転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

rita

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14.最近の攻略キャラ遭遇率に賭ける!!!!!!

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「一番言っちゃ悪いがどうでもいいのが麻日くんなんだよなー……美空先輩にはちょっと幸せになって欲しい……で、神薙くんには幸せになって欲しいし…………でもなーーー!!!やっぱ一番は!!!!!なんで一凛4人いないの!!!!」


 私は勉強していたはずなのに、ノートに色々と書きながら髪をぐしゃぐしゃとし、無茶な注文を叫ぶ。

「みんなに幸せになって……ほしいよなぁ……。過去のトラウマとか……思い出とか……傷とか……一凛に癒してもらったり……精算してもらって…………」

 私は天井を見上げて思う。

 でも、それは無理。

 選べるのは一人だけ……。

 それはバッドエンドか、ノーマルエンド……。


「はぁ~あ……」


 私は頭を抱える。

 そばにあった時計は8時だった。
 まだ8時かー……近くにコンビニあったよな、なんか買ってこようかな。
 転生前の悪い習慣が出る。

 私はまだ5月でうすら寒いので、薄手の上着を羽織り、お財布を持ち、美女母に許可が下りるかリビングに下りた。



「お母さんー、コンビニ行ってきていい?」
「え!こんな時間に?」

 案の定、美女母は驚いている。

「勉強してたんだけど、外の空気吸いたい……」

 私は気だるく言う。

「ん~~~……まぁ、いいけど。早く帰ってくるのよ!」
「はーい。ありがとう。」

 前の彩衣ちゃんもこういうことたまにしてたのかな?案外簡単に許可が下りたぞ?
 と、思いながら私は靴を履く。

 溺愛兄がいなくて助かった。
 いたら絶対ついてくる。
 最近、彩衣ちゃんがうざいと蹴っ飛ばしてたのがわかった。
 イケメンでもあれはうざい。めんどくさい。

「いってきまーす。」

 いってらっしゃーい。気をつけてねー。
 と、小さな声が聞こえるのを聞きながら玄関を閉めて鍵を閉める。



「ふぅ……」

 住宅街を歩き出すと、夜風が気持ちいい。

 ふと、私はそういえば。と、思う。
 ゲームでは、穢れや魔物が一凛視点で町の至る所に見えたが、私は見えない……。
 やはり一般人設定だからだろうか。
 まぁ、その方がいい。

 でも、一般人も被害に遭う事件は起こるから、麻日くんが言ってた廃墟や薄暗い所には近寄らないようにしよう。
 ま、今、夜だからどこも暗いんだけどねー。

 ははは。と、笑いながら私は近所にある、子供が遊ぶ小さな公園の前を通り過ぎようとした。


 ガサッ


 と、音がした。

 え、やだ。思ったそばから穢れか魔物?
 私はビクッとして、おそるおそる遠巻きに公園から離れるように道の端を歩く。



「っ……クソッ!」



 しかし、私は小さく聞こえたその声に、目を見開き、ピタリと足を止めた。


 え……?


 うそ……。


 私は公園の方を見る。


 え?うそでしょ?


 いるの???


 私は、近寄るか近寄らないか迷う。


 その場で目を凝らして探す。


 その姿を……。



「!」



 ブランコの後ろの草むらに、人影がいた。

 でも『彼』かどうかはわからない…………。


 どうしよう!どうしよう!!!


 でも……でも!『彼』の声を聞き間違えるはずはない!!!!

 あと最近の攻略キャラとの遭遇率!!!!!!


 行こう!!!!!


 私は意を決して公園へと足を向けた。
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