたいしたものだろうが、関東一円に勢力を張る大きなやくざ組織だ。
油断はできない。
それでもプロの諜報員までの経歴までは調べられればそれこそ俺たちが今後彼らの調査能力を使いたいくらいだ。
まあ、そんな感じで最初からかなり緊張しながら取引は始まる。
「ではお約束の返済金一千万円を現金で用意しました。
受け取りと、借用書を渡して下さい」
部屋には前にあった人の他に、明らかに柄の悪そうな人がそれも少なくない人数詰めており、俺の話を聞いても何か言いたそうにしている。
明らかに納得はしていないのだろう。
まあ、それも理解はできるのだが。
何せ、彼らの目的が美人母娘にあるのだ。
それを俺が横からかっさらった格好になる。
ぐちゃぐちゃ言いたそうにしているのを前にあった人が人睨みで抑えて、取引は順調に進み、書類関係が終わる。
「最後に、彼女から預かっている車も引き渡してもらおうか」
そう、母親の借金になった原因の車については、きちんと陸運局や税務署に確認が取れており、存在している。
その車もきちんと処理しておかないと、所有者というだけで何されるか分かったものではない。
一応上部組織にはこれ以上俺たちにかかわらないという条件で納得してもらっているので、そうそう無理はしないとは思うが、俺は臆病なのだ。
「これが車のキーだ。
車はホテルの地下駐車場にある。
おい、駐車場の番号はいくつだ」
偉そうに柄の悪そうなものが若いのに言い放つ。
言われた若い衆は車の駐車してある場所を教えてきた。
車の件も片付いたことで取引は終わり俺たちは部屋を出た。
俺が部屋を出るまで、最後の最後まで俺のことを殺しそうな目を向けていたが気に入らない。
俺は部屋から出て、すぐにアプリコットに連絡を取り、すでに話を通している外事課の警察を呼んでもらった。
車に細工でもされたらたまらない。
後のことはアプリコット経由で警察に車ごと預けたのだが、やはりというかあいつらは最後に嫌がらせをしていた。
車のダッシュボードにきちんと薬と注射器を忍ばせていた。
どうせ、俺が車を運転したら警察にチクって俺のことを捕まえようとでもしたのだろう。
もしかしたら警察にやくざの協力者でもいるのかもしれないが、初めから車には乗るつもりはなかったのでかまわない。
後日、執行役員さん立会いの下、借金を支払うことでこの場は収まった。
どうせ、あの人も俺たちのことを調べるのだろうからわかると思うが、ブルガン王国関係者と分かれば、あまり無茶はしないだろう。
とにかく、約束の一千万円を準備することにした。
大丈夫だ。
俺にはまだ退職金が500万円以上ある。
しかも、準備金としてローレン殿下から二千万円も預かっているから、これはすぐに使えるお金だ。
そこから現金を引き下ろして一千万円を用意して先方からの連絡を待った。
早速翌日にあの執行役員から連絡があり、前にあったホテルの一室で落ち合うことになった。
密室で会うために俺の身の安全も図らないとまずいので、アプリコットさんに相談すると、アプリコットさんはもちろんのことマリーさんとキャシーさんも俺と一緒に同行することになった。
また、隣室にはクルーザーの乗員で操船担当の女性4人までもが葵さんと一緒に入ることになった。
なぜかって、それはこの方たち誰もが強いのだよ。
下手な男なんか太刀打ちができないくらいに強い。
乗員の4人は軍人で全員が格闘技をそれなりにマスターしているし、マリーさんとキャシーさんは情報部出身で、聞かなかったけど屈強な男どもを殺した経験も片手で足りないくらだと思われる。
ちなみにアプリコットさんも情報部の人だ。
経験こそなかったけど、しっかりと教育と訓練はされている。
何の経験だってって、それは両方だよ両方。
尤も片方の経験は俺もすでに済ませて、今も毎日のように経験値を増している。
葵さんからドードンさん経由で警視庁公安部外事課にも一応の連絡はしてあるそうだ。
いつでも動けるのだとか。
どこまで本当かは知らないけど、一応の安全は担保した状態で翌日待ち合わせの部屋に向かう。
待ち合わせの部屋に入ると、すでに部屋にはやくざの方たちが待っていた。
さすがと言おうか、こういうところはやくざの人は外さない。
俺も時間に余裕をもってここに来たわけなのだが、それよりも前に部屋に入りすっかりと準備ましていている。
こういう緊張するような場面では、とにかく先に着いた方が心情的にも有利となる。
俺は営業の経験もあまりないが、できる営業から聞いたことではそういうものらしい。
最後は心理的な余裕がものをいうらしい。
まあ、そういう部分では俺は万全の準備までしているからそれほど緊張はしていない。
何せ修羅場に慣れた女性が俺の横にそれも複数いるのだ。
ここで、大事なことには女性だという部分だ。
やくざの方でも俺たちのことを調べるくらいはしているだろうが、どうせ俺のことくらいしか調べられないだろう。
それも、会社を渡り歩いて今では産油国の王子に個人的に雇用されているくらいかたぶんわかっていない。
いや、ここまで調べられればたいしたものだろうが、関東一円に勢力を張る大きなやくざ組織だ。
油断はできない。
それでもプロの諜報員までの経歴までは調べられればそれこそ俺たちが今後彼らの調査能力を使いたいくらいだ。
まあ、そんな感じで最初からかなり緊張しながら取引は始まる。
「ではお約束の返済金一千万円を現金で用意しました。
受け取りと、借用書を渡して下さい」
部屋には前にあった人の他に、明らかに柄の悪そうな人がそれも少なくない人数詰めており、俺の話を聞いても何か言いたそうにしている。
明らかに納得はしていないのだろう。
まあ、それも理解はできるのだが。
何せ、彼らの目的が美人母娘にあるのだ。
それを俺が横からかっさらった格好になる。
ぐちゃぐちゃ言いたそうにしているのを前にあった人が人睨みで抑えて、取引は順調に進み、書類関係が終わる。
「最後に、彼女から預かっている車も引き渡してもらおうか」
そう、母親の借金になった原因の車については、きちんと陸運局や税務署に確認が取れており、存在している。
その車もきちんと処理しておかないと、所有者というだけで何されるか分かったものではない。
一応上部組織にはこれ以上俺たちにかかわらないという条件で納得してもらっているので、そうそう無理はしないとは思うが、俺は臆病なのだ。
「これが車のキーだ。
車はホテルの地下駐車場にある。
おい、駐車場の番号はいくつだ」
偉そうに柄の悪そうなものが若いのに言い放つ。
言われた若い衆は車の駐車してある場所を教えてきた。
車の件も片付いたことで取引は終わり俺たちは部屋を出た。
俺が部屋を出るまで、最後の最後まで俺のことを殺しそうな目を向けていたが気に入らない。
俺は部屋から出て、すぐにアプリコットに連絡を取り、すでに話を通している外事課の警察を呼んでもらった。
車に細工でもされたらたまらない。
後のことはアプリコット経由で警察に車ごと預けたのだが、やはりというかあいつらは最後に嫌がらせをしていた。
車のダッシュボードにきちんと薬と注射器を忍ばせていた。
どうせ、俺が車を運転したら警察にチクって俺のことを捕まえようとでもしたのだろう。
もしかしたら警察にやくざの協力者でもいるのかもしれないが、初めから車には乗るつもりはなかったのでかまわない。
1
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる