4 / 32
04.世界は今日も美しい。
しおりを挟む
「え……何?」
神薙くんの声が聞こえる……聞こえる!!!!ゲームと同じ声優さんの少し低めの落ち着いた声が!!!!!
私の心臓はバクバクともう、爆発するんじゃないかという位の速さで鼓動していて、顔は熱い。きっと真っ赤だろう。
一凛ちゃんと神薙くんが何か小声で話してるのが聞こえる……きっと私が、穢れか魔物に取り憑かれているんじゃないかという話だろう。
ザリッと、足音が聞こえた。
ザリッザリッっと、境内の玉石を踏んで、誰かがこっちに来る……。
え、え?まさか神薙くん??嘘……神薙くん!?ちょっと待って!まだ心の準備が!!!!
「……速水……さん?」
頭上から声がした…… 神 薙 く ん の 。
うつむいている私の足元に、もう暗いけど影が落ちている、顔を上げたら神薙くんを見上げる形になるだろう……え……私、死ぬじゃん。
「あの……ちょっと一応、目を見せて欲しいんだけど……」
穢れや魔物なんて見ればすぐ分かるじゃーーーん!!!
私、知ってるんだからね!!!!知ってるんだからね!!!!ほっといてよ!もうわかってるでしょ!
そう思いながらも、私もそろそろ覚悟を決める。
私だって、神薙くんが見たい。
大きく息を吸い、吐いた。
そして……恐る恐る賽銭箱の横で体育座りしている体勢で、左側にいる神薙くんの方に……顔を……上げ……た。
「…………」
何と言えばいいんだろう……。
体に電流が走った?
そして、時が止まった?
硬直した?
体がビリビリしたまま動かない。
そして涙が出そうになった。
そして頭に浮かんだのは……。
尊い…………。
「うん……ありがとう……あの、大丈夫……?」
神薙くんが私に話しかけてくれている……。
神薙くんがそこにいる……。
私の涙腺は決壊した。
「あああああああ!!!!神薙くんだあああああああああ!!!!!!!!」
「!」
顔を伏せ、絶叫しながら大泣きしだした私に、神薙くんはビクッとし、おろおろと慌てる。
そう、神薙くんは大人しくて気が弱い……というか、自分のせいで街に穢れと魔物が蔓延るようになってしまったと、責任を感じながら育ったから、暗い性格なのだ。
だから、長い黒髪の前髪で目を隠している……でもさっき、下から仰ぎ見たから、ハッピーエンドのラストで見ることができる、髪を切ったイケメンの、前髪がない瞳が見える神薙くんの様な素顔を見てしまった。
さっきメカクレ神薙くんなら大丈夫かな?って思ったけど、玄関で無理!って、逃げたけど、顔上げたらメカクレじゃない神薙くんとか無理でしょーーーー!!!!推し二番目だよ!!!??ねぇ!!!!!私、あのラストのスチル何時間眺めてたと思うの!!???
もう今、涙腺決壊!!!!
もう今、死んでもいい!!!
いつ死んでもいい!!!!
あ!私、死んでここに来てた!!!!
ありがとう!!!
誰に感謝すればいいのかわからないけどほんとありがとう!!!!
ありがとう世界!!!!
世界は今日も美しい!!!!!
神薙くんの声が聞こえる……聞こえる!!!!ゲームと同じ声優さんの少し低めの落ち着いた声が!!!!!
私の心臓はバクバクともう、爆発するんじゃないかという位の速さで鼓動していて、顔は熱い。きっと真っ赤だろう。
一凛ちゃんと神薙くんが何か小声で話してるのが聞こえる……きっと私が、穢れか魔物に取り憑かれているんじゃないかという話だろう。
ザリッと、足音が聞こえた。
ザリッザリッっと、境内の玉石を踏んで、誰かがこっちに来る……。
え、え?まさか神薙くん??嘘……神薙くん!?ちょっと待って!まだ心の準備が!!!!
「……速水……さん?」
頭上から声がした…… 神 薙 く ん の 。
うつむいている私の足元に、もう暗いけど影が落ちている、顔を上げたら神薙くんを見上げる形になるだろう……え……私、死ぬじゃん。
「あの……ちょっと一応、目を見せて欲しいんだけど……」
穢れや魔物なんて見ればすぐ分かるじゃーーーん!!!
私、知ってるんだからね!!!!知ってるんだからね!!!!ほっといてよ!もうわかってるでしょ!
そう思いながらも、私もそろそろ覚悟を決める。
私だって、神薙くんが見たい。
大きく息を吸い、吐いた。
そして……恐る恐る賽銭箱の横で体育座りしている体勢で、左側にいる神薙くんの方に……顔を……上げ……た。
「…………」
何と言えばいいんだろう……。
体に電流が走った?
そして、時が止まった?
硬直した?
体がビリビリしたまま動かない。
そして涙が出そうになった。
そして頭に浮かんだのは……。
尊い…………。
「うん……ありがとう……あの、大丈夫……?」
神薙くんが私に話しかけてくれている……。
神薙くんがそこにいる……。
私の涙腺は決壊した。
「あああああああ!!!!神薙くんだあああああああああ!!!!!!!!」
「!」
顔を伏せ、絶叫しながら大泣きしだした私に、神薙くんはビクッとし、おろおろと慌てる。
そう、神薙くんは大人しくて気が弱い……というか、自分のせいで街に穢れと魔物が蔓延るようになってしまったと、責任を感じながら育ったから、暗い性格なのだ。
だから、長い黒髪の前髪で目を隠している……でもさっき、下から仰ぎ見たから、ハッピーエンドのラストで見ることができる、髪を切ったイケメンの、前髪がない瞳が見える神薙くんの様な素顔を見てしまった。
さっきメカクレ神薙くんなら大丈夫かな?って思ったけど、玄関で無理!って、逃げたけど、顔上げたらメカクレじゃない神薙くんとか無理でしょーーーー!!!!推し二番目だよ!!!??ねぇ!!!!!私、あのラストのスチル何時間眺めてたと思うの!!???
もう今、涙腺決壊!!!!
もう今、死んでもいい!!!
いつ死んでもいい!!!!
あ!私、死んでここに来てた!!!!
ありがとう!!!
誰に感謝すればいいのかわからないけどほんとありがとう!!!!
ありがとう世界!!!!
世界は今日も美しい!!!!!
23
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
モブ令嬢は脳筋が嫌い
斯波@ジゼルの錬金飴②発売中
恋愛
イーディスは海のように真っ青な瞳を持つ少年、リガロに一瞬で心を奪われた。彼の婚約者になれるのが嬉しくて「祖父のようになりたい」と夢を語る彼を支えたいと思った。リガロと婚約者になってからの日々は夢のようだった。けれど彼はいつからか全く笑わなくなった。剣を振るい続ける彼を見守ることこそが自分の役目だと思っていたイーディスだったが、彼女の考えは前世の記憶を取り戻したことで一変する。※執筆中のため感想返信までお時間を頂くことがあります。また今後の展開に関わる感想や攻撃的な感想に関しましては返信や掲載を控えさせていただくことがあります。あらかじめご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
クラヴィスの華〜BADエンドが確定している乙女ゲー世界のモブに転生した私が攻略対象から溺愛されているワケ〜
アルト
恋愛
たった一つのトゥルーエンドを除き、どの攻略ルートであってもBADエンドが確定している乙女ゲーム「クラヴィスの華」。
そのゲームの本編にて、攻略対象である王子殿下の婚約者であった公爵令嬢に主人公は転生をしてしまう。
とは言っても、王子殿下の婚約者とはいえ、「クラヴィスの華」では冒頭付近に婚約を破棄され、グラフィックは勿論、声すら割り当てられておらず、名前だけ登場するというモブの中のモブとも言えるご令嬢。
主人公は、己の不幸フラグを叩き折りつつ、BADエンドしかない未来を変えるべく頑張っていたのだが、何故か次第に雲行きが怪しくなって行き────?
「────婚約破棄? 何故俺がお前との婚約を破棄しなきゃいけないんだ? ああ、そうだ。この肩書きも煩わしいな。いっそもう式をあげてしまおうか。ああ、心配はいらない。必要な事は俺が全て────」
「…………(わ、私はどこで間違っちゃったんだろうか)」
これは、どうにかして己の悲惨な末路を変えたい主人公による生存戦略転生記である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!
白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、
《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。
しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、
義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった!
バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、
前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??
異世界転生:恋愛 ※魔法無し
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
モブはモブらしく生きたいのですっ!
このの
恋愛
公爵令嬢のローゼリアはある日前世の記憶を思い出す
そして自分は友人が好きだった乙女ゲームのたった一文しか出てこないモブだと知る!
「私は死にたくない!そして、ヒロインちゃんの恋愛を影から見ていたい!」
死亡フラグを無事折って、身分、容姿を隠し、学園に行こう!
そんなモブライフをするはずが…?
「あれ?攻略対象者の皆様、ナゼ私の所に?」
ご都合主義です。初めての投稿なので、修正バンバンします!
感想めっちゃ募集中です!
他の作品も是非見てね!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる