14 / 90
第二章 軍団の誕生
第14話 海中の救出劇
しおりを挟む
一旦ボートを止めて、先ほどまで使っていたロープを拾い、もう一度使う。
今助けているのは騎士というよりも華奢な体つきからミーシャと同じ使用人の類と思われる。
素早くロープを手繰り彼女もボートに引き上げ、周りを探す。
ずいぶん慌てたので、一度冷静に助けた人も確認すると、ボート上には俺の他にはミーシャと最初に助けた騎士、それに今俺が引き上げた女性の3人で、最初に助けた騎士が手繰った先には騎士と思われる女性がボートに近づいてきている。
最初に船から海に飛び込んだのが確か5人。
あれ、あと一人いるはずなのだが、俺は慌てて周りを探す。
すぐに一人完全におぼれて海中に没しようとしている人を見つけた。
ヤバイ。
俺はロープの端をボーロのフックに取り付け、そのロープをもって、海に飛び込んだ。
当然ライフガードチューブという棒状の浮き具を抱えて泳ぎ沈みかけている女性に括り付けロープをつないだ。
これで一安心だ。
繋いだロープが急に引っ張られるので俺はボートを見ると、助けた女性たちが協力してロープを引っ張っている。
助かった。
後は姫たちの方に向かった人たちがどうなったかだが、そうそう簡単にはこのチュートリアルは終わらせてはくれなさそうだ。
そうこうしているうちに俺たちが船上にいる海賊たちに見つかった。
船のマストが二つも折られて大騒ぎになっているので、海賊全員を相手を相手にするわけではないがそれでも俺たちに向け何かを投げてくるものがいる。
流石に危ないので、一旦ボートを動かして、敵からの攻撃を避けながら姫たちを待つ。
この辺りに飛び込んだわけでもなさそうなので、俺は一度端末を確認すると、姫を連れて中央付近にまでくることには成功したようだが、海賊たちと一部戦闘になっているような感じだ。
俺がドローンの端末で見守る中、姫と騎士数名が飛び込むのを確認した。
彼女たちが飛び込んだのが船中央付近からで、今俺たちがいる場所からはかなり離れている。
急ぎその位置までボートで向かう。
ボートを操縦していると、ミーシャの悲鳴が聞こえた。
「どうした?」
「騎士様が切られて海に落ちました」
「海に落ちたんだよな」
俺はミーシャに確認した。
切られて船に取り残されたのならば助けようがないが、海に落ちたのならばまだ可能性はある。
切られたとミーシャが言っているから、問題は傷の深さだ。
臓器にまで達していなければ俺でも手当はできる。
まずは飛び込んだ先まで急ぎ向かうしかない。
現場に着くと、辺りに血が浮いている。
これは急がないとサメが寄ってきそうだ。
幸い今までに助けためた女性たちが手分けして仲間を救助している。
俺は先ほど使った棒状の浮き具を持ってもう一度海に飛び込む。
切られた騎士はすぐに見つかったので、そこまで泳ぎ彼女を助ける。
急ぎ止血だけでもしたいのだが、とにかくボートに引き上げないとそれもできない。
俺が気を失っている女性にロープを巻き付けると、ミーシャが声をかけてきた。
「ああ、引っ張ってくれ。
すぐにボートに上げたい」
ボートにいる女性たちのうち手すきの人たちが協力してロープを引っ張ってくれる。
そうしている間にも海賊たちは攻撃してくる
どうにか、最後の一人、気を失い出血している女性をボートに引き上げ終わるころには、海賊の船長が銃を持ってこちらを狙っているのが見えた。
すぐにでも止血の処理をしたかったのだが、それも許されない。
俺は一旦、ボートを今度は全速で動かし、海賊船から離れる。
俺の船と海賊船との中間の位置まで来たら、俺はボートの操縦をミーシャに頼んだ。
と言っても今持っている舵をそのままの状態でもっていてもらうだけだが。
「ミーシャ、悪いがここを俺と代わってくれ
「え、守様。
私……どうすれば……」
「ああ、今俺がしているように、このレバーを持っていてくれればいい。
ただし動かさないでほしい」
「わかりました」
ボートの舵をミーシャに任せてやっと俺が動ける。
そうして、俺は傷ついた彼女の治療を始める。
俺の着ている軍服には米国海兵隊採用の応急キットが内ポケットに入っている。
まさかこれを使う羽目になるとは思っていなかったが、使い方だけはレクチャーを受けていた。
流石アメリカだけあって、防衛隊の持つ応急セットとは比べるべくもなく、また海上警備庁や警察とは比べるべくもない。
何せ日本の官憲に至っては応急処置用の物を常備携帯などしていない。
俺たちが所属していたのは民間の軍事会社だが、中身は海軍諜報部傘下の企業なので、とにかく人命に関するところはとにかくシビアだ。
人命に関する物の多くが、アメリカで一番経験の豊富な海兵隊に準拠して用意されていた。
当然それらもコピーしてくれていたので、その応急セットを使い治療を始める。
彼女からは血がまだ出ている。
俺は急ぎ彼女が来ている服をセットにあるはさみで切り割き、まずは着ている服を脱がし傷口を確認する。
20cmくらい刃物で切られたような傷があるが、傷は幸い深くに達していない。
筋肉に一部達してはいるが、ほとんどは皮膚と皮下脂肪の間で止まっており、傷の大きさからは出血は少ない。
消毒液を傷口に振りかけて、キット内の止血テープをこれでもかというくらいに張り付けた。
これでどうにか血は止まるようだ。
それを見届けると、今度は急ぎ船に戻るためにミーシャとボートの操縦を代わった。
ボートのエンジンを最大まで出しているが、流石に俺を含めると13名が乗っているので、定員を3名もオーバーしているから、思ったほどは速度が出ていない。
まあ、風も吹いていないし、何より海賊船のマストが二本とも使用不能なので、海賊たちは俺たちのことを追うことができない。
負傷者がいなければこの段階でチュートリアルのミッションは終わるのだが、治療というミッションが増えたのでまだ終わらない。
俺の船に戻ると、これまた問題がって言っても、定員オーバーなために舵の効きが悪く、うまく船に接舷ができない。
これが荒れた海ならばほとんど絶望的だと思えるのだが、幸いなことにまだ海は穏やかだ。
海賊に追われることが無いが、負傷者の治療を急ぎたいので、俺は半ばぶつけるようにして船に接舷させた。
かなりショックがあったが、誰もボートから落ちることなく接舷に成功させたようだ。
今助けているのは騎士というよりも華奢な体つきからミーシャと同じ使用人の類と思われる。
素早くロープを手繰り彼女もボートに引き上げ、周りを探す。
ずいぶん慌てたので、一度冷静に助けた人も確認すると、ボート上には俺の他にはミーシャと最初に助けた騎士、それに今俺が引き上げた女性の3人で、最初に助けた騎士が手繰った先には騎士と思われる女性がボートに近づいてきている。
最初に船から海に飛び込んだのが確か5人。
あれ、あと一人いるはずなのだが、俺は慌てて周りを探す。
すぐに一人完全におぼれて海中に没しようとしている人を見つけた。
ヤバイ。
俺はロープの端をボーロのフックに取り付け、そのロープをもって、海に飛び込んだ。
当然ライフガードチューブという棒状の浮き具を抱えて泳ぎ沈みかけている女性に括り付けロープをつないだ。
これで一安心だ。
繋いだロープが急に引っ張られるので俺はボートを見ると、助けた女性たちが協力してロープを引っ張っている。
助かった。
後は姫たちの方に向かった人たちがどうなったかだが、そうそう簡単にはこのチュートリアルは終わらせてはくれなさそうだ。
そうこうしているうちに俺たちが船上にいる海賊たちに見つかった。
船のマストが二つも折られて大騒ぎになっているので、海賊全員を相手を相手にするわけではないがそれでも俺たちに向け何かを投げてくるものがいる。
流石に危ないので、一旦ボートを動かして、敵からの攻撃を避けながら姫たちを待つ。
この辺りに飛び込んだわけでもなさそうなので、俺は一度端末を確認すると、姫を連れて中央付近にまでくることには成功したようだが、海賊たちと一部戦闘になっているような感じだ。
俺がドローンの端末で見守る中、姫と騎士数名が飛び込むのを確認した。
彼女たちが飛び込んだのが船中央付近からで、今俺たちがいる場所からはかなり離れている。
急ぎその位置までボートで向かう。
ボートを操縦していると、ミーシャの悲鳴が聞こえた。
「どうした?」
「騎士様が切られて海に落ちました」
「海に落ちたんだよな」
俺はミーシャに確認した。
切られて船に取り残されたのならば助けようがないが、海に落ちたのならばまだ可能性はある。
切られたとミーシャが言っているから、問題は傷の深さだ。
臓器にまで達していなければ俺でも手当はできる。
まずは飛び込んだ先まで急ぎ向かうしかない。
現場に着くと、辺りに血が浮いている。
これは急がないとサメが寄ってきそうだ。
幸い今までに助けためた女性たちが手分けして仲間を救助している。
俺は先ほど使った棒状の浮き具を持ってもう一度海に飛び込む。
切られた騎士はすぐに見つかったので、そこまで泳ぎ彼女を助ける。
急ぎ止血だけでもしたいのだが、とにかくボートに引き上げないとそれもできない。
俺が気を失っている女性にロープを巻き付けると、ミーシャが声をかけてきた。
「ああ、引っ張ってくれ。
すぐにボートに上げたい」
ボートにいる女性たちのうち手すきの人たちが協力してロープを引っ張ってくれる。
そうしている間にも海賊たちは攻撃してくる
どうにか、最後の一人、気を失い出血している女性をボートに引き上げ終わるころには、海賊の船長が銃を持ってこちらを狙っているのが見えた。
すぐにでも止血の処理をしたかったのだが、それも許されない。
俺は一旦、ボートを今度は全速で動かし、海賊船から離れる。
俺の船と海賊船との中間の位置まで来たら、俺はボートの操縦をミーシャに頼んだ。
と言っても今持っている舵をそのままの状態でもっていてもらうだけだが。
「ミーシャ、悪いがここを俺と代わってくれ
「え、守様。
私……どうすれば……」
「ああ、今俺がしているように、このレバーを持っていてくれればいい。
ただし動かさないでほしい」
「わかりました」
ボートの舵をミーシャに任せてやっと俺が動ける。
そうして、俺は傷ついた彼女の治療を始める。
俺の着ている軍服には米国海兵隊採用の応急キットが内ポケットに入っている。
まさかこれを使う羽目になるとは思っていなかったが、使い方だけはレクチャーを受けていた。
流石アメリカだけあって、防衛隊の持つ応急セットとは比べるべくもなく、また海上警備庁や警察とは比べるべくもない。
何せ日本の官憲に至っては応急処置用の物を常備携帯などしていない。
俺たちが所属していたのは民間の軍事会社だが、中身は海軍諜報部傘下の企業なので、とにかく人命に関するところはとにかくシビアだ。
人命に関する物の多くが、アメリカで一番経験の豊富な海兵隊に準拠して用意されていた。
当然それらもコピーしてくれていたので、その応急セットを使い治療を始める。
彼女からは血がまだ出ている。
俺は急ぎ彼女が来ている服をセットにあるはさみで切り割き、まずは着ている服を脱がし傷口を確認する。
20cmくらい刃物で切られたような傷があるが、傷は幸い深くに達していない。
筋肉に一部達してはいるが、ほとんどは皮膚と皮下脂肪の間で止まっており、傷の大きさからは出血は少ない。
消毒液を傷口に振りかけて、キット内の止血テープをこれでもかというくらいに張り付けた。
これでどうにか血は止まるようだ。
それを見届けると、今度は急ぎ船に戻るためにミーシャとボートの操縦を代わった。
ボートのエンジンを最大まで出しているが、流石に俺を含めると13名が乗っているので、定員を3名もオーバーしているから、思ったほどは速度が出ていない。
まあ、風も吹いていないし、何より海賊船のマストが二本とも使用不能なので、海賊たちは俺たちのことを追うことができない。
負傷者がいなければこの段階でチュートリアルのミッションは終わるのだが、治療というミッションが増えたのでまだ終わらない。
俺の船に戻ると、これまた問題がって言っても、定員オーバーなために舵の効きが悪く、うまく船に接舷ができない。
これが荒れた海ならばほとんど絶望的だと思えるのだが、幸いなことにまだ海は穏やかだ。
海賊に追われることが無いが、負傷者の治療を急ぎたいので、俺は半ばぶつけるようにして船に接舷させた。
かなりショックがあったが、誰もボートから落ちることなく接舷に成功させたようだ。
12
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる