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第五章 飛躍のために新たなる挑戦
第73話 植民地に向けての調査
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翌朝、割と早めに俺たちは拠点を出発した。
目標は植民都市だ。
そこまでの航路開発を考えている。
今回俺と一緒に海に出るのはいつものようにケリーとその部下、それにミーシャ。
しかし、今回からはサーシャまでついて来る。
当然、プレアデスの姫でもあるサーシャが居るので、その従者としてダーナが付いてくるかと言えば、ダーナは拠点整備でまだ手が離せないらしい。
そこで、この地で突然従者にされたと言えばいいのかプレアデスの姫の従者が一人となったエルムが今回一緒についてきた。
ここで何が当然かとは問わない。
何せ俺にもよくわからないが、とにかく姫として俺について来るらしい。
別に構わないが、正直この二人は今のところ俺の船の中ではやることが無い……というかできない。
食事の準備もミーシャがしてくれるし、操船についてはケリー達に任せている。
せいぜい監視位だが、それよりも二人とも初めてではないが、ほとんど艦橋に連れてきてなかったので、見る物が珍しいらしく、ほとんど社会科見学状態だ。
せいぜい、ケリー達の邪魔だけはしないでほしい。
昼過ぎても何も見つけることができなかった。
この時代ではそれくらいは日常茶飯事だとは俺も理解していた。
何冊かの航海日誌も読ませてもらっているので、海上での他の船を見つけることの方が珍しいことくらいは。
そもそも他の船は怪しいのが多いので、見つけ次第逃げるのがデフォルトらしいが、それでもこの船にはレーダーがあるので、それらこの耳朶の船よりはより遠くを監視できるのだが、それでも何もない。
「守様、そろそろ昼にしませんか」
ミーシャはそう言って艦橋に入ってきた。
時計を見ると午後一時を少し回ったくらいか。
一度船を停めて、みんなで食堂に向かう。
みんなと言ってもせいぜい6人ばかりの人員だ。
中速はミーシャが用意してくれたのだが、いい加減唐揚げの呪いから解放してくれ。
どうしても俺が最初にごちそうした食事が忘れられないのか、はたまたそれしか作り方を知らないのか知らないが、スープに唐揚げ、それに簡単なサラダの昼食だ。
まあ、俺はそれほど食べ物に頓着(とんじゃく)な方でないのと、俺の爺様の教育の賜物のおかげで出された食事に対し手決して嫌な顔はしない。
確かに嫌いでもないし、かなり味も良いのだ。
そのため、ここで出された食事にはサーシャなどは大喜びだ。
フェリーでもっと美味しいものを食べさせていたと思っていたのだが、正直においしいらしい。
でも、エルフって肉は大丈夫なのか……今更か。
「守様。
この後のことですが……」
ケリーが俺に聞いてきた。
まあ、午前中船を走らせても島影一つ捉えていないし、退屈もするだろう。
「ああ、あと一時間このまま船を走らせたら、全力で島に戻るよ。
十分に日のあるうちに帰れると思うから」
「そうですね。
わかりました」
その後食事終えると全員が休憩など取らずに仕事に入る。
その様子を見ながら俺は考えた。
ちょっとこの職場ってブラックが入っていないかな。
海保時代に出は絶対にとは言わないが、このようななにも無い海上ではありえなかったし、休憩も大切な仕事の一つとして捉えていたしな。
まあ戦時中でもあるましと考えなくもない……あ、ここって十分に戦時中と言える状況だったな。
それでも……原因はわかっている。
乗員数が圧倒的に足りないのだ。
この船だって、本来60名で運行するものなのに、その半分どころか一割で運行させているのだ。
戦闘するつもりも無いのでどうにかなっているが、船を動かすだけでも足りないくらいだが、最新設備のおかげかな。
どうにか仕えているのだ。
その後船は俺の先に言ったとおりに一時間そのまま走らせた後に全速力で島に帰った。
夕方日のあるうちに湾内に入り、フェリーに横付けして本日の業務を終えた。
後のことはケリーに任せて、俺はそのままフェリーの中に入る。
もうこれくらいはケリーたちだけだが、任せられるレベルにあるが、逆に言うとケリーたちだけなのだ。
そのあたりケリーも考えているようで、前に聞いた時には船には騎士仲間一人に途中合流組の兵士や魔法使い見習いの学生など数人とで、当直しているようだ。
当直なんか置かなくともとは思ったら、何でも当直はご褒美になっているらしく、シャワー浴び放題に、食事がおいしいなどがあるのだそうだ。
浴び放題??と思っていると、ケリーは『当然休憩時間に限らせております』だって。
安心したけど、ご褒美って……確かにこの世界ではあの船の中の装備でも十分に贅沢に感じられるとは思うが、現にフランなど最初からかなり感激していたくらいだったし、それでも俺は、このフェリーを手に入れてからは、休むのならばフェリーにしたい。
どうしてもあの船の中にいると仕事気分が抜けそうにないし、現に仕事しかしていなかった。
俺はフェリーに入るとその足でそのまま大浴場に向かい一風呂浴びる。
体を洗い浴槽に使っているとサーシャがエルムとミーシャを連れて風呂に入って来た。
当然全裸だ。
「おいおい、女湯があるだろう」
「え、守様の手伝いをしたくて」
「手伝い?」
「お背中を流します」
とてもうれしく、また目の保養にもなるから良いが……良いのかな。
まあ、ミーシャなどは今更か。
その先まで……
その後は仲良く入浴を堪能して、一旦分かれる。
それでもサーシャは俺についてくる
「どうした?」と俺が聞くとサーシャは「私はプレアデスの姫ですから」と訳分からないことを言うだけだったので、そのままにしておいた。
俺はフェリーの船長室に入り、今日の分の船長日誌を書き上げる。
航海日誌は俺が当直などをしていた時から書いていたので、船長日誌と言っても俺が書いていた航海日誌と変わらない内容だ。
それ以外に書きようがない。
そもそも日記など付けたこともないし、船長日誌は何度もいろんな人のものを読んでもあったが、何を書かないといけないかなど知らないことが多い。
だから、気が付いたことを書きつられての備忘録代わりにしている。
目標は植民都市だ。
そこまでの航路開発を考えている。
今回俺と一緒に海に出るのはいつものようにケリーとその部下、それにミーシャ。
しかし、今回からはサーシャまでついて来る。
当然、プレアデスの姫でもあるサーシャが居るので、その従者としてダーナが付いてくるかと言えば、ダーナは拠点整備でまだ手が離せないらしい。
そこで、この地で突然従者にされたと言えばいいのかプレアデスの姫の従者が一人となったエルムが今回一緒についてきた。
ここで何が当然かとは問わない。
何せ俺にもよくわからないが、とにかく姫として俺について来るらしい。
別に構わないが、正直この二人は今のところ俺の船の中ではやることが無い……というかできない。
食事の準備もミーシャがしてくれるし、操船についてはケリー達に任せている。
せいぜい監視位だが、それよりも二人とも初めてではないが、ほとんど艦橋に連れてきてなかったので、見る物が珍しいらしく、ほとんど社会科見学状態だ。
せいぜい、ケリー達の邪魔だけはしないでほしい。
昼過ぎても何も見つけることができなかった。
この時代ではそれくらいは日常茶飯事だとは俺も理解していた。
何冊かの航海日誌も読ませてもらっているので、海上での他の船を見つけることの方が珍しいことくらいは。
そもそも他の船は怪しいのが多いので、見つけ次第逃げるのがデフォルトらしいが、それでもこの船にはレーダーがあるので、それらこの耳朶の船よりはより遠くを監視できるのだが、それでも何もない。
「守様、そろそろ昼にしませんか」
ミーシャはそう言って艦橋に入ってきた。
時計を見ると午後一時を少し回ったくらいか。
一度船を停めて、みんなで食堂に向かう。
みんなと言ってもせいぜい6人ばかりの人員だ。
中速はミーシャが用意してくれたのだが、いい加減唐揚げの呪いから解放してくれ。
どうしても俺が最初にごちそうした食事が忘れられないのか、はたまたそれしか作り方を知らないのか知らないが、スープに唐揚げ、それに簡単なサラダの昼食だ。
まあ、俺はそれほど食べ物に頓着(とんじゃく)な方でないのと、俺の爺様の教育の賜物のおかげで出された食事に対し手決して嫌な顔はしない。
確かに嫌いでもないし、かなり味も良いのだ。
そのため、ここで出された食事にはサーシャなどは大喜びだ。
フェリーでもっと美味しいものを食べさせていたと思っていたのだが、正直においしいらしい。
でも、エルフって肉は大丈夫なのか……今更か。
「守様。
この後のことですが……」
ケリーが俺に聞いてきた。
まあ、午前中船を走らせても島影一つ捉えていないし、退屈もするだろう。
「ああ、あと一時間このまま船を走らせたら、全力で島に戻るよ。
十分に日のあるうちに帰れると思うから」
「そうですね。
わかりました」
その後食事終えると全員が休憩など取らずに仕事に入る。
その様子を見ながら俺は考えた。
ちょっとこの職場ってブラックが入っていないかな。
海保時代に出は絶対にとは言わないが、このようななにも無い海上ではありえなかったし、休憩も大切な仕事の一つとして捉えていたしな。
まあ戦時中でもあるましと考えなくもない……あ、ここって十分に戦時中と言える状況だったな。
それでも……原因はわかっている。
乗員数が圧倒的に足りないのだ。
この船だって、本来60名で運行するものなのに、その半分どころか一割で運行させているのだ。
戦闘するつもりも無いのでどうにかなっているが、船を動かすだけでも足りないくらいだが、最新設備のおかげかな。
どうにか仕えているのだ。
その後船は俺の先に言ったとおりに一時間そのまま走らせた後に全速力で島に帰った。
夕方日のあるうちに湾内に入り、フェリーに横付けして本日の業務を終えた。
後のことはケリーに任せて、俺はそのままフェリーの中に入る。
もうこれくらいはケリーたちだけだが、任せられるレベルにあるが、逆に言うとケリーたちだけなのだ。
そのあたりケリーも考えているようで、前に聞いた時には船には騎士仲間一人に途中合流組の兵士や魔法使い見習いの学生など数人とで、当直しているようだ。
当直なんか置かなくともとは思ったら、何でも当直はご褒美になっているらしく、シャワー浴び放題に、食事がおいしいなどがあるのだそうだ。
浴び放題??と思っていると、ケリーは『当然休憩時間に限らせております』だって。
安心したけど、ご褒美って……確かにこの世界ではあの船の中の装備でも十分に贅沢に感じられるとは思うが、現にフランなど最初からかなり感激していたくらいだったし、それでも俺は、このフェリーを手に入れてからは、休むのならばフェリーにしたい。
どうしてもあの船の中にいると仕事気分が抜けそうにないし、現に仕事しかしていなかった。
俺はフェリーに入るとその足でそのまま大浴場に向かい一風呂浴びる。
体を洗い浴槽に使っているとサーシャがエルムとミーシャを連れて風呂に入って来た。
当然全裸だ。
「おいおい、女湯があるだろう」
「え、守様の手伝いをしたくて」
「手伝い?」
「お背中を流します」
とてもうれしく、また目の保養にもなるから良いが……良いのかな。
まあ、ミーシャなどは今更か。
その先まで……
その後は仲良く入浴を堪能して、一旦分かれる。
それでもサーシャは俺についてくる
「どうした?」と俺が聞くとサーシャは「私はプレアデスの姫ですから」と訳分からないことを言うだけだったので、そのままにしておいた。
俺はフェリーの船長室に入り、今日の分の船長日誌を書き上げる。
航海日誌は俺が当直などをしていた時から書いていたので、船長日誌と言っても俺が書いていた航海日誌と変わらない内容だ。
それ以外に書きようがない。
そもそも日記など付けたこともないし、船長日誌は何度もいろんな人のものを読んでもあったが、何を書かないといけないかなど知らないことが多い。
だから、気が付いたことを書きつられての備忘録代わりにしている。
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